注:6月6日午前に,この問題は解決しました.
6月5日22:07現在,私がメールアドレスとして使用している「watermind.pc@gmail.com」において,メールソフト「秀丸メール」を使用したSMTP経由でのメール送信ができない.POPによる受信は可能.またGmailのWebメールページからは,送信できる模様.
ネット検索してみると,私以外でも6月1日あたりから,メール送信できなくなったユーザーが世界的にいるようだ. 現象も全く同じ.それは不吉な前触れから始まった…
Gmailをメインのメールアドレスにしてから,もう1年以上が経つが,今まではなんの問題なく送受信できていた.ところが昨日,WebページでGmailを確認しようとした時に,奇妙な現象が起こった.突然,メールアカウントのログインページに飛ばされたのだ.しかもそれは見慣れたGmailのログインページではなかった.なんとCAPTCHA(画像認証文字)がついていたのだ.
このようなログインページは初めて見たのだが,おそらく単純にセッションがタイムアウトしたのだろうと思い,軽い気持ちでCAPTCHAを入力し,ログインした.しかし…それが地獄の始まりだった.
その後,メールソフトからメール送信を行うと,すべての送信メールに対して,下記内容のメールが帰ってくるようになったのだ.
This is an automatically generated Delivery Status Notification
Delivery to the following recipient failed permanently:
送信先メールアドレス
Technical details of permanent failure:
PERM_FAILURE: Message rejected. See http://mail.google.com/support/bin/answer.py?answer=69585
for more information.
もちろん,これはリターンメールなので送信先にメールは届いていない.つまり,メールソフトからのメール送信が,全くできなくなってしまったのだ.ただし,Webページからは送信ができるので,完全に送信できなくなったわけではない.
上記リターンメール本文のリンクページを読むと,spammer(迷惑メール送信者)に認定されているため,サーバレベルで送信が拒否されているらしい.
今まで一度もこのような現象はなかったので,おそらく,Gmailのspammer認定基準が,最近になって変更されたための不具合なのだろう.Gmailのspammer認定基準(一部推定)は
- 送信者のIPアドレス一貫性
- 送信メールのFromヘッダーの一貫性
- 送信メール本文の内容
- 受信者による迷惑メールボタンクリック数
- メール送信数(1日500通?)
- 送信者のリターンメール受信数(送信アドレスを無作為生成している可能性)
- cc/bccの指定アドレス数(メーリングリストは,Googleグループの使用を推奨)
があげられる.
私の場合,確かに,すべての送信メールBccに,バックアップ用のメールアドレスを指定していた.また某社のメール配信サービスを管理する都合上,一日に10通ぐらいのリターンメールが,メールを送信していないにもかかわらず,届くことがある.Gmailでは,送信メール数に1日あたり500通という上限があるらしいが,もちろん,送信に関して,私は一日500通も送信はしていない.ただし,携帯への転送設定は行っているので,1送信メール毎に
- BCC指定:バックアップメールアドレス
- Gmail設定:携帯への転送
- To指定:送信先
の最低3カ所に送られる事になる.もちろんto/cc/bccのいずれかに,複数のメールアドレス(2から4個ぐらい)を指定する場合もある.
送信元のIPアドレスがブラックリストに登録された可能性もあったので,念のために,IPアドレスを変化させてみたが,結果は同じだった.万策尽きたか…
その後,2chの「Gmail By Google Part30」を読んでいたところ,私と同じ現象に悩んでいる同士を発見した.そして私は,彼らのこの短い会話の中に,今回のトラブルに関する重要な情報を発見した.以下引用…
- 100 97 sage New! 2008/06/06(金) 00:37:10
- >>99
それはないw
こっちはZERO3のnPOPQで問題が発生。
ZERO3用のQmail3,Poutlookでは問題無し
送信メールのヘッダーをウェブでみる限りX-mailerがnPOPぐらいしか違いが無いように思えるのだが訳わからん?_?
おまけにGoogleヘルプも日本語訳がないから大変w
なんと同じ不具合を起こしているGmailアカウントでも,メーラーによって送信できたり,できなかったりするらしいのだ.なるほど!ここで謎が解けた.先ほど書いたspammer認定基準には,もう一つ基準が存在したのだ.
- 送信に使用したメーラーの名称:X-mailerヘッダー
試しに,普段使用しているメーラー「秀丸メール」ではなく,「Windows Live メール」に,同じGmailアカウントを設定し,送受信を行ってみると…
…送信できてしまった!なんということだ!「秀丸メール」は,spammer御用達のメーラーなのか?秀さん!
秀丸メールから送信した場合のヘッダーは以下の通り.
From: WaterMind <watermind.pc@gmail.com>
To: watermind@watermind.org
Subject: =?iso-2022-jp?B?GyRCJUYlOSVIGyhC?=
Date: Fri, 06 Jun 2008 02:59:21 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp
Content-Transfer-Encoding: 7bit
Message-Id: <8CC8C735E21043watermind.pc@gmail.com>
X-Mailer: HidemaruMail 5.05
Windows Live メールから送信した場合のヘッダーは以下の通り.
From: "WaterMind" <watermind.pc@gmail.com>
To: <watermind@watermind.org>
Subject: test
Date: Fri, 6 Jun 2008 03:03:10 +0900
Message-ID: <A5827F75BC6A45C781F1DE756283A510@WMVISTA>
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain;
format=flowed;
charset="iso-2022-jp";
reply-type=original
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Priority: 3
X-MSMail-Priority: Normal
Importance: Normal
X-Mailer: Microsoft Windows Live Mail 12.0.1606
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V12.0.1606
x-mailerヘッダー以外をspammer認定基準としている可能性も否定できないが,確かにspammerが特殊なメーラーを使用している可能性はある.Googleは,Outlook等のメジャーなメーラーをホワイトリストに登録し,それ以外のメーラー使用者は,spammerとして認定しているのかもしれない.だとすれば,それはあまりにひどい仕打ちだ.軽快で小回りのきく「秀丸メール」は,今や私にとって,「しっくりと手になじんだペン」であり,他のメーラに移行するつもりは毛頭ないからだ.
Googleは直ちに,「秀丸メール」によるGmailアカウントの使用を認めるべきだ.もちろんすでに私は,Googleのお問い合わせフォームから,上記ヘッダーを投稿している.また「秀丸メール」の作者で著名な秀まるお氏も,既に状況を把握しており,動いているようだ.ただ世界的なシェアではマイナーではあるが(国内でもマイナーか…)「秀丸メール」をGoogleに認めさせるためには,秀丸メールユーザーの団結が要求されるのかもしれない.