高樹のぶ子のSIAブログ
敗者の季節
今日も、北京では熱闘が繰り広げられました。
女子プロレスは、金と銀・・
伊調千春選手の銀は、正直、物足りませんでした。
ファイトする気持が、見られず、銀で満足しているような気がしました。
金が取れないなら、他のメダルはいらない、というぐらいの、突進パワーが欲しかった気がします。
そのあとの、吉田選手の闘志は素晴らしかったですね。
女王の貫禄でした。文句なしの金でした。
相手は中国。
吉田選手が表彰台に上がり、君が代が会場に流れたときの、背後の中国の応援団を見ていました。
中国の国旗を振り続けていた男性は、勝った吉田選手にずっと拍手をしていました。
この4年を競技に費やして、他のことをすべて犠牲にして練習をつんできて、それでも、メダルにもテレビインタビューにも無縁なまま、去っていく選手がほとんどです。
テレビ画面に映らない、敗者のことを想像してしまいます。
どんな気持で、競技の場を去って行くのかしら。
良く「自分らしく闘う」とか「自分の泳ぎをする」などと言います。
自分らしく、というのは、別の言い方をすると、「他の誰も理解してくれなくても、自分が納得できる」ということでしょう。
それでダメなら、ダメでも仕方が無い、という大きな諦念が、勝負心の裏にはあるような気がします。
その心境から捨て身のファイトが生まれてくるのだと思います。
人間は欲張りな存在です。
アレも欲しい、こっちも欲しい。
優柔不断な欲張りは、オリンピックには出てこれない。
その意味では、オリンピック選手はすべて「潔い」人間なのかも知れないですね。
であれば、敗者もまた、潔く去っていくのでしょう。
人生を投入して、しかし敗者となった多くの選手に、「負けた心境」を聞いてみたいですね。陽の感動より、陰りのある言葉が欲しくなります。
オリンピックが終わると、急に秋が来そうです。
秋は敗者が蘇る季節。
蘇るためには、心身をすべて費やして、潔く、後悔の無い日々を生きて行かなくては・・
遠藤周作さんが言っておられました。
「井戸の底に、もう一滴もないほど汲み尽くしたと思っても、水は湧いてくるんです」
汲み尽くしたから水は湧いてくる?
高樹のぶ子
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ブログの最後のところ、そこにつづく隠れた言葉は、「奇跡」です。
親戚の出場選手もメダルには手が届きませんでした。
潔い、といえば潔く、絵の才能もある美人で繊細な女性です。
早大のとき全国優勝し、大学院の博士課程まで出ています。
三度目のオリンピック。大勢の応援で送り出され、人に言えない腰痛と戦い、そして結果を目の当たりにします。
それにしても、自分を全力でぶつけられる対象があること。素晴らしい事だと思います。
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地下水は汲み尽さないと、それが湧いてくることを確認することはできませんね。それと同じく、人間の愛と知恵の無限性はそれを組み尽くして初めて実感することができると言うわけです。僕にも大きな励みになる言葉です。愛と知恵に関しては、汲み尽くすことを恐れてはいけないということだと思います。
宿根スミレに妻黒ヒョウモンチョウの大きな幼虫が十匹近くも付いて、葉っぱを丸坊主にしてしまいました。
餌が足りないかもと、二階のベランダのスミレの鉢を下ろし、近くに置いてやる始末、蝶の乱舞を期待し、蛹になり羽化するのを観察しようかと。
この美しい蝶も幼虫はぞっとするほどのグロテスクさ、でも今日の低温にさぞ驚いていることでしょう
いつもオリンピックと云えば短距離種目は欠かさず観てます。
男子100Mのジャマイカ、ウサイン・ヴォルトの走りの映像を観て、何と美しい走りなんだと感動しました。
明らかにベン・ジョンソンやカール・ルイスの走りとは、全く違ったレベルの美しさが在りましたね。
これは僕の中でもジョンソンやルイスの走りは、恐らく忘却してしまいそうです。
こうして世界新記録の走りによって、前者は敗者にもなって行くのでしょう。
それにしても無理のない美しいフォームと、余裕のある走りを支えているのは、彼の196センチの身長でしたが、その巨体を鍛え上げた、彼に乾杯したい気持ちになりました。
あの走りだと、何度も世界新記録を打ち立てるでしょう。
科学的練習によるU.S.Aが得意種目だった短距離を、野性の国ジャマイカの選手が、軽々とあっさり飛び越してしまった今回の短距離、これからのスポーツ精神に、変化をもたらすことでしょう。
ふぅ~っ、あの走りは凄かった。野人強し!
ジャマイカ、ウサイン・ヴォルト!ありがとう!
僕は子供時代かなりの小柄で、しかし何としても常に一等を取らないと、四月生まれの学年でも一番速い妹に、馬鹿にされそうで随分鍛え上げて運動会に備えました。w
そんなこんなで短距離が得意になってしまった訳です。
オリンピック、我々敗者は白桃&清水白桃を!清水白桃が現在は一番お奨めです
どちらも木目の細かい果肉ですが、従来の白桃は心の赤い所が、少し独特の苦味が残ります。
>人生を投入して、しかし敗者となった多くの選手に、「負けた心境」を聞いてみたいですね。陽の感動より、陰りのある言葉が欲しくなります。
同感です。
陽の感動は一時的な元気とエネルギーを与えてくれて確かに
有り難いのですが、陰りのある言葉は身と心にずっと沁みてゆくような気がします。負けた選手には酷でしょうが数年後の感慨など是非聞いてみたいです。そんなレポートの本があるといいのに・・・。
ずっと考えていた(今も考えていますけど)のが、「敗者のプロジェクトX」という番組ができないか?---ということでした。高樹さんが、オリンピックに出場できない人たちのことを書かれているのと同じように、実社会では、敗れ去る者は、とても多いです。しかも、長い間の必死の努力に対して、「よくやったね。お疲れ様」ではなく、冷たい仕打ちを受けたりします。
何とかして、敗者の存在価値も認めてほしいと思っています。自殺大国と言われる日本----その自殺の多さの原因のひとつが、この(敗者の存在価値を認めない)という雰囲気ではないか? と感じています。
それは男子四百Mリレーの銅メダルでした。
他国のバトンプレーの失敗で得た銅メダルでしたが、これは凄い足跡を残せたと思います。
いつもいつも日本の男子短距離は、他国の引き立て役ばかりで、日本人の体力的コンプレックスの、象徴的競技種目でしたから、イヂましいメダルですが喜びました。
オリンピック、総じてがっかりしてニュースでしたが、日本人は総じて敗戦の中に生きる喜びを、感じる特技でもあるのでしょうね。
これ、冗談のつもりでが実態でしょう。
敗者の季節、昨日長女の結婚披露宴が終わり、スペインの来賓達にいろいろ有って、敗者の気分を味わっている今日です。
此処では語れませんが、流石ラテン系の人達でした、ヤラレてましまいした。少々ムカムカです。(笑)
凄いのはワイフはそれを読んでいました。呆れた。(爆笑)
長男の披露宴の時は、是非とも勝者の気分を味わいたいものです。
しかしながら余り期待出来ない予感がしてます。