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PCとネットワークに関するニュースコラム.

HDD HGST Deskstar 7K250 熱死す -前編-

2005-07-12 18:53:00 | ハードウエア

 日立(HGST)Deskstar 7K250(HDS722516VLAT20,PATA,160GB,7200rpm,2MB)が死んだ…


 このHDDは,約1年前購入したもので,ほぼ同時期に2台購入し,メインマシンの第2,第3番目のHDDとして,日々活躍していた.Deskstar 7K250の性能は上々で,ベンチマークは行っていないものの,読み書き速度は体感でかなり速く感じた.「ランダムアクセスに強いHGST」の噂は,本当のようだ.またHDD寿命とも関係する発熱に関しては,今まで使用してきたHDDの中でもトップクラスと言っていいほど,発熱量が少なかった.さらに動作音に関しても,HGST特有のいわゆる「猫鳴き(ワイプ音)」が時々する以外,動作音がほとんど聞き取れないほど静かだった.このように,Deskstar 7K250は,少なくとも私が使用した個体については,全くの「優等生」だった.ただこの優等生「机の星」には,1つだけ気になる点があった.


 それは熱耐性だ.夏本番ともなると,メインマシンの設置された私の部屋の室温は,日中35度を超える.去年の夏,その過酷な環境の中で,私のメインマシンは24時間稼働状態だった.このメインマシンには,上記の2台のDeskstar 7K250以外に,OSのインストールされた MAXTORDiamondMax Plus 9(6Y120L0,PATA,120GB,7200rpm,2MB)が動いていた.もちろんケースにはファンを増設し,それぞれのHDDにはHDDクーラーが装着してあったものの,マザーボードモニタソフトのMBM5による温度表示では,Deskstar 7K250の温度が最高で48度ぐらいにまで上昇していた.ちなみに,MBM5によるDiamondMax Plus 9の温度表示は,常に室温をはるかに下回っており,全く当てにはならなかったことを申し添えておこう.


 このメインマシンには,MBM5の他に,HDD健康診断ソフトのHDDHealthがインストールされており,S.M.A.R.T.値が常時モニタされている.Deskstar 7K250S.M.A.R.T.値の異変に気がついたのは,去年の夏の終わり頃だったと思う.Reallocated Sectors Count(代替処理されたセクタ数)の値が,0から2に増えていたのだ.つまり,HDDの記録領域(セクタ)の一部が不良となったので,そのセクタを放棄して,リザーブされていた別のセクタを使用するようになったということだ.しかも,このリアロケーションは,ほぼ同一環境のDiamondMax Plus 9には全く起こらず,2台のDeskstar 7K250両方に発生していた.この現象は,「Deskstar 7K250が,DiamondMax Plus 9よりも熱に弱い」とすれば説明がつきやすいが,真偽は定かではない.また妄想ではあるが,「もともとDeskstar 7K250の発熱量が少ないのは,自分の発した熱で自分を傷つけないための設計」なのかもしれない.しかし,たった2セクタの代替処理ならば,巷のPCでもよく見られることであるため,その時は,たいして気にもとめていなかった.


 異変は今年6月に起こった.新たな夏が近づくにつれて,だんだんメインマシンの挙動がおかしくなってきたのだ.その原因を探るためにある日,WindowsXPのシステムログをイベント・ビューアで確認したところ,愕然とした.クリティカルなエラーを示す「赤丸に白バツ」アイコンが,ズラリと並んでいたのだ!そしてそのエラーとは…


 …後編に続く