WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

Windows7 マルチタッチ技術デモ映像

2008-05-30 17:46:52 | Windows

 連日この話題で恐縮だが,次期Windows「Windows 7」の最も大きな新機能と呼ばれる「マルチタッチ」のデモ映像が公開された.

 マルチタッチは,一本以上の指で画面を直接操作する技術であり,Appleの携帯デバイス「iPod Touch」や「iPhone」で採用されている.従来のスタイラスペンによるタッチパネル操作と異なり,画面の2カ所以上に指で直接触れて,操作を行うことができる.

 ちなみにデモは,タッチパネルを採用したDELL製ノートPCと,キーボードのないタッチパネルのみのデバイスで行われている.

 見ていただければわかるが,このデモ映像には,驚きも衝撃も感動もない.なぜならば,このデモには,いわば「イミテーション」のにおいがするからだ.我々は既に,「iPod Touch」や「iPhone」のデビュー当時に,ほぼ同じデモを見ている.しかもあの感動は,パワーが小さく制限事項の多いモバイルデバイスにおいて,ここまでのユーザーユーザインタフェースを実現できたところにあったのだ.ありあまるCPUパワーを持つPC上で,同じユーザーインターフェースを実現できても,あまりにも当たり前すぎる.ましてや,現在主流のノートPCで,このマルチタッチが主なユーザーインターフェースになるとはとても思えない(注:ただし,タッチパネルを使用せず,タッチパッドとマウスポインタを併用したマルチタッチは,ありうるかもしれない)

 「Windows 7」は,MinWinカーネルを採用しているため,おそらくデバイス組み込み分野では,このマルチタッチは意味があるのかもしれない.しかしすでにマルチタッチが「常識」となりつつある現在,MSはWindows7において,一般ユーザーにもはっきりとわかる何らかのの「something new」を提示する必要がある.それができなければ,Vistaのように「Windows 7」 もマーケッティング的にも厳しい状況におかれる可能性は否定できないだろう.


Windows 7の新ユーザーインターフェース

2008-05-29 15:45:30 | Windows

 前の記事において,次期Windows「Windows 7」のスクリーンショットを紹介し,そこに円環状に並ぶアイコン群が存在したが,その正体が明らかになった.

 この記事によると,Windows7の最大の新機能は,「iPod Touch」や「iPhone」で採用されたマルチタッチ,すなわち1本以上の指で,画面に直接触れて操作するユーザーインターフェースとのことだ.もちろん従来通り,マウスによる操作も行うことができる.

 WIRED VISONの記事によると,円環状のアイコン群の正体は,新しいポップアップメニューであり,指で画面に触れると,その触れた場所を中心にアイコン群が取り囲む.マウスの場合は,マウスである操作(詳細不明)を行うと,マウスポインタの位置を中心に,やはりアイコン群が円環状に表示される.そのアイコンの中から呼び出したい機能を選択し,さらにタッチしたり,クリックするわけだ.記事によれば,現在,画面の下に配置されているタスクバーもこのポップアップ方式に変わる模様.

 このマルチタッチ方式は,もちろん主に,小型モバイル機器で採用され,デスクトップでは相変わらずマウスをポインティングデバイスとして採用することになるのだろう.もし「Windows7の最大の新機能」がこのマルチタッチインターフェースだとすれば,いったいMSは,どうやって,デスクトップPCにおいて,Vistaの失敗から立ち直ることができるか?私見では,それは仮想化技術(VM)だと思うのだが,未だWindows7に,仮想化技術が搭載されるという情報は入っていない.


次期Windows「Windows7」のスクリーンショット流出か?

2008-05-29 09:14:30 | Windows

 28日のIT Proの記事によると,WindowsVistaの次の世代のWindows「Windows 7」のスクリーンショットが流出し,Webページに掲載された.記事によると,これは古い開発バージョンの画面であり,現在開発中の画面とは異なる可能性がある.

 ご存じの通り,WindowsVistaは売れ行きが芳しくなく,PCの新規購入においても,WindowsVistaではなく,WindowsXPのインストールされているPCを選択するユーザも多い.このためMSは,次期Windows「Windows 7」を来年にもリリースする可能性を示唆していた.

 ちなみに,Windows7の内部構造は,「WindowsVista」及び「Windows Server 2008」と変わらない模様であるため,事実上Windows7はVistaの改良版とも言えるだろう.ただし,「Windows Server 2008」の持つ仮想化技術を搭載する可能性があり,そうなれば,過去のWindowsやLinux等のOSを,Windows7内で動かすことができる.Vistaの問題点の一つは,WindowsXPとの互換性の低さだったが,この仮想化技術を利用したWindowsXP完全互換機能を提供すれば,この問題はほとんど解決できる.

 では具体的にWindows7のスクリーンショットを見ていこう.

 最初のスクリーンショットを見てみると,基本的な画面構造は,LinuxのデスクトップマネジャであるKDEをかなり意識したものと言える.太めのタスクバーが存在し,サイドバーにあったガジェットがそのタスクバーにパネルとして存在している.各ウインドウのタイトルバーはやはり太くなり,メニューバーと一体化しているようにも見える.ただし他のスクリーンショットも見ると,これらの画面構成は,細かくカスタマイズできるようだ.

 ご存じの通り,Linuxでは,compizに代表される3Dデスクトップが一般的となっており,その様々な視覚効果は,Windowsのデスクトップを遙かに超えている.今回のスクリーンショットでは,その3Dデスクトップ効果と見られるものがいくつかある.Windows7で,3Dデスクトップを大幅に採用するのは,ほぼ間違いないだろう.

 さらに別のスクリーンショットに見られる,3D円環型に並んだアイコンは,マウスホイールで選択・決定するユーザーインタフェースなのかもしれない.

 おもしろいことに,一部のスクリーンショットには,IE8ではなく,FireFoxの起動アイコンが見られる.しかも,そのスクリーンショットの画面構成が,LinuxのデスクトップマネジャXfce(OS X?)に似ていることから,もしかしたらLinuxデスクトップをカスタマイズして,Windows7のデスクトップを試作している可能性もあると思われる.

 いずれにしてもこれらのスクリーンショットは古いものらしいので,実際のWindows7では大きく異なる可能性は高い.ポイントは

  • 3Dデスクトップの大幅な採用
  • 3Dユーザーインターフェースの採用
  • サイドバーの廃止とパネルの採用

といったところであり,これらの方向性はほぼ変わらないものと思われる.

 IEの標準規格準拠において,FireFoxに大きく遅れを取ったMSだが,デスクトップやOS(特に仮想化)においても,Linuxに追いつこうとしているように見える.MSは多くのユーザによって繁栄してきたが,その多くのユーザが互換性を求め,また,MSもそれにあぐらをかいてきた結果,MSから技術革新の気概は消えていったように思える.Yahoo!の吸収が失敗した今,IT巨人MSの凋落が始まったのかもしれない.


続報:無償のOffice文書格納スペース:「Office Live Workspace」

2008-05-27 09:49:49 | Windows

 前の記事で速報した通り,マイクロソフトによるOffice文書の共有格納スペースサービス「Microsoft Office Live Workspace」は,現在ベータテスト状態に置かれており,まだ正式なサービス開始に至っていない.そのため5月27日現在のところ,いくつか不具合,もしくは,仕様を満たしていない部分があるようだ.今回は,本サービスを試用中に,それらに関して気がついた点を報告する.

★ バージョン管理機能の自動バージョン保存について

 本サービスには,自動的に文書の編集履歴を保存する便利な機能がある.この機能があれば,誤って文書を編集し,なおかつ,ワークスペースに保存した場合でも,以前の状態に復元できる可能性がある.

 ヘルプによると,この自動バージョン保存のタイミングは,

  1. ドキュメントが最後に編集されてから 12 時間が経過する
  2. ドキュメントを最後に修正した後に別のユーザーがドキュメントに変更を加えた場合

となっている.

 しかしながら,この自動バージョン保存機能の2)は機能しておらず,現在のところ,一番最初のバージョンのみを自動保存しているだけのようにみえる.1)に関しては,未確認.

Microsoft Office Live Update について

 本サービスのページの随所に,「PCにインストールされているMS-Officeアプリと,本サービスの統合を強化するためには,Microsoft Office Live Updateをインストールすべき」といった内容の文が埋め込まれている.

 ヘルプによると,この「統合強化」とは,

  1. Officeアプリと本サービスの連携を高速化
  2. Officeアプリの中から本サービスへ,直接アクセスする機能を追加
  3. 本サービス専用のツールバーを追加(Office XP/2003のみ)
  4. 本サービス専用メニュー項目をOfficeメニューに追加(Office 2007のみ)

となっている.

 Microsoft Office Live Updateの最新バージョンは,現在のところ,バージョン1.1だが,私の「WindowsVista SP1+Office XP SP3」の環境において,この更新のインストールを試みたところ,以下のソフトのインストールが自動ダウンロードされた.

  1. Office 2007更新プログラム(KB941637)
  2. Windows Vista更新プログラム(KB948531)
  3. Windows Live サインイン アシスタント

  上記の更新プログラムの詳細を見ると,機能追加のプログラムではなく,文字通り,更新のためのプログラムのように見える.また,1)のように,OfficeXPには不要と思われる更新も存在する.実際に,これらのプログラムのインストールを開始すると,私の環境では,1)の段階でインストールに失敗し,三つともインストールには至らなかった.

 Microsoft Office Live Updateが,PCにインストールされているMS-Officeのバージョンを正しく認識できていない可能性がありそうだ.

 ただ,この更新をインストールしなくても,ツールバーはないものの,OfficeXPからワークスペース内の文書を開いたり(ワークスペースページから開くか,文書のURL指定で開く),開いた文書をワークスペースに保存することは可能だ.また別環境「WindowsXP SP2+Office2003 SP3」において,この更新をインストールしようとしたケースでは,Windows Live サインイン アシスタントのみのインストールが試みられたが,やはりインストールできず失敗している.こちらのケースでも,Office2003によるワークスペースの直接利用は可能だった.

 このような仕様との食い違いや不具合は,まだ存在する可能性がある.引き続き,検証を行っていく予定


無償のOffice文書格納スペース:「Office Live Workspace」ベータテスト開始

2008-05-26 05:25:11 | Windows

 5月23日より,MSは,Ofiice文書をインターネット上のサーバに格納する無償サービス「Microsoft Office Live Workspace」の試験運用(ベータテスト)を開始し,一般公開した.

 WaterMindでは,今回,実際にこのサービスを試用してみたところ,今後,PCのフォルダに取って代わる,Office文書の標準格納スペースとなりうるであろう重要なサービスであることが確認できた.今回は,このサービスをレポートする.ただし,ベータテスト中であるため,今後仕様変更があり得ることはご了承いただきたい.

 まずこのサービスの概要を,以下にまとめてみる.

 ★基本的な機能

  • 文書ファイルをインターネット上のサーバ(Workspace)に格納できる
  • 容量:500MB.有償で容量拡張が可能になる予定
  • 格納できる文書は,Office文書はもちろん,それ以外のファイルも可能
  • アップロードできる1ファイルのサイズは,30MBまで.(プレスリリースでは25MB)
  • ウイルスチェック機能あり
  • 使用するためには,Hotmailアドレス等の Windows Live ID を取得し,それを用いてサインインする必要がある.ちなみに,Windows Live ID は,プロバイダ提供のメールアドレスを元に,新規作成することも可能.また複数のWindows Live IDリンクID機能により,まとめることも可能.
  • ワークスペースや文書に,注意書きや作業指示としてコメントを付加できる.コメントは,一つの対象に対して,共有者全員で,いくつもつけることができる.

     ★ワークスペース

    • ワークスペースは,インターネット上に存在する一種のフォルダ.複数作成可能.ただし通常のフォルダと違い,ワークスペース内にサブ・ワークスペースは作成できない.
    • 典型的な新規ワークスペースを作成するための,テンプレートを用意.テンプレートを使用してワークスペースを作成した場合,そのワークスペース内に,必要と思われるすべての文書が自動生成される.

    ★作成・編集機能

    • 文書の変更履歴を自動保存するため,編集内容を保存した後も,編集前の状態に復元できる(バージョン管理機能,「リスト」を除く)
    • Web文書を直接作成可能(メモ機能)
    • 簡易的なデータベース・テーブル(表)を直接作成可能(リスト機能)

    ★操作性

    • 基本的操作画面は,Webページを用いるため,ソフトのインストールは不要
    • ドラッグアンドドロップで,複数文書のアップロードが可能(ActiveXのインストールが必要)
    • 文書のワークスペース間移動も,ドラッグアンドドロップで可能.ドラッグアンドドロップによるコピーは現在不可.

    ★Office連携機能

    • ワークスペース内文書一覧ページから,直接WORD,EXCEL等で開くことができる(Office XP・2003・2007,ダウンロードも可能)
    • WORD,EXCEL等から直接ワークスペースに保存できる(Office XP・2003・2007)
    • リストをOutlookにエクスポート(リンク?)できる(Office 2003・2007)
    • リストをExcelにエクスポートできる(Office 2003・2007)

    ★閲覧性

    • Officeソフトがインストールされていなくても,Office文書をプレビューできる.ただし,複雑な文書や表では,レイアウト等が崩れる.
    • PDFや一部画像ファイルに対しても,プレビュー可能
    • 文書所有者だけでなく,共有者もプレビュー可能

    ★共有機能概要

    • 共有には,画面共有・文書共有・ワークスペース共有がある
    • 共有は,共有招待状メールを共有したいユーザに送信して行う
    • ワークスペース毎に,共有者による操作を含む操作履歴が残り,履歴はメールで通知される

    ★ユーザ権限

    • 所有者:文書作成者.全権限を持つ.
    • 編集者:文書を編集することのできる共有者.共有開始・解除の操作は不可.
    • 校閲者:文書を閲覧することと,コメントを付加することのみができる共有者.

    ★画面共有(Microsoft SharedView)

    • 画面共有は,複数のユーザが同時に,一つの画面を遠隔操作する機能
    • 画面共有のためには,Microsoft SharedViewをインストールする必要がある
    • デスクトップ全体,または起動しているソフトの画面のみを,共有操作可能
    • 資料配布機能やチャット機能あり

    ★文書共有

    • ワークスペース「ドキュメント」内の文書のみ,文書単位で共有可能

    ★ワークスペース共有

    • ワークスペース単位での共有設定が可能
    • ワークスペース共有設定すれば,そのワークスペース内のすべての文書が共有される

     Office Live Workspaceは,インターネット上の共有フォルダ(FTPやWebDAVフォルダ)による文書ファイル共有方法と比較して,次の点が優れている.

    • 基本的に無償である
    • ワークスペースの改変記録が残るため,共有者による文書改変を把握しやすい
    • 共有者の権限を分けることにより,間違って文書が削除したり,文書内容が改変されるリスクを抑えることができる.
    • バージョン管理機能により,文書の古いバージョンを残す必要が基本的にない
    • Office系ソフトとの統合により,通常のフォルダに近い感覚で,文書を開いたり保存できる
    • コメントやメモにより,共有者間,作業指示者・作業者間でコミュニケーションが取りやすい(メールによる,作業指示よりよいかな?)
    • プレビュー機能により,どこのPCでも文書閲覧可能(将来的には,携帯端末にも対応しほしい)
    • 文書のプレビュー表示が可能

    逆に劣っている点としては

    • Live IDでサインインする必要がある.サインイン後も,セキュリティ保護のため,パスワードの再入力を要求されることもある.
    • ファイルサイズに制限がある
    • 通信速度が,FTPフォルダと比較して遅い
    • FTPフォルダのアイコン(ネットワークプレイス)を使用した場合に比較すると,操作感覚がフォルダ的ではない.
    • ワークスペースを階層化できない.Googleドキュメントのように,タグ付けによる分類もできない.

    をあげることができる.最後のワークスペース分類問題に関しては,ワークスペース名を命名する時に,階層的な名前付け(例えば「共有者名:プロジェクト1:タスク1」)を行えば,ある程度は対処できるかもしれないが,根本的な解決とはならないのは明らかだ.

     いずれにしても,本サービスは,いままでにMSから提供された無償の Live系サービスの中でも,最も完成度と実用性の高いサービスといっても過言ではない.このサービスを利用すれば,Office文書のメール添付における様々な問題点を,かなり解決できるはずだ.ただし,このサービスのセキュリティ面や信頼性については,まだ未知数であるため,機密扱いのOffice文書等の保存については,十分に注意していただきたい.それと,全く不思議なことが一つ…

     

    このサービスには(今のところ),検索機能がない
    (googleが作っていれば,つけていただろうなぁ)


    参考リンク: