WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

楽器としてのNintendo DSi LL

2009-11-23 14:12:30 | ハードウエア
 自分の所有しているNintendo DSiは,事実上,携帯楽器兼DTMマシンと化している.すなわちDSソフト「大合奏!バンドブラザーズDX(略称:バンブラ)」専用機となっていると言って良い.このソフトと出会ってから,DSiはゲーム機ではなく,「自分の身体の延長=楽器」としてとらえるようになり,それまででは考えられない「愛着」をDSiに感じるようになった.バンブラとの出会いは.それまで自分が何十年間か持っていた音楽観を,全く変えてしまうほどの衝撃的な事件でもあった.

 詳しいバンブラの解説は他のページに譲るが,このソフトは画面に表示された譜面を見ながら,ボタンを押して音を出し,演奏する楽器ソフトだ.譜面は楽器毎に8パートに分かれており,プレイヤーはその中の一つを演奏し,残りのパートはDSが自動演奏する.つまり「楽器のカラオケ」だ.また通常のボーカルのカラオケ機能を搭載しているため,メロディパートは演奏せず,歌うことも可能.さらに無線LANにより,各パートを担当する他のプレイヤーとともに,合奏することも可能であり,気軽にセッションを持つことができる.セッションの時に問題になる「実力差」も,バンブラの演奏操作は,その熟練度により,単純な方法(1個のボタンを使用)から複雑な方法(10個のボタンを使用)まで選択きるため,未熟なプレイヤーが演奏の足を引っ張る事が少ない.そして極めつけは作曲機能(簡易DTM)で,各パート毎に譜面を入力し,アップロードすることにより,バンブラのすべてのユーザーを対象にして曲を配信することができる(ただし審査を通過する必要がある).

 私の場合は,ヘッドフォンを使用して,一人で演奏することはもとより,友人や母親とセッションしたり,耳コピによりポップスなどを打ち込み,サーバに投稿するなど,カラオケやフリー演奏(楽譜なしでの演奏)以外のバンブラの機能はフルに使用している.すでにソフトを購入してから1年以上経っているはずだが,全く飽きることなく,ちょっとした時間や気分転換が必要だと感じた時に演奏を楽しんでいる.ちなみに耳コピによる打ち込みは,莫大な時間がかかるため長期休暇時のみ.

 こんな私が「Nintendo DSi LL(以下LLと略す)」の発売を知ったのは,偶然に見たTVCMからだった.その名称やTVCMから受けたLLの印象は,「お年寄りのために画面を大型化しただけのDSi」といったものだった.この軽薄短小の時代に,LLを発売する理由が他にあるだろうか?すでにDSiを持っている私にとっては,「2万円も払って,改めて購入する必要もないもの」とその場では判断し,しばらくの間,LL新発売への関心は薄れていた.ところがその後,あるきっかけから,心の片隅に妙にむずむずした何かを感じ始めた.それは,最近バンブラ譜面として配信された中島美嘉の曲「Will」のベースパートを練習していた時だった.

 自分の場合,10個のボタンを使用して演奏している(操作タイプ:マスター)のだが,この曲のベースパートはかなり難しい(レベルは最高難度★10個).このような難曲の練習中は,どうしても力んでしまい,指の動きにより画面が揺れるため,譜面を目で追うことができなくなる.このため目の疲れ方が尋常ではない.さらには力みによって,DSiを支える手や指がだんだん痛くなってくる.

 バンブラマスター操作では,3つのボタンの同時押し(Lボタン+Rボタン+他のボタン)が存在する.私の場合,強くLRボタンを押してしまうため,通常の持ち方では,本体の位置がカラダの方向にずれてしまう.これを防ぐため私の場合は,両手の小指を本体前方側面に立て支えているのだが,これはたいへん不自然な持ち方だ.しかもこの方法でも,だんだん本体が手のひらの中でカラダ側にずれてくると,DSiの底面隅にある足(小さな突起)が,小指と薬指の間の根本に食い込んできて,これが非常痛い.

 疲れるのは目や指だけではない.意外なことと思われるかもしれないが胸や耳も疲れる.胸はDSi本体が操作によってできるだけ揺れないように,脇を締め,両手で横から挟むように持つため,大胸筋に力を入れているためだ.また耳かけヘッドフォンを使用しているため,耳たぶもかなり痛くなってしまう.

 このような状態でベースパートの通し練習と部分練習を繰り返していると,やはり一段落つく毎にかなりの疲労感を感じてしまう.そんなときにふと思った.「もしもあのLLで演奏したらどうなんだろう?」

 以前はDS Liteでバンブラ演奏をしていたのだが,DSi発売をきっかけにバンブラをDSiに移行した時に非常に驚いた.DSiではDS LiteよりABXYボタンの高さが低くなり,「こすり」奏法(指の腹で連続的にボタンをこすって高速に演奏する方法)が,やりやすくなっていたのだ.十字キーも高さが低くなり,同じく,こすり演奏しやすくなった上に,十字キー特有の「ぐらつき」が減少していた.もちろんDSi最大の特徴であるやや大きくなった画面により,楽譜はDS Liteよりも見やすくなっていた.しかもDS Liteではつるつるだった底面が,DSiでは滑り止め加工になっていて,感触も良くなった上に,手が汗ばんできても滑らなくなった.音量調節はDS Liteのアナログ的なボリュームから,デジタル的なサイドボタンとなり,フリー演奏時に素早く的確に音量を操作できるようにもなっていた.

 私にとってこれらの職人芸的改良は,DS Liteの改良と言うより,バンブラのための改良,さらに言えば楽器としての改良にすら思えたのだ.もしやこれらの改良がLLに対しても施されているのではないか?仮に改良されていなかったとしても,最もバンブラ演奏に向いているとされている初代DSに近い大きさを持つLLならば,少なくとも演奏しやすいのではないか?そして何より確実言えることは,目には優しいはずではないか!これは!

 この最後の「目に優しいDS = DSi LL」という部分が決め手となり,LLに対する評価が一気に変わり,発売当日にLLを購入した.通常,製品の初期ロットは購入しないというのが私のポリシーだが,LLは例外的扱いとなった.実際,DSでバンブラ演奏をやり始めてから,視力は確実に落ちており,健康面の不安があったのは事実だ.

 結論から言うと,バンブラ楽器としてのLLは,DSiよりも優れていると思う.特に画面が大きくなった効果は絶大だ.演奏していても目が疲れない上に,画面が揺れてしまった場合でも,DSiよりも譜面を追うことが楽になった.またDSiよりも本体を目から離すことができるようになったため,演奏姿勢も以前より良くなった気がする.

 演奏ではないが,バンブラ作曲を行ったことがあるユーザーは,長時間小さな画面を見続けなければならず,非常に苦痛やストレスを感じていたはずだ.私自身もバンブラ作曲時に,これだけ作曲が苦痛ならば,思い切ってバンブラから,PCのDTMソフトに移行してしまおうかという誘惑に何度も駆られた.DTMソフトならば,PCの大画面のモニタとマウスで操作ができ,さらにはバンブラ作曲上の様々な制限もないからだ.LLの大画面は,このバンブラ作曲作業上の苦痛をかなり解消してくれるものと期待している.

 バンブラの画面デザインは,ペンでタップするよりも,指で直接画面に触れることを想定していると思われる個所が多い.例えば「戻る」ボタンの位置は,明らかに右手親指で直接触れることを前提としている.しかしながらバンブラ画面操作のすべてが,指による操作を前提としているわけではない.例えば曲検索におけるキーボード画面がそれだ.指で押せないわけでもないが,DSiの画面ではボタンが小さいため指での入力は困難だった.

 LLの大画面ではありがたいことに,このキーボードボタンも大きく表示されるため,指での操作が可能となった.小さな事ではあるが,煩わしいペン操作がなくなったのはうれしい限りだ.

 ただしLLの画面も弱点はある.例えばDSiに比べて,やや粒状感(ざらつき)があり,白地の画面になった場合に特に目立つようだ.さらにDSiよりも輝度がやや低く,全体的に少々黄色が強くなっている.バンブラの場合,黒地の画面が多く,また色はほとんど演奏に関係しないため,大した問題とは言えないだろう.

 ABXYボタンについては,若干DSiよりも高くなったように思う(以下,やりこんだDSiとの比較であるために,正確には不明).そのためキーのストロークも長くなっていると思われる.キーの重さも,LLのほうがDSiよりもやや重い感じなので,LLの方が誤ってボタンを押すことは少なくなるが,発声させるためには,DSiよりもしっかりボタンを押す必要があるかもしれない.これらはこすり奏法等に影響があると思われるが,どちらが演奏しやすいのかはまだ判断できない(曲によって,演奏しやすさが異なる可能性あり).

 また押し込みきった時のボタンの高さもDSiよりも若干高くなっているようで,押し込み時にボタンの輪郭が指にはっきり感じられる.DSiでは押し込みきった時に,ボタン輪郭があいまいになるが,隣のボタンとの位置関係を把握するためには,LLのほうがよいのかもしれない.キーの大きさ・膨らみ具合・表面加工・各キーの間隔などはDSiと変わらないように思う.

 十字キーについては,DSiとほぼ同じだが,LLではキーを離した時に「ポコッ」という比較的大きな音がする.筐体が大きいので,中で共鳴しているのかもしれないが,やや気になる点ではある.ヘッドフォンをして演奏しているのであれば,もちろん問題はない.クリック感はDSiよりもやや強いので,キーが入ったかどうかはDSiよりもわかりやすいかもしれない.

 音量のサイドボタンは,他所でも書かれているとおり,DSiよりも高くなり,上げと下げボタンが離れたため,明らかに操作はし易くなった.

 LRボタンについては,DSiよりもクリック感やクリック音が小さくなり,キーも軽くなったように思う.バンブラではRキーをオクターブを上げるために押し続けることが多いが,キーが軽くなったことにより,押し続けても指の疲れが少ないかもしれない.また曲によっては半音を下げるLキーをABXYボタン並みに使用する部分を持つ場合もあるが,キーが軽くなったことにより,疲労の少ない高速な打鍵が可能になったように思う.

 劇的に変わったのは本体の持ち方だ.前述のLRキーが軽くなったことと,本体のホールド感が向上したことによりに,LRキーを押しても,本体がカラダ側にずれることが少なくなった.これにより,小指を本体前方側面に立てる必要はなくなった.

 奥行きが深くなったため,DSiのようにLRキーをすべて覆うように指はかからなくなった.自分の場合はLRボタンの半分ぐらいを覆う程度だが,演奏に支障は感じられない.

 自分の持ち方では,LL本体前面の角は薬指の根元あたりにくる.角のあたる位置は,DSiとほぼ同じなのだが,LLの角はDSiよりもゆるやかに湾曲しているため,長時間あたっていても,あまり痛くならないようだ.しかもあの,削り取ってしまおうかと思ったほど痛かったDSi底面の足が,LLでは大きく低く丸い足に変更されていた.

 重さについては,確かにDSiよりもかなり重い.が,この重さは本体位置のホールドの安定感にもつながっているように思う.長時間演奏には影響がないとは言えないだろうが,短時間の演奏であれば,ほとんど問題はないだろう(ただしユーザーが子供の場合,手に対して本体が大きく,また重いため,演奏に支障が出る可能性はある).

 最後にスピーカーだが,これも他所で言及されているように音質が若干向上している.DSiでは,音がややこもった感じがしていたが,LLではそのような感じはなく,クリアな感じがする.ただし音量に関しては,どちらも同程度のようだ.

 実に長々と書いたが,自分のようにDSをバンブラ楽器として使用しているユーザーは,できたら試奏したうえで,早急にLLを購入したほうがよいと思う.これは特に眼の健康のためにお勧めする.DSが2台になってもったいないと思われるユーザも多いかもしれないが,1台目のDSが無駄になるわけでもない.LLを家での練習用やセッション本番用に使用し,DSiは普段持ち歩き,時間が空いた時に素早く取り出して,軽く練習する等の使い分けができると思うからだ.最後に言い訳がましいが…

「本レポートは個人的感想であり,客観的資料に基づいたレポートではありません.また本レポートは一個人の購入したLLに関するものであり,すべてのLLに当てはまらない可能性があります.ご注意ください.」

 

 


続報22:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-02-12 17:03:35 | ハードウエア
Seagate社製ハードディスク不具合問題が,家電やメーカー製PCに波及しているのは前回お知らせしたとおり.

 前回の時点では,この不具合ハードディスクを採用していたメーカーは,NEC(PC)・富士通(PC)・Sony(PC・ブルーレイディスク・レコーダー)だったが,その他にEPSONダイレクトも,PCにこの不具合ハードディスクが採用していたことが判明した.

 なお各社の不具合対応も出そろってきており,基本的にPCに関しては,ファーム更新用のCD-ROMを配布して対処するようだ.

 WaterMindでは,今後もこの問題について情報収集を続けていく予定.


ついに家電にも! / 続報21:Seagate社製ハードディスクの不具合 

2009-02-11 09:34:40 | ハードウエア
 Seagate社製ハードディスクの一部機種が,ファームウエア不具合のために起動しなくなる問題だが,ついにPCから一般家電に飛び火した.

 NEC・富士通・SONYのPC(68,000台)及びブルーレイディスク・レコーダー(13,000台)に,Seagate社製の上記不具合ハードディスクが内蔵されていた模様.

 対象となるPCに関する情報は,下記のリンクを参照.
 対処となるブルーレイディスク・レコーダーに関する情報は,下記のリンクを参照.
 なお他の大手PCメーカーでも,この不具合ハードディスクが採用されていた模様で,DELL社は近日中に不具合対象機種を発表するとしている.ヒューレット・パッカード社においても,個人向けPCにおいては,当該ハードディスクを採用していなかったものの,企業向けPCにおいては採用していたため,ファームウエアの準備を進めているとのこと.

 このようにSeagate社製ハードディスクの不具合問題は,徐々に拡大の様相見せている.今後もその他のメーカーから不具合対象機種が発表される可能性もあり,予断を許さない状況が続きそうだ.

 ちなみに2月11日現在,Seagateの公式サイトにおいて,この不具合に対する対処方法及び謝罪が日本語で掲載されるようになっている.


続報20:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-24 12:32:17 | ハードウエア
「Barracuda 7200.11」不具合解消のための新新ファームは,これまで一部のモデルについてはファーム検証中のため配布されていなかったが,本日より配布が開始された模様.新新ファーム名称は,SD1BまたはSD2Bとなっている.なおファーム名称がCCもしくはLCの場合は,新新ファームによる更新は不要とされている.

 配布が開始されたモデルは以下の通り
  • ST31500341AS
  • ST31000333AS
  • ST3640323AS
  • ST3640623AS
  • ST3320613AS
  • ST3320813AS
  • ST3160813AS

続報19:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-23 17:55:06 | ハードウエア
Seagate社ハードディスクの表面に記載されている「P/N(Part No.)=製品番号」の表記について興味深い発言が,掲示板にあった.

 「P/N」は,「9BX154-303」というように,前半の6桁の英数字と後半の3桁の数字で構成されている.掲示板の発言によると,この後半の3桁が,出荷先を表しており,「300」がSeagate社正規販売,「303」がOEM販売だという.私の所有しているST3500320ASのP/Nは,「9BX154-303」であり,記憶ではドスパラで購入,CFDが販売していた製品だった.

 今回の不具合騒動に対してCFDでは,「CFD販売のSeagate社製ハードディスクは,製造ラインが違うため,不具合はなかった」としているため,同社販売のハードディスク購入者の一部から非難を浴びている.

 仮にこの「P/N」の後半が出荷先を表しているのであれば,CFDの説明通り,確かにラインが異なっている可能性はあるかもしれない.実際,WaterMind所有のST3500320ASは,BIOS未認識問題は発生していなかった.

 ただ後半303のハードディスクでも,不具合報告が掲示板にあがっており,またこの発言のソースも明らかではないため,真偽は不明.各パーツ販売店の反応はこちら

続報18:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-23 06:30:43 | ハードウエア
 Seagate社認めたハードディスクの不具合騒動は,新新ファームの登場で,終息に向かっているようだ.掲示板の報告を見る限りでは,この新新ファームによる更新で,かなりのユーザーのハードディスクがBIOSにより認識されるようになった.また内部のデータも無傷だったようだ.

 ただし注意しなければならないことは,この新新ファームによって修復されたのは,「電源投入時にハードディスクがBIOSに認識されなくなる」という不具合のみと言うことだ.この他にもユーザーからは,多数の不具合報告があがっている.

 また,ファームのログ管理のバグが,今回の認識不具合の原因だとしても,ログエントリーが急激に増加した理由が明らかにされていない.何らかの別の不具合や不良パーツの採用により,一部ロットでアクセスエラーが多数発生し,ログエントリーが急増した可能性もある.もしそうであれば,せっかくBIOSで認識されるようになっても,ハードディスクがその後,壊れてしまう可能性も否定できない.

 復旧に成功したユーザーは,とりあえずフリーソフトのCrystalDiskInfo等により,代替セクタ数などのS.M.A.R.T.値を確認すべきだろう.そして大事なファイルに関しては,早急にバックアップを行うべきだ.

 特に今回の不具合騒動で,ハードディスクの電源を何度もオンオフしたり,あるいは,ディスクをPCから移動させる作業等を行ったユーザも多いと思う.

 このような作業がハードディスクに負荷を与え,ディスクを損傷・劣化させた可能性も否定できない.従って,復旧したディスクをすぐに運用するのはできるだけ避け,しばらくの間は試運転させて様子を見た方が無難に思う.

 念のため,こちらで行った下記製品の新新ファームによる更新手順を記しておく.
  • モデル:ST3500320AS
  • 製品番号(P/N):9BX154-303
  • ファームウェアのバージョン:SD15
ファーム更新手順:
  1. 新新ファームのISOイメージ「MooseDT-SD1A-2D-8-16-32MB」をダウンロード.(注意!:ファームはモデル毎に違う可能性がある.また今後さらなるバージョンアップもありえるため,こちらのページから該当モデルの最新ファームをダウンロードしたほうがよい
  2. ISOイメージをCD-R等に焼く(注意!:ISOイメージをファイルとして焼かないように.通常はライティングソフトがインストールされていれば,ダウンロードしたISOイメージのアイコンをクリックするだけで,ISOイメージを焼く準備は完了する)
  3. 電源を切った状態のPCに,不具合のあるST3500320ASを接続する(SATAケーブルとSATA電源ケーブル)
  4. PCを起動し,BIOS設定画面により,CDドライブからブートするように設定する
  5. 2)のCD-RをPCに入れ,トレイを閉じる
  6. BIOSの設定を保存する
  7. PCが再起動すると,CDドライブからブートを開始する
  8. 最初に英文の説明画面が現れるが,F10キーやESCキーでスキップする
  9. 操作メニューが現れるので,Sキーを押す
  10. 現在PCに接続されているハードディスクの名称が表示されるので,間違いがないか確認し,ESCキーを押す
  11. 再び操作メニューが現れるので,その中から接続しているハードディスクのモデル名の書かれている行の冒頭の文字のキー(A~D)を押す.
  12. ハードディスクへの新新ファームの転送が開始される
  13. 画面に「Press any key to continue...」と表示されたらファーム転送が完了.
  14. ENTERキー等を押すと,PCの電源が切れる.
  15. しばらく待ってからPCを起動するとファームが更新されているので,ハードディスクがBIOSで認識される(はず)
  16. 認識されない場合は,一端電源を切り,しばらく待ってから再度電源を投入する
  17.  - 完 -


続報17 Rev.3:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-22 22:19:14 | ハードウエア

この記事の内容は2009/01/22の22:19に第3版に改訂しました.


 WaterMindでは,本日配布が開始された,不具合対策のための新新ファームのISOイメージ「MooseDT-SD1A-2D-8-16-32MB」により,下記モデルのファーム更新を試みた.
  • 製品名:Barracuda 7200.11
  • 容量:500GB
  • 接続:SATA
  • モデル:ST3500320AS
  • 製品番号(P/N):9BX154-303
  • ファームウェアのバージョン:SD15

 結果的には,新新ファームへの更新が完了した.ファーム名称は以前と変わらず「SD1A」となっている.更新後のファームバージョンの確認は,BIOSとCrystalDiskInfoの両方で行った.


 更新の注意点としては,ファーム更新終了後に任意のキーをおして電源を完全に切る点.リセットボタンやCTRL&ALT&DELでのソフトリセットでは,ハードディスク内部にファームウエアが転送されただけで更新はされない.


 なおこちらの環境では,ファーム更新直後に,任意のキーを押して電源を切ったが,その直後に電源を入れた時は,BIOSによってハードディスクを認識しなかった.そこで再度電源を切り,電源を再投入した時点で,BIOSが認識したことを申し添えておく.


 今回のファーム更新では,不具合の存在した旧SD1A更新とは異なり,更新するハードディスクの選択時に「モデル名 製品番号」で選択するのではなく,モデル名のみで選択するようになった.


 既にこのファームを用いて,多くのユーザーが更新を行っており,異常なしとの報告が掲示板であがっている.


 こちらのST3500320AS も,現在のところは,問題はないようだが,今後代替処理の発生頻度など,さらなる検証が必要かもしれないため,しばらくは試運転的な運用を行う予定.


注記:

改訂前の記事で


更新終了直後更新ができなかった.更新ソフトの表示は,これも以前の更新時と同様に「ST3500320AS 9BX154-300」となっているため,「P/N:9BX154-303」は対象外なのだろうか?

 ただし掲示板では「P/N:9BX154-303」で成功している報告もあるため,さらに検証を試みる予定.


と記述したが,私の手違いにより,旧SD1Aファームを使用してしまったためであった.ごめんなさい<(_ _)> 

続報15:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-22 06:06:02 | ハードウエア
 現在のところソースは不明だが,Seagate社が認めている「起動時にBIOSによって認識されない」という不具合以外の不具合といわれている「代替処理の急激な増加」に関する原因説明が2chに現れた.

 それによると,ハードディスク内のパーツ(プラッタやボイスコイル)を,12月から別の製品に切り替えたとのこと.それらが不良品であったため,代替セクタ処理が急激に増加してしまうらしい.これらの不良パーツを採用した製品は,ファームウエアのバージョンからは判定できず,シリアル番号で判定する必要があるため,チェックサイトでファームバージョンだけでなく,シリアル番号の入力も必要だったと,2chでは説明されている.

 ソースが不明なので何とも言えないが,もしこれらが事実ならば,maxtorman (1457897)の発言と合わせて考えてみると,今回の不具合の原因は
  1. 不良パーツにより大量の代替処理やエラーが発生
  2. それらの代替処理やエラーはログに記録されたが,量が多いため,何度も記録数が320エントリーをオーバーする
  3. 従って,320番目のエントリーをしたときに電源が落とされる確率が上昇
  4. 運悪く320番目のエントリーで電源を落としたユーザーは,次回電源投入時にハードディスクがBIOSで認識されなくなる
ということになるだろうか?

 しかし疑問は残る.320番目のエントリーで電源を落とす確率が上昇してたとしても,現在不具合報告されているような莫大な数のハードディスクにそれが起こるのだろうか?

 掲示板にあがっている不具合報告の雰囲気では,減算カウンターでも入っているかのように,ハードディスクの使用時間や電源投入回数がある程度のレベルまで上昇すると,認識不具合が発生しているようにも思える.

 ログに320エントリーの記録がなされた後のイベントは,最も古いエントリー(1番目)に上書きされるmaxtorman (1457897)は発言している.だが,もしこの上書き処理にバグがあり,320エントリー後に発生したイベントがすべて,320 番目のエントリーに対して上書きしているとしたら,つじつまは確かに合うのだが…

続報14:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 21:55:57 | ハードウエア
 前の記事で書いたSeagate社員と思われる人物maxtorman (1457897)から,次の発言があった.
  • ログが記述されるのはバッドセクタや書き込み失敗時等(this is a log file that's written only occasionally, usually when there are bad sectors, missed writes, etc...)
  • ログエントリーが320を超えた場合,古いエントリーから上書きされていく(it rolls over the oldest file kept on the drive and there's no issue. )
  • BIOS認識不具合は,ログエントリー数が320ぴったりの時に,電源を切ると,電源投入時に発生する( IF the drive is powered up with log file #320 being the latest one written... a perfect storm situation.)
  • CC**ファームには問題が無く,SD**ファームに不具合が存在する(None of the CC firmware drives were affected - only the SD firmware drives. )
  • 適切な新新ファームは今週か,来週あたりに配布されるだろう(I'd wait until later in the week, maybe next week, until they have a known working and properly proven firmware update.)

続報13:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 21:42:55 | ハードウエア
 前の記事に書いたSeagate社員と思われる人物maxtorman (1457897)の発言に,今回の不具合の原因に関係すると思われる記述を発見した.

原文:
Then the bricking issue came to their attention. It took so long because it's an issue that's hard to track down - pretty much the journal or log space in the firmware is written to if certain events occur. IF the drive is powered down when there are 320 entries in this journal or log, then when it is powered back up, the drive errors out on init and won't boot properly - to the point that it won't even report it's information to the BIOS.

訳文(翻訳ミスがあるかもしれないので,参照程度に):
その時,ハードディスクにアクセスできない問題が彼らの関心を引いた.しかしそれはとても時間がかかりそうな問題だった.なぜならば,ファームウエアがイベント発生時に書き込んだ,たくさんのジャーナルやログを追跡することが困難だったからだ.もしもだが…もしジャーナルやログに320エントリーの情報が存在した時に,ハードディスクの電源が切られた場合,次回にハードディスクの電源を入れると,初期化に失敗し,BIOSにドライブ情報を報告しなくなるぐらい,正しくブートしなくなる.

 これが事実ならば,現在Seagate社が認めている不具合(起動時にBIOSから認識しなくなる)は,単純にファームウエアの「ログ管理のバグ」が原因であり,ファーム更新で治る可能性はあるだろう.

 ただしそのバグがフィクスされたとしても,ジャーナルやログに大量のエントリーが記録される原因は,別にあるかもしれない.その場合は,BIOS認識問題はクリアしたとしても,次の試練がユーザーに待ち構えているのかもしれない.

続報12:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 21:22:12 | ハードウエア
 米Slashdotのトピック「Seagate Firmware Update Bricks 500GB Barracudas (Seagateのファーム更新は,500GBのBarracudaを封じ込める=アクセスを不可能にする)」に,Seagate社の社員と思われる人物が登場した.

  ハンドルネームは,maxtorman (1457897)

 彼の「The Facts」というレスにおいて,今回の新ファームによる不具合がどのようにして起こったか説明している.その他にも彼のレスがあるため,それを読んでいけば,今回の不具合問題全体の詳細がわかるかもしれない.ただし,彼が本当にSeagate社の社員かどうかは定かではない.

続報11:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 19:03:33 | ハードウエア
 Seagate社サイトの「Barracuda 7200.11」の不具合対処に関するページの内容が,いつの間にか更新されていた.

 具体的には,不具合を持つファームとして以前記述されていたAD14が消え,不具合対処の新ファームとされたAD1Aの名称も消えた.

 おそらくAD1Aを適用することで新たな不具合が発生し,多くのユーザーがAD1A適用後,以前のファームAD14に戻すことにより対処しているためだろう.ファームAD14が本当に不具合を持たないのかは定かではないが,掲示板等ではAD14の不具合報告が少ないようにも思う.

 いずれにしても,今後配布されるであろう新ファームは,新たなバージョン名称を持つことになるのかもしれない.

続報10:Seagate社製ハードディスクの不具合

2009-01-21 18:40:11 | ハードウエア
 最初の記事で書いた「掲示板であがっている不具合の噂」一覧を,その後に投稿された内容も含めて,更新しておく.
  • 起動時にBIOSから認識しなくなる
    • Seagateの認めているファーム不具合 で突然発生する
  • キャッシュが正常に認識されず,キャッシュの一部しか使用されない
    • 対象:ST3500320AS、ST3750330AS、ST31000340AS
    • ファーム不具合によるため,ファーム更新で対応
  • ライトキャッシュの不具合で固まる,もしくは起動に長時間かかる
    • 対象:ST31500341AS他
    • ファームの不具合のため,ファーム更新で対応
  • 13度(23度?)以下の動作環境における書き込み速度低下
    • 対象:250Gプラッタ製品
    • 不具合ではなく書き込みベリファイのための仕様
  • 動作保証温度範囲内の低温環境においてスピンアップに失敗し,BIOSから認識されない
    • 対象:333GBプラッタ製品
  • 代替処理の多発および代替処理自体の失敗
    • 対象:Barracuda 7200.11全般,特にST31500341AS
    • 品質低下&ファーム不良が原因?
  • 電力不足による起動失敗
    • 対象:ST3320613AS
    • 電源が十分な電力を供給できない場合に発生
    • スピンアップ時に大量の電力を消費し,なおかつ電源マージが少ないため
  • RAID構築ができない
    • 対象:ST31500341AS,ST31000333AS
    • AdaptecRAIDカードとの相性問題
  • VIAチップセット(VT8237)で認識されない
    • 対象:ST31500341AS,ST31000333AS
    • VT8237との相性問題,VIA側に不具合あり?