WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

フリーのDVDメディア計測ソフト DVDInfo Ver4.21 登場

2005-07-06 00:14:30 | DVD

 例によって業務連絡です!

 DVDメディアのエラー計測の出来る定番ソフトDVDInfoPro の最新版Ver4.21が6月30日にリリースされた.有償版と,広告表示のある無償版があり,無償版は今年8月1日まで使用可能.無償版のダウンロードはこちら.なお今回から,WindowsXP x64 Edition用の無償版も提供が開始された.

 今回の最も大きな変更点は,エラースキャン結果画像をPNG形式で保存可能となった点だ.主な変更点は下記の通り.

  • HD-DVD-R/-RW/-ROMとの互換性を加えた.
  • CDRLABSのメンバーたちの送ってくれたフィードバックのお礼として,ヘルプの中の「featuredフォーラム」として,http://www.cdrlabs.comを掲げた.
  • 旧来のエラーグラフの「垂直(棒グラフ)」モードは,「ブロック」と呼び名を変えた.これはデフォルトが「ライン(折れ線グラフ)」であり,混乱を避けるため,用語を変更する必要が出てきたことによる.多くのユーザーは「ライン」を「垂直ライン(棒グラフ)」と勘違いしてしまうため.
  • 画面スナップショットの保存形式として,PNG・ BMP・GIFを加えた.従来のJPG形式については改良を施した.またJPG設定を設定ウインドウから削除した.これらの機能はOSの「GDI+」によって提供されるため,OSがGDI+をサポートしている必要がある.もし,これらの新機能が上手く動かないようだったら,インストールしたフォルダか,System32フォルダに,gdiplus.dllが存在することを確認すること.
  • PIPO計測結果の保存と再ロードが可能になった.これはPIPOスキャンの結果データがセーブされるのであって,画像がセーブされるのではない.我々はこのようなファイルを「dip」ファイルと呼んでいる(注:私が調べたところ,バイナリファイル).これにより,コメント・MIDコード・ブックタイプ・ディスクタイプなどの値と共に,グラフを再描画することが可能となった.またユーザーはこのdipファイルにより,画像を使用した場合よりも小さなファイルを用いて,グラフを入れ替えて,結果を比較することが容易になった.
  • 上記機能を補うために,画面下部にある,2つのコンボボックス(「ドライブ選択」と「ADVANCED COMMANDS」)をPIPOスキャンにおいては,表示しないようにした.「ADVANCED COMMANDS」ボックスは,PIPOスキャンにおいては,意味がないし,「ドライブ選択」ボックスは,現在選択しているドライブを表示する役目しかない.そこでこれらを取り除き,ステータスを示す2つのデジタル表示のボックスと置き換えた.保存する前にこれらのボックスの右横にある「Add comment」をクリックすれば,これらのボックスの内容を編集することができる.これによりどのような,ドライブが使用されたかを明示できる.このボックスのデフォルト表示は,現在選択しているドライブ名とそのファームバージョンとなる.
  • また上記機能をさらに補うために,第2グラフを加えた.PIPOスキャン画面の右下に3つの赤いLEDボタンがある.これは切替ボタンとなっており,グラフ1,グラフ2,グラフ1と2の両方(compare)となっている.グラフ1またはグラフ2を選択すると,そのグラフにスキャン結果もしくはロードした結果が表示される.これら2つのグラフ表示は,このボタンにより切り替えることが可能で,比較したり,どちらか片方だけを保存したり,Compareボタンによって,2つのグラフを合成して表示することもできる.この機能はさらに改良される予定.
  • Compareボタンは,グラフ1とグラフ2の両方が存在するときに使用可能となる.Compareボタンをクリックすると,グラフ1の上にグラフ2がオーバーレイされる.線の色と凡例が自動的に修正されるので,色が同じになることはない.凡例のLEDボタンをクリックすると,その色の線をオンオフできる.
  • 時が経つにつれて,上記の機能はフィードバックに基づき拡張されるだろうが,まだ初期段階で,主にフィードバックを集めるために提供した.最初のPIPO結果はラインモードで折れ線グラフだ.「ライン」と「ブロック」の切り換えは,画面右横のオプションをクリックすればよい.線の色はそれぞれ異なるが,グラフ1とグラフ2の色の重なった部分については,混合色が用いられる.この混合色により,グラフ2は半透明のように見える.グラフ1はグラフ2を透かして見えるわけだ.例えば,赤と青がそれぞれのグラフで使用されているとすると,重なった部分は紫になる.
  • PIPOスキャンに非対応のドライブが選択されているときに,PIPOボタンがクリックされた場合の挙動が変わった.以前はエラーが表示されていたが,本バージョンではPIPOグラフ画面が表示される.これは,他社の測定した結果のDIPファイルをロードし,グラフ表示することができるようにするためだ.
  • いくつかのボタンに,ティプヘルプを加えた.
  • ヘルプにPIPOパリティテストの項目を書き加えた.Zebraのハードワークに感謝.
  • インストーラに,“graphic templates.zip”ファイルを加えた.この中にはバナーやボタンの画像のテンプレートが含まれており,ユーザーはこれらを改変し,カスタマイズすることができる.

 ということで,今までの

  1. 計測結果の画像をクリップボードにコピーし,
  2. クリップボードの内容を画像ソフトに貼り付け,
  3. PNG形式で保存する

という作業が,本バージョンより不要となった.某掲示板では,JPG形式のスキャン結果画像を貼り付けると,激しい罵倒が飛んだものだが,そのようなことも今後は少なくなるだろう.計測職人の方々には朗報と言えましょう.以上,連絡終わりッ!


元麻布春男の怒り

2005-07-05 00:55:40 | 自作PC

 元麻布春男が怒った!!


 PC雑誌やPCニュース系Webサイトでおなじみの,PCライター元麻布春男氏.彼の怒りの矛先は,Athlon64でおなじみのCPUメーカー日本AMDだ.ご存じのこととは思うが,PCの頭脳に当たるCPUチップは,事実上,2つのメーカーの寡占状態にある(注:Macは含まれない).一方は,パソコンCPUの老舗intel,もう一方はIntelコンパチのCPUを作ってきたAMDだ.


 ここで思い出話を一つ…


 私とIntelのCPUの最初の出会いは,あの有名な元祖NEC TK-80に乗っていた8ビットCPUの i8080 だった.もちろん,これは本物の8080ではなく,NECの8080コンパチCPU uPD8080Aで,セラミックパッケージだった.当時,静岡市の某無線屋(岩●ラジオ)に,このNEC TK-80開放展示されており,電気工作マニア崩れの「マイコン少年」たちが放課後集まっては,いじくり回していた.このCPUはよく熱暴走を起こし,誰かがいつもコアの上に,100円玉を乗せてヒートシンクの代わりにしていたのを思い出す.


 その後,様々なマイコン,パソコンを経て,現在に至るのだが,初めて自作(ショップパソコン改造)した時に採用したSocket7用CPUが,IntelのPentiumIIコンパチのAMDのK6-2-400だった.この時に,「AMD=速い,安い,うまい」の公式が強烈に私の頭にインプットされ,以降いわゆる「AMD厨」となってしまった.もちろん理由はそれだけではなく,貧乏人の性(さが)で,IntelがやたらにCPUのソケット・スロット規格を変えることに,嫌気がさしていたということもある.「AMDのSocketA一本勝負ならば,マザーを取り替えずに,BIOS更新だけでCPU交換ができる(可能性が高い)=安い!」の公式だ.


 ということで,今でもAMDファンの私ではあるが,今回の日本AMDに対する元麻布氏の怒りはもっともだと思う.まるで「PCライター書いた雑誌記事は,すべてIntelの提灯記事で嘘っぱち」といったニューアンスの発表だったのだから.


 一般紙でも取り上げられたように,日本AMDは,ライバルのインテル株式会社に対し損害賠償請求訴訟を起こした.この訴状の中で,元麻布氏が怒っているのは,「インテルは、PC雑誌の編集者に対して圧力をかけ、パソコン雑誌に掲載が予定されていたAMD製CPUに関する記事を削除させ、AMD製CPUの性能を評価する記事の内容等を修正させるなどした」と言う点だ.詳しくは「元麻布春男の週刊PCホットライン:PC雑誌はインテルの圧力に負けたのか」を読んで欲しい.


 元麻布氏の経験によれば,氏の書いた記事がインテル株式会社から圧力を受け,内容を変更させられたり,記事をボツにさせられたことはないとのこと.その後,日本AMDから氏に届いたメールによると,「廃刊になった雑誌において,そのようなことがあった」とのことだが,最後まで雑誌名は明らかにされていなかったそうだ.


 AMDは,既にデュアルコアのAthron64 x2をリリースしており,私の愛読雑誌PC Fan(6/15号)におけるPentiumD 840(3.2Ghz,¥61,000~¥65,000) vs Athron64 x2 4800+(2.4Ghz,¥123,000)のデュアルコア・ベンチマークでも,パフォーマンスと消費電力におけるAthron64 x2のアドバンテージが示されたばかり(注:最もCPUの値段が倍近く違うので,この比較はあまり意味がないかも).最近はインテルに対し,ずっと劣勢に立たされていたAMD.ついに復活の時が来たと思った矢先のこの訴訟だが,AMD(本社)はかなり焦っているのだろうか?Macがついに,インテルCPU搭載に踏み切ったことも影響しているのだろうか?


 ただちょっと気になることとして,「PC WatchはIntelびいき?」に見られるような「インテル提灯記事疑惑」も存在することは,忘れてはならないだろう.少なくとも,元麻布氏については,このような事はないと,信じてはいるが…


 …この後は2ch自作PC板の「提灯ライター総合スレ」でどうぞ.



参考リンク:


ネット直付スピーカー 登場

2005-07-04 08:13:01 | ネットワーク技術

 7月になり,ようやく睡眠時間を確保できた.本日は,爆睡後のため,比較的体調は快調.このBlogも更新するエネルギーが出てきたといったところだ.このBlog用の記事ネタはいろいろとあるのだが,とりあえず小ネタから始めようと思う.しかもかなりの変わり種だ.


 ということで今回は,ITMediaの報じた「ネットにつながるスピーカー、NICTが開発」を取り上げてみようと思う.以前にも述べたとおり,GbEネットワークが普及するにつれ,パソコン内のPCIバスは相対的に低速とみなされるようになった.もちろん,より高速なPCI-Expressが,今後は主流となっていくわけだが,GbEネットワークの普及が,パソコンの内部バスやとネットワークの区別を曖昧にしたのは事実だろう.しかも,家庭内に複数台のPCが存在し,LANでつながっているのであれば,周辺機器についてはできるだけ共有(サーバ化)したり,クライアント化したいところだ.ましてや,LANがGbEネットワークならば,いままでネックとなっていた,「ネットワーク機器とパソコンの通信速度の問題」も克服しやすい.


 このように,現在のパソコン直付けの周辺機器は,HUB直付けのネットワーク機器に変化していく可能性がある.既に,小型プリントサーバネットワークカメラNASなどは,家庭内LAN環境においても,それほど珍しいものではなくなった.また,ネットワークメディアプレイヤの登場は,通常の大型TVを,「ネットワークモニタ」へと一歩近づけたと言える.このような状況下,「ネット直付けスピーカー」の登場は,どのような意義を持つのだろうか?


 まず,製品仕様から見てみよう.このスピーカーは,いわゆる共有機能を持ち,さまざまなパソコン(WindowsXP/2000のみ)からの音声出力(仮想デバイス)を,ネットワーク経由で受信し,それを再生する.それだけではなく,マイク端子も備えており,マイク入力を別のパソコンや別のネットワークスピーカーに,送信することも可能なようだ.ただし,

  • マイク入力を,複数のクライアントに同時配信できるか?
  • 複数のソースからの音声を混ぜて(?),スピーカ出力できるか?

といった点については,不明だ.


 ちなみに背面の写真からは,

  • 電源スイッチ(シーソー)
  • LAN端子
  • Muteボタン
  • Mic端子
  • SP端子(サブスピーカー?)

の存在が確認できる.


 ステレオや5.1chと言ったマルチチャンネルについては,「任意のペアを連携させてステレオ再生する」こともできるようなので,技術的には簡単に可能なのだろう.制御ソフトの画面を見てみると,すでに,ネットワークスピーカーのグループ化と,ステレオチャンネルの指定はできているようだ.


 気になるのは,各ネットワークスピーカーの同期の問題だ.一つのIPアドレスにステレオ音楽を送信するインターネットラジオならば,左右の音の同期が取れているのも納得できるが,左右で異なるIPアドレスを持つと思われるこのネットワークスピーカの場合,LAN内以外での同期は難しいように思える.仮にも「インターネットスピーカー」と呼称しているのであれば,この問題は技術的に解決済みと思われるが,何らかの同期のための信号を,ネットワーク経由でスピーカー同士がやりとりするのだろうか?「動画再生時でも映像と同期を保った音声再生が可能」と言う点も,具体的な技術説明がないようだが,もし実現できているとすれば,素晴らしい.


 ということで,ちょっと謎めいたネットワークスピーカーの登場だが,リアルタイム系の周辺機器であるスピーカーのネットワーク機器化は,地味ながらもチャレンジ魂を感じる.仮にリアルタイム系特有の問題が解決されているとすれば,後は使用用途,すなわち存在意義だが,どんなものだろう?


 「独立行政法人 情報通信研究機構」という政府の研究機関だけに,実用性や製品化については,二の次なのだろうが,いいアイディアある?


参考リンク: