WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

ついにキター!「京ポン2 WX310K」,しかし…

2005-09-28 08:52:19 | PHS

 注)9月29日,10月1日に改筆,訂正しました.

 27日,WillcomのPHS端末の4つの新機種の発売が発表された.その中でも,注目されるのが,大ヒット製品となった「京ポン AH-K3001V」の後継機種「WX310K(京ポン2)」だ.

 WX310Kの主なスペックは

  • Bluetooth1.2:HFP,DUN,HSP対応
  • 130万画素CMOSカメラ:最大1,280×960ドット,マクロ・MPEG4動画撮影可能
  • 2.4 インチQVGA:262,144色
  • miniSDカードスロット:最大カード容量1GB以上
  • 4xパケット方式対応:最大128kbps
  • QRコードリーダー搭載
  • ブラウザ:Opera 7.0
  • 予測変換:Advaneced Wnn V2.0
  • MIDI:64和音
  • リモートロック機能
  • 内蔵メモリ:5MB
  • フォント:スケーラブル
  • スケジューラ搭載(vCalendar形式,2005年10月1日加筆)
  • ツインスピーカー搭載(2005年10月1日加筆)
  • カラー:ビターオレンジ,シルバー,ノーブルピンク
  • JAVAなし!
  • ICレコーダなし!
  • 発売予定:11月下旬
  • 予想価格:2~3万円

 この他に,ライセンスキーの購入と,ソフト本体のダウンロードによって,下記の機能が使用出来る.

  • Flashプレイヤ:Flash ver6を使用したWebページ閲覧
  • Picsel Viewer:PDF, Excel, Word, PowerPoint文書の閲覧
  • MPEG4ムービープレイヤ:MPEG4ムービー鑑賞
  • 音楽プレイヤ:MP3,ATRAC3音楽ファイルの再生

 このようにWX310Kでは,機能のかなりの部分が有償オプションとなっており,JAVAアプリは作動しない.この「有償提供」と「JAVAなし」には,おおかたの現行「京ポン」ユーザーをガッカリさせたに違いない.というのも,機種変を考えていた現行京ポンユーザーは,「JAVAあり」はもちろんのこと,有償提供される機能についても無償提供されるモノと,予想していたからだ.しかも,現行京ポンの最大のウイークポイントでされる,操作に対する反応の遅さ,いわゆる「もっさり感」がなくなったかどうかは,未だ報告がない(注:発表会参加者のブログ記事によると,不安定だがサクサクとのことだ.2005年10月1日加筆)

 なぜ他の新端末にJAVAが搭載され,WX310Kに搭載されていないのか?その理由は,スラ・ドへのタレ込みによると,WX310KがブラウザにOperaを採用したのに対し,他の機種がAccessの「NetFront v3.3」を採用したことが影響しているようだ.というのも,他の新端末に搭載されているJVM(JAVA仮想マシン)が,Access製のJVMらしいのだ「Bluetooth1.2に(開発?システム?)リソースを取られ,JAVAを乗せられなかった」と発表会では,説明されたようだ.2005年10月1日加筆)

 JAVAを期待していた現行京ポンユーザーならば,どちらかといえばWX310Kではなく,三洋電機製の新端末「WX310SA」に魅力を感じるかもしれない.

 WX310SAの主なスペックは

  • 130万画素CMOSカメラ:フォトライトあり,マクロ可,動画撮影不能
  • 2.4 インチQVGA:262,144色
  • miniSDカードスロット:最大カード容量1GB以上
  • 4xパケット方式対応:最大128kbps
  • QRコードリーダー搭載
  • ブラウザ:NetFront v3.3Flash非対応!
  • 予測変換:Advaneced Wnn V1.2
  • MIDI:64和音
  • リモートロック機能
  • 内蔵メモリ:2MB
  • フォント:ビットマップ
  • NetFront Document Viewer:Excel,Word,PowerPoint文書閲覧
  • Adobe Reader LE:PDF文書の閲覧
  • カラー:シルバーミスト,プログレッシブレッド
  • JAVA(MIDP2.0)
  • ICレコーダ:AMRコーデックで最大20時間録音可能(128MB容量miniSD使用時)
  • 発売予定:11月下旬
  • 予想価格:2~3万円

となっている.

 つまり「Bluetooth1.2」「音楽」「動画」「Flash」を取るか(WX310K),「JAVA」「ICレコーダ」「無償文書ビューア」を取るか(WX310SA)という,微妙な選択を現行京ポンユーザーに迫っているようだ.これはかなり悩ましい選択だ.WX310SAを,JAVA=GAME指向と考えれば,WX310KはAV指向ということができるのかもしれないが,リアルインターネットプラス(注:インターネット接続定額サービス)のユーザーにとっては,OperaとNetFront v3.3の性能差についても気になるところだ.

 さて全国の現行京ポンユーザー諸君!君ならどうする?


参考リンク:


猛暑がHDD MaXLineIII に残した傷跡

2005-09-25 00:46:44 | ハードウエア

 まもなく10月.雨天の本日は深夜になっても室温27度が維持されており,扇風機の高回転は継続を余儀なくされている.このように我が家の夏は未だ終わってはいないが,それでも,秋の気配は確実に近づいてきているようだ.

 以前の記事に書いたとおり,今年の7月頃,私のメインマシンにおいて,3.5インチHDD交換が実施された.新たに導入されたHDDは,MAXTORMaXLineIII 7L250R0(PATA,250GB,7200rpm,16MBキャッシュ,3枚プラッタ,スペックシートベンチマーク)だ.ご存じかと思うが,MAXTORの場合,HDDが使用目的別にシリーズ構成されている.MaXLineIIIシリーズは,ミッドライン(参照データサーバ)・ニアライン(バックアップ)向けの製品で,主に企業で使用される.24時間稼働の我がメインマシンに,このMaXLineIIIを採用したのは,やはり通常のオフライン(デスクトップPC)向けである同社のDiamondMax10シリーズよりも,耐久力があるのではないかと思ったからだ.ちなみにMaXLineIIIシリーズの,低デューティ・サイクル使用時におけるMTTFは,100万時間となっている.

 7月から24時間運用で約3ヶ月ほどMaXLineIII 7L250R0を使用してきたわけだが,この製品に関して,いくつか気がついたことをあるので,述べておこう.まず圧倒的なのは,アクセス速度,特に書き込み速度だ.今まで使用してきたHDDとは比べものにならないアクセス速度で,GB単位のファイルコピーなども躊躇せず実行できる.16MBキャッシュ内蔵のHDDは今回初めて使用したので,キャッシュ量の影響かどうかはわからない.また3枚プラッタHDDも同様に初めてなので,こちらの影響もあるのかもしれない.いずれにしても,パフォーマンスがこれだけ良ければ,DiamondMax10より,1~2千円ほど高くても,多くにユーザーが納得できるだろう.

 3枚プラッタ製品であるMaXLineIII 7L250R0は,1枚プラッタ製品よりも,動作音が大きく,放熱にも難があるように思える.実際にこの製品を使用した感じでは,音は他の製品に比べて,やや大きめかもしれないが,うるさいというほどの音量ではない.ちなみに「Automatic Acoustic management level」はデフォルトの192のまま使用している(注:デバイス・ベンダー推奨値は254).また発熱に関しても,DiamondMaxに比べれば,高めではあるが,標準的といった感じだ.今年の夏の場合,室温平均33度の部屋に置いて,強力なフロントファンのおかげか,最高45度,平均38度ぐらいで運用できた(S.M.A.R.T.値).ということで,値段はちょっと高いものの,夏場の3ヶ月ほどを運用した感じでは,好印象のMaXLineIII 7L250R0 だった.

 そして秋も近づいた先日,この夏の総決算として,このHDDのリアロケーションに関するS.M.A.R.T.指標を,久々に取ってみて,愕然とした…

  • Reallocated Sectors Count:   5 sectors
  • Power-On Hours:   44510 minuties (hours)
  • Reallocation Event Count:   0 events
  • Current Pending Sector Count (Unstable sectors):   2 sectors
  • Uncorrectable Sector Count:  0 sectors

 すでに5セクタのリアロケーション(不良セクタの代替処理)が起こっており,現在も不安定なセクタが2つもあったのだ!もちろん,夏前,そして夏真っ盛りの測定では,リアロケーションやアンステーブルは皆無だった.ちなみにメインマシン内の他の2つのHDD(MaxtorDiamondMaxPlus9 6Y120L0,HGSTDeskstar 7K250)では,リアロケーションやアンステーブル関係の値は,夏前から全く変化していなかった.

 というわけで,高耐久性を期待されたMaXLineIII 7L250R0 のメインマシンへの採用は,現在のところ成功とは言えない.メインマシンの運用上,7L250R0へのアクセス頻度はそれほど高くはないと思っていたのだが,シーケンシャルな書き込みを前提とする「バックアップ」や,アクセス頻度の少ない「参照サーバ」に比べれば,ランダムアクセス量が想定量より多く,過負荷だったのかもしれない.また発熱は比較的低いが,熱には敏感な製品だったということなのかもしれない.

 結局,MaXLineIIIの耐久性は,バックアップ的用途のみで発揮されるのだろうか?この真偽については,当然個体差もあり得るため,他のユーザーの証言を取らなければ確定的なことは言えないだろう.また,S.M.A.R.T.指標については,リアロケーション・セクタ数とリアロケーション・イベント数が一致していないことも,疑問として残ったままだ.

 以前から気になっていたブログ記事がある.その記事によると「MaXLine : 熱に弱い, 発熱する, Heavy Dutyに弱い / 弱点除けば不死, Marvellに向く 」とメモ書きされていた.これがMaXLineIIIを意味しているのか定かではない.とりあえず,次回のHDD交換では,もう一度MaXLineIIIにチャレンジしてみるつもりだ.果たして,吉と出るか,凶と出るか?乞うご期待.


Corega スイッチングHUBに電解コンデンサ不良,交換へ

2005-09-21 22:39:18 | ハードウエア

 以前の記事に書いたとおり,電解コンデンサの品質は,電子機器の寿命に直結する.特にPC・ネットワーク関係の機材では,24時間通電させているサーバや,ルータ・スイッチングHUBの電解コンデンサの品質が問題となる.詳細については,こちらのサイトを見て欲しい.

 電解コンデンサの劣化の状況は,「液漏れ」「妊娠(頭部膨張)」「底抜け(底面のパッキンが下がる)」で視覚的に確認できる.ちなみに電解コンデンサ劣化の最終ステージは,「破裂」だ.電解コンデンサは高負荷がかけられたり,高温環境で使用されたり,あるいは,内部の電解液の品質・劣化等の原因により,破裂する場合がある.破裂は元々想定されており,破裂時に周囲に被害が及ばないように,コンデンサ頭部には,あらかじめ,切り込みが入れられており,上方に破裂するようになっている.余談だが,私の学生時代,スライダックを使って,部活中に科学部(?)が「コンデンサ破裂ごっこ」をやっていたのを見かけた記憶がある.

 このような性質を持つ電解コンデンサが,PCやネットワーク機器ユーザー間の話題に上るようになって久しい.特にスイッチングHUBに関しては,以前の記事に書いたとおり,「日本製電解コンデンサ採用」を前面に押し出すメーカーも現れてきた.Corega は,最近になってようやく,スイッチングHUBにこのキャッチフレーズを採用したメーカーだが,その Corega から,電解コンデンサに起因するスイッチングHUB不具合のアナウンスが発表された.

 対象の機種は「CG-FSW8AW/8AB」という8ポートHUBだが,電源部の電解コンデンサに不良品が混じっているロットが存在し,そのロットでは,想定した寿命よりも短い期間で動作不良を起こすという.特に使用開始1~2年後の夏場に,動作不良となるケースが多いようだ.スラッシュドットの記事によると,これを裏付ける証言がいくつも飛び出しているようだ.

 CG-FSW8AW/8ABは,既に販売を終了しており,なおかつ,保証期間は1年となっているため,ほとんどのCG-FSW8AW/8ABユーザーが,修理せずに,リプレースしたものと思われる.ではなぜ,今になって,Coregaは,「保証期間の1年を経過した製品」でも交換するといっているのだろう?

 ありえるのは,この不良ロットの起こした「事件」の中に,かなりシリアスな事件も含まれていたのではないかということだ.スラッシュドットの記事の中には,おそらく不良ロットと思われるCG-FSW8AW/8ABの上に紙を置くなどして,ぼや騒ぎになった例があるようだ.確かに,スイッチングHUBが「ネットワーク機器」というより,「家電製品」になった今日,スイッチングHUBの設置環境は様々であることが予想される.ユーザーが,周辺物で通風口をふさいだり,あるいは,可燃物の間にスイッチングHUBを押し込んでいる可能性もある.もちろん,こんなことをすれば,不良ロットでない通常のスイッチングHUBでも,寿命が短くなるだけでなく,ぼやが起こっても不思議ではない.また推測ではあるが,安物スイッチングHUBがプラスチック筐体であることも,このような「ぼや」の遠因となっているのかもしれない.

 いずれにしも,スイッチングHUBのユーザーは,今回の事件を教訓にして,スイッチングHUBのスペックや設置環境を,今一度,見直してみては見てはいかがだろうか?ちなみに我が家には計3台のスイッチングHUBがあり,内2台には24時間トラフィック(ネットワーク防犯カメラのため)が流れている.これらのスイッチングHUBは,机のスチール部分にマグネットで貼り付けたり,あるいは,スイッチングHUBの下にアルミ製の製品をしいて,放熱効果を高めている.ご注意を!


ファンコントローラ AINEX FC-03U 死亡

2005-09-19 02:09:21 | ハードウエア

 おそらく,2年ほど使ってきた,メインマシンの3chファンコントローラ AINEXFC-03U/WH」が死亡した.FC-03U/WHは,ボリューム式のコントローラで,3.5インチのオープンベイ用だ.特徴としては,コントロールするファンの回転数モニタできるように,すべてのチャンネルにパルスセンサー分岐ケーブルがついていることと,USB2.0のフロントポートが2つついていることがあげられる.

 私の場合,このFC-03U/WH

  • 1ch:ケースファン リア12cm排気
  • 2ch:ケースファン サイド12cm排気とシステムファン 排気
  • 3ch:ケースファン フロント8cm吸気X2とHDDクーラー

を取り付けていた.

 私のメインマシンのケースは,以前の記事にも書いたとおり,セルサスFP-402BKだ.このケースは,一部に不満はあるものの,今まで使用してきたPCケースの中で最も気に入っているケースで,空冷能力に優れている.特にタンデムに並べられたフロント8cmファンは,シャドウベイに組み込んだ複数台のHDDに対し,まんべんなく風を当てることができる.

 ちなみに,ケースに付属していたファン(リア12cm,フロント8cmx2)は静音タイプだったので,すべて爆音高速タイプに変更し,サイドパネルに高速12cmファン,PCIスロットにシステム排気ファンを増設している.これは,メインマシンの置かれている環境が悪く,真夏の日中には室温が最高38度近くまで上昇するためだ.もちろん,冬場はそのような爆音空冷は必要はないため,ファンコントローラで低速回転にして使用していた.

 以上のように,私の場合はファンコントローラの1チャンネルで,複数のファンをコントロールしているが,チャンネルにより冷却度(?)をカテゴライズしているつもりだ.夏場はすべてチャンネルがMaxだが,秋になると,第3chのボリュームを絞っていく.これは,フロントファンが最もうるさく,できるだけ使用したくないのが第1の理由だ.また,第3ch目が吸気ファンとHDDクーラーであり,冷却において補助的役割を担っているからでもある.特にHDDクーラーは,ファン振動がHDD作動に悪影響を及ぼすとの噂もあり,HDDのモニタ温度が30度ぐらいであれば,できたら停止したいところだ.

 さらに涼しくなってくると,第3chをMinにし,第2ch目も徐々に絞っていき,最終的には吸気はほぼ自然,排気はリア12cmと電源ファンのみとする.そして冬本番ともなれば,最後の第1chを絞り,リア高速12cmファンの低音騒音をなくす.冬が終われば,この正反対の過程で冷却度を上げていく.これが,メインマシンの年間冷却スケジュールだ.

 さて,このような運用をおこなってきたFC-03U/WHだが,FP-402BKを使用する前のPCケースから使用してきた代物だった.中でも第3chは,轟音ファンをコントロールしているため,夏の夜など,ハードウエアモニタのHDD温度の値が少しでも下がると,その温度をモニタしながら,常にボリュームを調整していた.

 異変が起こったのは,今年の夏に入る前からだと思う.爆音フロントファンの音が時々変化するのに気がついた.明らかにファンの回転数が勝手に変化していた.一端下がっても,数秒後には元に戻ることが多く,その時は原因がよくわからなかったが,とりあえず運用中,ハードウエアモニタの+12V電圧表示に注意することにした.つまり電源の異常かもしれないと思ったわけだ.しかしながら,+12Vには問題が無く,ファンの回転数が下がった時でも,+12V以上が維持されていた.その後,夏が来て,ファンコントローラをいじる必要も無くなった.常時,全チャンネルともMax状態だからだ.

 9月に入っても,残暑は厳しかったが,やや涼しい日もあった.そんな日には,第3ch目をコントロールし,しばし騒音から解放されたのだが,ある日突然,その事件は起こった.

 その日,残暑がぶり返し,やむを得ず絞ってあった第3chのボリュームを,再びMaxまで上げようとした時のことだった.回転数が上がらない!「ボリュームがガリったのか?」と思い,第3chを何度も最大・最小にひねってみたが,だめだった.「もしかしたら,ボリュームのハンダが基盤から浮いて,接触不良を起こしたのか?」とも思い,ボリュームを最大にしたまま,右左に強く押してみると,期待通り!確かに,押している間は元通りの最大回転になる.しかし,押す方向がちょっとでもずれると,回転数は最小にまで落ちてしまう.ダメだ…コワレタ…

 ということで,素直にファンコントローラを買い換えることにした.直行したコンプマート静岡店には,ファンコントローラがFC-03Uしか売っていなかった.ただ幸運(?)な事に,FP-402BKのボディカラーのブラックとマッチするFC-03U/BKがあった.ということで,さっそくFC-03U/BKを2500円ほどで購入し,壊れたFC-03U/WHと交換した.

 当然の事ながら,この両製品は単なる色違いで,ケーブル類は全く一緒なので,交換時には配線をやりなおす必要が無く,モジュール部のみの交換で済み,作業はスピーディーに完了した.私のメインマシンの場合,エアフローを確保するために,内部の配線は結束を多用しており,それらの結束を切って,再配線し,さらに再結束するとなるとかなりの作業時間がかかるはずだ.時間をかけずに,復旧できたので,基本的には,同じ機種に交換して正解かと思った.しかし…

 本日,AINEXのページを見て,ファンコントローラの新製品が発表されていたことに気がついた.サーマル・フロントモニタ「FM-01」だ.3ch・温度表示・アラーム音・全自動ファンコントロール・液晶表示付きで,実売3500円程度.全自動では,細かい調節はできないだろうが,ほぼメンテフリー的に,冷却してくれそうだ.機会があったら,ぜひ試してみたい. 


フリーのメディア・プレイヤー BSplayer1.36(build825) 登場

2005-09-17 09:22:26 | ソフト

 遅れましたが,業務連絡です.

 高度なカスタマイズが可能な上に,軽快な動作に定評のあるフリーのメディアプレイヤー「BSplayer」の最新バージョン1.36 (build825)が,9月5日にリリースされた.

 主な変更点は…

  • レンダリングモードを再構成
  • VMR7(Video Mixing Renderer)の初歩的なサポート
  • ダウンロード中などによりロックされたファイルのサポートの向上
  • 映像再生が終了してもプレイヤーは,デスクトップモードのままでいるようになった
  • フレームステップモードでの,アスペクト比の変更がなくなった
  • 外部サブタイトルが,内部にサブタイトルが埋め込まれていても,作動するようになった
  • 新たな映像再生が開始されると,プレイヤーが前画面に来るようになった.
  • CDDBの不具合を修正
  • 「閉じる」「最小化」ボタンをクリックした時に,クラッシュする不具合を修正
  • TMPlayer形式のサブタイトル形式において,最後の行が表示されなかったバグを修正
  • VobSubサブタイトルの問題を修正
  • 「ar」コマンドライン・;オプションが作動しなかった問題を修正
  • .bsiファイルに関する問題を修正
  • Haali スプリッターとのコンパチビリティの向上
  • その他バグ修正

 この中には記されていないが,前バージョンにおいて,プレイヤーをボスボタン機能で終了させた時に,再生していたファイルの存在するフォルダ内の,すべてのファイルが削除されることがあるという,とんでもないバグがあったようだが,それも修復された模様(完全には確認していない).至急,更新されたし.

 以上,連絡終わりッ!


IEプラグイン型のRSSリーダー 「RSSバー 1.22」 登場

2005-09-15 00:02:19 | ソフト

 業務連絡です!

 IEのアドオンとして使用する無償のRSSリーダー「RSSバー 1.22」が,9月10日リリースされた.ダウンロードはこちら.IE用の他に,タブブラウザ「Sleipnir」用も存在する.タブブラウザ「Lunascape」で使用する場合は,IE用がそのまま使用出来るので,IE用をインストールすること.

 既にRSSバー がインストールされている場合は,ダウンロードしたファイルをそのまま上書きコピーしてしまえばよい.ちなみにRSSバー に登録したRSS情報は,通常,OPML(注:Outline Processior Markup Language)形式で,インストールしたフォルダ内の現在のユーザー名のサブフォルダ内に格納されている.このため上書きしても影響はないはずだが,気になるのであれば,ユーザ名のフォルダ内のRSS情報が格納されている「RssBar.opml」のバックアップを取ること.

 主な変更点は…

  • 未読・既読管理を追加
  • Podcasting用RSSに対応(音声ファイルへのリンク表示のみ)
  • 起動時に前回取得したキャッシュを読み込まないオプションを追加
  • ツリービューで展開するフォルダを1つにするオプションを追加
  • Internetへ未接続時には記事の更新チェックを行わないように修正
  • 記事内容にJavaScriptが含まれている場合スクリプトエラーを表示しないように修正
  • フォルダ選択時に新着・更新が無いRSSフィードのChannel情報を表示しないように修正(フォルダ選択時に記事を表示するオプションが有効な場合のみ)
  • オプションのデフォルト値を変更
  • 記事のタイトルに日時表示を追加

とのこと.

 特に未読・既読管理は便利な機能だ.未読記事には,行頭が赤くマーキングされ,クリックして記事を読むと,そのマーキングが消えるという具合だ.上記の変更点には含まれていないが,記事のパステル調の背景色が,記事毎に交互に変化しているので,記事が見やすくなったような気がする(記事名のみの場合).ということで,ますます便利になってきたRSSバーだが,後は,新着のポップアップ通知が機能的には欲しいところ.まあ,自分の場合,DesktopSideBarのRSS機能でそれは実現されているのだが…

 以上,連絡終わりッ!


リアルタイムEthernetが実現する「ガンダム」

2005-09-13 02:18:36 | ネットワーク技術

 既にTVニュース等で報道されているように,川田工業(ロボットハードウエア担当)産総研(ロボットソフトウエア担当)川崎重工(コックピット担当)は,ヒューマノイド「HRP-3P」を開発し,デモを公開した.

 ヒューマノイド「HRP-3P」の主な特徴は…

  • 自律・遠隔ハイブリッド型(遠隔操縦者が必要,ガンダムRX-78的)
  • 身長160cm、体重65kg(バッテリ含む)
  • メインCPU:Intel Pentium 4 2GHz
  • OS:ART-LINUXリアルタイムOS
  • カメラ:制御・距離認識用3台,遠隔操作用2台
  • 防塵・防滴レベル:IP 52(IEC規格,1時間100mmの雨の中を稼働可能)
  • 滑りやすい路面での歩行が可能(スリップ検出)
  • 片腕で体重を支えながら,もう片方の腕で作業可能

といったところだ.「ガンダム的」と書いたが,RX-78のような「教育型機体管制コンピュータ」は,今のところ搭載されていないようだ.ただし,コックピットからおおまかな指示を与えれば,細かな動作はヒューマノイド側が自律的に行うところは,ガンダム的と言えるだろう.画像を見てもらうとわかると思うが,胸の排気口といい,頭部中央のトサカ状のカメラといい,制作者側がガンダムRX-78を意識している可能性もある.ちなみにRX-78では,両目(デュアルセンサー)が射撃用で,トサカ・カメラがメインカメラ(操縦用?)となっているようだ.

 通常,ヒューマノイドには多数のセンサーが内蔵されている.ヒューマノイドの姿勢制御用などに用いられるのコントローラは,これらセンサーを常時監視し,アクチュエータを適切に素早くコントロールしなければならない.そのためには,生物の神経のように,素早く情報を伝達する信号線で,センサー・コントローラ・アクチュエータを結線する必要がある.

 この信号線による通信の速度は重要だ.通信速度が遅ければ,ヒューマノイドが,刻々と変化する現実世界の状況に対応することは,まず不可能だろう.ご存じの通り,生物ですら,この通信速度を気にしており,進化の過程において,神経をミエリン鞘で被い(有髄神経化),ランビエ絞輪による跳躍伝導によって,通信速度を向上させている.ヒューマノイドの信号線は,電線もしくは光ファイバーが一般的なので,ノイズや減衰がなければ,ほぼ光速に近い速度で情報を伝達できるはずだ.

 しかしながら,これはあくまでも物理層的速度の話.通常,信号線を流れる情報は,何らかのエンコード処理がなされて送信され,受信側ではデコード処理を行わなければならない.これらの処理のためには,ある程度の時間がかかる.従って,このエンコード・デコード処理(データリンク層)如何によっては,例え光ファイバーを信号線として使用していても,生物の神経より情報伝達速度が遅くなる可能性はある.

 またヒューマノイドの場合,この「神経」に,生物にはない特別な機能を持たせるべきかもしれない.ガンダムでいえば,地上戦闘中にビームライフルを投げ捨て,ハイパーバズーカに持ち替えた後,全弾打ち尽くしたハイパーバズーカを捨てて,地面に落ちているビームライフルを見つけて再び拾った場合,ガンダムは拾った武器がビームライフルであることを認識し,拾ったと同時に,火器管制システムをビームライフル用に切り替えなければならない(注:ガンダムの視覚認識能力は考慮していない).おそらく,これら火器の内部には,制御用コンピュータが内蔵され,ある程度の自律性や自己制御能力は持っているはずだ.ガンダムは,拾ったビームライフル内部のコンピュータと接続し,先ほど切断された通信を,瞬時に再開しなければならないわけだ.このような状況は,社内LANに現れたり消えたりする,営業社員のモバイルPCの状況に似ている.生物の場合,道具に神経を接続することはないが,ヒューマノイドの場合は,その方が都合がよいことが多いだろう.

 ヒューマノイドでは,このようなシステム稼働中のパーツ交換・追加が想定される.また,各自律パーツ同士が直接通信を行う可能性をも考慮すると,ヒューマノイド体内通信を「パーツ集合によるLAN」として,形成するのが自然だろう.もちろん,この体内LANは,我々になじみのある一般的なLANではない.通信完了時間の限定される,リアルタイム性を持った「リアルタイムLAN」でなければならない.

 「リアルタイムLAN」という言葉は聞き慣れないが,FA(ファクトリー・オートメーション)の世界では一般的で,既に製品化されている.代表的なものとしては

  •  ARCNET(Attached Resource Computer NETwork):改良トークン・パッシング,最大10Mbps,バス or スター or バス&スター,最大255ノード(1ネットワーク),最大延長距離=6.4km(1ネットワーク)
  • DeviceNetCSMA/NBA,最大0.5Mbps(100m),バス(幹線・支線),最大64ノード(1ネットワーク),最大距離=500m

がある.これらリアルタイムLANは,高価なハードウエア(LANアダプタ等)によって実現されているが,メディアについては,安価なツイストペアが使用出来るようだ.ヒューマノイド「HRP-3P」の体内通信においても,リアルタイムLANは採用されているが,この2つのどちらの規格も採用されなかった.採用されたのは,驚くべき事にEthernetだ!

 ネットワークに関して知識のある者ならば,EthernetCSMA/CD)が,いかにリアルタイムLANに不向きか理解できるだろう.なぜならば,Ethernetの宿命としてフレームの「衝突」は避けられないからだ.これについては詳しく述べないが,Ethernet上の複数のPCが同時にデータ送信を開始した場合,その送信データが壊れてしまう場合がある.衝突が発生した場合,データ送信を行おうとしたPCは,それを検知し,それぞれのPCにランダムに設定された時間だけ待ち,その後,同じデータの再送信を行う.このため,この「衝突発生」→「検知」→「Jam送信」→「送信待機」→「再送信」のシーケンスが,かなりの短時間でない限り,リアルタイムLANをEthernetベースで実現することは難しい.しかもヒューマノイドが現実世界の状況に対応するため,この体内LANには,常時,データが流れていると仮定すべきであり,衝突の起きる頻度は,接続ノード数にもよるが,かなり高いと思われる.では,どのようにして産総研及びムービングアイはこの問題を解決したのか?

 その答えは,あまりにもあっけないものだった.すなわち,Ethernetのトポロジとしてバス型を用いず,すべてをピア・トウ・ピア(1対1)で全二重接続し,衝突が発生しないようにしたのだ.確かに,この方法ならば,衝突は発生しないだろうが,問題は残る.単純に,ヒューマノイドのパーツ同士をピア・トウ・ピアで結線するならば,通信の可能性のあるすべてのパーツ間をツイストペアで結ばなければならばない.つまり1つのパーツから,何本ものツイストペアが他のパーツへ伸びている状態だ.これではヒューマノイドの内部は,ツイストペアで埋め尽くされてしまう上に,各パーツが数多くのEthernetアダプタを装備しなくてはならない.先ほど述べた「パーツの交換・追加」などのイベントも考え合わせれば,この方法が全く実用的ではないのは明らかだ.では,どのようにして産総研及びムービングアイはこの問題を解決したのか?

 この疑問に対する回答は,産総研プレスリリースには明確には書かれていない.ただプレスリリースや提示されたスライド画像から想像するに,パーツをデイジーチェーンで結び,要所によってはスイッチングHUBを用いるといったところだろう.これならば一つのパーツに付き,2つのLANアダプタを装備したパーツを,隣り同士で1対1結線するだけだ.もちろん,各パーツはブリッジの機能を持ち,時には,情報伝達のトランスペアレントな中継器としても利用されることになる.デイジーチェーン接続されたパーツが,情報を目的地のパーツまで,バケツリレーの要領で伝達していくわけだ.ヒューマノイドの体内LANトポロジは,その外形によって制限されるため,おそらく人間の神経配線のごとく,「人型」となる.そうなると,スイッチングHUBは,人間でいう神経叢の部分に配置されることになるかもしれない.

 なるほど,これでほとんどの疑問は解けた…というわけにはいかない.なぜならば,ここまでの説明で,リアルタイムLANがEthernetで実現できるのであれば,我々が家庭で使用しているLANアダプタやスイッチングHUBで,リアルタイムLANが実現できてしまうことになる.もちろん上位層のTCP/IPは,リアルタイムLANには利用出来ないが…

 実は,EthernetでリアルタイムLANを実現するに当たって,まだ説明していないコア技術がある.それは,「同期通信」だ.これを実現するために,送信側はリアルタイムOSのシステムコールを用いて,周期的なフレーム送信を行い,受信側もこれに同期した周期的フレーム受信を行う.ちなみにこの周期的受信を行うためには,デバイスドライバの関係があり,残念ながらLinuxカーネルの改造を行わなければならなかったようだ.この同期通信をデータリンク層に採用することによって,初めて通信完了時間の保証されたリアルタイムLANがEthernetで実現されたわけだ.これでもう疑問はないだろうって?いやいやそうはいかない.

 まずデータリンク層から上のネットワーク層が気になる.上記のように,TCP/IPはリアルタイムLANには使用出来ない.プレスリリースでは,ネットワーク層として「中継・経路切替」という,なんとも取って付けたような名前の層がある.これは事実上,「リアルタイムTCP/IP(?)」を予感させるが,具体的な技術については,この資料からはうかがい知ることはできない.全く不明だ.また先ほど出てきた「リアルタイム・スイッチングHUB」や,パーツの持つブリッジ機能において,どのようなフローコントロールがなされているのかが,想像できない.余談だが,このリアルタイムにおいて,LANアダプタについては,一般的な安価なEthernetNICが使用出来るが,同期の問題があるので,市販のスイッチングHUBの流用できないはずだ.もっとも,「リアルタイム・スイッチングHUB」は,HRP-3Pに使用されていないかもしれないが…

 ということで,いくつかの謎は残ったが,一般的なEthernetNICとツイストペアを,ソフトウエア技術でリアルタイムLANとして使用出来るようにした今回の研究は,素晴らしいと思う.HRP-3Pのように本格的なヒューマノイドはムリだが,このリアルタイムEthernetを用いれば,近い将来,PCを遠隔操縦コックピットとした,アニメと同じように動くRX-78の「ガンプラ」が,安価で販売できるかもしれない.そして同じく遠隔操縦の赤いザクと現実世界で勝負ともなれば,「ROBOCON」並みにウケるかも?

 ただHRP-3Pコックピットを見た感じでは,その操縦は,ニュータイプに目覚めたアムロですらも,かなり手こずるのかもしれないが…


フリーのメディアプレイヤー WINAMP 5.1 登場

2005-09-09 00:17:27 | ソフト

 少々遅れましたが,業務連絡です.

  非常に著名なフリーのメディアプレイヤー「WINAMP」が,9月1日バージョンアップし,バージョン5.1となった.ダウンロードはこちら.バージョン5.1対応の日本語化パッチはこちらWin32工作小屋). また,WindowsMediaPlayerに対する,WINAMPのアドバンテージについては,こちら

 主な変更点は…

  •  リッピング用にCodingTechnologies社の AACPlus encoder搭載
  • The Internet Surround Music Project!のグランプリ受賞曲 KAJE - Hey Buddy (featuring Afrika Bambaataa) をバンドル
  • SHOUTcast Wire - RSSによる記事と曲の配信サービス
  • Predixis Smart Playlist Generator (ミュージックトラックのサウンドによって,自動的にプレイリストを生成する機能)
  • AOL Radio featuring (((XM))) (AOLのインターネットラジオお試し版)
  • CDのリッピングがフリー版でも8倍速でできるようになった
  • リッピング用にMicrosoft WMA encoderを選択・設定可能(有料版のみ?)
  • 200を超える新しいMilkdrop(3Dを使用したビジュアライゼーション)プリセットを追加
  • getextendedfileinfo呼出で,in_vorbisはビットレートを返すように更新 
  • WMA音楽ファイルのstuttery(訳注:和訳不明です,誰か教えて)な再生不具合を修正
  • out_ds(ダイレクトサウンド出力プラグイン)のstatusタブ内のコピーボタンがいつでも使えるようになった
  • Sonicエンジンによるリッピングと再生の改善 
  • 横に窓があっても,ビデオウインドウのリサイズが可能になった
  • 長時間のMP3ファイルの再生時間を正確に表示できるようになった
  •  サイレントインストールのコマンドラインオプションが正しく動くようになった
  •  リッピングと同時に音を再生できるようになった.

 AOLのネットラジオ(featuring (((XM))))は,リスナーのツボを押さえた選曲が,イカしている.ただお試し版の音質はかなり悪い上に,モノラル.AACPlusエンコードの実力については,各自でチェックをヨロシク.自分の聞いた感じだが,AACPlusの64kbitエンコーディングは,MP3の128kbitエンコーディングを超えているように思った.

 ということで以上,連絡終わりッ!


金属筐体&日本製コンデンサ使用HUB Corega CG-SW05TX 登場

2005-09-08 11:33:45 | ハードウエア

 有線LANのコンシュマー向けスイッチングHUBは,一昔前のように,家庭には不似合いな,得体の知れない点滅を繰り返す「ネットワーク装置」ではない.今や,電灯線のマルチタップ並みに一般家庭に浸透した,ありふれた「コモディティ」だ.そのため一般消費者のスイッチングHUBに対する認識は,「LANケーブルのマルチタップ」ほどのものだと思われる.

 しかし,実際のスイッチングHUBは,電灯線のマルチタップほど単純ではない.内部にメモリを持ち,常時,MACアドレスを学習するインテリジェンスを持っている.この学習のためにスイッチングHUBは,MACアドレス・テーブルの検索,新規アドレス登録,エージング等を行わなければならない.まさに小さなコンピュータだ.スイッチングHUBのしくみを詳しく知りたい方は,Rich Seifert著「LANスイッチング徹底解説」(日経BP)のご一読をお薦めする.五千円もする高価な本で600ページのボリュームがあるが,まさに「価値ある一冊」だ.

 一般消費者のスイッチングHUBに対する認識故に,家庭で使用するスイッチングHUBを購入する場合,購入者の製品選択の基準は,ほとんどの場合,価格と思われる.現在販売されているコンシュマー向けスイッチングHUBのほとんどが

となっており,一般消費者には,スペック的な製品の差異がほどんどないようにみえるかもしれない.しかし,上記にあげた以外にもスイッチングHUBのスペックはある.例えば…

  • EAPOL(802.1X)フレーム透過機能
  • BPDUフレーム透過機能
  • 電源内蔵か,ACアダプタか
  • 1ポート当たりの,状態LEDの数
  • LEDの配置場所:側面,上面
  • MACアドレス学習エントリー数
  • バッファの大きさ
  • 搭載ネットワークチップ
  • 消費電力
  • 筐体の大きさ・形状
  • 筐体の素材:プラスチック,メタル
  • 使用されている電解コンデンサのメーカー
  • スループット
  • VCCI Class

などがある.特に24時間付けっぱなしとなるスイッチングHUBの場合は,消費電力は気になるところだろう.また常時運用の場合には,もう一つ注意したいことがある.それは「筐体の素材」だ.

 24時間付けっぱなしとなるスイッチングHUBは,消耗品と考えて良い.すなわち,いずれは壊れて,取り替えなければならない.通常,コンシュマー向けスイッチングHUBの壊れ方は,HUB全体が壊れるのではなく,ポート単位で壊れていく.特に,常時トラフィックの流れているポートは,最初に壊れるポートの第1候補と言える(注:必ずしもそうとは言えないが…).電子機器の宿命である動作時の発熱と,その熱によるパーツ劣化が,その故障の原因として考えられる.

 夏場など室温の高い環境に設置されたスイッチングHUBに,連続的トラフィックが流れている場合,「リンクはしているのだが,トラフィックがおかしい」などの症状を示して,ポートが死ぬのは,まさしくこの「熱死」といってよいだろう.特にコンシュマー向けスイッチングHUBの場合,価格が重視されるため,筐体の素材としてプラスチックが採用される場合が多い.もちろんそれでも通風口は空いているはずだが,メタル筐体に比べて放熱性が落ちるのは,当然のことだろう.

 まとめると,一般的に言えば,

同環境に設置した場合,メタル筐体のスイッチングHUBは,プラスチック筐体のスイッチングHUBよりも長寿命.

ということになる.また,VCCIEMI)にも絡むが,メタル筐体の方が電磁波遮断に優れていると思われる.ちなみに,コンシュマー向けスイッチングHUBといえども,ポート数が多かったり,あるいはGbE対応のスイッチングHUBの場合には,発熱量が多いためメタル筐体が使用される場合が多い.

 前置きは長くなったが,5ポートながらもメタル筐体を採用した Corega のスイッチングHUB「CG-SW05TX(税抜き価格:2700円)」が,9月中旬発売される.この機種のもう一つの特徴は,日本製電解コンデンサの採用だ.ご存じの読者も多いと思うが,マザーボードのコンデンサの劣化(いわゆる「妊娠」)の話題は,2chの自作PC板「【膨張】電解コンデンサの大量死 18μF目【液漏】」において,今も激しい論議が繰り広げられている.品質が良い(長寿命)とされる「日本製コンデンサ採用」をスイッチングHUBの宣伝文句に組み込んだのは,CoregaのライバルBuffaloが先だったが,今回Coregaも追随した形となった.

 「メタル筐体&日本製電解コンデンサ採用」のスイッチングHUBとしては,Buffaloの「LSW-TX-5NS(税抜き価格:3000円)」が既に発売されている.この両者の違いを見てみると…

といったところだ.プロバイダの認証関係や企業で使用する場合には,上記の最後の項目は決定的かもしれないが,後の差異は非常に微妙だ.実物を比較したわけではないので,実際のパフォーマンスや筐体の作りには差があるのかもしれないが,公開スペック上の差は上記の程度しか見られない.

 ということで,今回は,新製品情報というよりも,「コンシュマー向けスイッチングHUBの選び方解説」といった感じになってしまったが,今後,スイッチングHUB購入の際には参考にして頂きたいと思う.


HPの新デスクトップPC,液晶モニタセットで6万円台の謎

2005-09-06 00:43:43 | ハードウエア

 いわゆる「企業向けPC」は,企業に大量導入されることが前提として開発される場合が多い.通常,企業向けPCは,Office系ソフトによる文書作成や,サーバのクライアントとして端末的に使用されるため,スタンドアロン的に使用されるコンシュマー向けのPCのように,高い処理能力やTVチューナー等は必要としない.またコンシュマー向けPCの場合,年賀状作成ソフトやビデオ編集ソフトなどがあらかじめプリインストールされている事があるが,企業向けPCの場合,それらの「家庭向け」「お楽しみ」ソフトは不要というよりも,じゃまとなる.このため,企業向けPCでは,必要最小限のソフトしかプレインストールされておらず,その分コンシュマー向けPCよりも値段が安くなっている.この他に,コンシュマー向けPCよりも,ハードウエアのメンテナンス性が重視されるが,逆にデザイン性は軽視される点や,WOLネットワーク・ブートがほぼ必須となっている点など,企業向けPCにはコンシュマー向けPCとは異なる点は多い.

 このような特徴を持つ企業向けPCを,大量に導入するケースにおいては,一台一台のPCの性能やそれに付属するオマケ機能よりも,1台当たりの導入(メンテ)コストがいかに安いか,すなわち,一定予算内でどれだけの数のPCを導入(運用)できるかが,ポイントとなる.

 世界的に有名なPCメーカーDELLは,この「企業向けPC」の販売によって,巨大なPCメーカーとなったわけだが,彼らは自社のデスクトップPCを次のように分類している.

  • ウルトラパフォーマンス:最高性能PC,3Dゲーマーや特殊用途向き
  • ハイパフォーマンス:上級機PC
  • スタンダード:中級機PC,標準的能力PC
  • エントリー:初級機PC
  • バリュー:最も安い(低機能,あるいは,一世代古い)PC,大量導入向き

 上記の中でも特に,大量導入向けの「バリューPC」という分類名称は,他のPCメーカーでも採用されている.例えば

といった具合だ.主に大量導入する企業向けであるバリューPCにおいては,従来,ショップブランドを除いては,DELLHPがシェアを争っていたが,最近では,富士通やNECが参入し,競争が激化している.

 そのHPのCompaqブランドから,新たなバリューPCが登場した.驚くべきは,15インチ液晶モニタのセット価格が6万円台であることだ.

 9月5日発売のHPの「Compaq Desktop dx2100 ST/CT 15インチモニタセット」は,下記のスペックを持つスモールファクタのデスクトップPCだ.

  • CPU:Celeron D 336-2.80GHz
  • メモリ:PC2-4200準拠DDR2 256MB
  • チップセット:915GV Express
  • HDD:SATA 40GB,7200RPM(キャンペーン中は,80GB)
  • FDD:1.44MB
  • 光学ドライブ:48x CD-ROM(キャンペーン中は,CD-R/DVDコンボ) 
  • マウス:PS/2 スクロール
  • キーボード:PS/2 日本語109A
  • OS:WindowsXP SP2 Home
  • モニタ:シャープ 15インチXGA液晶『BL-T15G4-B
  • 保証:オンサイト1年,パーツ1年
  • 税抜価格:¥59,800
  • 配送料込み,税込み価格:¥65,940

 2003年10月発売とやや古い15インチ液晶ではあるが,シャープといったブランド力のある液晶モニタをセットし,最新のチップセットである915GVを採用したマシンにしては,かなり安い価格設定だ.なお,FDDについては,カスタマイズすれば省略できる.その場合は,さらに2000円ほど安くなる.またシャープ製17インチSXGAモニタ「BL-173AHP」とのセットの場合,配送料込み,税込み価格は,¥71,190となる.差額は約5000円ほどだが,液晶のサイズも性能も,こちらの17インチの方が上なので,17インチモニタセットの方がお薦めだ.

 ちなみにほぼ同スペックのバリューPCをDELLでカスタマイズしてみると…

  • 本体:Dimension2400
  • CPU:Celeron 2.6GHz
  • メモリ:DDR 256MB
  • チップセット:845GV
  • HDD:EIDE 80GB
  • FDD:1.44MB
  • 光学ドライブ:CD-R/DVDコンボ
  • マウス:USB オプティカル,ホイール
  • キーボード:USB 日本語
  • OS:WindowsXP SP2 Home
  • モニタ:DELL エントリー17インチ液晶 E173FPc
  • 保証:センドバック1年
  • 税抜き価格:¥76,210
  • 配送料込み,税込み価格:¥80,020

となった.上記のDimension2400のカスタマイズでは,モニタが17インチとなっているがエントリーレベルのモニタであり,またPCケースはスモールファクタではなく,マイクロタワーとなる.また見て頂ければわかるとおり,PC本体のパーツが古く,最新仕様とは言えない.ある意味では,バリューPCらしい,バリューPCだ.

 このように,今回投入されたHPの新モデルは,DELLの同レベル機に対して,かなりのアドバンテージを持っている.DELLに強烈なライバル意識を持つHPとしては,DELL以上のコストパフォーマンスモデルを投入し,シェアを追い上げたいところなのだろう.ただ,このCompaq Desktop dx2100 ST/CTには,一つのがある.

 実は,このCompaq Desktop dx2100 ST/CT,企業向けPCではないのだ.なぜか個人ユーザーのみ購入可能となっており,法人の購入ができない.ちなみにHPのデスクトップPCの場合,この機種以外のすべてのモデルにおいて,法人購入が可能となっている.

 さらに,ほぼ同じスペックを持ち,企業購入が前提とされる(注:個人購入も可)HPの「Compaq Business Desktop dc5100 SF/CT 15インチモニタセット」のスペックは

  • CPU:Celeron D 330-2.66GHz
  • メモリ:DDR2 256MB
  • チップセット:915GV Express
  • HDD:SATA 40GB,7200RPM
  • FDD:1.44MB
  • 光学ドライブ:48x CD-ROM
  • マウス:PS/2 スクロール
  • キーボード:PS/2 日本語109A
  • OS:WindowsXP SP2 Home
  • モニタ:三菱 15インチ液晶『RDT154LM』(法人専用モデル)
  • 保証:オンサイト1年,パーツ3年
  • 税抜き価格:¥59,800
  • 配送料込み,税込み価格:¥65,940

と,なんと同価格になっている.

 キャンペーンを適用しない場合の「Compaq Desktop dx2100 ST/CT 15インチモニタセット」と,「Compaq Business Desktop dc5100 SF/CT 15インチモニタセット」の違いは

  • CPUがCerelon Dの330(dc5100)か,336(dx2100)か
  • モニタが三菱製(dc5100)か,シャープ製か(dx2100)か
  • パーツ保証が3年(dc5100)か,1年(dx2100)か
  • 個人または法人購入可能(dc5100)か,個人購入のみ(dx2100)か
  • アプリなし(dc5100)か,アプリ1本あり(dx2100)か

と言った点のみだ.事実,この2機種の外見や公開されている内部写真を見比べてみればわかるが,この2機種はハード的には,ほぼ同じPCと考えて良さそうだ.だとすると,なぜHPは,これほどまでに似たPCを別々に販売しているのか?

 おそらくHPは,今後,企業向けだけではなく,個人向けのバリューPCも売っていきたいのだろう.今回はそのテストとして,Compaq Business Desktop dc5100 SF/CTをコンシュマー向けバリューPCとしてパッケージングしたのが,Compaq Desktop dx2100 ST/CTではないだろうか?もしこれで成功すれば,同じバリューPCのハードベース(ベアボーン)を,企業向け(保証や保守の充実,ソフト無し)とコンシュマー向け(機能・性能を重視,ソフトの充実)にカスタマイズして,それぞれの系統で販売することも可能となるだろう.

 ともあれ,今回のセットモデルの価格は衝撃的だ.今後もHPの動きには注目したい.そしてもう一つ.この機種と共に,1000台限定のキャンペーンではあるが,同じくHPのバリューPC「HP Business Desktop dx5150 MT/CT 17インチ液晶モニタセット」の,配送料込み・税込み¥65,100も見逃せない.こちらの液晶も,2003年12月下旬頃発売となっているので,古い機種ではあるが…

 こうなるとショップブランドもうかうかしてはいられないと思う.HP,恐るべし…