WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

楽器としてのNintendo DSi LL

2009-11-23 14:12:30 | ハードウエア
 自分の所有しているNintendo DSiは,事実上,携帯楽器兼DTMマシンと化している.すなわちDSソフト「大合奏!バンドブラザーズDX(略称:バンブラ)」専用機となっていると言って良い.このソフトと出会ってから,DSiはゲーム機ではなく,「自分の身体の延長=楽器」としてとらえるようになり,それまででは考えられない「愛着」をDSiに感じるようになった.バンブラとの出会いは.それまで自分が何十年間か持っていた音楽観を,全く変えてしまうほどの衝撃的な事件でもあった.

 詳しいバンブラの解説は他のページに譲るが,このソフトは画面に表示された譜面を見ながら,ボタンを押して音を出し,演奏する楽器ソフトだ.譜面は楽器毎に8パートに分かれており,プレイヤーはその中の一つを演奏し,残りのパートはDSが自動演奏する.つまり「楽器のカラオケ」だ.また通常のボーカルのカラオケ機能を搭載しているため,メロディパートは演奏せず,歌うことも可能.さらに無線LANにより,各パートを担当する他のプレイヤーとともに,合奏することも可能であり,気軽にセッションを持つことができる.セッションの時に問題になる「実力差」も,バンブラの演奏操作は,その熟練度により,単純な方法(1個のボタンを使用)から複雑な方法(10個のボタンを使用)まで選択きるため,未熟なプレイヤーが演奏の足を引っ張る事が少ない.そして極めつけは作曲機能(簡易DTM)で,各パート毎に譜面を入力し,アップロードすることにより,バンブラのすべてのユーザーを対象にして曲を配信することができる(ただし審査を通過する必要がある).

 私の場合は,ヘッドフォンを使用して,一人で演奏することはもとより,友人や母親とセッションしたり,耳コピによりポップスなどを打ち込み,サーバに投稿するなど,カラオケやフリー演奏(楽譜なしでの演奏)以外のバンブラの機能はフルに使用している.すでにソフトを購入してから1年以上経っているはずだが,全く飽きることなく,ちょっとした時間や気分転換が必要だと感じた時に演奏を楽しんでいる.ちなみに耳コピによる打ち込みは,莫大な時間がかかるため長期休暇時のみ.

 こんな私が「Nintendo DSi LL(以下LLと略す)」の発売を知ったのは,偶然に見たTVCMからだった.その名称やTVCMから受けたLLの印象は,「お年寄りのために画面を大型化しただけのDSi」といったものだった.この軽薄短小の時代に,LLを発売する理由が他にあるだろうか?すでにDSiを持っている私にとっては,「2万円も払って,改めて購入する必要もないもの」とその場では判断し,しばらくの間,LL新発売への関心は薄れていた.ところがその後,あるきっかけから,心の片隅に妙にむずむずした何かを感じ始めた.それは,最近バンブラ譜面として配信された中島美嘉の曲「Will」のベースパートを練習していた時だった.

 自分の場合,10個のボタンを使用して演奏している(操作タイプ:マスター)のだが,この曲のベースパートはかなり難しい(レベルは最高難度★10個).このような難曲の練習中は,どうしても力んでしまい,指の動きにより画面が揺れるため,譜面を目で追うことができなくなる.このため目の疲れ方が尋常ではない.さらには力みによって,DSiを支える手や指がだんだん痛くなってくる.

 バンブラマスター操作では,3つのボタンの同時押し(Lボタン+Rボタン+他のボタン)が存在する.私の場合,強くLRボタンを押してしまうため,通常の持ち方では,本体の位置がカラダの方向にずれてしまう.これを防ぐため私の場合は,両手の小指を本体前方側面に立て支えているのだが,これはたいへん不自然な持ち方だ.しかもこの方法でも,だんだん本体が手のひらの中でカラダ側にずれてくると,DSiの底面隅にある足(小さな突起)が,小指と薬指の間の根本に食い込んできて,これが非常痛い.

 疲れるのは目や指だけではない.意外なことと思われるかもしれないが胸や耳も疲れる.胸はDSi本体が操作によってできるだけ揺れないように,脇を締め,両手で横から挟むように持つため,大胸筋に力を入れているためだ.また耳かけヘッドフォンを使用しているため,耳たぶもかなり痛くなってしまう.

 このような状態でベースパートの通し練習と部分練習を繰り返していると,やはり一段落つく毎にかなりの疲労感を感じてしまう.そんなときにふと思った.「もしもあのLLで演奏したらどうなんだろう?」

 以前はDS Liteでバンブラ演奏をしていたのだが,DSi発売をきっかけにバンブラをDSiに移行した時に非常に驚いた.DSiではDS LiteよりABXYボタンの高さが低くなり,「こすり」奏法(指の腹で連続的にボタンをこすって高速に演奏する方法)が,やりやすくなっていたのだ.十字キーも高さが低くなり,同じく,こすり演奏しやすくなった上に,十字キー特有の「ぐらつき」が減少していた.もちろんDSi最大の特徴であるやや大きくなった画面により,楽譜はDS Liteよりも見やすくなっていた.しかもDS Liteではつるつるだった底面が,DSiでは滑り止め加工になっていて,感触も良くなった上に,手が汗ばんできても滑らなくなった.音量調節はDS Liteのアナログ的なボリュームから,デジタル的なサイドボタンとなり,フリー演奏時に素早く的確に音量を操作できるようにもなっていた.

 私にとってこれらの職人芸的改良は,DS Liteの改良と言うより,バンブラのための改良,さらに言えば楽器としての改良にすら思えたのだ.もしやこれらの改良がLLに対しても施されているのではないか?仮に改良されていなかったとしても,最もバンブラ演奏に向いているとされている初代DSに近い大きさを持つLLならば,少なくとも演奏しやすいのではないか?そして何より確実言えることは,目には優しいはずではないか!これは!

 この最後の「目に優しいDS = DSi LL」という部分が決め手となり,LLに対する評価が一気に変わり,発売当日にLLを購入した.通常,製品の初期ロットは購入しないというのが私のポリシーだが,LLは例外的扱いとなった.実際,DSでバンブラ演奏をやり始めてから,視力は確実に落ちており,健康面の不安があったのは事実だ.

 結論から言うと,バンブラ楽器としてのLLは,DSiよりも優れていると思う.特に画面が大きくなった効果は絶大だ.演奏していても目が疲れない上に,画面が揺れてしまった場合でも,DSiよりも譜面を追うことが楽になった.またDSiよりも本体を目から離すことができるようになったため,演奏姿勢も以前より良くなった気がする.

 演奏ではないが,バンブラ作曲を行ったことがあるユーザーは,長時間小さな画面を見続けなければならず,非常に苦痛やストレスを感じていたはずだ.私自身もバンブラ作曲時に,これだけ作曲が苦痛ならば,思い切ってバンブラから,PCのDTMソフトに移行してしまおうかという誘惑に何度も駆られた.DTMソフトならば,PCの大画面のモニタとマウスで操作ができ,さらにはバンブラ作曲上の様々な制限もないからだ.LLの大画面は,このバンブラ作曲作業上の苦痛をかなり解消してくれるものと期待している.

 バンブラの画面デザインは,ペンでタップするよりも,指で直接画面に触れることを想定していると思われる個所が多い.例えば「戻る」ボタンの位置は,明らかに右手親指で直接触れることを前提としている.しかしながらバンブラ画面操作のすべてが,指による操作を前提としているわけではない.例えば曲検索におけるキーボード画面がそれだ.指で押せないわけでもないが,DSiの画面ではボタンが小さいため指での入力は困難だった.

 LLの大画面ではありがたいことに,このキーボードボタンも大きく表示されるため,指での操作が可能となった.小さな事ではあるが,煩わしいペン操作がなくなったのはうれしい限りだ.

 ただしLLの画面も弱点はある.例えばDSiに比べて,やや粒状感(ざらつき)があり,白地の画面になった場合に特に目立つようだ.さらにDSiよりも輝度がやや低く,全体的に少々黄色が強くなっている.バンブラの場合,黒地の画面が多く,また色はほとんど演奏に関係しないため,大した問題とは言えないだろう.

 ABXYボタンについては,若干DSiよりも高くなったように思う(以下,やりこんだDSiとの比較であるために,正確には不明).そのためキーのストロークも長くなっていると思われる.キーの重さも,LLのほうがDSiよりもやや重い感じなので,LLの方が誤ってボタンを押すことは少なくなるが,発声させるためには,DSiよりもしっかりボタンを押す必要があるかもしれない.これらはこすり奏法等に影響があると思われるが,どちらが演奏しやすいのかはまだ判断できない(曲によって,演奏しやすさが異なる可能性あり).

 また押し込みきった時のボタンの高さもDSiよりも若干高くなっているようで,押し込み時にボタンの輪郭が指にはっきり感じられる.DSiでは押し込みきった時に,ボタン輪郭があいまいになるが,隣のボタンとの位置関係を把握するためには,LLのほうがよいのかもしれない.キーの大きさ・膨らみ具合・表面加工・各キーの間隔などはDSiと変わらないように思う.

 十字キーについては,DSiとほぼ同じだが,LLではキーを離した時に「ポコッ」という比較的大きな音がする.筐体が大きいので,中で共鳴しているのかもしれないが,やや気になる点ではある.ヘッドフォンをして演奏しているのであれば,もちろん問題はない.クリック感はDSiよりもやや強いので,キーが入ったかどうかはDSiよりもわかりやすいかもしれない.

 音量のサイドボタンは,他所でも書かれているとおり,DSiよりも高くなり,上げと下げボタンが離れたため,明らかに操作はし易くなった.

 LRボタンについては,DSiよりもクリック感やクリック音が小さくなり,キーも軽くなったように思う.バンブラではRキーをオクターブを上げるために押し続けることが多いが,キーが軽くなったことにより,押し続けても指の疲れが少ないかもしれない.また曲によっては半音を下げるLキーをABXYボタン並みに使用する部分を持つ場合もあるが,キーが軽くなったことにより,疲労の少ない高速な打鍵が可能になったように思う.

 劇的に変わったのは本体の持ち方だ.前述のLRキーが軽くなったことと,本体のホールド感が向上したことによりに,LRキーを押しても,本体がカラダ側にずれることが少なくなった.これにより,小指を本体前方側面に立てる必要はなくなった.

 奥行きが深くなったため,DSiのようにLRキーをすべて覆うように指はかからなくなった.自分の場合はLRボタンの半分ぐらいを覆う程度だが,演奏に支障は感じられない.

 自分の持ち方では,LL本体前面の角は薬指の根元あたりにくる.角のあたる位置は,DSiとほぼ同じなのだが,LLの角はDSiよりもゆるやかに湾曲しているため,長時間あたっていても,あまり痛くならないようだ.しかもあの,削り取ってしまおうかと思ったほど痛かったDSi底面の足が,LLでは大きく低く丸い足に変更されていた.

 重さについては,確かにDSiよりもかなり重い.が,この重さは本体位置のホールドの安定感にもつながっているように思う.長時間演奏には影響がないとは言えないだろうが,短時間の演奏であれば,ほとんど問題はないだろう(ただしユーザーが子供の場合,手に対して本体が大きく,また重いため,演奏に支障が出る可能性はある).

 最後にスピーカーだが,これも他所で言及されているように音質が若干向上している.DSiでは,音がややこもった感じがしていたが,LLではそのような感じはなく,クリアな感じがする.ただし音量に関しては,どちらも同程度のようだ.

 実に長々と書いたが,自分のようにDSをバンブラ楽器として使用しているユーザーは,できたら試奏したうえで,早急にLLを購入したほうがよいと思う.これは特に眼の健康のためにお勧めする.DSが2台になってもったいないと思われるユーザも多いかもしれないが,1台目のDSが無駄になるわけでもない.LLを家での練習用やセッション本番用に使用し,DSiは普段持ち歩き,時間が空いた時に素早く取り出して,軽く練習する等の使い分けができると思うからだ.最後に言い訳がましいが…

「本レポートは個人的感想であり,客観的資料に基づいたレポートではありません.また本レポートは一個人の購入したLLに関するものであり,すべてのLLに当てはまらない可能性があります.ご注意ください.」

 

 


続報3:セキュリティ対策ツールによるFireFox3のフリーズ問題

2009-11-05 19:56:40 | ソフト
 前の記事の続報.「サポートツール」によって2つの製品保護設定を解除したまま,再起動を行ったところ,再びサービスTMBMSRVのコントロールが可能となった.手動再起動してもコントロールできなくなっていたのだが,WindowsUpdateを行って再起動した後,再びコントロールが可能になった.WindowsUpdateが影響したのか,インストールという行為が影響したのか,それともPC個体の問題なのかは不明.

 とりあえずこのサービスを停止したところ,当然のことだが,FireFox3のぷちフリーズは完全になくなった.ちなみにこのサービスを停止した後,セキュリティ対策ツールのメイン画面を表示すると下記のメッセージが表示される.
不正変更の監視サービスが終了されました.セキュリティ対策ツールを再起動して,不正変更の監視サービスを復元してください.解決しない場合は,コンピュータを再起動してください.この警告が引き続き表示される場合は,テクニカルサポートにお問い合わせください.
 このメッセージの表示から,PCを再起動すれば,サービスのスタートアップ設定が手動になっていた場合でも,自動的にサービスTMBMSRVが開始されることが示唆される.実際,こちらでもその現象を確認している.とりあえずそれならば面倒ではあるが,PC起動時に毎回,サービスTMBMSRVを手動で停止しておけば,セキュリティ対策ツールによるFireFox3のぷちフリーズ問題は解決できると言うことになるだろう.
追記:サービスを無効設定に変更すれば,毎回停止操作を行う必要はないのかもしれない.ただし,続報1にあげたブログ記事に報告されているような,様々な弊害が発生する可能性があるため,無効設定にはしていない.ただし無効状態で確実に弊害が発生するかどうかは未確認.
 ただ気になるのは,このサービス停止の影響だ.特にウイルスのリアルタイム検索がサービス停止後も有効なのか?

 そこでとりあえず,サービスTMBMSRVを停止した状態で,無害なテストウイルスをダウンロードしてみた.最初ダウンロード時に何のメッセージも表示されずに焦ったが,これはポップアップメッセージが抑制的に設定されたためだった.実際にはテストウイルスはダウンロード後,セキュリティ対策ツールによって隔離されていた.この結果から「リアルタイム検索はサービス停止後も有効になっている」と判断して良いだろう.ちなみに受信メール等のその他のリアルタイム系の検索機能が有効かどうかについてはチェックしていな い.それらの検索を使用しているユーザは,各自でチェックしてこのサービスを停止するべきか判断する必要があるだろう.

 さらにこの対策方法の最大の問題点は,製品保護機能を常に停止しておかなければ,サービスTMBMSRV の停止ができない点だ.近年のウイルスは,感染に成功した場合,主要なウイルス対策ソフトの停止を試みる.またウイルスド ロッパーのように,感染後,他のウイルス等を自動でダウンロードするウイルスも多い.製品保護機能が有効であれば,セキュリティ対策ツールにとって未知のウイルスがリアルタイム検索をくぐり抜けてしまった後でも,他の既知のウイルスに関してはまだ防御力を持つことになる.従って製品保護機能を常に停止することは,セキュリティの観点上,推奨されない.サービスTMBMSRVを停止させるユーザは,このリスクを十分承知しておく必要があるだろう.

 最後に,「セキュリティ対策ツールによるFireFox3のフリーズ問題の対策手順」をまとめておく.
  1. セキュリティ対策ツールのインストールフォルダ内に存在するサポートツールTISTOOL.exe」をクリック(Vistaの場合は,右クリックして「管理者として実行」をクリック,暗転後「続行」をクリック)
  2. このページの手順3~9を実行し,サービスTMBMSRVを更新する(最終的にこのサービスは停止するが,念のため更新する)
  3. 毎回PC(再)起動後に,上記ページの手順4~6に基づいて,サービス「Trend Micro Unauthorized Change Prevention Service」の設定を開く
  4. 停止ボタンをクリックしてサービスTMBMSRVを停止する
  5. FireFox3を起動する
 以上のように,この対策方法は危険な側面を持っており,万人向けではない.セキュリティ対策ツールによって,確実性の高いセキュリティを維持したいユーザは,この対策を取らず,セキュリティ対策ツールの更新による解決,もしくは次バージョンのVer.18(ウイルスバスター2010相当,来年7月リリース?)を待つしかないのかもしれない.

続報1:セキュリティ対策ツールによるFireFox3のフリーズ問題

2009-11-04 17:50:34 | ソフト
 前の記事の続報.「ぷちフリーズ問題は解決」と書いたが,やはりその後TMBMSRVによる「ぷちフリーズ」は続いていた.ただし,以前よりもフリーズ期間が短く(5~7秒程度)となり,頻度は下がったようにも思う.ぎりぎり我慢できるぷちフリーズと言ったところだろうか?

 いずれにしても,このブログ記事によると,サービスTMBMSRVを停止させた場合,問題が発生して実用に耐えられない状態となる模様.従って,サービスTMBMSRV停止作戦もとれない.

 さて…どうしたものか…


セキュリティ対策ツールによるFireFox3のフリーズ問題

2009-11-04 17:48:17 | ソフト
 ウイルスバスター2009によって引き起こされるFireFox3のフリーズ問題は,比較的知られた不具合に分類されるだろう.具体的には「ウイルスバスター2009のインストールされているPCでFireFox3を使用した場合,頻繁に10秒から30秒ぐらい反応しなくなる(俗称:ぷちフリーズ)」というものだ.

 この原因は,「FireFox3の持つセキュリティ機能とウイルスバスターの持つ同等の機能がバッティングしているため」「Trendツールバーの不具合」と噂されているが真相は定かではない.

 上記のフリーズ問題の対策としては
  • FireFox3のTrendツールバーを無効とする
  • FireFox3のセキュリティ設定「攻撃サイト警告」「偽装サイト警告」を無効とする
  • ウイルスバスターのWebレピュテーション機能を無効とする
が有効のようだ(特にTrendツールバー無効化).

 私のメインマシン(Windows Vista)では,FireFox3と共に,ウイルス対策ソフトとしてNTT西日本のフレッツ光プレミアムに付属する「セキュリティ対策ツール」を長年使用している.セキュリティ対策ツールは,ウイルスバスターのOEMバージョンであり,本年7月14日にはウイルスバスター2009相当となるVer.17がリリースされた.当然,私のメインマシンもこのVer.17を使用しているのだが,その頃から私もFireFox3がぷちフリーズを起こしているのに気がついた.

 最初の内はアドインの不具合かと思い,そのうちに更新により解消されるだろうと軽く思っていた.しかしいつまでたっても現象が解消されず,次第に業務に支障を来すことがわかり,見過ごすことのできない不具合として認識するようになった.

 もちろんネット検索によって不具合対策を探ったのだが,セキュリティ対策ツールの不具合情報は非常に少なく,具体的な対策は見つからなかった.従って,ウイルスバスター2009の不具合対策を参考にするしかなかったのだが,セキュリティ対策ツールには
  • Trendツールバーが存在しない
  • Webレピュテーション機能が存在しない
ため,前述のウイルスバスター2009対策がほとんどとれない.FireFox3のセキュリティ設定「攻撃サイト警告」「偽装サイト警告」を無効にもしてみたが,全く現象が収まる気配はない.

 やむを得ず,GoogleのブラウザChromeを併用し,ここまで乗り切ってきたというのが今までの経過だ.ChromeはFireFox3よりも高速に動作し,なおかつ,おまけ機能として恐ろしく優秀な開発支援機能「Developer Tools」が備わっている(ページを右クリックし「要素を検証」をクリックで出現).

 私にとってChromeは,もはや手放すことのできないブラウザとなっているが,かといってFireFox3から完全に移行することはできない.なんと言ってもFireFox3には強力なアドオン群が存在し,Chromeにそれを代替する機能が備わっていないからだ.ではどうやってこの問題を解決するか…

 とりあえず,ぷちフリーズの犯人はモニタリングによって,TMBMSRV.exe(Trend Micro Unauthorized Change Prevention Service)であることは確定済みだった.「認証されていない変更を阻止するサービス」と言うことのようなのだが,セキュリティ対策ツール側の「不正変更の監視」機能は以前から停止しており,それでも不具合は発生していた.そのため,まずこのサービスを停止しようとした.ところが,なんと停止操作ができない!ウイルスによってサービスを停止されないように,サービス停止ができないようになっているらしい.

 困った….やはりセキュリティ対策ツールのアンインストールしか方法はないのか?月々のフレッツ料金にセキュリティ対策ツールの使用料金が含まれているにも関わらず…再インストールもかなり面倒だし…

 再びネット放浪の旅に出たのだが,直接的な答えは,ついに見つからなかった.しかし示唆に富むヒントを得ることはできた.それは意外にも,ウイルスバスター開発会社TrendMicroのWebサイトにあった.

 「コンピュータ起動時、デスクトップが表示される前に止まってしまう(フリーズする)

 幸いなことに,私の場合,上記のようにデスクトップが表示されずにフリーズするという現象にはあったことがない.従って直接,今回の不具合とは関係ないのだが,そこに注目すべき記述を発見した.記載されている不具合対策手順の中に「TMBMSRV.exe」を停止する件があったのだ.

 上記の不具合対策は非常に興味深いものであった.具体的には
  1. セーフモードで起動
  2. トレンドマイクロサポートツールで,製品保護機能を無効化
  3. サービスTMBMSRVを自動から手動スタートに変更
  4. PC再起動
  5. ウイルスバスターのアップデートを手動で行う
  6. トレンドマイクロサポートツールで,製品保護機能を有効化
  7. PC再起動
というものだった.この「トレンドマイクロサポートツール」があれば,サービスTMBMSRVを停止できる!

 先ほども説明したとおり,セキュリティ対策ツールはウイルスバスターと全く同じではなく,若干異なった構成となっている.そのため「トレンドマイクロサポートツール」なるソフトは存在しない…ことになっている.実際スタートメニューにもサポートツールの項目はない.しかし試しに,セキュリティ対策ツールのインストールフォルダを探してみたところ,それはありがたいことに存在していた!

 ファイル名「TISTOOL.exe」.紅白の救助浮き輪アイコンが目印.助かった!

 このサポートツールを起動し,2つの製品保護機能を無効にすると,サービスTMBMSRVの操作が可能となった.とりあえずページの手順通りに再起動を行い,再起動後ウイルスバスターの更新を行ったが,更新は存在しなかった.再び製品保護機能を有効にして再起動後,FireFox3を使用してみる.すると…
 
 一応,現在までのところ,ぷちフリーズは発生しなくなった(追記:実際にはまだ発生していました.続報1をご覧ください).念のためサービスTMBMSRVの状態を確認してみた.おもしろいことにサービスTMBMSRVは手動起動に設定したにもかかわらず,PC再起動後開始されていた.サービスTMBMSRVが更新され,FireFox3に関する不具合が解消されたのだろうか?確かにTMBMSRV.exeの更新日時は2009/9/03となっていた.

 ここでようやくこのぷちフリーズ問題の原因がわかってきた.あくまでも推測だが,「FireFox3に関する不具合のあったTMBMSRVの更新が,製品保護機能によってできなかったため」ではないのか?そうでなくては,わざわざ製品保護機能無効状態で,手順5のウイルスバスター更新をかける必要があるだろうか?となると,他のウイルスバスターのサービス「ファイアウォール」「Proxy」も今まで更新されてこなかったのかもしれない.

 いずれにしも問題は解決されそうだ.仮に再びぷちフリーズ問題が再発したとしても,今度はサービスTMBMSRVを手動で止めることができるじゃないか.ところが…

 その後,製品保護機能を無効にしても,サービスTMBMSRVの操作ができなくなりました.

 なぜだ!ウイルスバスターがセキュリティをさらに固くしたのか…それともPCの不具合なのか…ということで,これで様子を見たいと思っています.