研修費を盛る予算案に起立して賛成する議員ら
予算案成立後、記者会見で質問に答える伊藤知事
利用が低迷する鹿児島―中国・上海間の定期航空路線維持のため、職員らを派遣する鹿児島県の上海研修事業。
28日朝に始まった県議会は、会期を延長して29日未明に及び、研修費を盛る予算案は賛成多数で可決された。自民党県議団(35人)は「賛成」で意見を集約していたが、採決では2人が反対し、1人が棄権した。
本会議採決前の討論に立った4人の主な発言は次の通り。(登壇順)
松田浩孝議員(公明)「事業に反対。研修は妥当か有効かという視点で捉えるべきだ。知事の唐突な発言に端を発し、練られないままの案だ。研修費の一部自己負担、研修の全体計画を明確にするよう求めたが、明らかにされなかった。1000人が300人に減っただけでは納得できない」
大久保博文議員(自民)「観光や販路拡大などで路線維持は県の成長に不可欠と考えており、賛成する。多くの議員から、路線維持の必要性は理解するが、研修の詳細な内容が詰められていないという意見が出た。県は県民に丁寧な説明を行い、官民一体の取り組みを推進してほしい」
松崎真琴議員(共産)「税金を投入して路線維持を図ることに、どのような意味があるのか不明だ。不確定な将来の可能性が強調され、多額の税金が投入されようとしている。税金を使って無理やり飛行機に乗せ、搭乗率を上げることが抜本的対策でないのは明らか。白紙撤回すべきだ」
下鶴隆央議員(無所属)「事業に反対。路線維持の最終手段であり、例外的手段だ。10月以降は他の政策手段をとることが可能だと思うが、県は事業の継続を否定しない。修正案は期間、財源以外の内容に変化がない。撤回したにも関わらず、内容が変わらなければ、何のための撤回か」
知事「10月以降は状況見て判断」
予算案成立後に記者会見した伊藤知事の主な一問一答は次の通り。
――感想は。
「最終的に可決され、大変ありがたい。適切に執行するのが我々の務めだ」
――財源を財政調整基金に改めたのは。
「民間が入るので、やりやすいと判断した」
――10月以降、搭乗率が低い場合は継続するのか。
「全体を見て判断する」
――職員給与削減分の一部還元という考えは。
「変わらない。全体の流れの中で職員に使う」
――「一過性の対策」という批判があるが。
「政策はその時点で最適と判断して行うもの。『一過性で悪い』というのはおかしい。効果が出れば(県は)手を引く。出なければ別の対応をする」
――批判の背景は。
「唐突と批判されたが、緊急事態で政策も突発的にならざるを得ない。『1000人を税金で』という報道のイメージが強すぎた。税金の使用に県民は敏感で、給与の還元という考えは通用しなかった。県が先にしっかり説明していれば、違った反応もあり得た」
――税金を投入して上海便の維持を図る意義を県民は見いだしていない。
「批判を受けても自らを信じてやるしかない」
――委員会で知事は謙虚さに欠けると。
「言わせておく以外映画dvd売上チャートにない。弁解はしない」
――反省点は。
「作戦としては、6、9、12月議会で各300人という手もあったかも。発表の仕方に少々問題があった。最初から民間人を税金で行かせるという判断をするのは難しかった。給与還元なので職員なら許されると思ったが、世論は逆だった」
◇
県議会は29日、議員報酬を議長で10%、副議長で8%、議員で6%削減する条例案を可決、閉会した。
(2013年6月30日11時05分
読売新聞)
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