時々眺める富士山

父とパソコン(4)

父がN5200をどの程度使っていたのかは、離れて生活していた私は詳しくない。ただ、1988年にNECがPC9801RA2を発売すると、即座にそれを購入している。ハードディスクを内蔵していない、5インチフロッピードライブが2基付いた本体価格49万8千円のマシンだった。父が73歳の時である。

ハードディスク付きのRA5を購入しなかったのは、おもちゃとして高価すぎると思ったのか、ハードディスクの便利さを認識していなかったのか、セールスマンが勧めなかったのか、理由は定かでない。

性能的には同程度で、前の機械の価格と比べると大幅に安いことから、新し物好きの父はすぐに購入したのかもしれない。ただ、今のようにネットワークや通信機能が当たり前の時代とは異なり、OSが異なり、フロッピーディスクのサイズが異なる2台のパソコンでのデータの共有は難しい。

結局、主力のマシンは、最初に購入して使い込んでいるN5200の状態が続いたようだ。

一方私は、RA2より若干遅れて発売された3.5インチフロッピードライブが2基付いて、40MBのハードディスクが内蔵されたPC9801ES5をセットで60万円ほどで購入した。当時、パソコンはどんどん性能が向上した新型機が、それまでの性能の劣る機種より低価格で販売され続けていた。そのため、買い時が難しく、パソコンを買えない人間というのが話題となった。

私はそれとは真逆で、最初の機械を購入した時期は決して早くはなかったが、その後、それまでより安くて性能が高い機種が発売されたのだからと、次々と新型機を買い足していった。結局ノート15台、ディスクトップ7,8台、ハードディスクは数知れず、スキャナー、プリンターなどの周辺機器を購入し続けた。カラーのノートが50万円する時代に、数か月に1台それを新規購入するという、経済破たん者の状況を続けていった。今までに1,500万円ぐらいが消えて行っただろう。数年前に、陳腐化したそれらの機種を、相当の処理費用とともに処分した。そして、大きなむなしさが残ったことを覚えている。

私は、高額なソフトも買い捲った。一方の父は、パソコンを購入すれば、ソフトは付いてくるものといいう考え方が一生涯変わらず、自分でソフトを購入することはなかった。少なくともRA2以降、製品添付以外のソフトを自分で購入したことはないはずである。
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