≪奇妙で、もろくて、はかない存在をしっかりと捉えるために≫
俳優とはどんな存在なのか。
彼らを仕切る映画監督として歩き出したばかりの三宅唱(28)がかねてよりぼんやりと抱えてきた疑問だった。
10代の頃から憧れていた村上淳(39)を主演に迎えた、三宅初の商業映画となる「Playback」は、そんな長年の疑問にじっくりと対峙する思索の場ともなった。
まもなく不惑を迎える映画俳優ハジ(村上)は体調不良、仕事の行き詰まり感、妻との別居-と不安を抱えながら無為に日々を送っていた。
プロデューサーは再起のチャンスを与えようとするが、食指が動かない。
旧友に誘われるまま向かった故郷の水戸市への途中、ハジが居眠りから目覚めてみると、中年の風貌はそのままに学生服を着た自分が高校時代に逆戻りしていた…。
三宅は脚本を書き終えた時点で無意識に答えを出していたのかもしれない。
人生の折り返し地点に差しかかっていったん立ち止まり、人生を見つめ直すということ自体は、誰もが一度は経験するであろう瞬間だからだ。
三宅は作品を何度も見直しながら「俳優が俳優として存在する時間は演じているその一瞬だけ。
とても奇妙で、驚くほどもろくて、はかない存在なのかもしれない」との思いを強めた。
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