WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

Windows7 XPモードにおけるFDD

2010-03-18 06:50:29 | Windows
 私が,私的にFDを使用しなくなってから,既に数年が経ったように思う.ただし仕事では未だにFDを使用する機会は多い.古い業務用アプリの再インストール等では,未だにFDを使っている.またそのような古いアプリは,FDDの存在が前提となっている場合もある.このような理由から新品FDを常備している事業所も,まだ多く存在することだろう.つい先日にも,ゆうちょ銀行の支店でFD紛失事件が発生したことからも,FDが未だに生き延びていることがわかる.

 ただしその古いアプリを動かしていたPCは,どんどん老朽化するため,PCのリプレースはほぼ避けがたい.このようなケースのリプレースでは,以前はWindowsXP PCを確保する事が重要とされてきた.そのようなアプリがWindowsXPではなんとか動いても,WindowsVistaではまったく動かないケースがあったからだ.しかし,今は違う.

 Windows7のXPモードは,「Vistaで動かずXPでは動くアプリ」を,Windows7内で動かすしくみだ.XPモードを使えば,Windows7のデスクトップに,もう一台のWindowsXPマシンが内蔵されているかのような,仮想のWindowsXPマシンを作り出すことができる(仮想マシン).この仮想XPマシンに,「Vistaで動かずXPでは動くアプリ」をインストールすれば,問題なくそのアプリは作動するはずだ.

 もちろんVirtualBoxのような,フリーの仮想マシンソフトを使用すれば,このようなことはできないわけではない.ただしその場合は,Windows7とWindowsXPの両方のOSライセンスが必要となってしまう上に,仮想マシンにOSをインストールする手間もかかる.XPモードを使用すれば,XPのライセンス料金(注:Windows7 pro以上でXPモードは使用可能なので,厳密には料金は取られている)や,XPのインストールは不要だ(注:最初の初期化にやや時間がかかる).

 さらにありがたいことにXPモードには,自動「統合機能」が存在する.この機能は,ホストOS(Windows7)側に存在するドライブやプリンタ等を,ゲストOS(WindowsXP)側と自動的に共有する機能だ.これらのドライブやプリンタはネットワークドライブ・ネットワークプリンタ扱いとなるが,この理由がおもしろい.

 実はXPモードは単純な仮想マシンソフトではなく,仮想マシンにリモートデスクトップで接続し,その画面を表示している(注:画面表示方法等で厳密には通常のリモートデスクトップとは異なるかもしれない).そのため,リモートデスクトップの持つ「リモートセッションでのローカルリソース(プリンタ・ドライブ等)の使用」が可能なのだ.つまり統合機能は,XPモードの機能と言うよりも,(ほぼ)リモートデスクトップの機能と言うことができる.

 この統合機能を利用すれば,USB接続の外付けドライブも含めて,Windows7PCのすべてのドライブに,仮想のWindowsXPマシンからアクセスできる.

 ちなみにXPモードには,PC本体にUSB接続されているドライブを,仮想マシン側にリダイレクトする機能を持っている.XPモード画面の「USB」メニューからUSB接続ドライブを選んで「共有」すると,そのドライブは仮想のXPマシンのUSBポートに接続したような状態となる.注意したいのは「共有」と言っても,実際には共有ではなく,ホストOSからUSBデバイスは切り離され,ゲストOSに「占有」される点,すなわちリダイレクトである点だ.したがって,この操作を行うと,Windows7のマイコンピュータからそのUSB接続ドライブは消えてしまう.

 さてこのように,ホストOSのリソースに簡単にアクセスできるXPモードだが,やっかいな問題もある.XPモードの仮想マシンは,なぜかFDDが一台接続されたことになっているが,その仮想FDDをホストOSのFDDに割り当てることができないのだ!ではなぜFDの使用不能な,いわばフロッピー挿入口のない仮想FDDが存在するのか?

 やはりそれは,FDD(ドライブA)の存在をチェックする古いアプリが存在するからだと推測する.すなわちドライブAが存在しないと,起動すらしないアプリのための対策だ.この対策でそのようなアプリは起動するにはするが,その後ももちろんドライブAは使用できない.しかしドライブAの使用が必須でないのであれば,起動さえすればOKだ.でもハズレかな?なぜならば,仮想FDDにホストOSのFDDを割り当てる設定を設けるぐらいたいしたコストではないと思われるのに,それがないということは,むしろ意図的にドライブAを使用させないようにしているのではないか?と思えてくるからだ.ちなみに外付けUSB接続のFDDを「共有(リダイレクト)」すると,見事にドライブBとなる.実際の古いアプリでは,ドライブAに対するアクセスが必ず発生するものもある.そのようなアプリはどうして動かすのか?これは大きな問題だ.

 とはいえ,既にこの問題に対するいくつかの回答が出ている.正当な対処方法は,仮想マシン構成ファイルを編集することのようだ.ただ私の場合は,別の方法で対処した.以下はその手順.なお統合機能によりドライブは共有されているものとする.またホストOSにはFDDが接続され,そのドライブ文字がAであるとする.
  1. XPモード仮想マシンを立ち上げる(注:以下の操作はすべて仮想マシン内での操作
  2. XPモード仮想マシン内でデバイスマネージャを開く
  3. フロッピーディスクドライブの冒頭の+をクリック
  4. 表示されたフロッピーディスクドライブを右クリック
  5. 「無効」をクリック
  6. デバイスマネージャを閉じる
  7. スタートボタン→マイコンピュータとクリック
  8. 表示されたマイコンピュータ内にFDDが存在しないことを確認
  9. マイコンピュータ内に「(ホストOSのコンピュータ名)のA」と表示されているネットワークドライブ(ホストOSのFDD)が存在することを確認する
  10. ツールメニューをクリック
  11. 「ネットワークドライブの割り当て」をクリック
  12. ドライブとして「A:」を選択
  13. フォルダとして半角で「¥¥tsclient¥a」と入力
  14. 完了をクリック
  15. マイネットワークにネットワークドライブとして「TsclientのA(A:)」が表示されているのを確認.これでホストOSのFDDがゲストOSのドライブAとなった.
  16. 必要ならば上記のドライブを「FDドライブ」等のわかりやすい名前に変更
 アイコンはネットワークドライブだが,この操作によって,ゲストOSのドライブAがホストOSのFDDとなったはずだ.この方法がベストかどうかはわからないが,比較的簡単にできるのでお試しあれ!



Windows7 マルチタッチ技術デモ映像

2008-05-30 17:46:52 | Windows

 連日この話題で恐縮だが,次期Windows「Windows 7」の最も大きな新機能と呼ばれる「マルチタッチ」のデモ映像が公開された.

 マルチタッチは,一本以上の指で画面を直接操作する技術であり,Appleの携帯デバイス「iPod Touch」や「iPhone」で採用されている.従来のスタイラスペンによるタッチパネル操作と異なり,画面の2カ所以上に指で直接触れて,操作を行うことができる.

 ちなみにデモは,タッチパネルを採用したDELL製ノートPCと,キーボードのないタッチパネルのみのデバイスで行われている.

 見ていただければわかるが,このデモ映像には,驚きも衝撃も感動もない.なぜならば,このデモには,いわば「イミテーション」のにおいがするからだ.我々は既に,「iPod Touch」や「iPhone」のデビュー当時に,ほぼ同じデモを見ている.しかもあの感動は,パワーが小さく制限事項の多いモバイルデバイスにおいて,ここまでのユーザーユーザインタフェースを実現できたところにあったのだ.ありあまるCPUパワーを持つPC上で,同じユーザーインターフェースを実現できても,あまりにも当たり前すぎる.ましてや,現在主流のノートPCで,このマルチタッチが主なユーザーインターフェースになるとはとても思えない(注:ただし,タッチパネルを使用せず,タッチパッドとマウスポインタを併用したマルチタッチは,ありうるかもしれない)

 「Windows 7」は,MinWinカーネルを採用しているため,おそらくデバイス組み込み分野では,このマルチタッチは意味があるのかもしれない.しかしすでにマルチタッチが「常識」となりつつある現在,MSはWindows7において,一般ユーザーにもはっきりとわかる何らかのの「something new」を提示する必要がある.それができなければ,Vistaのように「Windows 7」 もマーケッティング的にも厳しい状況におかれる可能性は否定できないだろう.


Windows 7の新ユーザーインターフェース

2008-05-29 15:45:30 | Windows

 前の記事において,次期Windows「Windows 7」のスクリーンショットを紹介し,そこに円環状に並ぶアイコン群が存在したが,その正体が明らかになった.

 この記事によると,Windows7の最大の新機能は,「iPod Touch」や「iPhone」で採用されたマルチタッチ,すなわち1本以上の指で,画面に直接触れて操作するユーザーインターフェースとのことだ.もちろん従来通り,マウスによる操作も行うことができる.

 WIRED VISONの記事によると,円環状のアイコン群の正体は,新しいポップアップメニューであり,指で画面に触れると,その触れた場所を中心にアイコン群が取り囲む.マウスの場合は,マウスである操作(詳細不明)を行うと,マウスポインタの位置を中心に,やはりアイコン群が円環状に表示される.そのアイコンの中から呼び出したい機能を選択し,さらにタッチしたり,クリックするわけだ.記事によれば,現在,画面の下に配置されているタスクバーもこのポップアップ方式に変わる模様.

 このマルチタッチ方式は,もちろん主に,小型モバイル機器で採用され,デスクトップでは相変わらずマウスをポインティングデバイスとして採用することになるのだろう.もし「Windows7の最大の新機能」がこのマルチタッチインターフェースだとすれば,いったいMSは,どうやって,デスクトップPCにおいて,Vistaの失敗から立ち直ることができるか?私見では,それは仮想化技術(VM)だと思うのだが,未だWindows7に,仮想化技術が搭載されるという情報は入っていない.


次期Windows「Windows7」のスクリーンショット流出か?

2008-05-29 09:14:30 | Windows

 28日のIT Proの記事によると,WindowsVistaの次の世代のWindows「Windows 7」のスクリーンショットが流出し,Webページに掲載された.記事によると,これは古い開発バージョンの画面であり,現在開発中の画面とは異なる可能性がある.

 ご存じの通り,WindowsVistaは売れ行きが芳しくなく,PCの新規購入においても,WindowsVistaではなく,WindowsXPのインストールされているPCを選択するユーザも多い.このためMSは,次期Windows「Windows 7」を来年にもリリースする可能性を示唆していた.

 ちなみに,Windows7の内部構造は,「WindowsVista」及び「Windows Server 2008」と変わらない模様であるため,事実上Windows7はVistaの改良版とも言えるだろう.ただし,「Windows Server 2008」の持つ仮想化技術を搭載する可能性があり,そうなれば,過去のWindowsやLinux等のOSを,Windows7内で動かすことができる.Vistaの問題点の一つは,WindowsXPとの互換性の低さだったが,この仮想化技術を利用したWindowsXP完全互換機能を提供すれば,この問題はほとんど解決できる.

 では具体的にWindows7のスクリーンショットを見ていこう.

 最初のスクリーンショットを見てみると,基本的な画面構造は,LinuxのデスクトップマネジャであるKDEをかなり意識したものと言える.太めのタスクバーが存在し,サイドバーにあったガジェットがそのタスクバーにパネルとして存在している.各ウインドウのタイトルバーはやはり太くなり,メニューバーと一体化しているようにも見える.ただし他のスクリーンショットも見ると,これらの画面構成は,細かくカスタマイズできるようだ.

 ご存じの通り,Linuxでは,compizに代表される3Dデスクトップが一般的となっており,その様々な視覚効果は,Windowsのデスクトップを遙かに超えている.今回のスクリーンショットでは,その3Dデスクトップ効果と見られるものがいくつかある.Windows7で,3Dデスクトップを大幅に採用するのは,ほぼ間違いないだろう.

 さらに別のスクリーンショットに見られる,3D円環型に並んだアイコンは,マウスホイールで選択・決定するユーザーインタフェースなのかもしれない.

 おもしろいことに,一部のスクリーンショットには,IE8ではなく,FireFoxの起動アイコンが見られる.しかも,そのスクリーンショットの画面構成が,LinuxのデスクトップマネジャXfce(OS X?)に似ていることから,もしかしたらLinuxデスクトップをカスタマイズして,Windows7のデスクトップを試作している可能性もあると思われる.

 いずれにしてもこれらのスクリーンショットは古いものらしいので,実際のWindows7では大きく異なる可能性は高い.ポイントは

  • 3Dデスクトップの大幅な採用
  • 3Dユーザーインターフェースの採用
  • サイドバーの廃止とパネルの採用

といったところであり,これらの方向性はほぼ変わらないものと思われる.

 IEの標準規格準拠において,FireFoxに大きく遅れを取ったMSだが,デスクトップやOS(特に仮想化)においても,Linuxに追いつこうとしているように見える.MSは多くのユーザによって繁栄してきたが,その多くのユーザが互換性を求め,また,MSもそれにあぐらをかいてきた結果,MSから技術革新の気概は消えていったように思える.Yahoo!の吸収が失敗した今,IT巨人MSの凋落が始まったのかもしれない.


続報:無償のOffice文書格納スペース:「Office Live Workspace」

2008-05-27 09:49:49 | Windows

 前の記事で速報した通り,マイクロソフトによるOffice文書の共有格納スペースサービス「Microsoft Office Live Workspace」は,現在ベータテスト状態に置かれており,まだ正式なサービス開始に至っていない.そのため5月27日現在のところ,いくつか不具合,もしくは,仕様を満たしていない部分があるようだ.今回は,本サービスを試用中に,それらに関して気がついた点を報告する.

★ バージョン管理機能の自動バージョン保存について

 本サービスには,自動的に文書の編集履歴を保存する便利な機能がある.この機能があれば,誤って文書を編集し,なおかつ,ワークスペースに保存した場合でも,以前の状態に復元できる可能性がある.

 ヘルプによると,この自動バージョン保存のタイミングは,

  1. ドキュメントが最後に編集されてから 12 時間が経過する
  2. ドキュメントを最後に修正した後に別のユーザーがドキュメントに変更を加えた場合

となっている.

 しかしながら,この自動バージョン保存機能の2)は機能しておらず,現在のところ,一番最初のバージョンのみを自動保存しているだけのようにみえる.1)に関しては,未確認.

Microsoft Office Live Update について

 本サービスのページの随所に,「PCにインストールされているMS-Officeアプリと,本サービスの統合を強化するためには,Microsoft Office Live Updateをインストールすべき」といった内容の文が埋め込まれている.

 ヘルプによると,この「統合強化」とは,

  1. Officeアプリと本サービスの連携を高速化
  2. Officeアプリの中から本サービスへ,直接アクセスする機能を追加
  3. 本サービス専用のツールバーを追加(Office XP/2003のみ)
  4. 本サービス専用メニュー項目をOfficeメニューに追加(Office 2007のみ)

となっている.

 Microsoft Office Live Updateの最新バージョンは,現在のところ,バージョン1.1だが,私の「WindowsVista SP1+Office XP SP3」の環境において,この更新のインストールを試みたところ,以下のソフトのインストールが自動ダウンロードされた.

  1. Office 2007更新プログラム(KB941637)
  2. Windows Vista更新プログラム(KB948531)
  3. Windows Live サインイン アシスタント

  上記の更新プログラムの詳細を見ると,機能追加のプログラムではなく,文字通り,更新のためのプログラムのように見える.また,1)のように,OfficeXPには不要と思われる更新も存在する.実際に,これらのプログラムのインストールを開始すると,私の環境では,1)の段階でインストールに失敗し,三つともインストールには至らなかった.

 Microsoft Office Live Updateが,PCにインストールされているMS-Officeのバージョンを正しく認識できていない可能性がありそうだ.

 ただ,この更新をインストールしなくても,ツールバーはないものの,OfficeXPからワークスペース内の文書を開いたり(ワークスペースページから開くか,文書のURL指定で開く),開いた文書をワークスペースに保存することは可能だ.また別環境「WindowsXP SP2+Office2003 SP3」において,この更新をインストールしようとしたケースでは,Windows Live サインイン アシスタントのみのインストールが試みられたが,やはりインストールできず失敗している.こちらのケースでも,Office2003によるワークスペースの直接利用は可能だった.

 このような仕様との食い違いや不具合は,まだ存在する可能性がある.引き続き,検証を行っていく予定


無償のOffice文書格納スペース:「Office Live Workspace」ベータテスト開始

2008-05-26 05:25:11 | Windows

 5月23日より,MSは,Ofiice文書をインターネット上のサーバに格納する無償サービス「Microsoft Office Live Workspace」の試験運用(ベータテスト)を開始し,一般公開した.

 WaterMindでは,今回,実際にこのサービスを試用してみたところ,今後,PCのフォルダに取って代わる,Office文書の標準格納スペースとなりうるであろう重要なサービスであることが確認できた.今回は,このサービスをレポートする.ただし,ベータテスト中であるため,今後仕様変更があり得ることはご了承いただきたい.

 まずこのサービスの概要を,以下にまとめてみる.

 ★基本的な機能

  • 文書ファイルをインターネット上のサーバ(Workspace)に格納できる
  • 容量:500MB.有償で容量拡張が可能になる予定
  • 格納できる文書は,Office文書はもちろん,それ以外のファイルも可能
  • アップロードできる1ファイルのサイズは,30MBまで.(プレスリリースでは25MB)
  • ウイルスチェック機能あり
  • 使用するためには,Hotmailアドレス等の Windows Live ID を取得し,それを用いてサインインする必要がある.ちなみに,Windows Live ID は,プロバイダ提供のメールアドレスを元に,新規作成することも可能.また複数のWindows Live IDリンクID機能により,まとめることも可能.
  • ワークスペースや文書に,注意書きや作業指示としてコメントを付加できる.コメントは,一つの対象に対して,共有者全員で,いくつもつけることができる.

     ★ワークスペース

    • ワークスペースは,インターネット上に存在する一種のフォルダ.複数作成可能.ただし通常のフォルダと違い,ワークスペース内にサブ・ワークスペースは作成できない.
    • 典型的な新規ワークスペースを作成するための,テンプレートを用意.テンプレートを使用してワークスペースを作成した場合,そのワークスペース内に,必要と思われるすべての文書が自動生成される.

    ★作成・編集機能

    • 文書の変更履歴を自動保存するため,編集内容を保存した後も,編集前の状態に復元できる(バージョン管理機能,「リスト」を除く)
    • Web文書を直接作成可能(メモ機能)
    • 簡易的なデータベース・テーブル(表)を直接作成可能(リスト機能)

    ★操作性

    • 基本的操作画面は,Webページを用いるため,ソフトのインストールは不要
    • ドラッグアンドドロップで,複数文書のアップロードが可能(ActiveXのインストールが必要)
    • 文書のワークスペース間移動も,ドラッグアンドドロップで可能.ドラッグアンドドロップによるコピーは現在不可.

    ★Office連携機能

    • ワークスペース内文書一覧ページから,直接WORD,EXCEL等で開くことができる(Office XP・2003・2007,ダウンロードも可能)
    • WORD,EXCEL等から直接ワークスペースに保存できる(Office XP・2003・2007)
    • リストをOutlookにエクスポート(リンク?)できる(Office 2003・2007)
    • リストをExcelにエクスポートできる(Office 2003・2007)

    ★閲覧性

    • Officeソフトがインストールされていなくても,Office文書をプレビューできる.ただし,複雑な文書や表では,レイアウト等が崩れる.
    • PDFや一部画像ファイルに対しても,プレビュー可能
    • 文書所有者だけでなく,共有者もプレビュー可能

    ★共有機能概要

    • 共有には,画面共有・文書共有・ワークスペース共有がある
    • 共有は,共有招待状メールを共有したいユーザに送信して行う
    • ワークスペース毎に,共有者による操作を含む操作履歴が残り,履歴はメールで通知される

    ★ユーザ権限

    • 所有者:文書作成者.全権限を持つ.
    • 編集者:文書を編集することのできる共有者.共有開始・解除の操作は不可.
    • 校閲者:文書を閲覧することと,コメントを付加することのみができる共有者.

    ★画面共有(Microsoft SharedView)

    • 画面共有は,複数のユーザが同時に,一つの画面を遠隔操作する機能
    • 画面共有のためには,Microsoft SharedViewをインストールする必要がある
    • デスクトップ全体,または起動しているソフトの画面のみを,共有操作可能
    • 資料配布機能やチャット機能あり

    ★文書共有

    • ワークスペース「ドキュメント」内の文書のみ,文書単位で共有可能

    ★ワークスペース共有

    • ワークスペース単位での共有設定が可能
    • ワークスペース共有設定すれば,そのワークスペース内のすべての文書が共有される

     Office Live Workspaceは,インターネット上の共有フォルダ(FTPやWebDAVフォルダ)による文書ファイル共有方法と比較して,次の点が優れている.

    • 基本的に無償である
    • ワークスペースの改変記録が残るため,共有者による文書改変を把握しやすい
    • 共有者の権限を分けることにより,間違って文書が削除したり,文書内容が改変されるリスクを抑えることができる.
    • バージョン管理機能により,文書の古いバージョンを残す必要が基本的にない
    • Office系ソフトとの統合により,通常のフォルダに近い感覚で,文書を開いたり保存できる
    • コメントやメモにより,共有者間,作業指示者・作業者間でコミュニケーションが取りやすい(メールによる,作業指示よりよいかな?)
    • プレビュー機能により,どこのPCでも文書閲覧可能(将来的には,携帯端末にも対応しほしい)
    • 文書のプレビュー表示が可能

    逆に劣っている点としては

    • Live IDでサインインする必要がある.サインイン後も,セキュリティ保護のため,パスワードの再入力を要求されることもある.
    • ファイルサイズに制限がある
    • 通信速度が,FTPフォルダと比較して遅い
    • FTPフォルダのアイコン(ネットワークプレイス)を使用した場合に比較すると,操作感覚がフォルダ的ではない.
    • ワークスペースを階層化できない.Googleドキュメントのように,タグ付けによる分類もできない.

    をあげることができる.最後のワークスペース分類問題に関しては,ワークスペース名を命名する時に,階層的な名前付け(例えば「共有者名:プロジェクト1:タスク1」)を行えば,ある程度は対処できるかもしれないが,根本的な解決とはならないのは明らかだ.

     いずれにしても,本サービスは,いままでにMSから提供された無償の Live系サービスの中でも,最も完成度と実用性の高いサービスといっても過言ではない.このサービスを利用すれば,Office文書のメール添付における様々な問題点を,かなり解決できるはずだ.ただし,このサービスのセキュリティ面や信頼性については,まだ未知数であるため,機密扱いのOffice文書等の保存については,十分に注意していただきたい.それと,全く不思議なことが一つ…

     

    このサービスには(今のところ),検索機能がない
    (googleが作っていれば,つけていただろうなぁ)


    参考リンク:


    Windows Vista SP1 のハードルは高いのか?

    2008-02-25 12:29:44 | Windows

     22日,MSより,まもなく一般リリースされる予定の「Windows Vista SP1」に関する新たな情報が公表された.すなわち「SP1非互換」ソフトのリストだ.

      この非互換ソフトは現在のところ,3つに分類されている.

    1. ソフト実行がVistaによって拒否される
    2. ソフトを実行しても正常に作動しない
    3. ソフトの一部機能が失われる

      非互換ソフトの具体的名称については,上記リンクを参照していただきたいが,いくつか気がついた点についてコメントしておく.

     

     まず非互換ソフトの多くが,「ウイルス対策ソフト」や「ファイアウォール」といった,セキュリティ系のソフトであることだ.その中には「BitDefender 10」「Trend Micro Internet Security 2008」「Zone Alarm Security Suite 7.1」等の大御所的なソフトが含まれているものの,これらのソフトのほとんどは,最新版にバージョンアップさえすれば,問題ないようなので,安心されたし.ただこれらのセキュリティ系ソフトの一部に非互換性があるということは,他のマイナーなセキュリティ系ソフトにおいて,非互換問題が発生する可能性は否定できないだろう.

     

     さらに,この非互換ソフトリストとしてあげられたソフトが,主に海外製ソフトであることにも注意が必要だ.はたして和製ソフトの検証テストは,MSによって行われているのだろうか?また,非互換ソフトの数が非常に少ないことから,どの程度の規模の検証が行われているのか,また,今後このリストに追加されるソフトがあるのかも不明だ.特に非互換ドライバがありそうなのだが,そのリストはどうなっているだろう?

     

     いずれにしても,Service Packのインストールにおいて,過去に冷や汗を流したことのある経験者は,私一人だけではあるまい.来月中旬にはダウンロード可能,そして4月中旬には自動アップデートされる予定のSP1.すでに人柱として,SP1のリリース候補(RC Refresh版)をインストールしている勇者たちが,次月のSP1ダウンロード可能日以降も,引き続き活躍してくれることを期待したい.


    Visual Studio 2008 Express Editionのインストールトラブル対処

    2008-02-19 04:39:25 | Windows

     つい先日リリースされたMSの「Visual Studio 2008 Express Edition」といえば,無償のソフト開発環境として有名なソフトだ.今回,C#を開発言語として使用すべきかを評価するために,その内の一つである「Visual C# 2008 Express Edition」のインストールをWindowsVista PCに対して試みた.ちなみに,このインストーラーは比較的親切に作られており,無償のSQLサーバソフト「MS-SQL Server 2005 Express」もオプション指定すればインストールしてくれる.

     インストール開始直後は,何事もなく淡々と進んでいったのだが,途中で奇妙な現象が起こった.突然,WindosUpdateの再起動要求メッセージが,画面の右端にひょこっと顔を出したのだ.インストールはまだ完了していないため,当然メッセージ無視を決め込み,ソフトインストールの完了を待った.

     インストールが完了すると,インストーラから再起動要求メッセージが表示された.そこでおもむろに,再起動をしたのだが,ログオフ後のシャットダウン中に,先ほどの更新作業が開始された.WindowsUpdateのメッセージは嘘ではなかったわけだ.

     やがて,更新作業が終了し,再起動となった.Vistaの味気ないプログレスバー表示をぼんやり見つめながら,ログオン画面を待っていたのだが,ここで突然,出鼻をくじかれる出来事が起こった.ログオン画面が表示される直前,PCは再び更新作業に入ってしまったのだ.先ほどの,シャットダウン中の更新では,更新作業が完了していなかったらしい.再び,更新完了を待つことに……あまりにも長い更新作業だったが,ステージと進捗状況のパーセンテージ表示のおかげで,画面の変化を凝視しつづける必要がなかったのは幸いだった.

     ついに100%.すぐにログオンできるかと思ったが,100%表示のまま,さらに更新作業が続くのがつらい.そしてついに,次のメッセージが…

    再起動します

     期待を裏切られ,がっかりした私を無視するように,PCは,いつもと変わらぬ「ピコッ」という起動音を発して,元気に再起動を開始した.そして,なんと,その途中で再び更新作業開始.今度は,8000個のファイルやらレジストリエントリやらに対して,「何か」をするらしい.更新中,今度はパーセンテージではないが,チェック済み個数が表示されている.こんな「白黒」コンソール表示でも,ないよりはよい.しかし,更新完了直後に表示されたメッセージは,明らかに,私の忍耐力に対して挑戦を挑むものだった.

    この更新は正常に構成されませんでした.

    更新を元に戻します.電源を切らないでください.

     おそらく復元を完了したのだろう,長時間黙々と復元作業を続けていたPCは,再び再起動した.そして今度は,虚脱感の漂う私のうつろな両目に,さわやかな緑色のログオン画面を表示したのだった.そう,何事もなかったかのように…

     ようやくVisualC#を起動することができた.更新はできなかったようだが,起動することができた.ありがたい.軽い安堵の中,私はプログラマの伝統的な儀式である「Hello World」をタイプし,ビルドした.その時に,あのメッセージは表示された.

    エラー 1 :必要なファイル

    'alink.dll with IAlink3' が

    見つかりませんでした。

      ビルド不能?…なぜなんだ!

     そこから,インターネットの旅が始まったのだが,旅の最初の途中下車駅は2chだった.このトラブルに関するVisual Studio 2008のスレ内のあるレスは,インドネシアの英語ページへのリンクが貼り付けられていた.なるほど,このトラブルは世界規模のものだったのだ.

     その記事によれば,インストールファイルの中に存在するいくつかのmsu(Vista用Windows Update 更新ファイル)ファイルを,順番に実行し,更新を完了すれば,ビルドはできるとのこと.msuはCD-ROM内にあるようだが,私のようにダウンロードでインストールした場合は,msuはどこに行けばあるのか?

     とりあえずWindosUpdateを実行してみるが,驚くべきことに,更新履歴を見ると,これらの更新は完了(成功表示)している!そのため,これらのファイルのダウンロードさえ,無慈悲なWindosUpdateはしてはくれないのだ.しかし,「インストールされた更新ファイル」一覧を調べてみれば,これらの更新ファイルはリストアップされていない.たぶん後者が真実を語っているのだ.なんたる矛盾!

     よろしい.それではMSサイトを検索し,これらの更新ファイルを手動ダウンロードして,インストールしてしまえばいい.それで,この事件も終わりだろう.長い一日だったが…(注:ここまでに書いていなかったが,トラブル発生後,忌まわしい「システムの復元」を強行し,さらにVisual Studioの再インストールまで行っていたのだ…もちろん,それはフリダシに戻っただけだった…)

     しかし期待は裏切られた.MSサイトの検索結果は,ひどいものだった.これらのmsuは,ダウンロードセンターには,影も形も存在しなかったのだ!なぜだぁ!

     …その後の長い旅路については語るまい.結局,MSDN内のこのエラーに関する掲示板スレにたどり着くことができた.その最後に「Was this post helpful ?」というタイトルのレスがある.以下に引用する.

    Run the following files to fix the bug (for Vista)
    Windows6.0-KB110806-x86.msu
    Windows6.0-KB929300-x86.msu
    Windows6.0-KB930264-x86.msu
    The files can be downloaded from
    http://www5a.biglobe.ne.jp/~TA-31/windows/VisualStudio.html

     ついに発見した!msuのありかを見つけ出したのだ.それがなんと日本のサイトだったとは!まさに「灯台もと暗し」.TA-31殿,まっこと,ありがとう<(_ _)>

     TA-31殿のページを見ると,結局これらのmsuは,MSダウンロードサイト内に存在していた.ではなぜ,MSダウンロードで検索しても出てこなかったのだ?理由を10文字以内で述べよ!!

     というわけで,インドネシアのページに従って,msuをダウンロードし,一つずつ更新を実行した.最初の更新において,再起動要求がでたが,残りの2つは再起動も要求されず,おとなしい.

     更新が完了し,ついにVisualC#を起動して,コンソールアプリとして「Hello World」を記述.ビルド開始……ノーメッセージ(T^T)

     「デバッグなしで開始」をクリックすると,コマンドプロンプトが画面からわき上がり,その左の隅に「Hello World」がちょこんと表示された.終わったのだ.

    ちなみにコードは,ほぼテンプレートのままで下記のごとし.

    using System;
    using System.Collections.Generic;
    using System.Linq; using System.Text;

    namespace ConsoleApplication1 {
        class Program     {
            static void Main(string[] args)         {
                Console.Write("Hello World.n");
            }
        }
    }

     こうして長い一日が終わった.すでに朝の4:00過ぎ.室温18度の部屋で,私の両手はますます,凍えていくのであった.    - 完 -


    Windows Vista用更新 「KB943899」に致命的な不具合か?(ただし一部PCのみ)

    2008-02-02 11:00:10 | Windows

     すでにスラッシュドット ジャパン等で報道されているように,Windows Vista 用の更新として,WindowsUpdateによって配布された「KB943899」に致命的な不具合が存在した模様.特にWindows Vista採用の一部ノートPCにおいては,Windowsが立ち上がらなくなるようだ.

     このKB943899は,12月にMSダウンロードセンターからダウンロードが可能となり,その後,1月のWindowsUpdateの推奨更新に加えられたようだ(未確認情報).MSサイトの説明によれば,KB943899の更新を行うことにより,下記の点が改善される(注:MS日本語ページが機械翻訳のためなのか,意味がよくわからないので,一部原文を参照して翻訳した)

    • ハイバネート状態にコンピュータを切り替えようとすると,「STOP 0x000000A0 」エラーが表示される.
    • ハイバネート状態,またはスタンバイ状態に移行する場合,あるいは,それらの状態から復帰する場合,「STOP 0x0000009f」エラーが表示される. この問題は,ワイヤレス ネットワーク接続を持つコンピュータで発生する.
    • 一定時間,PCを操作していないのに,ハードディスクの回転が止まらない.(The disk does not spin down after a specified time of inactivity)

     このようにKB943899更新は,電源と節電に関する不具合を解消するための更新だが,この更新に含まれるハードディスク設定の変更に問題があったようだ.その変更とは…

     私のメインマシンもそうなのだが,サーバや一部のPCにおいては,RAIDが構築されており,ハードディスクが複数台,内蔵されている場合がある.ハードディスクの内蔵台数にもよるが,このようなハード構成をしているマシンにおいては,1つの問題がある.

     それはマシン起動時のハードディスクへの突入電流だ.ご存じの方も多いと思うが,PCだけではなく通常の電器製品においても,電源投入時に,通常動作時以上の電流が流れる製品がある.この時の電流が突入電流だ.詳しくは上記のリンクを参照してほしいのだが,節電のために,機械の電源を頻繁にオンオフすると,逆に節電にならない場合があるのは,そのためだ.また突入電流は,機械やその電源に対して負荷をかけるため,故障の原因ともなりえる.

     複数台のハードディスクを内蔵したマシンの電源投入時に,内蔵ハードディスクのすべてのモーターが一斉に回り出すと,かなりの突入電流が生じるらしい.その結果,内蔵電源に負荷をかけ,電源を劣化させたり,場合によっては,電源の容量を超えてしまうこともありえる.

     これに対処するために,シリアルATA規格から,「Staggered Spin-up」という機能がハードディスクに追加された.これは,マシン起動時に複数台のハードディスクのモーターを同時に回転開始せず,一台ずつ順番に回転させることを可能とする機能だ.

     このStaggered Spin-upと似たハードディスク機能として,「Power-Up In Standby」という機能を持つハードディスクも存在する.この機能が有効なハードディスクは,電源投入時と同時にスタンバイ状態となる.従って,電源投入時にモーターは回転しない.このスタンバイ状態のハードディスクは,PC本体から送信される「spin up」コマンドを受信しない限り,モーターは回転しない.先ほどのStaggered Spin-upとの違いは,

    • Staggered Spin-upは,ハード的な手法(信号線)
    • 「Power-Up In Standby」は,ソフト的な方法(コマンド)

    であることだろう(未確認)

     話が長くなったが,KB943899更新は,どうやらハードディスクに対して,この「Power-Up In Standby」機能を有効にするコマンドを送信するようだ.このため,

    1. 内蔵ハードディスクが「Power-Up In Standby」機能を持つ
    2. BIOS側が,「Power-Up In Standby」機能が有効になった状態でのマシン電源投入を想定していない.すなわち,マシン電源投入直後に「spin up」コマンドをハードディスクに送信しない.

    上記2つの条件を満たすPCにKB943899更新を適用した後は,電源投入時にハードディスクのモーターが永遠に回転を開始しないため,OSブートが不可能となり,タイムアウト・エラーがBIOSにより表示されてしまう.

     上記3条件を満たすPCは,主にノートPCであり,スラッシュドット ジャパンの記事では

    • Let's note CF-R6M/CF-R6A(BIOSがV1.00L13 / V2.00L10)
    • ThinkPad T60

    などが例としてあげられているので,特にVistaノートPCのユーザは,要注意だ.

     ただ,仮にこの更新が原因で,PCがブートしなくなっても,仙石氏提供の修復用LinuxをUSBフラッシュメモリ等に入れ,そこからLinuxを起動することによって,修復が可能のようだ.

     さらにKB943899更新は,バッテリー関係設定をも変更するため,この起動不具合以外にも,ディスプレイ表示異常,光学ドライブ使用不能などの不具合も起こっている模様.

     ちなみに私のメインマシンは,3台のハードディスク(Seagate: ST3320620AS SATA3Gb/s x 3)でRAID5を構成しているVista PCだ.このメインマシンには,すでにKB943899更新がインストールされているが,今のところPCの起動には問題がないようだ.

     今後,KB943899更新の更新がリリースされると思うが,それまでの間,この更新の適用は保留しておいた方が無難だと思われる.


    5月9日のWindowsUpdateの不具合:Vista編

    2007-05-22 01:25:03 | Windows

     

    短に行きます.

     月9日のWindowsUpdateに不具合があり,VistaのPCにおいて更新がなされていない模様です.これも例の大規模不具合と同様に,MS-Officeがからんでいる,WindowsUpdateそのもの不具合のようです.詳しくは,以下のページを参照してください.

     Internet Watch: 「VistaとOffice 2007の組み合わせで、月例パッチが適用されない不具合


    緊急!Microsoft/WindowsUpdateにおいて大規模不具合発生か?

    2007-05-17 17:55:20 | Windows

     緊急連絡(Red Alert)です!!

    情報は随時更新します.

    更新情報:2007/05/17
    WUA3.0の更新時のエラーについて,追加.
    ハードウエア損傷の可能性について追加

    最新情報:2007/05/15
    5月15日に対策情報KB937383が更新され,リビジョン1.3になりました.

     5月11日頃から,いくつかのニュースサイトにて取り上げられているが,Windowsの更新サービスである「MicrosoftUpdate」及び「WindowsUpdate」において,全世界規模の不具合が発生した模様.この不具合は,「MicrosoftUpdate」及び「WindowsUpdate」の(5月9日の)自動更新により,自動的に更新ソフトがインストールされた場合に,発生する可能性がある.

     特に

    1. OSがWindowsXPで,
    2. MS-Office2003がインストールされており,
    3. MicrosoftUpdateで自動更新を行うPC

    に多発しているようだが,その他の環境でも発生している模様.また一部PCについては,既に今年の2月頃より不具合が出ていたようだ.

     不具合の主な現象は下記の通り.

    1. svchost.exeがCPUを100%使用してしまうために,PCがほぼ固まったかのように,ほとんど動かなくなる

    2. 『「0x745f2780」での命令は、「 0x00000000」でのメモリを参照してください。 メモリは、「読み取られません」でした。』というエラーメッセージが表示されるが,そのエラーメッセージを閉じた後,PCが固まる.ただし,閉じない場合は,PCを継続使用出来る.

    3. Microsoft UpdateやWindows Update開始後、エラーコード0x8DDD0009が表示され,更新できない.

    4. MicrosoftUpdateやWindowsUpdateを手動・自動開始後,終了しない


    5. 上記の理由により,PCが大量の熱を発生させ,特に,ほこりが溜まった古いPCなどにおいて,間接的にハードウエアが損傷する.追加

     この対処方法については,Microsoft側からも発表(KB937383 Rev1.3,2007/05/15更新)があったので,それにしたがって対処されたし.主な手順は以下の通り.なお初心者向けの対処手順はこちらを参照. 

    1. LANケーブルを抜く(無線LANを無効化する)

    2. Windows Update または Microsoft Update の [自動更新] を停止する.

      手順はこちらを参照.

    3. LANケーブルを差し込む(無線LANを有効化する)

    4. 更新プログラム 927891 (一般的なWindowsXP用)をインストールする

      注意1:最新バージョンは,5月7日に公開されたバージョン3です.

           ファイル名:WindowsXP-KB927891-v3-x86-JPN.exe

      注意2:64bit版WindowsXP用は
      こちら(市販PCには滅多に使用されません)
      注意3:OSがWindows2000の場合は
      インストールしない


    5. Windows Update Agent 3.0(一般的なWindowsXP用) をインストールする

      注意1:64bit版WindowsXP用はこちら(市販PCには滅多に使用されません)
      注意2:エラー0x8007043cが表示されて,インストールできない場合がある.
           サーバーに接続できないための,エラーらしいが,
           これに対する具体的な対処方法は,定かではない.
           とりあえずファイアウォールとアンチウイルスを停止して,
           再挑戦すること.

           こちらで経験したケースでは,このエラーが発生後,
           再起動させ,再インストールを試みたところ,
           既にインストール済みとなっていた.追加

    6. Windows Update または Microsoft Update の [自動更新] を開始する.

      手順はこちらを参照.

    取り急ぎお知らせまで.


    ★関連資料:

    1. Microsoftサポート・オンライン:KB937383(Rev1.3, 2007/5/15)更新

      今回の不具合の対処法が解説されています.自動更新ソフトと更新プログラム 927891KB916089の修正)を指示しています.

      更新履歴:

         Rev1.3は,2007/5/15にリリースされました.
         更新内容は不明ですが,対処方法の手順に変化はないようです.

         Rev1.2は,2007/5/14にリリースされました.
         更新内容は不明ですが,対処方法の手順に変化はないようです.

         Rev1.1は,2007/5/11にリリースされました.

    2. Microsoftサポート・オンライン:KB927891(Rev4.0, 2007/4/27)

      KB916089の修正ソフトです.

    3. Microsoftサポート・オンライン:KB927385(Rev2.0, 2007/4/3)

      Microsoft/WindowsUpdate時に,アクセス違反エラーが表示され,エラー表示を閉じるとPCが固まる現象について,説明している.KB927891のインストールを指示している.

    4. Microsoftサポート・オンライン:KB916089(Rev7.1, 2007/4/20)

      MS-Officeの更新が含まれるWindowsUpdateやMicrosoftUpdateにおいて発生する不具合(Windows Installer3.1がらみ)について解説されている.リビジョン番号から,かなりの混乱があった模様.

    5. Microsoftサポート・オンライン:KB932494(Rev1.4, 2007/2/13)

      「"0x0745F2780" の命令が "0x000000000" のメモリを参照しました。メモリが "read" になることはできませんでした。」エラーの対処法として,修正ソフトKB927891のインストールを推奨していたが,CPU使用率100%問題が解決されていない.

    6. 2chスレ:Microsoft Updateしたらageるスレ 30

      レス632によると,既に2月頃から,この不具合が発生しているPCが存在する模様.

      レス632引用:

         2月のパッチでoffice2003入れてるやつだけがCPU100%になり苦しむ
         ↓
         KB916089、KB927891を続けてリリースするが治らない
         ↓
         サポートは苦しい説明。
         このころから、Updateのログファイルがいたる所にできだす
         ↓
         5月、とうとう2003入れてないやつまでも餌食に

      またレス717によると,ユーザの手によって不具合解決法が確立された可能性もある.

      レス717引用:

         916089は重要な更新ではない
         (MSIのトラブルが起きる場合のみ適用を推奨)
         そのため、自動更新やOfficeUpdateではインスコされない
         (されなかった)

         必要な人は技術情報を読んでDL→インスコ
         だから、CPU100%で悩んでた一部のユーザーしか入れてなかった

         本来はこれで解決・・・のはずが、
         完全ではなかったためKB927891リリース

         それでもだめ→927891-v3リリース

         やはりだめ→一部の香具師が
         某国ではWUA30がとっくにリリースと情報提供

         WUA30はWSUSの次期バージョンに含まれるが、
         これは試してみる価値が・・・となり、
         人柱が検証→有効性を確認

         おかげで5月9日中には解決方法が不完全ながら確定
         5月11日のMSの技術情報は2chのコピペかと思ったw

         ちなみにMSの営業は5月10日に入れたクレームに対し、
         「Office2007使ってますけど、Updateなんとも無いです」

      このレス717のする修正提案が,レス718にある.

      レス718引用:

         >WUA30はWSUSの次期バージョンに含まれるが、

         そうじゃなくて、WSUSチームのBlog投稿が元でしょ?
         
      http://blogs.technet.com/wsus/archive/2007/04/28/update-on.aspx




    7. 2chスレ:「Windows Update失敗したらageるスレ 14

      4月頃から,この不具合で苦しむユーザの声が,急速に増え始めるのがわかる.

    8. 2chスレ:「Windows Update失敗したらageるスレ 15

      冒頭からこの不具合の対処が取り上げられている.

    9. HotFix Report:「自動更新などでOfficeパッチが配布されるとsvchosts.exeがおかしくなる不具合、修正プログラムあり?(KB927891)

      激闘の記録.

    10. MS community:「WSUS配下でCPU使用率100%

      4月の前哨戦の記録.

    11. スラッシュドット・ジャパン:「Microsoft Update またはWindows Update でCPU使用率が100%近くになる不具合

      いくつかコメントや情報あり

    12. ITMedia:「Microsoftのアップデートに不具合、CPU使用率が100%近くに

      初期の報道のため,既に対処方法の記述が,やや古くなっているので注意.

    13. InternetWatch:「Windows UpdateでPCが高負荷になる問題、MSが技術情報を公開

      エラーコード0x8DDD0009のエラーが発生することもあるらしい.ちなみに0x8dddのエラーは,WindowsUpdateがらみのエラーの模様(参考:KB884226).

    ついに始まった違法Windowsの強制的チェック - WGA認証の実際 -

    2005-07-27 13:07:00 | Windows

     

     PCのセキュリティ確保の基本は,言うまでもなく「WindowsUpdate」だろう.現在,「WindowsUpdate」は,MS-Officeの更新「OfficeUpdate」や,他のMS製品の更新と統合した,「MicrosoftUpdate」にほぼ移行しているのはご存じの通りだ.但し,本日27日以降は,この「MicrosoftUpdate」にある種の認証機構が取り入れられ,その認証をクリアできない場合は更新はできなくなる(注:セキュリティ関係の更新を除く).「Windows Genuine Advantage(WGA)」が発動したからだ!


     「Windows Genuine Advantage(WGA)」は,コピー品等の違法なWindowsのインストールを発見する為の仕組みで,MSのページ内に埋め込まれたActiveX(WGAバリデーションツール)のインストールにより,使用しているWindowsが,正規品かそうでないかをオンラインで確認し,認証する.


     「Windows Genuine Advantage(WGA)」自体は,以前から行われており,この認証をクリアした場合には,LZH形式圧縮ファイルのOSによるサポート等の,特典ダウンロードがMSより提供されていた.私も以前,WGAを一度やったことがあるのだが,途中でプロダクトキーの入力を要求され,面倒になり,やめてしまった.


     ところが,26日付のCNET Japanの記事「マイクロソフトの「Windows Genuine Advantage」、いよいよ全世界で実施に」によると,全世界で米国時間26日より「MicrosoftUpdate(WindowsUpdateも含む)」実行時に,このWGA認証が強制的に実行されるようになった.なおMSのダウンロードセンターからダウンロードする場合にも,WGA認証が必要になる場合がある.


     実際,私の所有する3台のWindowsXPのPCで「MicrosoftUpdate」を実行し,WGA認証を行ってみた.手順は以下の通りだ.


    1. インターネット・エクスプローラを起動し,MicrosoftUpdateのページを表示する.
    2. カスタム」もしくは「高速」ボタンをクリックする.
    3. 一部の Windows コンポーネントで必要なソフトウェア アップグレード」のページが表示されるので,「今すぐダウンロードしてインストールする」ボタンをクリックする.
    4. ダウンロード及びインストール状況の表示ボックスが現れる.
    5. インストールが完了すると,「お使いのコンピュータは正しく更新されました.」と表示されるので「閉じる」ボタンをクリックし,ボックスを閉じる.
    6. インストール結果の確認.ソフトウエアのアップグレードを完了した.WGA確認ツール(KB892130)」といった内容のページが表示されるので,「続行」ボタンをクリックする.
    7. 正規Windowsの検証」ページが表示された場合は,「はい、Windows を検証して、このコンピュータ用の重要な更新プログラムをすべて入手します (推奨)」と「他の製品の更新プログラムのみを表示します (Windows を更新するまで、このコンピュータはセキュリティ上の脅威に対して脆弱です)」のどちらかのラジオボタンを選択してクリックする.通常は前者を選択する.
    8. 続行」ボタンをクリック.
    9. お使いのコンピュータの確認」ページが表示されるので,「続行」ボタンをクリック
    10. 確認が終了すると,正規ユーザーの場合,「確認が完了しました」ページが表示されるので,「続行」ボタンをクリック
    11. もう一度MicrosoftUpdateのページが表示される

     ちなみに3台のPCの内,2台についてはステップ6で認証作業は終了した.もう一台の数週間前にWindowsXPを再インストールしたマシン(注:オンラインによるXPアクティベーション認証を行った)については,ステップ7以降の作業が必要となった.以前のように,WindowsXPのプロダクトキーの入力をする必要もなく,インストールも短時間で終わってくれた(注:2005/7/30加筆.その後5台のPCについて,WGA認証作業を行ったが,その内の1台だけ,プロダクトキーを要求されるケースがあった.プロダクトキーについて,画像付きのページが表示されるので,素人でもわかりやすいと思う).また私のPCの場合は,再起動も不要だった.正規のWindowsXPユーザーならば,ほとんどケースで,数分の以内にWGA認証作業は終了することだろう.


     このように正規ユーザーにとって,WGA認証自体は,オンラインでのXPのアクティベーション認証と同様,比較的簡単なものだ.しかし,何らかの理由によって,WGA認証が通らなかった場合は,面倒なことになりそうだ.このような場合は


    • 認証レポートを印刷し,販売店で確認してもらう.
    • MSに問い合わせる:違法CD-ROMを購入してしまった場合は,正規のCD-ROMと交換してもらえる.CD-ROMや購入証明ができない場合は,特別割引値段でWindowsXPを新規購入する.
    • MicrosoftUpdateの一部の更新をあきらめる.

    ということになりそうだ.WGA認証は2004年9月よりテストが開始されており,熟成されているはずなので,おそらく本当の正規ユーザーを認証できないようなバグは無いとは思う.


     今回の事実上のWGA認証の強制により,海賊版Windowsのユーザーは相当数減るのかもしれない.但し,現海賊版ユーザー(注:主に日本以外のアジアか?)がWndowsを放棄し,Linux等の無償OSに流れる可能性も否定できない.今や,最も割高感の高いPCパーツは,「WindowsXP」なのだから.



    参考リンク:Googleニュース「Windows Genuine Advantage」


    参考資料:「一部の Windows コンポーネントで必要なソフトウェア アップグレード」ページ全文

     Microsoft Update を使用するには、最新バージョンの Windows コンポーネントをいくつかインストールする必要があります。これにより、次に示すようなサイトの新しい機能を利用できるようになります。

    • その他の更新プログラム:  Windows の更新プログラムのほかに、Microsoft Office など、代表的な Microsoft プログラム用の更新プログラムを 1 か所で入手できます。
    • 高速な更新:  最新の MSI (Microsoft Systems Installer) により、更新プログラムのインストール処理が強化されています。より短時間に、より小さいサイズのパッケージで更新プログラムを提供できるようになりました。
    • 容易な検索:   更新プログラムを優先度別または製品別で検索できるようになりました。また、有用なリンクや重要なメッセージによって、お使いのコンピュータに該当する優先度の高い更新プログラムをすべて確実にインストールできます。

    詳細:Windows Genuine Advantage 確認ツール (KB892130)
    443 KB , < 1 分

    Windows Genuine Advantage 確認ツールを使用すると、お使いの Microsoft Windows のコピーが正規品であるかどうかを確認できます。このツールは、Windows の製品 ID とライセンス認証の状態を確認することで、インストールされた Windows を検証します。インストール後には、コンピュータの再起動が必要になる場合があります。インストールすると、削除することはできません。


    合計: 443 KB , < 1 分


    極太タスクバーのメリット

    2005-01-30 10:25:38 | Windows
     私が,モニタを15インチCRTから17インチ液晶(Mitsubishi RDT176V)に変えたのは,つい最近のことだ.最初は,広大な広さに思えたSXGAも,今ではすっかり慣れてしまい,既に,手狭に感じる場合もよくある.ただこの広さになると,開いたままにしておける窓の数も多くなり,必然的にタスクバーに並ぶタスクボタンの数が増えることに気づいた.つまりタスクバーが窮屈に感じられるのだ.

     WindowsXPには,タスクバーの省スペース機能がいくつかあるのは,ご存じだろう.例えば,タスクボタンのグループ化や,通知領域(タスクトレイ)内の非アクティブ・インジケータ(アイコン)の隠蔽といった機能だ.これらは確かに,省スペースには有効ではあるが,逆に不便に感じる場合がある.例えば,グループ化されたタスクボタンの中の窓をアクティブにする場合,まずグループのタスクボタンをクリックし,さらにその中のボタンをクリックする.つまり二度クリックしなければならない.その上,縦並びしたボタンの中から,目的のボタンを探すのに手間取る場合がある.また,隠されたインジケータを操作しなければならない場合,(<)ボタンをクリックし,隠されたインジケータを表示した後,目的のインジケータを目で探す必要がある.ところが,隠されたインジケータの数が多い場合は,探している内にマウスポインタが動くなどして,再びインジケータが隠されてしまう場合がある.

     17インチ以上の液晶モニタのユーザーならば,これらのストレスから解放される手だてはある.それは,タスクバーを「太く」することだ.ご存じのようにタスクバーは太さを変えることができる.但し,太さを変える場合は,「タスクバーとスタートメニューのプロパティ」の「タスクバーを固定する」のチェックをはずしておく必要がある.この状態で,タスクバーと画面の境にマウスポインタを置き,ドラッグすれば1段単位で太さを変えることができる.通常は2段の太さで十分だろう.ちなみに二段の太さにした場合,タスクバーは二段重ねになるが,通知領域は三段重ねになる.

     このようにしてタスクバーの領土拡大を行えば,XPのタスクバー省スペース機能はほとんど不要になる.先ほどの,「タスクバーとスタートメニューのプロパティ」の「同様のタスクバーボタンをグループ化する」や「アクティブでないインジケータを隠す」のチェックをはずせば,これらの機能は停止する.マシンの使用目的によるかもしれないが,私の場合は,この極太タスクバーの方が快適だ.極太タスクバーでは,通知領域の時計表示に,曜日と日付が加わるところも気に入っている.ただスタートボタンの下が,間の抜けた形になるのは残念だ.ちなみにLinuxデスクトップマネージャの一つであるKDE3.3のタスクバーなどは,最初からタスクバーは二段重ねであり,それに合わせてスタートボタンも正方形になっている.

     モニタ画面はSXGA以上が当たり前になってきたこの時代,増えた土地の分け前を,タスクバーに与えても良い頃かもしれない.