WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

あの「USBデバイスサーバ」に,無線LANバージョン登場

2005-07-30 02:30:44 | ハードウエア

 

 以前,このブログの記事で紹介した,USB接続周辺機器をネットワーク経由で他のPCと共有するための装置「USBデバイスサーバ」に,無線LANバージョンが登場した.発売元は,やはりSilex Technology社


 無線USBデバイスサーバ「SX-2000WG」は,特徴は以下の通り.


  • IEEE802.11b/gによる無線LAN
  • 無線セキュリティはWEP(64/128), SSID, WPA-PSK(TKIP/AES)に対応
  • 有線LANポートもあり
  • 設定は,Web,ユーティリティ,Telenetに対応
  • USB2.0ポート(Hi-Speed対応)は1ポート
  • OSは,Win2000,WindowsXPのみ対応
  • 9月上旬発売予定
  • 標準価格:\16,800 (税別)

となっている.


 USBデバイスサーバのメリットについては,このブログの前の記事や,製品ページを当たって欲しい.


 一つだけ指摘しておくと,おもしろいことに,同社の有線専用USBデバイスサーバ「SX-2000U2」と「SX-2000WG」の標準価格が全く同じになっている.だとすると,当然の事ながら,無線・有線の両方が可能な「SX-2000WG」の方が,お買い得と言えるのかもしれない.しかし,「SX-2000U2」については,発売後時間が経っているために,対応機種についての情報が豊富だが,まだ発売されていない「SX-2000WG」にはそのような情報は当然ない.購入予定者にとっては,特殊なサーバだけに,手持ちのUSB機器が上手く動作するかどうかについては,気になるところだろう.以前の機種では,「お試し購入システム」があったので,上手く動かなかった場合でも安心だったが,「SX-2000WG」については,今のところ「お試し購入システム」が利用出来るかどうか不明だ.


 「SX-2000WG」の発売予定は9月上旬となっている.その時までにSilex Technology社側から,ある程度の「動作確認済み機器のリスト」が発表され,また「お試し購入システム」が利用可能になることを期待したい.


ついに始まった違法Windowsの強制的チェック - WGA認証の実際 -

2005-07-27 13:07:00 | Windows

 

 PCのセキュリティ確保の基本は,言うまでもなく「WindowsUpdate」だろう.現在,「WindowsUpdate」は,MS-Officeの更新「OfficeUpdate」や,他のMS製品の更新と統合した,「MicrosoftUpdate」にほぼ移行しているのはご存じの通りだ.但し,本日27日以降は,この「MicrosoftUpdate」にある種の認証機構が取り入れられ,その認証をクリアできない場合は更新はできなくなる(注:セキュリティ関係の更新を除く).「Windows Genuine Advantage(WGA)」が発動したからだ!


 「Windows Genuine Advantage(WGA)」は,コピー品等の違法なWindowsのインストールを発見する為の仕組みで,MSのページ内に埋め込まれたActiveX(WGAバリデーションツール)のインストールにより,使用しているWindowsが,正規品かそうでないかをオンラインで確認し,認証する.


 「Windows Genuine Advantage(WGA)」自体は,以前から行われており,この認証をクリアした場合には,LZH形式圧縮ファイルのOSによるサポート等の,特典ダウンロードがMSより提供されていた.私も以前,WGAを一度やったことがあるのだが,途中でプロダクトキーの入力を要求され,面倒になり,やめてしまった.


 ところが,26日付のCNET Japanの記事「マイクロソフトの「Windows Genuine Advantage」、いよいよ全世界で実施に」によると,全世界で米国時間26日より「MicrosoftUpdate(WindowsUpdateも含む)」実行時に,このWGA認証が強制的に実行されるようになった.なおMSのダウンロードセンターからダウンロードする場合にも,WGA認証が必要になる場合がある.


 実際,私の所有する3台のWindowsXPのPCで「MicrosoftUpdate」を実行し,WGA認証を行ってみた.手順は以下の通りだ.


  1. インターネット・エクスプローラを起動し,MicrosoftUpdateのページを表示する.
  2. カスタム」もしくは「高速」ボタンをクリックする.
  3. 一部の Windows コンポーネントで必要なソフトウェア アップグレード」のページが表示されるので,「今すぐダウンロードしてインストールする」ボタンをクリックする.
  4. ダウンロード及びインストール状況の表示ボックスが現れる.
  5. インストールが完了すると,「お使いのコンピュータは正しく更新されました.」と表示されるので「閉じる」ボタンをクリックし,ボックスを閉じる.
  6. インストール結果の確認.ソフトウエアのアップグレードを完了した.WGA確認ツール(KB892130)」といった内容のページが表示されるので,「続行」ボタンをクリックする.
  7. 正規Windowsの検証」ページが表示された場合は,「はい、Windows を検証して、このコンピュータ用の重要な更新プログラムをすべて入手します (推奨)」と「他の製品の更新プログラムのみを表示します (Windows を更新するまで、このコンピュータはセキュリティ上の脅威に対して脆弱です)」のどちらかのラジオボタンを選択してクリックする.通常は前者を選択する.
  8. 続行」ボタンをクリック.
  9. お使いのコンピュータの確認」ページが表示されるので,「続行」ボタンをクリック
  10. 確認が終了すると,正規ユーザーの場合,「確認が完了しました」ページが表示されるので,「続行」ボタンをクリック
  11. もう一度MicrosoftUpdateのページが表示される

 ちなみに3台のPCの内,2台についてはステップ6で認証作業は終了した.もう一台の数週間前にWindowsXPを再インストールしたマシン(注:オンラインによるXPアクティベーション認証を行った)については,ステップ7以降の作業が必要となった.以前のように,WindowsXPのプロダクトキーの入力をする必要もなく,インストールも短時間で終わってくれた(注:2005/7/30加筆.その後5台のPCについて,WGA認証作業を行ったが,その内の1台だけ,プロダクトキーを要求されるケースがあった.プロダクトキーについて,画像付きのページが表示されるので,素人でもわかりやすいと思う).また私のPCの場合は,再起動も不要だった.正規のWindowsXPユーザーならば,ほとんどケースで,数分の以内にWGA認証作業は終了することだろう.


 このように正規ユーザーにとって,WGA認証自体は,オンラインでのXPのアクティベーション認証と同様,比較的簡単なものだ.しかし,何らかの理由によって,WGA認証が通らなかった場合は,面倒なことになりそうだ.このような場合は


  • 認証レポートを印刷し,販売店で確認してもらう.
  • MSに問い合わせる:違法CD-ROMを購入してしまった場合は,正規のCD-ROMと交換してもらえる.CD-ROMや購入証明ができない場合は,特別割引値段でWindowsXPを新規購入する.
  • MicrosoftUpdateの一部の更新をあきらめる.

ということになりそうだ.WGA認証は2004年9月よりテストが開始されており,熟成されているはずなので,おそらく本当の正規ユーザーを認証できないようなバグは無いとは思う.


 今回の事実上のWGA認証の強制により,海賊版Windowsのユーザーは相当数減るのかもしれない.但し,現海賊版ユーザー(注:主に日本以外のアジアか?)がWndowsを放棄し,Linux等の無償OSに流れる可能性も否定できない.今や,最も割高感の高いPCパーツは,「WindowsXP」なのだから.



参考リンク:Googleニュース「Windows Genuine Advantage」


参考資料:「一部の Windows コンポーネントで必要なソフトウェア アップグレード」ページ全文

 Microsoft Update を使用するには、最新バージョンの Windows コンポーネントをいくつかインストールする必要があります。これにより、次に示すようなサイトの新しい機能を利用できるようになります。

  • その他の更新プログラム:  Windows の更新プログラムのほかに、Microsoft Office など、代表的な Microsoft プログラム用の更新プログラムを 1 か所で入手できます。
  • 高速な更新:  最新の MSI (Microsoft Systems Installer) により、更新プログラムのインストール処理が強化されています。より短時間に、より小さいサイズのパッケージで更新プログラムを提供できるようになりました。
  • 容易な検索:   更新プログラムを優先度別または製品別で検索できるようになりました。また、有用なリンクや重要なメッセージによって、お使いのコンピュータに該当する優先度の高い更新プログラムをすべて確実にインストールできます。

詳細:Windows Genuine Advantage 確認ツール (KB892130)
443 KB , < 1 分

Windows Genuine Advantage 確認ツールを使用すると、お使いの Microsoft Windows のコピーが正規品であるかどうかを確認できます。このツールは、Windows の製品 ID とライセンス認証の状態を確認することで、インストールされた Windows を検証します。インストール後には、コンピュータの再起動が必要になる場合があります。インストールすると、削除することはできません。


合計: 443 KB , < 1 分


蘇る「はこ箱」? -無料1GBストレージ「ファイルバンク」登場-

2005-07-26 10:03:00 | ネットワーク技術

 

 かつて様々なPC雑誌等でも紹介されていた無料オンライン・ストレージ・サービス「はこ箱」が終了してから,かなりの時間が経過した.その後,海外の10GBクラスの無料ストレージサービスである「streamload」などは現れたが,日本では「はこ箱」クラスのストレージサービスはなかなか出てこなかった.ところが…


 7月22日付のPCWEBのニュース記事『グレテックジャパンが1GBの「ファイルバンク」を無料提供』によると,日本でも1GBではあるが,無料のオンライン・ストレージサービスが正式に始まったようだ.


 この新サービス「ファイルバンク」の「無料プラン」の特徴は…


  • 無料1GB(有料最大100GB)のディスクスペース(期間制限無し
  • 毎日500MBの高速ダウンロード権
  • シェアフォルダ機能:友達シェア,全体シェア,シェア検索
  • 会員外とのやりとりのための「ゲストフォルダ」(但し,速度制限あり)
  • 無料ファイル送信機能「センドファイル」:最大10名,10ファイル,100MB

 これらの特徴の中で,特に注目したいのが,「ファイルの保存期間に制限がない」という点だ.以前のこの手のサービスでは,ファイルの保存期間に制限があるため,一時的なファイル置き場としてしか,使用出来ない場合が多く,事実上,バックアップ用途には使用出来なかった.


 ファイルバンクの場合,「一週間に1回ログインしない場合しないと,ファイルが消去される」という制限はあるが,逆に言えば,ログインさえ忘れなければ,バックアップ用途にも使用出来るサービスでもある.ビジネスモデルとしては,かつての「はこ箱」よりムリが無く,無料ユーザにとっても「使える」サービスとなっている.


ユーザーとしては,「はこ箱」の時のような,突然のサービス中止が一番気になるところだが,ファイルバンクのQ&Aに次のような記述がある.


Q.オンラインストレージを提供する会社の中には、サービスを中止したり縮小するところがありますが、ファイルバンクは大丈夫ですか?

A.ファイルバンクでは、綿密な市場の検証をベースに、独自技術によるコスト低減を図りつつ、十分な運営予算を持ち、ファイルバンクサービスを提供しております。 オンラインストレージにおいてのリーディングカンパニーを目指し、日々努力しております

 ということで,安定的な無料オンラインサービスを期待したい.


格安HDD外付ケース試用レポート:NEXTWAVE ExtHDD -詳細編-

2005-07-22 01:40:47 | 自作PC

 前回の「組立・改造編」に続き,今回は詳細編をお届けする.


 格安のHDD外付け用ケースである「NEXTWAVE ExtHDD case USB2.0 for 3.5inch Rev.1.5(以下,ExtHDD略す)」.ブランド名の「NEXTWAVE」は,ドスパラで販売されているDVDプレイヤー等で有名だ.NEXTWAVEブランドの販売会社は「EVERGREEN」となっているが,当然の事ながら,ExtHDDの製造会社ではない.


 ということで,ExtHDDの製造会社を調査してみた.残念ながら,ExtHDDの裏面には,おなじみの「Made in China」表記がなく,製造国が不明であるため,製造会社を探すのには予想外に苦労した.裏蓋にあった「モデルNo.702225」と言う表記と,基盤上にあった「HD338-U2-AT2 Ver2.0」と言う表記,さらには後に説明するブリッジチップの「CY7C68300A」を手がかりにして検索してみると,ExtHDDが,Optimus(タイ)の「MANHATTAN USB 2.0 External 3.5" Drive Enclosure モデル702225」のOEMであるらしいことがわかった.ちなみにExtHDD以外のOptimus製HDD外付け用ケースが存在し,MANHATTANブランドのまま,ドスパラで販売されている.


 さて,製造会社がわかったところで,次に気になるのが,HDD外付け用ケースの性能を決定する「USB 2.0 to ATA ブリッジチップ」の詳細だろう.これについては,チップの名称が秘匿されていなかったため,簡単に検索できた.


 ExtHDDに採用されているブリッジチップは,Cypress(USA)の「CY7C68300A:EZ-USB AT2 USB 2.0 to ATA/ATAPI Bridge」だ.上記のリンク先を表示すると,ちょっと目につく表記がある


NOT RECOMMENDED FOR NEW DESIGNS. Please use CY7C68300B for new designs.
(新しいデザインで使用するためには,CY7C68300Bを推奨する)


 Cypressの「USB 2.0 to ATA ブリッジチップ」には,「CY7C68300A」の他に,「CY7C68300B」「CY7C68301B」「CY7C68320」「CY7C68321」が存在する.ExtHDDに採用されている「CY7C68300A」は,Cypressの中では一番古いブリッジチップであり,上記の表記から,機能や互換性が他のチップよりも劣ると思われる.実際,ExtHDDのページには,「WesternDigital製HDDには対応しておりません」という注意書きがあり,「CY7C68300A」に互換性問題があることを臭わせる.自分使用したHDDは,SeagateST320011A(20GB)だったが,今のところ問題は発生していない.


 詳細編はここまで.それでは,ExtHDDのまとめに入ろう.


 いままでみてきたように,ExtHDDは,古いブリッジチップを使用しており,互換性等の問題が発生する可能性もあるが,安価で,比較的冷却能力の高いHDD外付け用ケースということができる.但し,冷却能力が高いとはいえ,24時間使用やエアコンの入っていない部屋などの場合,ExtHDDの冷却能力では厳しいかもしれない.そのような場合は,ExtHDDより価格は高くなるが,8cm角ファン搭載の,センチュリーの「冷え蔵(5,480円)」や,OWLTECHの「OWL-35HDUC/CMB(7,000円程度)」をお薦めする.


参考リンク:


格安HDD外付ケース試用レポート:NEXTWAVE ExtHDD - 組立・改造編 -

2005-07-19 09:36:49 | 自作PC

 今回の試用レポートは,手持ちのHDDをUSB2.0接続の外付け化するための「ガワ」,いわゆる「HDD外付けケース(注:英語ではExternal HDD Enclosure)」だ.機種は,「NEXTWAVE ExtHDD case USB2.0 for 3.5inch Rev.1.5(以下,ExtHDD略す)」.購入価格は,3,480円ドスパラ静岡店)と,後述するスペックの割には安い.


 ExtHDDの主な特徴は…


  • USB2.0接続
  • アルミ筐体採用
  • 小型ファン内蔵(オンオフスイッチ付き)
  • 縦置きスタンド付属
  • 比較的スリムなACアダプタ(小型とは言えないが…)

といったところだ.HDDの寿命に影響すると言われている,熱の排出が重視されているのがわかるだろう.


 組み立ては比較的簡単だが,添付の説明書にいくつか補足して,ここに書いておく.


  1. どちらかの側面の2つのツメを内側に押し込んで,ツメのフック部からはずし,上フタを斜め上に少し持ち上げる.
  2. 同様に反対側の側面の2つのツメを押し込んで,ツメのフック部からはずし,上フタを上に静かに持ち上げ,上下のを分離する.ちなみに上下のフタは,ファンの電源ケーブルでつながっているので,力ずくでおもいっきり持ち上げると,電源ケーブルが切れる恐れがあるので注意.
  3. 内蔵させる3.5インチ・PATAのHDDのジャンパーピンを,マスターにセットする
  4. ケースから伸びている4ピン電源ケーブルをHDDにさす
  5. ケース内のIDEコネクタに刺さるように,HDDをケース内に滑り込ませる.ケースにわずかながらスペースがあるため,内蔵させてからIDEコネクタへ向かって,押し込む感じで上手くいくと思う.
  6. IDEコネクタがHDDに刺さっていることを確認したら,付属のインチネジで,HDDをケースに固定する.
  7. 上フタをパチンと閉める
  8. 排気口が上になるように,縦置きスタンドを本体にはめ込む.放熱の観点及び,ゴム足がないため,横置きは推奨されない.縦置きスタンドにはバラストが入っており,なおかつ底面が滑り止め加工になっているので,倒れにくく,また本体電源スイッチを押す時にも,後方に滑らない.
  9. ACアダプタを接続し,ACアダプタをコンセントに刺す
  10. USBケーブルで本体をPCに接続する(Win98SE・MEならば,事前に付属CD-ROMより,ドライバのインストールが必要)
  11. 必要に応じて,背面の排気ファンのスイッチをオン・オフする.

 これで外付けHDDとして認識されて,使用出来るようになるはずだ.


 さて実際の試用感だが,ExtHDDの特徴である排熱効率はなかなか良いようだ.ExtHDDに連続的なファイルコピーなどを行い,負荷をかけてみると,ケースのアルミ部分がノートパソコンの底面ように,かなり暖かくなってくる.ケースとHDDは密着しているわけではないのだが,アルミによる放熱効果は高いようだ.そのため,夏場などHDD温度が心配な場合には,扇風機の風をExtHDDに当てることにより,内部のHDDを冷却することもできそうだ.


 ExtHDDのもう一つの特徴は,排気ファンの存在だ.このファンは大変小さい(4センチ?)丸ファン(注:ケースファンのように角ファンではない)が採用されているが,シロッコファンではない(画像参照).そのため,ファンを回すと「ウー」という音がかすかに聞こえるが,おそらくファンが高速タイプではないため,それほど気になることもないだろう.ちなみにフィン形状は,静音ではなく,静圧タイプと思われる.このようなリアファンではあるが,ドスパラ通販のユーザーによる製品レビューによる,単なる気休めではなく,明かな冷却効果があるようだ.


 組み立てのところでも書いたとおり,縦置きスタンドは大型で,バラストが入っており,底面が滑り止め加工されている.このため,このスタンドを装着すれば,比較的倒れにくく,安定感も高い.また脱着が大変スムースに行える点も良い.この縦置きスタンドは,ドスパラのExtHDDのページなどで全くアピールされてはいないが,ExtHDDのセールスポイントといってよいだろう.


 さてこれだけでは,つまらないのでちょっとした改造を加えてみた.改造と言っても,何のことはない.単にHDDの温度をモニタするために,以前の記事で紹介したデジタル温度計(ScytheTM01-WM)からのセンサを,内部のHDDに貼り付けただけだ.ご存じの通り,USB接続のHDDの温度を,S.M.A.R.T.によりPC上でモニタできる外付けHDDケースはないわけではないが,限られている.完全に調査したわけではないが,今のところ,ExtHDDで使用出来るS.M.A.R.T.モニタソフトは発見できていない.


 この手の改造のポイントは,「どこから温度センサの線を,ケース外部に取り出すか」という点だ.通常は,排気口や吸気口が候補に上がるが,今回はそれはできそうもない.かといって,ケースに穴を開けるのも面倒だ.ではどうするか?


 結論としては,前面の電源スイッチのクリアパーツを取っ払い,そこから温度センサの線を引き出すことにした.このクリアパーツは,単に枠にはめ込まれているだけで,簡単に除去することができた.HDDの表面にテープでセンサを貼り付け,線をスイッチのあった穴に引っかけ,線を挟まないように注意しながらフタを閉めて完了.


 クリアパーツがないと,ちょっとかっこわるいのは事実だが,スイッチ自体は指でオンオフできた.しかも,ティッシュの切れ端でチェックしたところ,排気ファンのための吸気口ともなったようで,エアフローも改善されるというオマケも付いた.実際に温度をモニタしてみると,当然のことだが,PCケースのフロントファンの真後ろに設置した場合に比べれば,遙かにHDD温度は高い.先ほども述べたように,アルミ筐体で,扇風機冷却が期待できるので,暑い日にはエアコンなり,扇風機なりを併用した方がよいだろう.


 ということで,私の場合,室温30~32度の部屋で,扇風機の強風を直撃させつつ,連続的なファイルコピーを敢行したが,現在のところ,不具合もなく稼働している.ちなみに温度センサーはHDD上面の左に付けたが,最高は44度を記録した.おそらく,HDDのS.M.A.R.T.の値は,それ以上となっていると予想され,HDDスペック上の稼働温度限界に近いと思われる.内蔵HDDの製品にもよるが,外付けHDDの運用には,運用環境の温度に十分な注意が必要だ.


 ということで,今回はここまで.次回は,ExtHDDに使用されているブリッジチップなど,詳細編をお送りする予定.乞うご期待!


参考リンク:


緊急連絡!AIR-EDGEで全国規模の障害発生!

2005-07-18 03:44:04 | PHS

 

緊急連絡です!!


 7月17日19:30頃より,WillcomのPHSインターネット接続サービス「AIR-EDGE」において,センター設備障害が発生し,PHS端末によるインターネット接続ができなくなった.ただし,音声通話には障害は発生していない.18日3:00現在も障害は継続中.私の所持している「AH-K3001V(通称:京ポン)」でも,Eメール送受信(エラー:サーバが発見できない)や,Web閲覧(エラー:切断されてしまう)がまったくできない.現在,Willcomで障害対策作業中の模様.


 ちなみに私も現在契約中の,AIR-EDGE定額インターネット接続サービス「リアルインターネットプラス[1x](月2,100円)」は,今月7月1日より開始された.Willcomの場合,7月15日が締め日なので,私のように,7月16日(土曜日)からこのサービスを開始したユーザーも多かったと思われる.Willcomにしてみれば,7月1日~7月15日までが仮サービス期間(ネットワーク負荷の見極めや機器調節期間),16日からが実質本番スタートとなったはずだ.その本番スタートの翌日にこのような障害が発生したところを見ると,Willcom側のネットワーク機器(しかも基幹部分)に,想定外の負荷がかかったことが,今回の障害の原因かもしれない.


 AIR-EDGEの場合,ビジネスユーザーがかなりの割合を占めていると見られるため,連休明けの19日(火曜日)の早朝ごろまでには,復旧してもらいたいところだ.


続報!!: 7月18日午前6:45現在,障害より復旧した模様


ATI RADEON用汎用ドライバ CATALYST 5.7 登場

2005-07-16 00:04:18 | 自作PC

 本日は業務連絡です.

 グラフィックカードでおなじみのRADEONの汎用ドライバ,Catlaystの最新バージョン5.7が,ATiより7月14日にリリースされた.


 主な変更点は以下の通り.


  • 1080pディスプレイのサポート(X300以上でサポート)
  • Catalyst Control Center の完全アンインストールをサポート
  • 64/128MB製品のメモリマネージメントの強化によるパフォーマンス改善
    • 3DMark05:5%-10%改善(いくつかの機種で)
    • Far Cry Regulator:20-60%改善(いくつかの設定を行った状態)
    • Half-Life 2:25-60%改善(1600x1200 4xAA 8xAF)
    • UT2004 :40-60%改善(1600x1200 6xAA 16xAF)
    • Comanche4:50-100%改善(1600x1200 6xAA 16xAF)
    • ShaderMark(一部) :50-200%改善(high resolution)
  • OpenGLドライバにおける10~15%の改善
  • いくつかのゲームタイトル特有の不具合の解決(Flight Sim 2004,Trackmania Sunrise,Warcraft III)
  • 画面回転用のホットキーを作成した後,デスクトップ拡張を有効にた状態で,第2ディスプレイ(1280x1024)でそのキーが使用出来ない問題を解決
  • NTSCからPALにフォーマットを変えた時に,PALフォーマットが正常に正常に作動しなかった問題を解決
  • コントロールパネルの国設定を「日本」にしたときに,TV形式が日本の形式に変わらなかった問題を解決
  • Catalyst Control Centerのシアターモード設定内のオーバーレイ表示するクローンモードオプション変更が維持されるようになった.
  • Catalystコントロールセンターのシアターモード設定内の「The Scale to Full Screen (スクリーンに合わせる)」オプションが正しく機能するように修正
  • 180度ディスプレイを回転させた時にデスクトップ上のすべてのテキストが表示されなくなる問題を解決
  • プロファイルマネジャ・ホットキー警告ダイアログボックスが,各国語に翻訳された.
  • ATI Color Controlがサードパーティアプリの色管理ツールによって変更を受けても,ホットキーによって,ATI Color Controlが再起動するようになった.
  • S-Videoとコンポジットの両方のコネクタが使用されていても,TVが検出されるようになった.
  • Windows Movie Maker 2.0で,mpegファイル再生をプレビューで行った時,何も表示されない問題を解決
  • Windows Movie Maker 2.0で,TVを6時間以上録画した時に,録画のほぼ4時間目以降に音声の乱れが発生していた問題を解決
  • Windows XP MCE においてDVD再生中サブタイトルが表示されなかった問題を解決
  • Catalyst Control Centerのホットキーマネジャが日本語に完全にローカライズされた

ということです.この後は,2ch自作PC板「RADEON友の会 Part132」でどうぞ.

以上業務連絡終わりッ!


ちょっとモバイルな温度計 Scythe TM01-WH 試用レポート

2005-07-15 07:53:23 | ハードウエア

 そろそろ夏本番.PCにとって,再び試練の季節がやってきた.夏だけに限ったことではないが,常時稼働しているサーバ用途のPCについては,できることなら,MBM5や,マザーボードメーカーの提供するハードウエアモニタソフトで,CPU・HDDの温度や,ファン回転数を常時監視し,貴重なデータやパーツの損傷を避けたいところだ.


 しかしながら,このハードウエアモニタソフトによるPC内部温度の監視を過信してはいけない.センサーの返してくる温度の値と,実際のその部位の温度との間に,かなりの差がある場合があるからだ.できることなら,温度の気になるパーツ部位の実測値をとり,ハードウエアモニタの表示と比較して,モニタ表示値と実測値の関係を把握しておくべきだろう.


 ただ実際にそれをやるとなると,通常の棒形の温度計ではほとんどムリだろう.そこで登場するのが,温度センサーと表示部が分離しており,その間を比較的長い線で結んだデジタル温度計だ.最近のファンコントローラは,このセンサー付き温度計を内蔵している製品が多い.さらには設定温度を超えると,警告表示や警告音を出すファンコントローラもある.


 これらのファンコントローラは,当然の事ながらオープンベイに搭載され,電源はPCの4pin電源ケーブルで供給されている製品が多い.したがって,熱を測定したいPCがたくさんある場合は,それぞれに購入しなければならないし,ノートPCの場合はそもそも使用すら出来ない.


 ScytheTM01-WMは,ボタン電池(LR44)で動くセンサー付き温度計だ.大変小型だが,液晶表示は大きめで見やすい(画像参照).温度は0.1℃単位でまで表示され,3秒ごとに表示が更新される.温度センサーの線の長さは1mもあり,表示部設置場所の自由度は高い.ちなみに購入価格は,680円(ドスパラ静岡店).


 この製品のライバルとしては,AinexTS-03がある.こちらは,ブルーLEDのバックライト付きで暗所での温度確認ができる.ただし,TS-03は,電源としてPC電源(4pin)を使用する.またセンサーの線の長さも55cmとなっており,TM01-WMよりも短い.これらの仕様からTS-03が,PCに内蔵するか,オープンベイに何らかの方法で組み込んだ形態での使用が,想定されていると思われる.さらに言えば,TS-03の価格は1,300円ぐらいが相場のようで,TM01-WMの倍近い.この値段のPC組み込み機器となると,購入予定者の中には,もう少し出資してファンコントローラを購入したくなる者もいるかもしれない.


 わずかな出資で手軽に温度を計測したいPCユーザーには,TM01-WMが今のところベストと言える.もちろんPCの温度測定以外にも,いろいろと使えるだろう.一つ備えておいても,損はないと思う.


 …ということで,夏の熱対策は,お早めに.最後に一言,TM01-WMの液晶パネルには,使用されるはずのない謎のパターンがいくつか存在する.


  • 右上隅にファンの形をしたアイコン
  • 温度表示の3桁目となるはずの「1」(センサーにより100℃以上に対応か?)
  • 上記の「1」の左横に「▲」「▼」

何かの流用品なの?

 


PHS端末:京ポン AH-K3001V の新ファームVer.1.8 登場

2005-07-14 05:34:00 | PHS

 以前の記事でも取り上げた,WillcomのPHS端末「AH-K3001V(通称:京ポン)」の最新ファーム Ver.1.8 が7月13日に公開された.主な変更点は…


  • Eメールの動作を一部改善
  • Operaの動作を一部改善
  • 文字変換動作について改善

とのこと.


 2chの携帯・PHS板「AH-K3001V/3002V 京セラ WILLCOM 端末総合 344」及び「AH-K3001V/3002V 京セラWILLCOM端末総合331」などの報告によると,


  • Operaの起動・終了・スクロールが速くなった
  • メール送信が速くなった
  • 動作が軽くなった
  • 入力が非常に軽快にできる(以前は画面表示が,入力に追いつかないことがあった)
  • Operaはバージョンアップしていない

ということで,局地的な「祭り」になっている. なお,ファームアップの途中で何度か,USB接続が切断される(注:切断音がパソコンと端末から出る)ようだが,正常動作なので最後までUSBケーブルは抜かないこと.以上,連絡終わりッ!


HDD HGST Deskstar 7K250 熱死す -後編-

2005-07-13 02:34:00 | ハードウエア

前編のからの続き…


 異変は今年6月に起こった.新たな夏が近づくにつれて,だんだんメインマシンの挙動がおかしくなってきたのだ.その原因を探るためにある日,WindowsXPのシステムログをイベント・ビューアで確認したところ,愕然とした.クリティカルなエラーを示す「赤丸に白バツ」アイコンが,ズラリと並んでいたのだ!そしてそのエラーとは…


デバイス Device¥Harddisk1¥D に不良ブロックがあります。」


  ちなみに「Device¥Harddisk1¥D」の部分は,NT 内部デバイス名であり,「2台目のHDDのパーティション」という意味.それはまさに,Deskstar 7K250の1台を示していた.すぐさまS.M.A.R.T.の値を確認すると,何と!Deskstar 7K250Reallocated Sectors Countの値が,20近くになっている!(注:ちなみにこのDeskstar 7K250は,主にOS以外のアプリのインストール用として使用してきたの.おもしろいことにファイル倉庫として使用してきたもう一台のDeskstar 7K250の,Reallocated Sectors Countには変化がみられなかった.)


 こうなれば一刻も早く新規HDDを購入し,崩壊を予感させるDeskstar 7K250からファイルを救出し,一件落着したいところだが…身に染みついた貧乏性のおかげで,そこまで即座に踏み切れなかった.まだ1年しか使用していないHDDあったし,重要なファイルも少なく,さらに言えば引越自体が非常に面倒だったからだ.


 そこでとりあえず,「chkdsk /R」によるHDD復旧を試みた.これで不良セクタの分だけ,HDD容量は減るものの,継続使用ができるかもしれないと思ったからだ.しかし今思えば,その認識は甘かった.確かに,この処置によりその後しばらくの間,さきほどのイベントは記録されなくなった.嵐は過ぎ去ったかのように見えた,ところが.Deskstar 7K250Reallocated Sectors Countは,その後徐々に上昇していたようで,ある日気がつけば,その値は40台に突入していた.


崩壊が進んでいる…」


 この時点で,私はDeskstar 7K250の継続使用を断念し,新規HDD(MAXTORMaXLineIIIスペックシートベンチマーク)の購入を決意した(注:購入したMaXLineIIIについては,また別の記事にする予定)


 さっそくドスパラ静岡店MaXLineIIIを購入.すぐにメインマシンに取り付け,引越作業を開始した.とりあえずパーティション管理ソフトであるPartitionMagic7.0で,Deskstar 7K250からMaXLineIIIへパーティションコピーを行おうとした.ところが,コピー元のDeskstar 7K250のチェック時にエラーが発生し,コピーが行えない.そこで再び,かなりの時間をかけて「chkdsk /R」によるエラー修復を行い,その後先ほどと同様にPartitionMagicによるコピーを試みたが,やはりエラーチェックではじかれてしまう.ということで,再び「chkdsk」を……と地獄のループを何度か回ることになった.しかしこの作業の一方で,このHDDのReallocated Sectors Countの値はさらに上昇し,もはや70台にまで達していた.


 「このままでは『chkdsk』に殺されてしまう…」


  そこで,PartitionMagicの使用はあきらめ,WindowsXPの「ディスクの管理」により,手動でMaXLineIIIのパーティションを切り,エクスプローラでDeskstar 7K250のすべてのファイルを手動コピーした.1度だけCRCエラーにより,コピーが中断したが,不要ファイルだったため,それは削除し,再度コピーを実行したところ,コピーに成功した.このような場合は,本来ならばxcopyコマンドを使用するべきだろう.xcopyコマンドならば,CRCエラーは無視して,コピーが続行される.ちなみに後から知ったのだが,この手の作業の定番フリーソフト「Fire File Copy」を使用すれば,静かに,高速に,コピー作業をしてくれるようだ.


 以上のレスキュー作業の後,このDeskstar 7K250は,メインマシンから切り離され,他のマシンによりHDD診断定番ソフト「Disk Fitness Test」にかけられた.最悪の場合でも「ローレベル・フォーマット」によって,再生できると思っていたからだ.ところがテストの結果は,意外にも「0x70 Corrupted Sector」.ユーザーズガイドによると,「一般的なHDDの問題で,ローレベル・フォーマットを行う必要がある.またそれでもこのエラーが出る場合は,故障と見なされる.」とのこと.とりあえず,「Repair(修復)」が選択できたので,フォーマットの前に,修復を試みた.ところが残念なことに,修復後に自動的に開始されるテストで,再びエラーが出た.しかも今度はエラーが異なり,「0x75 Defective Hard Disk Drive Component」.つまり「壊れているHDD」と判断されてしまった!


 まさかと思い,手動でローレベル・フォーマットを実行したが,やはりフォーマット後のテストで同じエラーになってしまう.もしかしたら,室温のせいかとも思い,涼しい時間に扇風機で風を当てながら,十数時間をかけて,何度も同じ作業を執拗に繰り返してみた.涼しい方が幾分良いようで,一度は以前引っかかっていたチェック部分を突き抜けて,チェックが進んでいったが,やはり最後にはエラーを出して,止まってしまった.


完全に死んだ…


 こうして,死体に鞭打つ行為を終え,ついにDeskstar 7K250の死亡が確定された.今回は突然死ではなかったため,95%以上のファイルが無傷回収でき,なおかつ,傷付きながらも回収された重傷ファイルについては,再インストール等により復旧できる見通しがある.すなわち,「ファイル損失」という意味での被害は,少なかったと言えるだろう.これは先ほども述べたように,今回死亡したDeskstar 7K250が,主にソフトのインストール用として使用されていたためだ.ただ…,たった1年で,万円以上の価格のパーツが死んでしまったことは,確かな痛みだ.しかも以前からメインマシンに住んでいるDiamondMax Plus 9が,いまだにピンピンしている(注:リアロケーションは0)のだから,なおさらだ.根性があればRMAと言う手段もあるのかもしれないが,確かHGSTにはそれがなかったと記憶している.


 これだけの事件から,「他社製品よりも,HGSTが熱に弱い」と断言できないのは当然だ.実際,同時期に購入したもう一方のDeskstar 7K250は,現在のところReallocated Sectors Countの値は7で踏みとどまっており,健康面に不安はあるものの,まだ死の兆候は見られない.Deskstar 7K250はスペック上でも,動作環境温度は「5~55℃」となっており,他社のHDDとほぼ同じになっている.スペック上では特段,熱に弱いわけではない.ではこの2台のDeskstar 7K250の運命を分けた要因はなんだったのか?


 「単なる個体差」と言えば,それまでかもしれない.ただ,両者を比較した場合,死んだDeskstar 7K250の方が,もう一方(ファイル倉庫)に比べて,(ランダム)アクセス頻度が高かったのは事実だ(注:IEのキャッシュフォルダやスワップファイル専用パーティションが存在していたため).だとすると「累積アクセス量」が,この2台のDeskstar 7K250の運命を分けたのかもしれない.つまり,「消耗されて死んだ」というわけだ.それが本当だとすると,この両HDDは2MBバッファ製品だったが,8MBバッファ製品ならば,キャッシュヒットにより,ディスクへのアクセス頻度が減り,2MBバッファ製品に比べて,寿命が長いという仮説も成り立つのかもしれない.バッファ量とHDD寿命の関係については,まったく聞いたことがないが…


 現在,2ch自作PC板「【日立】HitachiGST製のHDD友の会【HGST】」では,HGSTの発生する「ブーン」音が話題となっている.かつてここで,HGST製のHDDの熱耐性(注:発熱量ではない)の話題が,何度か登ったと思う.その希有なレスの中に,「温度が上がると,すぐにリアロケーションを起こす」などと書いてあったと記憶している.その後,そのレスを袋だたきにするレスが続いていたのが……さて,真偽は?


HDD HGST Deskstar 7K250 熱死す -前編-

2005-07-12 18:53:00 | ハードウエア

 日立(HGST)Deskstar 7K250(HDS722516VLAT20,PATA,160GB,7200rpm,2MB)が死んだ…


 このHDDは,約1年前購入したもので,ほぼ同時期に2台購入し,メインマシンの第2,第3番目のHDDとして,日々活躍していた.Deskstar 7K250の性能は上々で,ベンチマークは行っていないものの,読み書き速度は体感でかなり速く感じた.「ランダムアクセスに強いHGST」の噂は,本当のようだ.またHDD寿命とも関係する発熱に関しては,今まで使用してきたHDDの中でもトップクラスと言っていいほど,発熱量が少なかった.さらに動作音に関しても,HGST特有のいわゆる「猫鳴き(ワイプ音)」が時々する以外,動作音がほとんど聞き取れないほど静かだった.このように,Deskstar 7K250は,少なくとも私が使用した個体については,全くの「優等生」だった.ただこの優等生「机の星」には,1つだけ気になる点があった.


 それは熱耐性だ.夏本番ともなると,メインマシンの設置された私の部屋の室温は,日中35度を超える.去年の夏,その過酷な環境の中で,私のメインマシンは24時間稼働状態だった.このメインマシンには,上記の2台のDeskstar 7K250以外に,OSのインストールされた MAXTORDiamondMax Plus 9(6Y120L0,PATA,120GB,7200rpm,2MB)が動いていた.もちろんケースにはファンを増設し,それぞれのHDDにはHDDクーラーが装着してあったものの,マザーボードモニタソフトのMBM5による温度表示では,Deskstar 7K250の温度が最高で48度ぐらいにまで上昇していた.ちなみに,MBM5によるDiamondMax Plus 9の温度表示は,常に室温をはるかに下回っており,全く当てにはならなかったことを申し添えておこう.


 このメインマシンには,MBM5の他に,HDD健康診断ソフトのHDDHealthがインストールされており,S.M.A.R.T.値が常時モニタされている.Deskstar 7K250S.M.A.R.T.値の異変に気がついたのは,去年の夏の終わり頃だったと思う.Reallocated Sectors Count(代替処理されたセクタ数)の値が,0から2に増えていたのだ.つまり,HDDの記録領域(セクタ)の一部が不良となったので,そのセクタを放棄して,リザーブされていた別のセクタを使用するようになったということだ.しかも,このリアロケーションは,ほぼ同一環境のDiamondMax Plus 9には全く起こらず,2台のDeskstar 7K250両方に発生していた.この現象は,「Deskstar 7K250が,DiamondMax Plus 9よりも熱に弱い」とすれば説明がつきやすいが,真偽は定かではない.また妄想ではあるが,「もともとDeskstar 7K250の発熱量が少ないのは,自分の発した熱で自分を傷つけないための設計」なのかもしれない.しかし,たった2セクタの代替処理ならば,巷のPCでもよく見られることであるため,その時は,たいして気にもとめていなかった.


 異変は今年6月に起こった.新たな夏が近づくにつれて,だんだんメインマシンの挙動がおかしくなってきたのだ.その原因を探るためにある日,WindowsXPのシステムログをイベント・ビューアで確認したところ,愕然とした.クリティカルなエラーを示す「赤丸に白バツ」アイコンが,ズラリと並んでいたのだ!そしてそのエラーとは…


 …後編に続く


フリーのDVDメディア計測ソフト DVDInfo Ver4.22 登場

2005-07-10 05:48:00 | DVD

 再び業務連絡です.


 先日Ver4.21が公開されたばかりの,DVDメディアのエラー計測の出来る定番ソフトDVDInfoPro の最新版Ver4.22が7月5日にリリースされた.有償版と,広告表示のある無償版があり,無償版は今年8月1日まで使用可能.本バージョン(正確にはVer4.2x)より,Windows98/MEはサポート対象から外された.現在,Windows98/MEについては,旧バージョン(Ver4.16)の有償版のみが提供されている.Ver4.22の無償板ダウンロードは,WindowsXP/2000用がこちら.WindowsXP x64 Edition用がこちら


 主な変更点は…


  • CDRINFO forumのユーザーからリクエストのあった ASUS DRW-1608P のPIPOスキャニングをサポート.
  • ジッタ値を含むPIPOスキャン結果比較機能において,ジッタ値が含まれていない結果が含まれていた場合に発生した問題を修復
  • PioneerドライブによるPIPOスキャン結果の比較機能において,PIFがグラフ表示されなかった問題を修復
  • PIPOスキャンのグラフィック上の不具合修復
  • グラフィックカードによっては,デジタルディスプレイが正しく表示されないため,この表示更新問題を修復.この問題は,Commentボタンをクリックした時に間違った文字列がロードされてる問題もクリアしている.
  • Comment機能を比較モードで使用した時に,デジタルディスプレイの文字列の最後に,ゴミが表示される問題を解決.また最大文字数を超えて入力できた問題も解決.
  • 「Add Comment」ボタンを「Comment」ボタンと改称

以上,連絡終わりッ!


シェアウエア Vocal Cancel トロイ混入事件 続報

2005-07-09 03:21:00 | セキュリティ

 前々回の記事,「新SoftEtherとスパイウエア」に書いたように,シェアウエアであるVocal Cancelに,作者が意図的にトロイを混入した事件は,今なお,大きな波紋を広げている.本日7月8日も,大手ニュースサイトの「Internet Watch」が,「Vocal Cancel」のトロイの木馬、WindowsのプロダクトIDまでも収集」という記事で取り上げている.


 Internet Watch記事は,トレンドマイクロの公開しているウイルスデータベース内の,当該トロイTROJ_HIROFU.Aページの記述に基づいている.この事件のウォッチャならば,ご存じだとは思うが,このトレンドマイクロTROJ_HIROFU.Aページは,かなり頻繁に更新されており,次第に具体的なトロイの挙動が明らかになってきている.


 記事の中で特に問題としている情報漏洩は,WindowsのProductIDだ.この件については,既に,2chソフトウエア板「Vocal Cancel 5.06【実はスパイウェア】 3」の有志らによる解析で判明していたが,おそらく「不正シリアルでVocalCancelをインストールしたパソコンを特定するIDとして取得している」と思われる.だが,WindowsのProductIDは,正にソフトウエアとしてのWindowsのシリアルNo.に当たり,そのような重要情報を盗んでいると言えなくもない.


 また「WindowsのProductID取得」については,さらに気になることがある.「Voice Cancel」作者の古田氏は,自身の書いたメールの中で,次の5項目をトロイによって取得しているとした.


  1. 利用シリアルナンバー・パスワード
  2. ユーザーアカウントの情報(SID等)
  3. メールアカウントの情報
  4. アドレス帳
  5. ダイヤルアップアカウントの情報

  この5項目の中に,先ほどの「WindowsのProductID」は含まれていない.これはなぜなのか?


 謎はまだある.トレンドマイクロTROJ_HIROFU.Aページには,このトロイが,7つのサーバから,何らかのファイルをダウンロードしていることが示されている.


 ダウンロードの対象サーバは


  1. 210.231.108.2  gd-231108002.gd10.ccsnet.ne.jp
  2. 202.214.129.1  1.129.214.202.nf.2iij.net
  3. 210.231.108.1  gd10-001.ccsnet.ne.jp
  4. 210.155.146.5  hp.vector.co.jp
  5. 210.148.238.1  unknown
  6. 202.122.193.21  po3.lcv.ne.jp(トロイ作者のメールアカウントが存在する)
  7. 210.155.146.5  hp.vector.co.jp

となっており,私が調査したところでは,非匿名FTPサーバが稼働しているようだ.


 現在のところ,これらのサーバから,具体的にどのようなファイルがダウンロードされているかについては,情報が出ていない.不正シリアル使用者に報復するためのアドウエアなのか?それとも無害な不正シリアルのリストなのか?


 最後に残された謎.このトロイは,作者の契約しているプロバイダのSMTPサーバ経由で,収集した情報を作者にメールする.ところが,おもしろいことに,そのメールの宛先と差出人については,トロイ作者のVectorページ(注:Vectorでは,シェアウエア作者に対しWebページスペースを提供している)の内部記述を引用している.情報メールの宛先を,任意に変更できるように,このような仕組みにしたのは容易に理解できるが,差出人まで変更できるようにしたのはなぜか?


 ご存じかもしれないが,プロバイダの中には,SMTP認証アカウントと差出人のメールアドレスが一致していないとメール送信できない場合がある.つまり,メール送信における差出人詐称対策だ.トロイ作者が将来,そのようなメール送信制約の強いプロバイダに契約変更する可能性を考慮して,差出人まで変更できるような仕組みを作ったと見ることもできるかもしれない.ただ,その仮説が正しいのであれば,なぜSMTPサーバ名も,変更可能にしなかったのだろう?プロバイダを変更するのであれば,通常使用するSMTPサーバも変更となる.現在までの情報では,SMTPサーバ名は,トロイの中に固定的に埋め込まれているようだ.やはり,謎だ.ちなみに,トロイ作者の通う大学経由で,メール送信される場合もあったらしい.


 このように,このトロイに関しては,未だにいくつかの謎が残っている.トレンドマイクロは,既にこのトロイの解析を終えているのかもしれないが,公表された情報だけでは,情報漏洩以外の具体的な被害がはっきりしない.トレンドマイクロの,このトロイによるダメージ評定は「」となっているが,できることなら,より具体的なトロイの挙動について,公表してもらいたいものだ.トロイの具体的挙動がはっきりしないと,このトロイが違法か,適法かの判断も難しいと思う.また今後の2ch解析班の活躍にも期待したい.


光るミニキーボード SD-2199S レビュー

2005-07-08 13:57:00 | ハードウエア

 ひさびさのハードネタだが,今回は「光るミニキーボード SD-2199S」について,レポートする.このミニキーボードは,今年4月に1,981円(税込)でドスパラ静岡店にて購入したものだ.現在も発売中で,ドスパラの通販(1,980円税込,送料別)で購入できる.


 箱に記載されていたSD-2199Sの主なスペックは以下の通り.


  • 83Key notebook minikeyboard
  • Size:横23.6×縦13.2×高さ1.2 cm
  • PS/2またはUSB接続(USB→PS/2変換アダプタ付属)
  • メンブレン,ノンクリックキー
  • ストローク:3.0±0.1mm
  • 通電状態での寿命:1千万分

 このキーボードの裏側の刻印によると,正式モデル名は「AL-2199」らしい.この名称で調べたところ,このキーボードがHAVIT(中国)製ミニキーボード「HAVIT2199」の日本語バージョンOEMであることがわかった.


  SD-2199Sの最大の特徴は,青色にキーボードが発光することだ.今までにも発光キーボードは,いくつか発売されてきたが,SD-2199Sの発光はセンチュリー「蛍」(CK-89LU-P)によく似ているように思う.また発光ムラが確認できないことから,SD-2199Sの発光部は薄膜EL素子と推定される.発光輝度は,キーボードから伸びるUSBケーブルの途中にある小さなボックス(注:なぜか「DC/AC POWER ADAPTER」と刻印されている)のボリューム抵抗(注:Offのノッチ感あり)でコントロールできる.しかし,ELの特性のためか,実際にはボリュームを変化させても,輝度は「OFF,(低),高」の2~3段階程度にしか変化しない.また,キートップ(白)は透明度がそれほど高くないため,実際に発光するのは「キーとキーの隙間」といった感じになり,センチュリー「蛍」(CK-89LU-P)と同様の発光感が得られる.このような発光形態ではあるが,完全な暗所においても,発光させればキートップの刻印が可読であり,単なる装飾発光ではなく,実用レベルの発光と言える.ちなみに,センチュリー「蛍」(CK-89LU-P)は,既に生産を終了しており,フルキーボードタイプの発光キーボードのみが,センチュリーから発売されている.


 ミニキーボードでよく問題になるのが,キー配列だ.SD-2199Sの配列は,それほど変則的ではないが,いくつか注意点がある.


  • Fnキーが左下角にあり,その右隣がCtrlキー
  • 漢字キーがAltキーと無変換キーの間にある
  • CtrlキーとAltキーが1つずつしかない(ゲーム等で問題ありか?)
  • Pause/Breakキーがない

 Fnキーについては,ノートパソコン等において,Ctrlキーが左下角で,その右隣がFnキーというパターンも多く,ノートパソコンのキーボードなどに慣れているユーザーは要注意だ.


 キートップの形状・大きさについては,画像を見て頂くとわかるとおり,ファンクションキーとカーソルキーが,小さく横長に変形されている.特に多用されるカーソルキーの変形は痛いところだが,カーソルキー群が判別しやすいように,わざわざスペースを空け,一段下がっているところは,有名ミニキーボード Happy Hacking Keyboard Lite2ライクで好感が持てる.またENTERキーがフルキーボードのように,通常キー2個分の大きさを持っていることも,この製品のいいところだ.


 さらに細かいところを見ていこう.SD-2199Sには,通常のキーボード同様に,「足」も存在する.この足がSD-2199Sの底部に存在するのではなく,上部側面に存在するところがユニークだ.無線LANアクセスポイントによく見られるアンテナのように,2つの足は底面方向にスイングさせて立てるしくみだが,足がかなり細いため,強度にはやや不安が残る.この大きさのキーボードで足を立てる必然性はあまり感じられないので,「単なる飾り」と見た方がいいかもしれない.


 さて,それではお約束の「解剖」に移ろう.底面のネジをはずすと,ブリキ板(おそらくEL部)のような底板が現れる.スペースバーの下部あたり,ちょっとしたパームレスト的スペースの下に小さな基盤が存在したが,その半田付けはかなり汚い.ヤニが飛び散っている上に,おそらくニッパーで切った芋半田のくずが,基盤上に散っていた.なんとも言えない手作り感だ.さらにブリキ板を固定している十数個のネジを精密ドライバではずそうとしたが,何と1つのネジのネジ山が既につぶされていた!それゆえ,ブリキ板を完全にはずすことはできなかった.しかもこのネジの精度にも問題があり,1つのネジは,ネジ頭の円の中心が,「+」中心よりずれていた.しかたなく,ブリキ板をずらしてみると,メンブレンスイッチのシートが現れ,キートップの下のラバードームも露出した(注:本Blogの画像参照). ということで,解剖はここまで.


 最後に使用感と不具合について書いておこう.まず最初に言えることは,このキーボードは,常用するためのものではないということだ.ストロークが短い上にほとんどクリック感がないため,打ち込めたかどうかはっきりしないのだ.ここで気になるのが,SD-2199Sの輝度調節用のコントロールボックスに,スピーカー出力の為のような穴が空いている点だ.これは私の母の指摘だが,「もともとこのコントロールボックスには,キー打鍵時のクリック音を出すためのもので,ボリュームはその音量調整のためにあったのではないか?」という推論は,あたっているかもしれない.それならば,SD-2199Sがクリック感のないストレートタイプのメンブレンであることにも納得がいく.


 不具合については,一点だけあったが,これはこの個体特有の問題なのかもしれない.CalsLockするときに,左Shiftキーとの併用が効かず,右Shiftキーとの併用時のみ,有効となる点だ.この不具合については,大きな実害はないだろう.


 SD-2199Sは,常用キーボードには向かない.キーピッチの狭さ,ストロークの短さ,ノンクリックキーといったSD-2199Sの特徴は,常用キーボードとしてはあまりにも厳しい.ただし,「モバイル・キーボード」としてみた場合,SD-2199Sは非常に安価で優秀な製品だ.持ち運びに関しては,小型で,非常に薄く軽量なため,かさばらないし,荷にならない.ケーブルも通常のキーボードに比較すると細く,束ねてしまえば,モバイル運用のじゃまにはならないだろう.さらにPS/2・USB両方の接続をサポートしているため,接続するPCを選ばず,また何らかの理由で暗所や閉所で作業しなければならない場合にも,その小型形状や発光能力が大いに役立つはずだ.


 ということで,安価なモバイル・キーボードやメンテ用キーボードとして,あるいは,非常時のサブキーボードとして,SD-2199Sはお薦めできる.またSD-2199S後継機が開発されるのであれば,キーのクリック感の問題を解決し,より製品の完成度を高めて欲しいと思う.


新SoftEtherとスパイウエア

2005-07-07 00:33:00 | ネットワーク技術

 以前も「大発明」としてこのBlogで紹介したフリーのVPNソフト SoftEther の最新版「SoftEther VPN 2.0 ベータ 3.2」が,7月4日にリリースされた.


 主な変更点は…


  • 『SoftEther VPN Bridge 2.0』の追加
  • クラスタリング環境で集中統合管理が可能に
  • 仮想 HUB 間のカスケード接続時にクライアント証明書認証が使用可能に
  • ATOK16 との組み合わせによるメモリリークの解消
  • 複数 TCP コネクション接続時の安定性の向上
  • config ファイルの瞬時の動的なインポート / エクスポートに対応
  • 仮想 HUB の管理オプションの設定が可能に
  • VPN Server の不具合の修正
  • 社外開発の信頼できないプログラムコードの除去

といったところだが,最後の項目は気になるところだろう.また今まで「ベータ1」「ベータ2」「ベータ3」とバージョンアップしてきたにもかかわらず,なぜ今回,「ベータ3.」という細かいバージョンが付けられているのが疑問に思った読者もいると思う.


 実は,あるシェアウエア(「Vocal Cancel」)の中にトロイが発見されたのだが,その作者がSoftEtherの一部のコードを作成していたのだ!シェアウエア内に発見されたトロイ名は,TROJ_HIROFU.A.シェアウエア作者が意図的に埋め込んだもので,不正シリアル使用者を追跡するためのようだ.「不正シリアル使用者である」とソフトが認識すると,インストールしたパソコン内のメールアドレスやシリアル関係の情報を収集し,メールで報告するようになっている模様.この件に関しては,非常に良くまとめられたサイトがあり,その中にはこのシェアウエアの作者吉田氏と,このサイト管理者とのメール往復書簡も公開されている.興味のある方はご一読願いたい.


 この「Vocal Cancelトロイ混入問題」の発端は,上記サイトによると2004年8月の2chへの書き込みからのようだ.トレンドマイクロがトロイと認定したのが本年2月.そして本年6月24日に,この問題に関するスレが2chソフトウエア板に立てられ,その後,6月30日にニュース速報板にもスレが立てられたことで,一気に問題が明るみに出た.同日,SoftEtherのメイン作者に匿名メールにより知らせが入り,夜を徹しての疑惑部分のコードチェックが開始される.そしてついに7月1日,「Vocal Cancel」を公開していたVectorが,同ソフトの公開停止に踏み切ることになる.


 SoftEther内のコードチェックの結果,前バージョンのSoftEtherに,トロイ等の不正コード混入はなかったようだ.その後,念のためにトロイ作者に外注したコード(自己展開型の圧縮パッケージ ユーティリティ)は除去されて,今回の中途半端な(?)開発状態での緊急リリースとなったわけだ.


 というわけで,今回はSoftEtherについては,どうやら事なきを得たようだ.VPNは当然の事ながら,企業での利用が多いため,VPNソフトにおいてセキュリティ確保は最優先事項となるはずだ.SoftEtherのように,オープンソースによらない開発の場合,外注先から納品されたコード監査の徹底は,必要不可欠とも思えるが,今回のSoftEther側の動きからすると,監査は行っていなかったのかもしれない.


 スパイウエアの話題が絶えない今日,今回の事件は,クローズドソース開発やシェアウエアの信頼性確保に,新たな問題を突きつけている.


参考リンク: