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高樹のぶ子のSIAブログ

2010年11月09日 / 最近の出来事

外交の質の変化

日本の外交は、自民党の長い戦後の時代と、去年からの民主党政権になって
からと、大きく「質」の違いがある、ということに、誰も言及しません。
「弱腰」「戦略が無い」と民主党外交に批判が集まるだけです。


けれど本質的に「質」が変わったのでは無いでしょうか。
これを劣化ととるか、透明化ととるか・・


日ロ外交は、鈴木宗男氏やロシア専門外交官が、担ってきました。
沖縄返還のときも、アメリカと様々な密約があったようです。佐藤栄作氏は
密約を国民に明らかにしたのでは、返還が不可能だと判断したのでしょう。
後日、ノンフィクション作家がそれについて「密約」という本を書いたと記憶
しています。核に関することも、政府間で「約束」が存在していました。
中国とはどうか。
田中角栄氏と当時のトウショウヘイの約束が、尖閣に関しては、あったらしい。


いずれも「専門家」や「その筋に通じている人」が国益を考えて動いた。
結果良ければ(国益に叶えば)、途中の闇は握りつぶした。
人脈外交であれば、成立過程に闇(公に出来ない裏取引など)が存在するでしょう。


国民に示せないお金も動くでしょう。
政治家や専門家の私利私欲ではなく、国益のために、裏でお金が使われた。
そうした闇があっても、その向こうに「より良い結果」があり、それが日本の
国益に叶えば、それで良かった。
結果オーライで、結果が悪ければ当然批判されました。
ムネオハウスを100軒建てて、それで北方領土が返還されれば、
結果オーライで、 本当は安いものです。
そんなものでは北方領土は戻って来ませんでしたが。


けれど日本の国民は、そうした旧来の外交を否定し、外交交渉のプロセスに
関しても情報開示を求めました。結果として外交に関する「闇」が認められ
なくなった。


外交の透明性を求めたのは、国民自身(メデイアを含めて)です。
その結果、「透明化」は進んでいるけれど、「原理原則」で国民を納得させ
られる手法しかとれなくなった。
国民へ示せない外交プロセスは、とれなくなったわけです。


この原理原則は、けれど日本国内には当然の原理原則であっても、外国に
とっては全く通じないものであることが多いわけです。原理原則は妥協の余地が
ないからこそ原理原則なのです。
結果的に「妥協の余地がない日本」となります。


「北方四島は、ソ連の国際法違反で占領されているのだから、丸ごと返せ」
というところから一歩も動かない日本となります。
これは自民党政権の時代ですが、この原理原則を外れて「二島返還」に応じて
いたら、政権が倒れてしまうと考えて、出来なかった。
おそらく北方領土は、永遠に、一島も戻って来ないでしょう。
その確率は、年月とともに、どんどん高まってきます。


自民党政権ではいくつもの「国民への隠し事」がありました。
政府への批判があっても、それで政権が揺らぐことが無かったから出来た
ことです。


その隠し事が民主党政権になって、次々に暴かれています。


ここではっきりしてくるのは、政権が弱いときは国民の大多数が納得する
「原理原則」しか使えないということです。
強い政権(かどうかは別にして、少々のことでは揺らがない状況)でなくては
外交において、「実利をとる妥協」は出来ないということでは無いでしょうか。


私は日本国内の原理原則が通じない外国との外交は、政府や外務官僚に、
一定の権限(お金も情報も含む)を与える。
つまり、国益という目的のためには、在る程度プロセスに目をつむることも必要
だと 思っています。そしてそれだけの力を、政府に与えることです。
そしてそのすべてを、30年後、あるいは一定の年月を経て、国民に情報公開
する法律を定めることです。
歴史の審判にかけることが条件にされるべきです。


けれど自民党政権では、闇は永遠に闇のままで置かれると考えられていた。


中国政府の読み違えは、前政権からの暗黙の了解が、引き継がれていると
思っていた、政権交代の意味が理解出来ていなかったのでは無いでしょうか。


これまでも漁船の領海侵犯は何百回もあったはずです。
今回のように、衝突してきた事例までは無かったにしても、アブナイことはきっと
何度もあったはずです。けれど「大げさなこと」「逮捕」などはしなかったし、
してもすぐにリリースしてきた。それが暗黙の了解としてあったので、
最初はじっと様子を見ていたに違いありません。
「暗黙の了解の継続」に期待したのでしょうが、民主党政権のよりどころは
原理原則ですから、結果、温家宝氏の国連でもコブシ突き上げとなって、退くに
引けなくなってしまった。
中国にとっても自国の(原理原則)をブチあげるしか無くなった。


これは中国の日本政治へのリサーチ不足です。
日本の政治体質や外交手法は変わったのです。
忘れてならないのは、変えたのは我々国民だということです。


私がニュースで漁船の船長を連行したことを知ったのは、9月20日すぎで、
22日のブログにこう書きました、


・・・日本の法治下で、けれど可能な限り早めに決着をつけて、船長を帰す
べきです。日本の法治下で執り行われた事案は、将来ともに、日本の領土である
ことを確定すると言っても良いほどの「既成事実」となります。
中国はだから「許せない」のです。
政治的な取引ではなく、可能な限り簡易なカタチで、けれど「日本の法」で
対処することが何より大事だと思います。・・・


これを書いたあと、いろいろ反論もありましたが、今もそれがベストだったと
考えています。
逮捕して数日以内に、司法判断をして(当然中国政府は怒るでしょうが)、
間を置かずさっさと返す。あとは中国政府がこの事実をどう消化(公表も含めて)
するかです。
もしこれで済んでいれば、日本にポイント一点(日本の法律での司法判断)です。
外交はポイントの積み重ねでしょう。


けれど「尖閣は日本の領海」→「中国漁船による悪質犯罪」→「日本で裁判に
かける」


という原則を完遂することを、国民は求めている。
それが完遂できない与党を、野党は「弱腰」「戦略が無い」と責めます。
責められれば責められるほと、大衆を納得させる原理原則に依拠しなくては
ならなくなります。


先日朝のテレビで、評論家のT氏が「どんなことがあっても、船長を国内法で裁く
べきだった」と上記の原理原則論を強く言いつのっていました。
それに対して、民主党議員が「三人(人質)が戻って来なくても、レアメタルが
ストップされても、日本(世論)は耐えられましたか?」と言い返していました。


私も訊ねたい。
耐えられましたか?
「弱腰」でない「強い外交」とは、具体的にどんな外交でしょうか?


白むくげ大和の風にくび寒し


高樹のぶ子

コメント ( 39 ) | Trackback ( 0 )

« さよならジャ... 環太平洋の時代 »

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コメント
 
 
 
隠ぺいされ続けた苛立ちをこらえて、今 (木蓮)
2010-11-10 00:30:28
公の場での発言は、無意味な批評や煽るだけの批判に終始してほしくありません。先生のご指摘通り、民主党政権は、支持者・不支持者・無関心層含む国民が託した政権ですから。

ワシントンDCのナショナルアーカイブを訪れた時、「情報」を「健全な民主主義の根幹となる国民共有の知的資源」だという共通認識に圧倒され、羨ましさを覚えました。(過去形)。

公文書管理法(2009年7月1日公布、2011年4月施行予定)。福田康夫元首相のリーダーシップで進められ、いったんは政権投げで(官僚に)骨抜きにされそうになりましたが、重要法案とみた民主党が巻き返して成立させた、と理解しています。情報公開法施行前に、都合の悪い文書は破棄されているとはいえ、今後において、将来の国民が正当に検証してくれるという安心感が、厳しい批判や中傷に耐え、将来的な発展にもかなう為政につながると信じています。
新たに将来の国民に対しても説明責任を負った民主党政権が、説明責任を放棄し続けた政権を引き継ぎ、説明をはしょられ続けた国民の苛立ちをも受けて、この難局で舵を取っています。荒波の中、前進する日本丸。こんなちっぽけな私自身も、将来の国民に対して責任を負う一人です。状況を観察、談義しながらも、重責を担われる方々の献身に、心からの感謝とエールをおくります。
 
 
 
Unknown (木蓮)
2010-11-10 00:45:30
今の機密も後には公開する、と法が定めるアメリカのハイスクール生達が、社会科の授業で、いっぱしの検証をしているのにはうらやましい限り。もし、日本の外交が弱いとしたら、(人材育成の課程である)高等教育にも一因があるのではないかと、市井の意見。
 
 
 
弱腰からの転換 (昭和のマロ)
2010-11-10 07:21:54
 日本は戦後、平和国家として世界第二位の経済大国の地位を得るまでになりました。
 その裏には、外交的には屈辱的ではありますが「アメリカのポチ」として甘んじてきた吉田茂的戦略があったのです。

 その戦略の下に外交的には国民に明かせない密約もあったでしょう。これは外交にはつきものです。この点は高樹先生がおっしゃるように我々国民は認めなければならないでしょう。

 透明性を訴えて政権を取った民主党も、実際に政権の座に付いてみるとそうもいかない現実に悩んでいるようです。
 その辺が国民には情けない<弱腰>として映るのです。

 しかし菅首相が「5年後に評価されることになるだろう」と言っているところをみると、何らかの成果を実感しているのかもしれません。

 昭和のマロ的に言えば、「属国的外交から抜け出す第一歩」と見ることもできます。
 つまり、先ず中国漁船を拿捕し、船長を逮捕したという事実です。これは今までの政権にはなかったことです。
 しかし、評論家T氏のように一機に国内法で裁くことには躊躇しました。
 今回はこの辺でとめておこうと考えたのです。
 幸か不幸か、ビデオ流出事件で真実も明らかになりました。

 その結果、中国の<覇権的性格>が暴露され、今後の日本の国際政治に対する姿勢を明確にする第一歩になったとも言えます。
 つまり、日本は中国のように<軍事力>を背景に外交を運ぶことはできません。<力>による対立を無くするよう国際社会に<言葉>で訴えていくことに外交力を発揮すべきです。

 問題は現政府が「属国的立場から自主的立場」へ移行する第一歩だったと認識しているかです。

 とかく日本は戦後の「属国的立場」に安住して、最近では米国から中国へ乗り移るべきだという考え方すらあります。
 日本にとって<弱腰>ではない外交とは、経済力を背景にして、各国が<調和>を求める世界を構築することを外交の軸とすべきでしょう。
 つまり<言葉力>と<経済力>に頼るということです。
 
 そのためには身の程をわきまえて一歩一歩ではあっても、しかし、芯はしっかり持ってということでしょう。

 もちろん、前にも言いましたが、防衛的な軍事力はしっかりと保持しなければなりません。
 それが現実ですから。
 
 
 
 
情報流出と情報開示 (木蓮)
2010-11-10 15:09:46
先生のお考えを辿るように拝読しました。
どうしても引っかかることがあり、再三の投稿お許しください。
前記事のコメントで、ビデオを『見ることができて良かった』とされ、野党が菅政権の管理能力を問題視することに疑問を述べられています。
しかし、『国益の為にある程度プロセスに目をつむることも必要』だとお考えならば、政府が公開しないと言ったビデオが流出している事態こそ、問題にすべきではないでしょうか。
私は「強い外交」を望んではいませんし、政権がコロコロ変わることにも反対ですが、情報が漏れるようなタガの弛んだ政権には発破をかけます。国益にかなう外交を担ってもらうために。
機密が機密でなくなる政権ほど、他国からすれば御しやすいことこの上ありません。
貴記事の主張と流出容認は矛盾するように思うのですが、、、私の読みの浅さでしょうか。

『けれど日本の国民は、そうした旧来の外交を否定し、外交交渉のプロセスに関しても情報開示を求めました。』
日本国民は、交渉のプロセスまで開示を要求しているのですか?本当なら恐ろしいです。
公文書は保管されることになりました。将来必ず検証できますから、今は落ち着いてまいりましょう。
 
 
 
ムクゲ (Gc)
2010-11-10 17:42:18
尖閣問題の他にもTPP交渉や北方領土と外交問題が山積してますが、先生の仰っておられるスタンスに賛成です。
「弱腰」=損して得とれ
「強い外交」=武士は食わねど高楊枝
後者の方が格好良いとは思いますが輸出で成り立っている現状ではいたしかたありません。
日本国民が今の生活レベルを半分位にする覚悟があれば後者でも良いでしょう。

弱腰って言い方に問題があると思います。
「巧い外交」で良いではないですか。
メディアで弱腰外交だと聞かされるたびに強国日本の再生を煽ってるみたいで怖いです。
気がつけば軍事大国日本なのです。

海保職員の行為は大げさに言えばテロです。
彼に同情はしますが英雄にしてはいけません。
憲法9条改正の声が高まらないことを祈ります。
 
 
 
政府は統治してるのかな? ()
2010-11-10 22:00:44
外交の前提の国内の統治が、
為されてないかのような出来事の連続ですね?

昨今の政治の鏨の緩みのせいで、
追っ払うのだけが仕事だった海上保安庁、
米軍筋の圧力で防衛省筋からでも頼まれ、
ひとり芝居になってるのが実態の様相に見えます。

やはり中国漁船拿捕の実行については、
軍拡や普天間問題をスムーズに進めたい、
その筋の事件だったのでしょう。

証拠の特定が難しいのを好いことに、
何でもできるのが現場の制服組の特権です。

こういった事態が起こるのは想定しましたが、
やはり菅内閣が民主的な国勢選挙で選ばれてないので危険です。

参院選大敗北したにもず続投では、
防衛関係や検察関係もあちこちで、
こういう揺さぶりを政府にかけても、
大多数の日本の国民は同情し支持する恐れが有ります。

ところで先日の検察審査会の11名の審査員の平均年齢31.5才だったそうですが、
少子高齢化の時代に一体全体、
何故こんなに平均年齢が若いのでしょうか?

明らかに弁護士よって意図的に選ばれた、
年齢構成だったと思われます。


 
 
 
流出 (高樹のぶ子)
2010-11-10 23:49:59
ヴィデオをみることが出来て良かった、というのは本心ですね。映像としては本当に漁船がぶつかってきたように見えますから。そう見えなかったらどうしよう・・などと内心でびくびくしていたのは確かです。
けれど、国家の情報が漏れるのは困る。情状酌量するべきにしても犯罪は犯罪。

多くの国民と同じ気持ちです。
 
 
 
粛々と (木蓮)
2010-11-11 00:43:41
中国の横柄さだけが印象に残るシナリオが、大鑑が庶民船を駆逐するかと思わせるような映像によって崩されなくて良かった、、というコメントだったのですね。引っかかりが溶けました。ありがとうございます。

流出は、情状酌量の余地ない職務違反。動機が憂国であるにせよ、明らかに国益に反する、背信行為です。
ネット上では、擁護が優っているように感じられて心配していましたが、多くの国民が犯罪だと認識しているとのこと、安心しました。

『粛々と』での政府支持に大いに賛同。当時「それにしても船長釈放が早すぎる」と反論していたこちらの友人も、今は「中国の横暴を際立たせ、その後の外交日程(オバマの訪印も含む)を考えてもベストの戦略だ」と私の見解(?)を評価してくれています。先生の受け売りなのですが。。。『Translucent Tree』を紹介しました。プレゼントしようかな。

 
 
 
前原犯人説 (サイヤ)
2010-11-11 11:26:33
ビデオの存在に言及して、逮捕が正しいと主張していたのは前原大臣だったと記憶。

外交ルートを通じてビデオを中国に示して解決を図ればよかったのではないか。外交交渉のプロセスもわからぬまま、中国に船長を返してしまった。

前原氏はビデオがある。そのビデオを見れば日本が正しいなどと公言すべきではなかったのではないか。外交カードをカードにし得てない。言葉が軽い。

彼の発言がなければ、そしてそれ以降の一連の動きが違っておれば、海保保安官を罪人にすることもなかったかもしれない。

海保保安官よりも前原氏の方が重罪ではないか。

ロシア大統領の二島訪問の際も、大使を一時帰国させて「おっ!」と思わせたけど、召還でなくてあくまで一時帰国と言うので、果たしてこれは対抗措置だったのかわからなくなった。

前原氏の外交プロセスはわからない。

彼が国交省時代に八ツ場ダムは中止と言ったのに、馬淵大臣は中止とは言わないという。

前原氏の言動は国益を考えてもう少し慎重であるべきではないか。
 
 
 
サイヤさんへ (昭和のマロ)
2010-11-11 14:12:54
 今回の尖閣事件を結果的に見れば、ダメージを受けたのは、明らかに中国サイドです。
 その覇権的な姿勢が浮き彫りになり、国際的に中国に対する警戒感を植えつけてしまいました。
 外交面でやりにくくなったと頭を悩ましているのは日本より中国です。

 その引き金を引いたのはおっしゃるように前原氏の中国人船長逮捕命令です。
 これまでの尖閣諸島における好き放題な中国漁船の行動に対し、彼はこれまでの事なかれ主義から脱皮の第一歩を目指したのでしょう。
 かといって一気にこれまでの外交姿勢を豹変するわけにはいかないので、今回は船長釈放に止めたのです・
 中国は放っておけば、白樺ガス田にも見られるように、なし崩しで日本の弱腰外交に付け込んで来ます。
 ここらで毅然と対応することが国益になると考えたと思われます。
 APECの閣僚会議では、早速レアアースに絡めて保護主義的貿易行為を規制すべき提案をして他国に働きかけています。

 外交は二国間だけでなく、いかに他の国にアピールするかも考慮しないと、発言力も得られないし、真の国益を求めることができません。

 ロシア大統領までも日本の弱腰に付け込んで、ダメモトで<北方領土は4島とも返還しない>という意思表示をしてきました。
 事なかれ主義ではいつまで経っても事は解決しません。
 今度の首脳会談では、強行に自国領土を返すよう申し入れるべきです。
 外交は強気の姿勢から始まるのです。
 
 
 
尖閣ビデオ流出 (昭和のマロ)
2010-11-11 14:31:36
 ただ、尖閣ビデオは当方の正当性をを示していると確信しているのであれば、なぜ非公開にしたか、この点についての政府の対応には疑問符が付きますが・・・。
 
 終始一貫した戦略がない現政府の腰抜けぶりが気になります。どう立て直すのでしょうか。
 
 
 
内部告発 (浜田英季)
2010-11-11 19:38:35
インターネットが普及したお陰で「内部告発」ができるようになりました。先生のような著作権を生命線とされている芸術家のとって、危機でもあり、収入アップのチャンスでもあります。内部告発が出来るお陰で、隠れていた事実が次々と表面化します。面白い時代がやってきたものです(笑顔)
 
 
 
産経新聞 (高樹のぶ子)
2010-11-11 23:42:37
産経新聞のネット上での反中記事は、イヤですね。日本人の感情に反中感情を生み出そうとしているようにしか思えないものもあります。それを政府批判、あるいは自衛意識(軍拡)につなげて行く意図があるのかと思ってしまいます。

一人の先鋭的なブロガーの反日言動を日本に紹介すれば、それが中国人全体の感情のように受け取る日本人もいます。

今日は、ある女性記者と食事をしました。彼女は数日前に上海から戻ってきたばかりです。
「上海のフツウの人たちは、尖閣のセの字もありませんでした。一般の中国人にとって尖閣など問題ではないのです」

愛国心を政局に利用する言動には、私は反対です。
自国を守ることはもちろん必要ですが。
 
 
 
同感 (木蓮)
2010-11-12 07:48:28
固有名詞を明記してのご批判、心から同意いたします。

読者も煽られないよう、心したいです。
 
 
 
Unknown (肩こり)
2010-11-12 15:32:31
だいぶ寒くなってきましたね
体調に気をつけて
頑張ってください(^-^)
 
 
 
Unknown (さぶ)
2010-11-12 22:19:50
北方四島は論外、ロシアによる火事場泥棒どころか強盗そのもの。その事実を言い常に返還を要求を続ける事が大切でしょう。
ロシア国民が事実を知ることが重要で、曖昧にしていればこそ永遠に帰ってこないように思います。

竹島、尖閣諸島も韓国、中国共に自国の領土というのならその根拠を示して欲しい。
少なくとも私が知りうる限りでは日本の領土。
まあまあ、先送り、曖昧・・・日本のDNAか?と思われるいい加減な取り組みをしてきた政権が国民のプライドを壊していると思いますよ。
民主の長島氏?の「レアアース、3人の解放がどうなっていたと思います?」との反論は、人質を取られて過激派集団を超法規的措置とかで釈放した福田タケオとほぼ同じ発想。
脅されたら何でも言う事を聞く日本!万歳!!


 
 
 
市井の日本人として、 (木蓮)
2010-11-13 00:19:54
市井のロシア人が北方四島を、市井の韓国人が竹島を、市井の中国人・台湾人が尖閣諸島を、何を根拠に、どう認識しているのか、心して聞いてみたいな、、、と思いました。それはすなわち、私が、認識が違う他者に対して、どういう理由で尖閣諸島を日本の領土と認識しているのか、を伝えることの裏返し。
それぞれの国の当事者ながら、歴史を辿る上では、同じ時代を生きる者同士。共通の歴史認識、って言うのでしたっけ。生活者同士なら、穏やかに世界史談義に花開くかも。

ノーベル平和賞について、北京出身で民主化を願う青年の意見は、共産党政府擁護でもなく、活動家非難でもない、彼自身の考え方でした。他者の考えを辿れる貴重な経験でした。

帰国した友人から、学校の行事で中国に行くと聞いた息子はしみじみと、この状況下での一般の中国の生活風景を肌身で感じられること、この状況下でも取りやめない学校に通えてること、を羨んでいます。
彼自身、東アジア出身の友人らと、国家の枠をすり抜けて笑いあっています。かけがえない財産であり、願わくは、多くの若者達がこのような経験をしてほしいと願います。
 
 
 
領土の根拠 (高樹のぶ子)
2010-11-13 00:59:08
せっかくの機会なので、領土を主張する根拠について考えてみたいです。
自国の領土だと主張する根拠は、どちらかが100%の利があると思われがちですが、すべて相対的なのです。

すごく極端な例で言うと、13世紀にはモンゴルがユーラシア大陸をぶんどっていたわけで、それを根拠にして、中央アジアは全部モンゴルの領土だ、と言うことも出来る。あほ!と笑われるだけですが、それでも根拠にしようとすれば主張することだけは出来るのです。

尖閣は日本の領土だと、もちろん私も思います。けれど日本のその主張が95ポイントであれば、中国の言い分は5ポイントか、その程度です。ですから結果的には日本の領土なのです。

交渉ごとは何であれ、相対的です。刑事事件は「やったか」「やらないか」の白黒どちらかですが、外交はどんな案件も相対的。95対5であっても、55対45であっても、結果は日本の領土ですが、同時に、相手の言い分もともかく「存在すること」は確かなのです。

けれど、多くの日本人は、95対5では納得しない。
100対0だと言いつのる。おまけに感情的になる。
「そもそも論」「原理原則論」以外、受け付けない。

結局、何も得られない状態が続くわけです。政権がころころ変われば、相手国だって、まともに相手しませんよ。政権が弱体化すればするほど、原理原則でしか動けなくなるのは、記事に書いたとおりです。

北朝鮮の拉致で、日本は徹底的に原理原則を主張してきました。
「犯罪行為で日本人を拉致」「一人残らず返せ」「死んだ人間なんていない、みんな生きているんだから、生きたまま返せ」
正しいですよ、全くすべて正しい。整合性がある。
けれど、「実際に拉致の解決」に近づいているでしょうか。
「もっと強く出ろ」「弱腰だからナメられる」
そうやって、前進したかと言えば・・??

結局最後には、核を持たなくては、相手に言うことを聞かせることが出来ない・・ということになるけれど、実は核を持ったところで、無駄なんです。

「政府に戦略の実行」をさせるには、国民は感情を抑えなくてはならないのではないでしょうか。
 
 
 
Unknown (木蓮)
2010-11-13 04:15:40
国民は『感情を抑える』のではなくて、相手の立場や考えを辿ることで、『妥協点を理解』できるようになるのだと思います。

自分の主張をしつつも、相手がどう受け止めるかを考える。相手の主張の背景を想像する。・・・人間関係の基礎でもあり、大人ならば当然のこと。なぜ、「大衆」になったとたん、それができなくなるのか、それ以前に、日本人はそれが苦手なのか。

ただ煽られてるだけのような気がします。

ビデオが流出した時、中国政府は「やらせ」だと思ってるだろうな、、と想像しました。瓢箪から駒で、日本有利に。だからこそ、保安官は情状酌量されてはいけないと考えました。CIAも絡んでるんじゃないの?・・・煽られて直情するのではなく、一人一人が自分の頭で世界情勢や自国の戦略について想像できたらいいですね。その上での批判こそ有益です。
 
 
 
国民に期待する? (昭和のマロ)
2010-11-13 08:15:36
 先生や、木蓮さんの言うように「感情を抑えよ」とか「妥協点を理解せよ」と国民の個々に訴えてもムリです。
 我々のような一般大衆はちょっとしたアジテートに煽られやすいものです。
 特に原理原則論は簡明で分かりやすい。
 原理主義的な宗教がいい例です。

 むしろ現実的な政治を行える人を為政者として得なければなりません。
 もちろん、現実的といってもその芯には高邁な理念を持つ人でなくてなりませんが。
 その上で、現実的な実利を心がける政治家です。

 少なくとも現実は国という単位で国際政治は動かされています。政治家は人類全体を考えるという理念を持ちながらも、(でないと国際的に説得力を持ちませんから)国益を考えるというのが政治家が期待されるのです。

 例えば北方領土です。
 これが日本の領土であることは先方もある程度理解しているんです。
 戦争で得たものは自国のものだという通念で考えているようですが、獲得した経緯に国際的な理解を十分に得られないことも認識しているので2島なら返してもいいということも言っているんです。
 放っておいてはいけません。
 周辺の海洋資源という観点からも第一級の国益であると政治家は認識すべきです。

 国民個々より、政治家に期待すべきです。
 
 
 
政治家に期待するからこそ (木蓮)
2010-11-13 09:49:57
いつかマロ様がおっしゃってました。政治家の質は国民の質を反映する、と。
だから、政治家に期待するからこそ、自分も含めた国民のあり方を考えます。
菅首相も、国民一人一人が主体的に考える政治を目指す、と表明されたと記憶しています。その菅首相は、我々国民が、議院内閣制に基づいて選んだ首相です。それに応えたい。

人的資源。
時代を担い、次代を育成している責任を感じています。その責任を、みなさまとも分かち合いたいのです。啓蒙ではありません。
 
 
 
全く期待できない。 ()
2010-11-13 19:57:20
常日頃民主党に票は入れましたが、
まさか最悪の現在の三人組が政権を担うとは、
想定外なのでもちろん全く期待はしていません。
遠からずこの反動から日本の大衆が右傾化して、
先の小泉政権以上にお粗末な政権が生まれるのを、
何とか阻止しようと日々気を付けております。

ところで木蓮さんの「その菅首相は、我々国民が、
議院内閣制に基づいて選んだ首相です。」

これには異議が有りますね。
先ず民主党代表選挙日の前日に、
明らかに党規違反で小宮山洋子が7時のニュースで、
僅かな35万人の党員サポーター票を、
圧倒的にリードしているとNHKに流しました。
これは重大な党規違反です。

恐らく前日までは議員票は、
小沢一郎の方が多かったと思います。
何れ小沢派が議員数で巻き返すと、
党規違反で処分の対象になると思います。

これは前回選挙で漏らした先例が有り、
改めて党規違反にしたルールだったからです。

小宮山洋子は副大臣に納まってますね?

直近の菅内閣は民主党のマニフェストを、
次々と翻していますから近々消費税も可決し兼ねませんね。

円高の状況の変化に対応し、デフレ対策にと、切り出してね?

僕はこちらの方々も菅直人を支持した方は、
自民党支持者が多いと当初から判断してます。

三、四日前の菅内閣支持率25%だったそうですが、
なぜか急遽、昨日は35%と伝えていました。
どちらも内閣不支持率は55%ですよ。

とにかく国勢選挙で大敗北した内閣が続投するのは前代未聞、
あちこちの旧政権寄りの公的機関の、
愛国を詭弁にした反乱が後を絶たない筈です。
大敗北した議員を首相に支持すると御し易いので、
元々は旧政権の自公支持者しか支持してないでしょう?
だからと云って菅内閣には協力する気が、
僕には一切湧いて来ませんから、
日本のこの政権の在り方は非常に危険です。

海外の首脳も相手に何かしないしょう?

 
 
 
船長の禁足 (高樹のぶ子)
2010-11-13 20:26:59
今日は、あるシンポジュームのパネリストのお役目をつとめて、先ほど戻ってきました。
正確な情報を得ることの出来る立場の人から、食事の時に聞きましたが、例の中国人船長は、一時は英雄として迎えられたけれど今は、禁足状態だそうです。予想出来ない言動で、波風立てて欲しくないのでしょうか・・

昨日と今日は、黄砂が空を白く煙らせています。
 
 
 
Unknown (satoko)
2010-11-13 21:06:00
船長さん、さもありなん、ですね。
いつの世も変わらないのは…馬鹿を見るのはやっぱり弱い立場の者。本当の権力者はうまく逃げる。

考えることは多々ありますが今日の私はシビアです。







 
 
 
外交・領土など雑感 (夢の中へ)
2010-11-13 22:40:52
主体的・自律的にお考えになられる皆様のコメントに接し、日本も少しはポピュリズムへの耐性が出来てきて、民主主義社会としての成熟が感じられ、心強い安心感み満たされました。ほぼ同感です。見慣れた神戸の街並みやあの建物の映像にはショック(木蓮様も?)でしたけど。

大変な情勢・政権担当能力云々と国民感情を煽るマスコミ報道もありますが、この状況も視野を広く持って、アドバンテージに転換していただけたらと願います。

【塞翁が馬、汝の敵を愛せ。】
このたびの尖閣(中国)・北方領土問題(ロシア)およびオバマ政権の現状等のおかげで、ギクシャクした日米関係や中国の周辺国との関係を、しっくり強固にするきっかけに出来るように思えます。
日本のような狭い国土では、いくら軍備(核を含む)を拡張しても、戦前の参謀が認めているように、単独では防衛は不可能です。
アメリカ等他国との安全保障・諸条約の中に組み込まれること(自律・分散・強調)において、全体性の中でこそ現有自衛能力もその有効性を発揮できるものと言えます。
憲法改正(戦争放棄も武器に出来ると思います)、軍拡、核保有などはすべて無駄で、外交・経済発展にすべての資源・努力を傾注するべきであると思います。
なお、現憲法は、押し付け、翻訳と揶揄されますが、個人的には、日本人の立法能力(アメリカのフィールドワークは凄い)を超えた素晴らしい法律であると思います。前文だけでも再読されては。美しい国を夢見る人にはわからないかも。

【強かな外交】
部分最適の総和が、全体最適になるとは限らず、多くの場合はそうならないようです。
理想的な目、鼻、口などで顔を作っても、全体バランスなどの関係から魅力的な顔とはならないように、個々の政策が満点の対応を重ねても、全体としては、満点の政治結果が得られるとは限らないので、一度託せば、内閣も政権にも信頼感をおいて、少し長い目で政策や政治行動等を見守らなければならないのでしょう。戦略性があり、粘り強く、負けない=「強かな」外交の推進を望みます。(言うのは簡単ですが)

【目的と手段】
また、目的(戦略)と手段(戦術)の混同がよく見受けられるように思えます。
前者は、指針・原理原則的なもので簡単に変更するようなものではなく、後者は、状況に合わせて臨機応変、正奇併用、柔軟に(密約等も含めて)選択すればよいものと思われます。マニュフェストも手段に近いものでしょう。前提条件を明示して、刻々と変えていくべきでしょう。

【領土】
国家主権の及ぶ範囲が、領海、領空も含む領土の概念でしょうが、現状では、民族自決の原則とともに、経済力、軍事力、国際政治力等を含めた総合的な実力で決まっているように思えます。
相互不可侵条約などよく破られていますし、国際法で判断すれば、(ソ連がサンフランシスコ講和条約に調印していないので)千島も樺太南部も未だ日本のとなります。外交問題は、国家の実力や駆け引き、世界の情勢などが関係し、常に超法規的な案件であると思えます。

国家や領土は、所詮人為的なもので、地球からの借り物と考えるべきで、グローバル化等社会が変化すれば、また違った形態になることもあるように思えます。そういう意味では、「地球に優しい」というのは、高慢な発想で、「地球に謙虚(使わせていただいている)」と考えるべきであると思います。領土も同様で絶対的な領有には疑問があります。

最後になりましたが、私たち「国民」について。
「いじめ」になぞらえれば、いじめの構造は、加害者と被害者の二者では定着せず、第三者である「傍観者」がいじめに見て見ぬふりをするという消極的な加害者への加担から構造が定着し、エスカレートしていきます。
そういう意味では、ご指摘のとおり、政治家は国民の反映で、過去の政治等の失敗も国民・大衆に責任があり、国民が変われば、政権も与野党政治家も変わっていくことでしょう。まず、私たち国民が、主体性と自律性を持って変わっていかなければ。
 
 
 
黄砂と領土 (遅れてきたファン)
2010-11-13 23:42:18
皆様の真摯な議論のさなかに、コメントさせていただくのが適切かどうか判らないのですが、高樹さんの領土の根拠を読んだ際に思い浮かべたこと(もちろん私見です)をお伝えしたく、またお邪魔いたします。

世界は広いです。領土の概念も一通りではないと思われます。
私はたまたま海外と日本を行き来したり、しばらく駐在したりする半生を歩んできていますが、彼我の違いには感心することが多く、これもその一つかと思われます。

判りやすいように、人間を農耕民と遊牧民に区分すると、これは鮮明になります。そもそも、農耕民は必然的に土地を必要とし、そこに定住する必要から、「土地の保有」と安定した労働力の確保が必須となります。つまり耕して住む面積プラスアルファ(多くの場合外敵に備える緩衝スペース)が領土ということになります。

これに対し、遊牧民の場合は、広く移動していくことにより家畜の餌を確保し続けるため、誰かが土地を私有することは他の部族への迷惑となります。ゆえに、領土の概念よりも往来と通行の保障が及ぶのが自分達の棲息圏という意識になります。また、土地は私有物でなく公共財ということになります。おのずと、物理的境界線は軍事境界線以外余り意味の無いものとなりがちです。結局、「領土」の概念よりも自分達が棲息する条件を満たす「権利が行使できる範囲」が実質的な領土になります。

このことは、土地領有のみならず人間の生の別の部分にも影響します。例えば、農耕民にとっての自由とは定住の自由であり、遊牧民の自由とは往来の自由であり、自由の概念そのものが真っ向から対立します。農耕民は土地に手を加えるのが勤勉の証となりますが、遊牧民では土地に手を加えないのが一族末代までの繁栄を謹み深く全うすることになります。農耕民は水や種を求めて自然をいじり、必要なら近接する部族と対立・紛争を起こしても確保しますが、遊牧民は他部族との協調あるいは勢力バランスの維持が無くては棲息できません(遊牧民が争わないというわけではありません、むしろ本当に対立するとかなり凄惨なこともしばしば起こります)。農耕民は土地に縛られるので、攻められても逃げるわけにはいきませんから城を持ちますが、遊牧民にとって逃げることは恥でもなんでもありません。したがって城ももたず、財貨も持ち運びできるものに集約されます。

結局、領土の概念はその個々の文化体系にさえ影響を及ぼすものと思われます。

ひるがえって、日本人の領土の概念はどうでしょうか?四方を海に囲まれ、外敵に征服されたことも無く(戦後の占領は別物と考えます)、恐らくは領主様の治める範囲という程度の概念が近代以前の概念であったのではないかと思われます。つまり「おらが故郷」の範囲程度ではなかったかと思われます。近代になり、国家の体を成してきて初めて「日本国」になったものと理解されますが、それ故、遠い離島などはあいまいな扱いのままきていたのではないかと想像されます。そこには現代の明確な権利区分などの概念も無く、他国と互いに鷹揚に接していられた余裕もいくらかあったのではと想像されます。

したがって、今度の尖閣諸島・竹島・北方四島などの事柄は、遠く明治維新以来の日本の近代化プロセスの総仕上げの一つではないかと、個人的には考えています。要するに日本の近代化はこの事のみならずまだ終わっていないと思っています。そうであるのなら、これはまごうかたなき国民的議論のテーマと言われて差し支えないのではとも考えます。

日本の中だけではとかく内向きの議論が多くなりがちであることは気がかりですので、世界史に目を向け、国際社会における今の日本の姿を客観的に見つめ、高い志に基づいた国民的議論を希望したいと思っています。明治維新以来の立国の総仕上げと思うのならば、何年かかっても良いとも思っています。ですから今までの政権や現政権の枝葉末節に至るまでの批判よりも、もっと広範で高邁な姿をどうやって国民的に打ち出すのかが私の関心です。ただ、過度に右傾化することだけはご免こうむりたいですが。

尖閣諸島で私がいつも思い出すのは、80年代初頭のフォークランド紛争です。あれはれっきとした戦争であったはずです。
イギリスが空母インヴィンシブルを送り出すと新聞で読んだ際、これは間違いなく砲火の応酬になると怖い予感がしました。当時の日本のメディアは比較的のんびりと捉えていた記憶があり、違和感を抱かずにおれませんでした。

イギリスは大西洋を縦断し、若者を送り(たしか王族もいたのでは?)、自分の領有を保障する為、実際に戦闘行為に及んだのです。つまり、領土は結局奪い合うものという側面が残念ながら強いものと思われます。

これを見習えと言いたいわけでは毛頭ありません。ただ、領有の主張とは国際社会において時にこれほど激しいものであるということを自覚したいということです。しかし、イギリスのやり方で良いとも思っていないわけです。何とかして、日本らしい、独自の、もっと優れた解決法を編み出し、国際社会での尊敬を勝ち得たいものです。すでに日本にはそれだけの歴史と地位が備わっているはずです。

私は男なので、女性の気持ちが100%判るわけではありません(わかりたいとはいつも願っていますが)。しかし、例えば若い青年の母親の方々が、「領有の争いに決着をつけるので戦闘員になってくれ」と息子が言われたとしたら、どう反応するのか、気がかりです。私は良かれ悪しかれ日本は民主国家だと思っています。以前にも書かせていただきましたが、民主主義とは「個」の尊厳を守りえるものだと思っています。多様性はそこから担保されます。「日本のために行って来い」という母も、「ちっぽけな領有権のためにお腹を痛めて産んだ息子を送ってなるものか」という母も、どちらもありだと思っています。流されること無く、自身の考えと決断が認められる環境だけは守りたいものです。

現在、私は海外におりますが、黄砂のニュースをNHKワールドで見ました。人間の領土・領有の概念をせせら笑うかのように、砂粒は飛来してきます。もしも地球温暖化で海流に変化が生じ、尖閣諸島近辺の漁場が良いものでなくなったりしても(これはこれで怖い想像ですが)、中国漁民はあそこまでやって来るのでしょうか?人間はちっぽけなものです。でも、人間の思想や志は無限に高く大きくなれるものでもあると思います。
アジアの隣人達とより良い関係が築かれんことを。

雪にあらず 白くなりぬる 山々の樹々

長くなって失礼しました。









 
 
 
看板だおれ (サイヤ)
2010-11-14 09:09:30
民主党が議員定数削減の方針を先送りという記事をみました。

夏の参院選のマニフェストに公約していたので淡い期待を持っていたのに。

議員定数削減については、反対意見も多いけれど、国民の痛みを分かってもらうためには、議員が身を削るしかないと思っている。

それが、地方議会の議員削減や公務員の削減にもつながっていって財政赤字の改善にも貢献する一石何鳥かの政策ではないかと思っていたが・・・。

「有言実行内閣」という看板はガタンと音をたてて落っこちてしまいました。

先生が民主党の誰かとつながりがあれば、何とかしてくださいませんか。
 
 
 
政治家 (高樹のぶ子)
2010-11-14 14:31:54
政治家は、どの党の方とも知り合いはありません。選挙前にはいろんな印刷物が来ますが、すべてに距離を置いています。

ただ、ようやく可能に成った二大政党のシステムを、つぶしたくないと思っています。システム自体が成熟するには時間がかかるのでしょうが。
 
 
 
ポスト近代化の流れでは? ()
2010-11-14 14:40:15
極最近、岡田民主党幹事長はマニフェストの、
企業&団体献金の廃止も撤回しケロッとしてましたね?
グチャグチャな統治姿勢では困ります。

ちょいと気になったのは「遅れてきたファン」さんの、
日本の近代化についてのご認識、
国際的にも逆行していますよね?

江戸時代から各町村の庶民はお伊勢参りにくじ引きで行き、
太陰暦のカレンダーを仕入れに出掛け途中を見聞していました。
カレンダーがないと町人も農民は困ります。

近代化論は文化の衝突の結果、
必ず戦争が起きるので、'70代から凋落し始め、
未だこの時代、国際従属理論や文化帝国主義論が、
近代化論に代わって一世を風靡した来た時代です。
前にも話題に上げましたが、
日本の誇るピアニスト内田光子さんのパートナーの、
ロバート・クーパー(1947年8月28日 - )さんはイギリスの外交官、現在はEU理事会対外関係担当事務局長、
著書は『国家の崩壊-新リベラル帝国主義と世界秩序-』北沢格(訳)、日本経済新聞出版社

EU発足の立役者ですが、文化や政治体制が異なっても、
各国が交流し友好通商条約を締結するには、
相互の障壁を外す思考のイデオロギーです。

日本には日本に適合した共同認識のできる、
国々との自由経済ゾーンを設定するべきですね。

未だに色々と手を変えて近代化論を唱える、
米国のようにマイノリティを戦士に仕立て、
度々、いえ常日頃の軍事費で莫大な赤字になると、
国の文化や人心が硬直して仕舞いますからね?

現代の人類の幸福とは何かと云えば、
その一つは好きな国々へ旅が可能になったことです。
先進的ヨーロッパ各国は個人の最大の幸福を目指し、
論議を重ねながらEU連合体を形成し、
各大国の経済力に対処しています。

日本は漢字を使うのでスペインでは、
歴史的文化も中国の属国と思われています。

夥しい中国人観光客も奈良や京都の建物を見て喜ぶのは、
古代中国伝来の建築様式だからでしょう?

昨夜のNHKのインドネシアでのみずほコーポレーションの取り組み、
日本人も皆さん頑張ってますね?
スーパーゼネコンの友人Aは長くインドネシアに留まり、
総現場監督をしてましたが造形的な、
センスも能力も一流だったので彼の国には貢献してます。

日本も5億人単位以上の自由経済圏の、
指向し実現して行けるのでしょうか?

時折話題に出るマックス・ウェーバー?
学生時代に一冊買っただけで目を通してませんね。
建築も広告もディレクターも兼ねてますからどちらかと言えば、
ゲオルグ・ジンメルは読んでたかな、アンリ・ベルクソンとかね、
アメリカのサインや現象学の本も、
事象からの頭の整理に参考にしてました。

いつの間にか末娘が二度目のイタリーに出掛けてますね。


 
 
 
交渉事 (さぶ)
2010-11-14 18:35:33
交渉事とはお互いに同じテーブルに上がる案件がある場合ですね。
尖閣、竹島いずれも歴史的にいずれも中国、韓国の領土であった史実はないわけです。
もしかすると両島の周辺で、互いに魚を獲っていた事実はあるかもしれませんが(もっとも昔の民力と漁船では島の周辺に出漁すること自体なかったのかもしれません)
少なくとも日本が国際的に日本の領土であるとして認知されていたわけです。
それを交渉事にする事自体、間違っているわけです。
原理原則以前の問題ではないでしょうか?

拉致問題、拉致された方々を取り戻すために、どんな方法があるのでしょうか?人道支援、経済協力、戦争倍賞・・・。どのような手法を使おうとも北朝鮮の体制が崩壊しない限り、あり得ないのでは?原理原則を通す通さないの議論の余地すらありません。
北朝鮮の体制を崩壊させる手段を考えるべきではありませんか?
 
 
 
36歳 (サイヤ)
2010-11-15 12:34:33
定数削減に反対するのはいろいろな意見を反映できない二大政党システムに対する不満があると言いますが、民主党の先送りはそういった判断ではないでしょう。

今回の定数削減見送りは、二大政党うんぬん以前の問題に感じました。

党首が国民に約束したことを党が否定する。それは信義の問題です。

こんなことを続けていると民主党は危ない。でも、それに代わる政党も見当たらない。
二大政党システムを成熟させる前に日本の政治自体が危ない。

政党よりも若い世代に期待かな。福岡市長が若返ったのもそういう意識の反映かも。
 
 
 
エアフォースワン (高樹のぶ子)
2010-11-15 17:14:34
新しいブログ記事を今朝おくりましたが、まだ反映されていないので、よかったら、アメリカンセンターからの広報(オバマ大統領が、帰国の機内でプレスに語ったもの)を読んでみてください。エアフォースワンというのは、大統領専用機のことです。以前、同名の映画がありましたね。
斜め読みでは「アジアはアメリカを必要としている!」みたいなトーンでしょうか・・

http://www.america.gov/st/texttrans-english/2010/November/20101114172344su0.2679713.html?CP.rss=true

 
 
 
ちょっと寄り道 (クッカバラ)
2010-11-15 20:01:45
様々な立場や環境にいらっしゃる皆様それぞれのご意見、ご考察は、一つ一つが貴重であり、繰り返し読みつつ吟味し楽しませて頂いております。ありがとうございます。フィールドワークを丁寧に重ね、そこから導かれた『遅れてきたファン』様のご指摘、アカデミズムの香り高い『夢の中へ』様のお話、謙虚でありながら強烈なメッセージで自他共に老若男女、地球上の人類全てを叱咤、激励し、希望の灯を高々と掲げ疲れ知らずの『木蓮』様、などなど。。。

『遅れてきたファン』様の『自由』の定義に対する民族間での相違の箇所、特に面白く思いました。

もう20年近くの大親友。中国大陸出身の彼女、物心つく頃に家族で香港に逃亡。今はバリバリのキャリアウーマンながら、どうも落ち着かない。知り合ってから、駐在も含め、4ヶ国に住み、引越しの回数も尋常ではない。先日も、漸く落ち着いた新居の居間で寛ぎながら、さて、次はどこに行こうか、と思ってしまうと苦笑。学友でもある旦那がこっそり解説してくれたところ、彼女は閉塞感が堪えられないらしい。新天地、自由を求め、大陸から香港へ家族で逃亡。その自由の地では、数畳のみの狭い居住空間での共同生活。国外へ出る為のパスポート獲得は至難の業。よって、彼女にとって、パスポートとは自由の証明書。そして、安定(安住)とは自由の敵。一定の地に安住することは、刑務所に留まることこを余儀なくされているかの精神的苦痛を伴うと言う。そこまで彼女のトラウマを理解し、人生の伴侶として彼女を支えている彼を大いに尊敬、見直してしまう。


今のテーマとはずれておりますが、ちょっと寄り道コメントでした。
皆様のそれぞれの語り口調、その背後に、皆様のお人柄がにじんでいらっしゃる、そんな風に感じております。それこそが、その方の『文章の香り』ではないでしょうか。
 
 
 
農耕民族と遊牧民族 (高樹のぶ子)
2010-11-15 22:45:15
「遅れてきたファン」さんのコメントで思い出したことがあります。

サイアモンゴル編で話したかも知れませんが、モンゴルは遊牧民なので土地の所有意識は長いことありませんでしたが、最近になって都市部から土地所有の意識が起こり、高いところから見ると、ゲルを囲むように、木の柵が張り巡らされています。
一定期間が経ってこの既成事実を申告することで、「所有権」が認められると聞きました。

犯罪が多発(社会主義が崩壊したのがきっかけ)するので、夜番人に見張らせるそうですが、見張っているのは「囲い込んだ土地」ではなくて、「木の柵」なのだそうです。「木の柵」は、自然木が育たないモンゴルでは(北西部に森林がありますが、材木は貴重品)、土地そのものより、柵の方が大事なようで・・

チンギスハーンもユーラシア大陸を「所有?」しましたが、城は建てませんでしたね。
万里の長城の南(中国)は、そうは行きませんね。
 
 
 
飛躍しすぎですみません (satoko)
2010-11-16 00:06:50
遅れてきたフアンさんの
遊牧民と農耕民族の話、目からウロコです。
安定は自由の敵・・クッカバラさんのお友達の人生観も面白く思います。誰もが自分と同じにあらずなんですね。分かっていても時々自分の尺でモノ事を考えてしまうことがあります。

飛躍しすぎかもしれませんが、
アブラハムが、わずかな家族を引き連れてメソポタミヤあたりから、神から約束されたという土地に旅たったことを考えてみると、その時から土地争いが始まったのだろうか・・などと思ってしまいました。

それまではみんなが遊牧民で、誰も土地など欲しがらなかったのに。
ユダヤ教の方やU^^クリスチャンが聞いたら叱られそうですが・・ふと頭によぎりました。

だから、どうしたらよいかよく分かないのがもどかしいのですが。尖閣諸島も欲しいとなったらどんなこじつけでもできますから。難しい。


小学校の時、ソロを歌ったという「流浪の民」を聴く度に、横田めぐみさんを思い出します。
国の事情はどうであれ、生きて返して欲しいと、願うのは親として当然だと思います。

 
 
 
遊牧民族・農耕民族など (夢の中へ)
2010-11-16 01:16:25
私も、遊牧民族と所有権等について、SIAモンゴル編のお話が思い出されていたところでした。
たしか、柵で囲った所が所有地として認められているとか。
土地そのものよりも希少性のある「木」=「柵」の方に価値があるとか。
草の量で、飼育できる家畜の数が決まり、所有できる(飼育可能な)家畜の数で人間の数が決まってくるという食物連鎖のような「草本位制」というお話などが浮かんできました。

でも、「所有」の概念は、言語的な表現以上に、それぞれ民族や国で微妙に違うのでしょうね。
長い歴史と文化の裏づけがあるので、ニュアンスを含めた理解にはそこで生活しなければ分からないことも多いのでしょうね。

モンゴルへ行けば、土地を囲って一定の時間が経過すれば、土地を時効取得できる!

「少ない材料で、できるだけ多くの土地を囲む方法」
エンジニア:円形に柵を作って土地を囲んだ。
物理学者:真っ直ぐ直線的に柵を作った。そして地球を一周して地球の半分を囲った。
文化の違いで、このようなお話を伺ったことはありませんか?

私だったら?
自分の周りに直径1メートルくらいで柵を作ります。そして地球のほとんどを囲みます。
でも生活できず、時効取得まで命が持たないので、地球支配はできませんね。


農耕民族と遊牧民族の文化についての実感。
ネットで、「TVーSIA」を拝見したとき、子供たちが、「ふるさと」を正確に4分の3拍子(乗馬のリズム)で歌っていたことが印象的でした。
やはり、身体のコアのリズムがわれわれ農耕民族とは違うのでしょう。
ひょっとすると、「相撲」も3拍子の方が有利になるのでしょうか?
明日の九州場所、リズムで見てみましょうか?
もし違いを見出された方がいらっしゃいましたら、その見方をご教示ください。(私はほとんどTV見なくなっているのですが)


中国のお友達のトラウマは、制度的な閉所恐怖症なのでしょうか。
何となくわかるような気がします。
いろいろ固定的な縛りがある自宅での生活よりも、想定外の対処を求められる旅行中の方が精神的に安定していることはありますね。(実は旅先の方がよく眠れます。)
「居着くは死ぬる手なり、居着かざるは生きる手なり。」五輪書の言葉が心に響きます。
社会も、自分も、常に動き変わっていかなければならないのですね。

皆様のコメントから、「文章の香り」が漂ってきますが、香りの分子は掴みづらいですね。
 
 
 
(戦後65年に生きる)若い青年の母として (木蓮)
2010-11-16 03:55:14
『戦闘員になってくれと』と要請された息子の、彼自身で考えた末の決断を、どんなものであっても心から尊重できる母でありたい。それは、初めての子を男の子として授かった夜、静まった部屋で命の重みとぬくもりを抱き、愛しさあふれ幸福が過ぎて不安になった、その夜の決心に重なります。

今は亡き二人の祖母。一人は海に散った特攻隊員の母、一人は職業軍人の妻。勉強も運動もできた長子の、冷たい雨の中のお葬式。。。軍港呉の坂道で、忘れ形見と覚悟する幼な子と見上げたきのこ雲。。。それらのシーンは、彼女ら自身でなく、彼女らの息子、娘、である私の両親が、ふっと語ってくれたものでした。私の心に刻まれたそれらは、結婚し、母となる、いろいろな折に蘇り、年月は隔たれども、心の震えは深まりゆくのです。安易な同情や憐れみを排し、死者となった彼女らの心を、私自身の心で辿る時、斬られるような痛みや、重石のような息苦しさに襲われます。

何もかもを信頼して腕の中で眠るみどりご。誰にも渡さない、病も事故も(この子だけには)寄ってくれるな。そう願ったところでも、誰の所有物でもない、この子は、この子の時代を、この子自身で生きていかなくてはいけない。ならば、たった一つに定めるなら、この子自身で天命を探り、その志の為に献身したいと心する人になってほしい、と願いました。そして、その為に、彼の尊厳が守られる環境を守りたい、と。

空襲警報は鳴らない。乳児幼子をかかえて逃げ惑わなくていい。幸せをかみしめる。当時の母達にはなかった参政権を、私達は持っている。他者のせいにはしない。

戦闘員に服務するも、良心的兵役拒否するも、彼自身が考えて決断すること。いずれにしても苦しいが、他者(母も含む)に強要されたのではない、彼自身の決断を誇りたい。最も願わくは、前途ある青年を犠牲にする前に矛が収まることだけど。

お産の腹の痛みは、その後に注いだ心血に比べれば、とるに足りない一瞬のこと。「腹を痛めて産んだのに」というより、「手塩にかけて育てたのに」の、思いでしょうか。


家探しの時、「だいたい、その間の樹が隣家との境ですよ」と言われたのを思い出しました。
 
 
 
女と男 (昭和のマロ)
2010-11-16 06:19:31
 今から4年前、北朝鮮が突如テポドンを含む7発のミサイルを発射した時のことを思い出しました。
 早朝からテレビ各局はこのニュースで持ちきりとなり、軍事評論家や国際政治評論家たちは引っ張りだこでこの事件について論評していました。
 
 テレビ朝日でも小川和久、中谷巌、小池政行ら評論家たちが日本に与える影響などについて解説、意見を述べていたのですが、同席した作家の山崎洋子さんが意見を求められて、「こんな時にふさわしくない言い方なのかもしれませんが、気になるのは、男の方々がこうした事件に異様に反応し、高揚されることです。そして軍備拡張とかいう方向に論議が進んでいくのではないかと心配ですね」といった趣旨の発言をされた。

 この場の雰囲気からすると唐突ともいえる見解にぼくはハッとしたことを覚えています。
 つまり<男>のカウンターパートとしての役割を担う<女>を感じたのです。

 <柵>の話が出てきましたが、ジャンジャック・ルソーは人類が柵をつくるようになったときに文明が生まれたと定義しているんですね。
 村上春樹氏が<海辺のカフカ>の中で述べていますが、オーストラリア大陸のアボリジニだけは柵を持たない文明を17世紀まで維持していたそうです。
 イギリス人がやってきて家畜を入れるための柵をつくったとき、彼らはそれがなにを意味するのかをさっぱり理解できなくて、その原理を理解できないまま、反社会的で危険な存在として荒野に追い払われたのだそうです。

 <柵>をつくるというのは男性的な発想なんでしょうか。
 
 
 
誇り (高樹のぶ子)
2010-11-16 10:11:59
次の記事のアップが遅れていますが、おかげで話題が深化しています。
何と言えばいいのか・・このブログを誇らしく感じます。

私もあらためて、自分の中に在る「柵」を自覚させられています。

「夢の中へ」さんの、自分の周囲一メートルを囲い、けれどそれは世界を囲うことで・・という発想、掌篇小説になりますね。
 
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