WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

続報20:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-24 12:32:17 | ハードウエア
「Barracuda 7200.11」不具合解消のための新新ファームは,これまで一部のモデルについてはファーム検証中のため配布されていなかったが,本日より配布が開始された模様.新新ファーム名称は,SD1BまたはSD2Bとなっている.なおファーム名称がCCもしくはLCの場合は,新新ファームによる更新は不要とされている.

 配布が開始されたモデルは以下の通り
  • ST31500341AS
  • ST31000333AS
  • ST3640323AS
  • ST3640623AS
  • ST3320613AS
  • ST3320813AS
  • ST3160813AS

続報19:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-23 17:55:06 | ハードウエア
Seagate社ハードディスクの表面に記載されている「P/N(Part No.)=製品番号」の表記について興味深い発言が,掲示板にあった.

 「P/N」は,「9BX154-303」というように,前半の6桁の英数字と後半の3桁の数字で構成されている.掲示板の発言によると,この後半の3桁が,出荷先を表しており,「300」がSeagate社正規販売,「303」がOEM販売だという.私の所有しているST3500320ASのP/Nは,「9BX154-303」であり,記憶ではドスパラで購入,CFDが販売していた製品だった.

 今回の不具合騒動に対してCFDでは,「CFD販売のSeagate社製ハードディスクは,製造ラインが違うため,不具合はなかった」としているため,同社販売のハードディスク購入者の一部から非難を浴びている.

 仮にこの「P/N」の後半が出荷先を表しているのであれば,CFDの説明通り,確かにラインが異なっている可能性はあるかもしれない.実際,WaterMind所有のST3500320ASは,BIOS未認識問題は発生していなかった.

 ただ後半303のハードディスクでも,不具合報告が掲示板にあがっており,またこの発言のソースも明らかではないため,真偽は不明.各パーツ販売店の反応はこちら

続報18:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-23 06:30:43 | ハードウエア
 Seagate社認めたハードディスクの不具合騒動は,新新ファームの登場で,終息に向かっているようだ.掲示板の報告を見る限りでは,この新新ファームによる更新で,かなりのユーザーのハードディスクがBIOSにより認識されるようになった.また内部のデータも無傷だったようだ.

 ただし注意しなければならないことは,この新新ファームによって修復されたのは,「電源投入時にハードディスクがBIOSに認識されなくなる」という不具合のみと言うことだ.この他にもユーザーからは,多数の不具合報告があがっている.

 また,ファームのログ管理のバグが,今回の認識不具合の原因だとしても,ログエントリーが急激に増加した理由が明らかにされていない.何らかの別の不具合や不良パーツの採用により,一部ロットでアクセスエラーが多数発生し,ログエントリーが急増した可能性もある.もしそうであれば,せっかくBIOSで認識されるようになっても,ハードディスクがその後,壊れてしまう可能性も否定できない.

 復旧に成功したユーザーは,とりあえずフリーソフトのCrystalDiskInfo等により,代替セクタ数などのS.M.A.R.T.値を確認すべきだろう.そして大事なファイルに関しては,早急にバックアップを行うべきだ.

 特に今回の不具合騒動で,ハードディスクの電源を何度もオンオフしたり,あるいは,ディスクをPCから移動させる作業等を行ったユーザも多いと思う.

 このような作業がハードディスクに負荷を与え,ディスクを損傷・劣化させた可能性も否定できない.従って,復旧したディスクをすぐに運用するのはできるだけ避け,しばらくの間は試運転させて様子を見た方が無難に思う.

 念のため,こちらで行った下記製品の新新ファームによる更新手順を記しておく.
  • モデル:ST3500320AS
  • 製品番号(P/N):9BX154-303
  • ファームウェアのバージョン:SD15
ファーム更新手順:
  1. 新新ファームのISOイメージ「MooseDT-SD1A-2D-8-16-32MB」をダウンロード.(注意!:ファームはモデル毎に違う可能性がある.また今後さらなるバージョンアップもありえるため,こちらのページから該当モデルの最新ファームをダウンロードしたほうがよい
  2. ISOイメージをCD-R等に焼く(注意!:ISOイメージをファイルとして焼かないように.通常はライティングソフトがインストールされていれば,ダウンロードしたISOイメージのアイコンをクリックするだけで,ISOイメージを焼く準備は完了する)
  3. 電源を切った状態のPCに,不具合のあるST3500320ASを接続する(SATAケーブルとSATA電源ケーブル)
  4. PCを起動し,BIOS設定画面により,CDドライブからブートするように設定する
  5. 2)のCD-RをPCに入れ,トレイを閉じる
  6. BIOSの設定を保存する
  7. PCが再起動すると,CDドライブからブートを開始する
  8. 最初に英文の説明画面が現れるが,F10キーやESCキーでスキップする
  9. 操作メニューが現れるので,Sキーを押す
  10. 現在PCに接続されているハードディスクの名称が表示されるので,間違いがないか確認し,ESCキーを押す
  11. 再び操作メニューが現れるので,その中から接続しているハードディスクのモデル名の書かれている行の冒頭の文字のキー(A~D)を押す.
  12. ハードディスクへの新新ファームの転送が開始される
  13. 画面に「Press any key to continue...」と表示されたらファーム転送が完了.
  14. ENTERキー等を押すと,PCの電源が切れる.
  15. しばらく待ってからPCを起動するとファームが更新されているので,ハードディスクがBIOSで認識される(はず)
  16. 認識されない場合は,一端電源を切り,しばらく待ってから再度電源を投入する
  17.  - 完 -


続報17 Rev.3:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-22 22:19:14 | ハードウエア

この記事の内容は2009/01/22の22:19に第3版に改訂しました.


 WaterMindでは,本日配布が開始された,不具合対策のための新新ファームのISOイメージ「MooseDT-SD1A-2D-8-16-32MB」により,下記モデルのファーム更新を試みた.
  • 製品名:Barracuda 7200.11
  • 容量:500GB
  • 接続:SATA
  • モデル:ST3500320AS
  • 製品番号(P/N):9BX154-303
  • ファームウェアのバージョン:SD15

 結果的には,新新ファームへの更新が完了した.ファーム名称は以前と変わらず「SD1A」となっている.更新後のファームバージョンの確認は,BIOSとCrystalDiskInfoの両方で行った.


 更新の注意点としては,ファーム更新終了後に任意のキーをおして電源を完全に切る点.リセットボタンやCTRL&ALT&DELでのソフトリセットでは,ハードディスク内部にファームウエアが転送されただけで更新はされない.


 なおこちらの環境では,ファーム更新直後に,任意のキーを押して電源を切ったが,その直後に電源を入れた時は,BIOSによってハードディスクを認識しなかった.そこで再度電源を切り,電源を再投入した時点で,BIOSが認識したことを申し添えておく.


 今回のファーム更新では,不具合の存在した旧SD1A更新とは異なり,更新するハードディスクの選択時に「モデル名 製品番号」で選択するのではなく,モデル名のみで選択するようになった.


 既にこのファームを用いて,多くのユーザーが更新を行っており,異常なしとの報告が掲示板であがっている.


 こちらのST3500320AS も,現在のところは,問題はないようだが,今後代替処理の発生頻度など,さらなる検証が必要かもしれないため,しばらくは試運転的な運用を行う予定.


注記:

改訂前の記事で


更新終了直後更新ができなかった.更新ソフトの表示は,これも以前の更新時と同様に「ST3500320AS 9BX154-300」となっているため,「P/N:9BX154-303」は対象外なのだろうか?

 ただし掲示板では「P/N:9BX154-303」で成功している報告もあるため,さらに検証を試みる予定.


と記述したが,私の手違いにより,旧SD1Aファームを使用してしまったためであった.ごめんなさい<(_ _)> 

続報15:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-22 06:06:02 | ハードウエア
 現在のところソースは不明だが,Seagate社が認めている「起動時にBIOSによって認識されない」という不具合以外の不具合といわれている「代替処理の急激な増加」に関する原因説明が2chに現れた.

 それによると,ハードディスク内のパーツ(プラッタやボイスコイル)を,12月から別の製品に切り替えたとのこと.それらが不良品であったため,代替セクタ処理が急激に増加してしまうらしい.これらの不良パーツを採用した製品は,ファームウエアのバージョンからは判定できず,シリアル番号で判定する必要があるため,チェックサイトでファームバージョンだけでなく,シリアル番号の入力も必要だったと,2chでは説明されている.

 ソースが不明なので何とも言えないが,もしこれらが事実ならば,maxtorman (1457897)の発言と合わせて考えてみると,今回の不具合の原因は
  1. 不良パーツにより大量の代替処理やエラーが発生
  2. それらの代替処理やエラーはログに記録されたが,量が多いため,何度も記録数が320エントリーをオーバーする
  3. 従って,320番目のエントリーをしたときに電源が落とされる確率が上昇
  4. 運悪く320番目のエントリーで電源を落としたユーザーは,次回電源投入時にハードディスクがBIOSで認識されなくなる
ということになるだろうか?

 しかし疑問は残る.320番目のエントリーで電源を落とす確率が上昇してたとしても,現在不具合報告されているような莫大な数のハードディスクにそれが起こるのだろうか?

 掲示板にあがっている不具合報告の雰囲気では,減算カウンターでも入っているかのように,ハードディスクの使用時間や電源投入回数がある程度のレベルまで上昇すると,認識不具合が発生しているようにも思える.

 ログに320エントリーの記録がなされた後のイベントは,最も古いエントリー(1番目)に上書きされるmaxtorman (1457897)は発言している.だが,もしこの上書き処理にバグがあり,320エントリー後に発生したイベントがすべて,320 番目のエントリーに対して上書きしているとしたら,つじつまは確かに合うのだが…

続報14:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 21:55:57 | ハードウエア
 前の記事で書いたSeagate社員と思われる人物maxtorman (1457897)から,次の発言があった.
  • ログが記述されるのはバッドセクタや書き込み失敗時等(this is a log file that's written only occasionally, usually when there are bad sectors, missed writes, etc...)
  • ログエントリーが320を超えた場合,古いエントリーから上書きされていく(it rolls over the oldest file kept on the drive and there's no issue. )
  • BIOS認識不具合は,ログエントリー数が320ぴったりの時に,電源を切ると,電源投入時に発生する( IF the drive is powered up with log file #320 being the latest one written... a perfect storm situation.)
  • CC**ファームには問題が無く,SD**ファームに不具合が存在する(None of the CC firmware drives were affected - only the SD firmware drives. )
  • 適切な新新ファームは今週か,来週あたりに配布されるだろう(I'd wait until later in the week, maybe next week, until they have a known working and properly proven firmware update.)

続報13:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 21:42:55 | ハードウエア
 前の記事に書いたSeagate社員と思われる人物maxtorman (1457897)の発言に,今回の不具合の原因に関係すると思われる記述を発見した.

原文:
Then the bricking issue came to their attention. It took so long because it's an issue that's hard to track down - pretty much the journal or log space in the firmware is written to if certain events occur. IF the drive is powered down when there are 320 entries in this journal or log, then when it is powered back up, the drive errors out on init and won't boot properly - to the point that it won't even report it's information to the BIOS.

訳文(翻訳ミスがあるかもしれないので,参照程度に):
その時,ハードディスクにアクセスできない問題が彼らの関心を引いた.しかしそれはとても時間がかかりそうな問題だった.なぜならば,ファームウエアがイベント発生時に書き込んだ,たくさんのジャーナルやログを追跡することが困難だったからだ.もしもだが…もしジャーナルやログに320エントリーの情報が存在した時に,ハードディスクの電源が切られた場合,次回にハードディスクの電源を入れると,初期化に失敗し,BIOSにドライブ情報を報告しなくなるぐらい,正しくブートしなくなる.

 これが事実ならば,現在Seagate社が認めている不具合(起動時にBIOSから認識しなくなる)は,単純にファームウエアの「ログ管理のバグ」が原因であり,ファーム更新で治る可能性はあるだろう.

 ただしそのバグがフィクスされたとしても,ジャーナルやログに大量のエントリーが記録される原因は,別にあるかもしれない.その場合は,BIOS認識問題はクリアしたとしても,次の試練がユーザーに待ち構えているのかもしれない.

続報12:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 21:22:12 | ハードウエア
 米Slashdotのトピック「Seagate Firmware Update Bricks 500GB Barracudas (Seagateのファーム更新は,500GBのBarracudaを封じ込める=アクセスを不可能にする)」に,Seagate社の社員と思われる人物が登場した.

  ハンドルネームは,maxtorman (1457897)

 彼の「The Facts」というレスにおいて,今回の新ファームによる不具合がどのようにして起こったか説明している.その他にも彼のレスがあるため,それを読んでいけば,今回の不具合問題全体の詳細がわかるかもしれない.ただし,彼が本当にSeagate社の社員かどうかは定かではない.

続報11:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 19:03:33 | ハードウエア
 Seagate社サイトの「Barracuda 7200.11」の不具合対処に関するページの内容が,いつの間にか更新されていた.

 具体的には,不具合を持つファームとして以前記述されていたAD14が消え,不具合対処の新ファームとされたAD1Aの名称も消えた.

 おそらくAD1Aを適用することで新たな不具合が発生し,多くのユーザーがAD1A適用後,以前のファームAD14に戻すことにより対処しているためだろう.ファームAD14が本当に不具合を持たないのかは定かではないが,掲示板等ではAD14の不具合報告が少ないようにも思う.

 いずれにしても,今後配布されるであろう新ファームは,新たなバージョン名称を持つことになるのかもしれない.

続報10:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 18:40:11 | ハードウエア
 最初の記事で書いた「掲示板であがっている不具合の噂」一覧を,その後に投稿された内容も含めて,更新しておく.
  • 起動時にBIOSから認識しなくなる
    • Seagateの認めているファーム不具合 で突然発生する
  • キャッシュが正常に認識されず,キャッシュの一部しか使用されない
    • 対象:ST3500320AS、ST3750330AS、ST31000340AS
    • ファーム不具合によるため,ファーム更新で対応
  • ライトキャッシュの不具合で固まる,もしくは起動に長時間かかる
    • 対象:ST31500341AS他
    • ファームの不具合のため,ファーム更新で対応
  • 13度(23度?)以下の動作環境における書き込み速度低下
    • 対象:250Gプラッタ製品
    • 不具合ではなく書き込みベリファイのための仕様
  • 動作保証温度範囲内の低温環境においてスピンアップに失敗し,BIOSから認識されない
    • 対象:333GBプラッタ製品
  • 代替処理の多発および代替処理自体の失敗
    • 対象:Barracuda 7200.11全般,特にST31500341AS
    • 品質低下&ファーム不良が原因?
  • 電力不足による起動失敗
    • 対象:ST3320613AS
    • 電源が十分な電力を供給できない場合に発生
    • スピンアップ時に大量の電力を消費し,なおかつ電源マージが少ないため
  • RAID構築ができない
    • 対象:ST31500341AS,ST31000333AS
    • AdaptecRAIDカードとの相性問題
  • VIAチップセット(VT8237)で認識されない
    • 対象:ST31500341AS,ST31000333AS
    • VT8237との相性問題,VIA側に不具合あり?

続報9:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 17:46:44 | ハードウエア
 故障したハードディスク内のデータをサルベージしている会社Retrodata社CEOが,今回のSeagate社製ハードディスク不具合問題について談話を発表した.要旨をまとめると
  • Barracuda 7200.11の不具合については,すでに昨年11月から報告されていた
  • 他のHDDと比べて30倍ほどの修復依頼を受け付けた
とのこと.もしこれが事実ならば,不具合対象製品は昨年12月以前に生産された製品も含まれる可能性がある.

続報8:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 17:39:39 | ハードウエア
Seagate社製ハードディスク不具合問題に対して,他社から救済の手がさしのべられている.オンラインストレージの「Weback」は,5GBのオンラインストレージを一ヶ月間無料開放する.Webackは本来,有償のオンラインストレージ(一ヶ月6,300円,容量5GB)で,自動バックアップ機能を持つ.容量が小さく,期間限定である点に注意.

続報6:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-20 23:07:19 | ハードウエア
今回のSeagate社製ハードディスク不具合において,BIOSによってハードディスクが認識されない場合は,
という方法以外に掲示板には報告されていなかったが,少なくともアメリカのSeagate社では,「無償の復旧」という第3の選択肢が提示された模様だ.これが日本でも行われるかどうかは,定かではない.