時々眺める富士山

マツタケご飯がおいしかったそうだ

今日の訪問時、母は車いすに乗って、ホールで昨晩のNHKの歌番組の録画を見ていた。
こちらの顔を見ると、「お帰り」といった。
介護の宮川さんが、誰だか分かる?と尋ねると、ちゃんと私の名前を答えていた。

「歌を歌いなよ」
「けがをしないように」
「今日はお父さんが朝からいない」
などと、次々としゃべる。
お父さんはもういないと、写真を見せると、すぐに納得して黙る。

「歌いたい人は勝手に歌っているみたい」
「皆が歌を歌ってしまい、収集が付かなくなってしまった」
「智恵子は留守だった」
「家に帰って、皆の前でクリスマスしてもいいよ」
「お前のせっかくの休みを無駄にしちゃうといけないから」


「先になると、いろいろあるから」
「なんでもいいよ」

今日も介護の宮川さんを小百合ちゃんと呼んでいた。
もう訂正しないことにした。

別の介護の方が、今日は昼にマツタケご飯を食べたことを知らせに来た。
「おいしかった」
沢山食べたそうだ。
健康診断も行ったそうだ。

例によって、背中がかゆいと盛んに訴える。
背中を下着の上から掻いてあげる。

「お風呂に入っていないから」
「入りたいって言ってるんだけど」

「今日は町に行って買い物をした」
「お金がいるね」
「あんまりたくさんではないけど」
「50万ほど買ってきた」あるいは「50万ほど持ってきて」
「木谷さんのあれもあるから」

「詩をね。今年の詩はこれだと思ったんだけど」
「それはよくわからない」
「小百合ちゃんはよく働く」
「私のお尻も、あれから5回ぐらいやってもらった」

このようにつぎからつぎへと話す。
こちらの話を聞くことなく話す。以前の状態に戻っている。

こちらからはほとんど話ていない。
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