インターネット上の「仮想畑」で野菜を育てると、世話した度合いに応じて本物の野菜が自宅に届く――。こんなサービスを松山市の会社が9月から始めた。顧客はウェブ上で「疑似農作業」をし、社員はその情報をもとに愛媛県内にある本物の農園で野菜を育てる。都会の人にも農村に目を向けてもらおうというユニークな試み、日本の農業に新たな風を起こせるか。
「あ、いやだ。また雑草が伸びてる」
10月上旬、東京都品川区のマンションの一室。主婦の中田佳代さん(40)は、自宅のパソコン画面を見て声を上げた。小松菜を植えた「畑」は雑草だらけ。シミュレーション用に描かれた画面上の草のイラストをクリックし、「草抜き」をはじめた。
中田さんがこの仮想畑を購入したのは先月下旬。以来、育てている小松菜の生育状況をパソコンでこまめにチェックしている。「害虫とり」も画面上でする。
せっせと世話を続ければ、実際の収穫期にはほぼ種を植えた分だけ本物の小松菜が自宅に届く。中田さんは「実物を目にしたら『自分で育てた野菜』という満足感が得られるはず」と期待する。
このサービスは、松山市のベンチャー企業「テレファーム」が考案した。顧客はまず1区画(約1平方メートル)あたり月額500円の利用料を支払う。野菜の種を1品種500円で買い、パソコン画面の「種まきボタン」をクリックすると、「作付け指示」が愛媛県内子町内の農園に送られる。テレファームの社員は指示に従って本物の野菜を植え、栽培を代行する。育成状況は定期的に画像でネット上にアップされるほか、栽培技術の助言も随時送信される。
品種に応じた最低収穫数は届くが、手入れを怠れば、畑が良好な状態に保たれた場合に比べて5割程度の野菜しか来ない。一応「自動栽培モード」もあり、顧客がこちらを選択すれば収穫量はほぼ「良好な畑」と同じになるが、大半の顧客はゲーム性のある「バーチャル栽培モード」を選ぶという。
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