WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

フリーのタブブラウザ Lunascape 3.0.0 rc2 登場

2005-08-31 22:08:37 | ソフト

 いわゆる業務連絡です.

 8月25日にバージョンアップしたばかりのフリーのタブブラウザ Lunascape が,30日,さらにバージョンアップし,バージョン3.0.0 rc2(正式版候補2)としてリリースされた.ダウンロードはこちら

 主な変更点は…

  • アドレスバー検索で検索エンジンを変更できるようにした(Lunascape設定-アドレスバーより)
  • RSSの読み込み失敗が頻発する問題を改善
  • タブを閉じた直後ティッカーのトピックをクリックすると落ちる問題を修正
  • Favicon読み込み失敗時のエラーチェック漏れで落ちていた問題を修正

とのこと.

 なおこの変更により,デフォルトでは, アドレスバーに全角文字を入力して,ENTERキーを押した場合,入力文字列をキーワードとしたJWORD検索ページが表示される.ツールメニュー→Lunascape設定→ツールバー→アドレスバー→編集ボタンとクリックすると,アドレスバーによる検索エンジンの設定ファイル(テキスト)が表示される.このテキストファイルを編集することにより,アドレスバーに全角文字を入力した場合の検索エンジンとして,任意のエンジンを複数設定し,その中からエンジンを選択できるようになる.

 以上,連絡終わりッ!


フリーのファイル復元ソフト「PC INSPECTOR File Recovery」試用レポート

2005-08-30 22:52:53 | ソフト

 ハードディスクに余裕のないPCユーザーの場合,不要なファイルは,DELETEキー等の操作による「通常の削除(注:削除対象ファイルを「ゴミ箱」フォルダへの移動)」ではなく,Shiftキー+DELETEキー等の操作により「完全削除」を行うことが多いだろう.もちろん「完全削除」を行った場合,即座にファイルは削除され,その分ハードディスクの空き容量は増えるが,その削除したファイルを復元することはかなり難しくなる.完全削除作業には,常にこの種の危険が伴うわけだが,人的操作ミス,あるいは,PCのハード的ソフト的不具合により,必要なファイルが完全削除されてしまう可能性は0ではない.もちろんこのような,ファイル喪失のトラブルを避けるために,日頃から重要なファイルのバックアップを行うのは,PC運用の基本中の基本だ.しかしどうしても,完全削除した,あるいは,完全削除されてしまったファイルが必要になった場合は,いわゆる「ファイル復元ソフト」を使用することになるだろう.

 現在発売されているファイル復元ソフトの代表格としては…

の3つが上げられる.

 この3つには,それぞれ特徴があり,また復元対象に関しても,得手不得手があるようだ.例えば,FinalDataはフラグメンテーションの進んでしまったファイルの復元が得意であるとか,R-Studio データレスキュー完全復元 PROでは,フォルダのツリー構造の復元率が高い等だ.また,復元にかかる時間も,ソフトによって異なるようだ.

 このように,それぞれのファイル復元ソフトに個性があるため,復元対象ファイル・ドライブの削除状態・破損状態によって,ベストの復元ソフトが異なるのが実情だ.復元作業を行う者としては,できることなら複数種の復元ソフトを使用して,その中でも最も適した復元ソフトを選択し,その復元ソフトによって作業を行いたいところだろう.しかし,この手のソフトは定価が1万円以上する場合が多く,個人ユーザーの場合,複数種のファイル復元ソフトを常備しておくのは難しい.

 復元作業を行わなければならない場合,このような理由により,本来ならばどのファイル復元ソフトを購入すべきか迷うところだが,ありがたいことに,ファイル復元ソフトには「無料お試し版」が提供されている場合がある.これら「無料お試し版」は,復元能力自体はないものが多いが,復元可能なファイルのリストを表示してくれるため,購入前にそのソフトによる復元可能性について評価することができる.

 このため,復元作業を行う場合,復元ソフトの購入前に,まずいくつかの「無料お試し版」で復元可能性をチェックし,その中でベストの復元ソフトを購入するのが,「失敗のないファイル復元ソフト選び」と言うことになるだろう.ただし,場合によっては,このようなソフト選択作業を行い,さらに購入料金を支払わなくても,無料でファイル復元が可能な場合がある.なぜかと言えば,この世の中には,無料のファイル復元ソフトが存在するからだ.

 「PC INSPECTOR File Recovery4.0」は,無償ファイル復元ソフトの代表的存在だ.ダウンロードはこちら.日本語化パッチはこちら.ちなみに日本語化パッチを当てなくても,復元可能なファイル名リストやフォルダ名は日本語で表示される.今回の試用においては,日本語化パッチは使用していない.

 「PC INSPECTOR File Recovery4.0」の特徴の一つが,幅広いOS対応だ.Windows95からWindowsXPまで,ほとんどのWindows OSに対応しているため,かなり古いPCでも使用出来る可能性がある.復元対象のファイルシステムとしては,FAT12/16/32及びNTFSが含まれる.Linux系のファイルシステムは含まれていない.

 「PC INSPECTOR File Recovery4.0」による「完全削除したファイルの復元」は,簡単な操作で行うことができる.

  1. 「Logical Drives」から,復元対象ファイルの含まれるドライブをクリック
  2. れ点ボタンをクリック.簡易スキャンが始まる.
  3. 表示されたフォルダツリーの「Deleted」フォルダを「+」をクリックし,展開する
  4. 完全削除されたファイルの含まれるフォルダが表示されるので,復元したいファイルの含まれるフォルダをクリック
  5. 選択したフォルダ内で復元可能なファイルがリスト表示されるので,復元するファイルを選択する(複数選択可).
  6. 選択した項目を右クリックして,メニューを表示する.左側にある「保存」タブをクリックしてもよい.その場合は,8へ.
  7. 「Save to...(保存)」をクリックする
  8. 復元したファイルを保存するフォルダをクリックする(復元対象ファイルの含まれるドライブ以外を強く推奨).
  9. れ点ボタンをクリックし,復元ファイルを開始

と言った具合だ.難しい指定は何もないが,復元するファイルが巨大な場合は,復元したファイルを保存する場所として,空き容量の大きなドライブが別途必要になるかもしれない.

 なお上記の方法で発見できないファイルを検索・復元するために,いわゆる「クラスタ・スキャン(セクタ・スキャン)」も行える.この場合は,セクタ範囲(注:開始セクタ番号と終了セクタ番号)とファイル名(注:ワイルドカード可)を指定して,スキャンを行うことになる.今回の試用ではクラスタ・スキャン行わなかったが,当然の事ながら,上記の簡易スキャンよりも,かなりの時間がスキャンにかかるものと思われる.

 今回の試用では,1つのフォルダに存在した,完全削除された37個のビデオ・ファイルの復元(ファイルサイズ:平均1GB)を行ってみた.ファイルシステムはNTFS.ちなみにこのフォルダの含まれていたドライブは,ビデオ・ファイル保存専用となっており,プログラムファイル・ログファイル・設定ファイル,スワップファイルも存在しない.おそらくフラグメンテーションもそれほど進んでいなかったと思われる.また削除直後から,このドライブのファイルは,一切操作されていない.

 この37個のファイルに対して,上記の操作で復元を行った.結果的には,27個のファイルを完全に復元することができた.復元できなかった内,5個はスキャン時に既にファイルサイズ0となっていた.残りの4個は,ファイルサイズはオリジナルと一致していたようだが,復元時にはサイズ0のファイルが作成された.残りの1個は,ほぼ元通りのサイズのファイルが作成されたが,ファイルが崩れていて,使用出来なかった.なお,原因は不明だが,作業終了後,「閉じる」ボタンや「Exit」メニューによって,ソフトを終了させることができない場合があった.

 このように,「PC INSPECTOR File Recovery4.0」は,フリーソフトながらも,完全削除したファイルの復元については,まずまずの性能を発揮した.「ファイルの重要性は低いものの,できることなら無料で復元したい」というユーザーにとっては,まず試してみるべき復元ソフトと言えるだろう.ただし,今回はクラスタ・スキャンの実力については試していない.完全削除の場合は,FATMFTといったファイル管理情報に手がかりが残っているので,復元は比較的容易なはずだ.しかしそれらのファイル管理情報が破損している場合,ハードディスクを細かくスキャンして,元のファイル構造を調査し,復元する必要がある.いわゆるクラスタ・スキャンを行う必要があるわけだが,有料のファイル復元ソフトは,この部分にかなりの力を入れているようだ.今後,機会があれば,「PC INSPECTOR File Recovery4.0」のクラスタ・スキャンについても,レポートしてみたい.


参考リンク:


ついに登場,京ポン改「AH-K3002V」の正体

2005-08-26 19:49:14 | PHS

 PHS端末としては,久々の大ヒットを記録した WILLCOMの京セラ「AH-K3001V(通称「京ポン」)」.私もそのユーザーの一人だが,当然のことながら,この端末を「WILLCOM定額プラン」で使っている.ご存じの通り,このWILLCOM定額プランに,オプションの「リアル・インターネット・プラス(1x)」を組み合わせれば,月々約5000円で,「WILLCOM同士の音声通話無料」「OperaブラウザによるWebブラウジング無料」「メール送受信無料」となる.

  特に,「AH-K3001Vリアル・インターネット・プラス(1x)」による定額Webブラウジングは,通信速度がやはり遅く,画面も小さく(2.2inch,QVGA)窮屈ではあるものの,十分実用的であり,大変役に立っている.やはり通信量を気にせずに,どこでもWebブラウジングできる環境は快適そのもので,現在,もはや後戻りできないほど私の生活に密着している.

  ただし「AH-K3001V」の発売されたのは2004年5月であり,発売から既に,1年数ヶ月の月日が流れている.このため,京ポンファンの間では,カメラの高性能化などスペックアップした「京ポン2」の登場が切望されていた.特に今年5月23日に,「AH-K3002V」という正体不明の端末が,JATE認定を通過したというニュースが京ポンファン間に伝わると,「AH-K3002Vこそが京ポン2ではないか?」という噂がネットに流れ,某サイトでは「AH-K3002V」のスペック予想も行われていた.しかしその後,様々なリーク情報が集まるにつれ,どうやら「AH-K3002V」は,「AH-K3001V」からカメラを取り除いた法人向けの端末であるらしいことが,次第に明らかになっていった.

 このように,「『京ポン改』と言えるものではあるが,本命の『京ポン2』ではない」と推断された「AH-K3002V」だが,8月24日,ついにそのベールを脱いだ.

  9月1日に発売される「AH-K3002V」は,某サイトの予想通りのスペックで登場した.すなわち「法人向け・カメラ無し」だったわけだが,一つだけ予想されていなかった機能が追加されていた.それは「リモートロック」機能だ.

  「リモートロック」機能は,端末紛失時に,端末内部の情報が悪用されないように,遠隔地から電話をかけて,端末に対してロックをかける機能だ.おもしろい(?)ことにロックだけではなく,「自爆コード」とも言える,「内部データの完全消去」命令もリモートから送り込むことが可能だ.WILLCOMの場合,大口の法人契約も多いため,このようにセキュリティの重視された端末が必要なのだろう(注:京ポン法人ユーザーからのフィードバックが,反映された結果かもしれない).この「自爆コード」は大変ユニークだが,今後はモバイルノートPC等にも,何らかの形で採用されるかもしれない.ちなみに,この「リモートロック」機能によって,「電話機のほとんどの動作を無効にできる」とのことだが,通常の音声通話(発信,着信)が完全に無効になるのかどうかは,よくわからない.音声通話機能を完全に殺してしまうと,紛失した端末を捜索する時に,不便な気もしないでもない.

  というわけで,残念ながら「AH-K3002V」は,「京ポン2」ではなかった.おそらく某サイトの予想通り「京ポン2は,WX310K」ということなのだろう.すでにWX310Kの試作機は完成しており,テストもなされているようなので,今年の秋から冬にかけて,「京ポン2」ことWX310Kが登場する可能性はある.ただ,高性能化したWX310Kのお値段は気になるところだが…


定番IMソフト MSNメッセンジャー 7.5 登場

2005-08-25 19:09:14 | ソフト

 業務連絡です.

 8月24日,MSNは,フリーのインスタント・メッセージング(IM)ソフトの最新版である「MSNメッセンジャー 7.5」をリリースした.ダウンロードはこちら

 主な変更点は…

  • WindowsXPのみで使用可能
  • ログイン画面の変更
  • ダイナミック背景:会話窓の背景として,アニメーション画像の表示が可能になった.上の画像の場合,鯉と蓮が動く.
  • 音声メモ:15秒間の音声メッセージを,文字の代わりに相手に送信できる
  • エコー・キャンセラーの改良:音声チャット品質の向上
  • 会話窓内の「Webページへのリンク」を非表示にするオプションを追加(スパム・メッセージへの対処)
  • 「WebCam」「ビデオチャット」「ビデオ会話」を「映像チャット」に統一(注:「WebCam」「ビデオチャット」「ビデオ会話」は,内部的処理がそれぞれ異なる.「映像チャット」では,この内の3者の中から状況に応じて,最適な方式が自動選択されるのかもしれない.少なくともヘルプを読んだ限りでは,「映像チャット」に新たな技術が導入された形跡はない.詳細未確認)
  • メンバーリストで表示されているアクションが「メンバの追加」のみになった
  • オプション画面で,接続状態をビジュアルに表示
  • Webページ内のリンクから,MSNメッセンジャーを呼び出す機能をサポート
  • 音声チャットの招待時に,ベル音(注:確認したところ黒電話のベル音×3)を鳴らすオプションを追加
  • 会話窓内の「送信」ボタンの下に,MSNサーチを行うための「検索」ボタンを追加

 注目すべきは,今回のバージョンアップにより,ついにWin98・ME系のサポートが行われなくなったことだ.今後,Win98・ME系は,現在の7.0系MSNメッセンジャーを継続使用していくことになるだろう.ただし,Yahoo!メッセンジャー等の他のライバルメッセンジャーの動向によっては,再びWin98・ME系をサポートする可能性もあるかもしれない.

 また,音声チャット招待時に,相手のPCから電話のベル音が出力される仕組みは,以前からMSNメッセンジャーのユーザーから求められていたものだ.ネット電話ソフトのSkypeならば,通常の電話と同様,音声チャットと招待時に,相手のPCからベル音を鳴らし続けることができるのだが,従来のMSNメッセンジャーの場合は,ちょっとした警告音とポップアップが出るだけだった.そのため,MSNメッセンジャーでは,相手が音声チャットの招待に気がつかない場合もあり,その対策として「ウインク」「シェイク」等を送信して,相手の気をひくしかなかった.今回のベル音のサポートによって,このようなことはなくなるだろうが,ベル音をうるさいと思うユーザーならば,オプション設定によって,ベル音を鳴らさないようにする事も可能だ.

 IM系ソフトの勢力図においては,MSNメッセンジャーのライバルとも言える「Yahoo!メッセンジャー」のみならず

  • SkypeUSB接続ハンドセット等の周辺機器との連携や,環境を選ばない接続性など電話機能を重視.
  • Google Talk:Googleがベータテストを開始したIM.オープンソースIMのJabberがベースとなっており,Jabberのみならず,MAC用のiChat,複数のIM(AIM,ICQ,MSN,Yahoo!,IRC)と接続可能なTrillianなどの異なるIMソフトと接続可能.なお将来は,AIM,MSN,Yahoo!の各メッセンジャーとも接続可能になる予定.GMailアカウント

などの新勢力が現れ,混戦模様となってきている.今回のバージョンアップは,7.0から7.5へのマイナー・バージョンアップではあるが,他のメッセンジャーソフトを牽制する意味もあるのかもしれない.今後は他のメッセンジャーソフトの動きにも,注目していく必要があるだろう.


参考リンク:


ハードウエアモニタとしての DesktopSideBar

2005-08-24 21:13:17 | ソフト

 PCユーザーならば,自作PC派でなくても,猛暑のこの夏,PCの各パーツの温度は気になるところだろう.最近のメーカー製デスクトップPCは,タワー型からコンパクト型にシフトしており,結果的にPC内部を冷却するためのエアフローの確保が難しくなってきている.しかも省スペースのみならず,静音性も同時に要求されるコンパクト・デスクトップPCにおいては,密閉度が高くなっており,よりエアフローの確保は難しい.

 PCの内部パーツの中でも特に,温度が寿命や故障と密接な関係のあるHDDについては,常時温度をモニタし,温度が高いようならば,何らかの対策を施したいところだ.上記リンクページにもあるように,最近のHDDには温度センサーが内蔵されているため,HDDのS.M.A.R.T.(注:HDDの健康状態自己診断)機能にアクセスすれば,この温度センサーの値を読み出すことができる.この機能を利用したフリーのHDD温度表示ソフトの代表格は,DTempHDDLifeといったところだろう.これらのソフトを使用すれば,タスクトレイ内にHDD温度を常時表示でき,温度が設定温度よりも高くなった場合には警告を発してくれる.

 しかし,特にPC自作派でPCをサーバとして連続稼働しているのであれば,HDD温度のみならず,CPU温度や,HDDの他のS.M.A.R.T.指標(注:例えば,故障の予期に重要なリアロケーション),さらにはファン回転数や各種電圧等もモニタしたくなるだろう.最近のマザーボードには,ハードウエアモニタソフトが付属しているため,S.M.A.R.T.モニタソフトと付属のハードウエアモニタソフトを併用すれば,ほぼこれらの指標についてはモニタできる.しかしながら,2つのソフトを併用すれば,表示部位がそれぞれのソフトに分かれてしまうため,それこそsmartではない.

 ここで登場するのが,有名なフリーソフトであるハードウエアモニタMBM5だ.MBM5ならば,HDD温度のみならず,CPU温度やファン回転数等をひとまとめ(Dashboard)にして,常時表示することができる.但しMBM5では,HDD温度以外のS.M.A.R.T.指標を得ることができない.そのため,MBM5と,他のS.M.A.R.T.モニタソフトの併用が推奨される.つまり,HDD温度表示はMBM5に任せ,その他のS.M.A.R.T.指標のモニタを,別のS.M.A.R.T.モニタソフト(注:HDD温度表示をオフに設定する)に任せるという方法だ.

 さてこの他にも,サーバ動作させているPCについては,気になる指標がある.例えば,ネットワークトラフィックもその一つだ.もちろんWindowsXPのタスクマネージャやシステムモニタでも,モニタは可能ではあるが,さすがに常時表示向きではない.またFTPサーバなどを運用している場合は,HDDの空き容量も気になることだろう.

 このように,常時運用するPCについては,自動車のダッシュボードのように,常時,様々なハードウエア指標をモニタ・表示しておくべきだろう.私のメインマシンはサーバ的運用だが,これらの指標をモニタ・表示するために,

  • ハードウエアモニタソフト:MBM5
  • S.M.A.R.T.モニタソフト:HDDHealth
  • ネットワークトラフィックモニタ:TrayMeter

の3つのフリーのモニタソフトを併用してきた.これらのソフトのコンビネーションは,問題も発生せず,すこぶる快適だったのだが,一つだけ問題があった.その問題点とは,MBM5の表示部位(Dashboard)の面積が大きく,じゃまなことだった.Dashboardを,17インチ液晶モニタの画面右下隅に置きたいのだが,その場所には既に,常時表示している2つのメッセンジャーのどちらかが居座っている.事実上,私のメインマシンの画面右端一列は,これらメッセンジャーソフト群(MSN,Yahoo!,Skype)の定位置だ.そこでやむを得ず,Dashboardをアルファブレンディングにより,半透明表示させ,メッセンジャーの上にオーバーラップさせているのだが,それでもじゃまな感じは残っていた.

 そんなある日のこと,私は以前から気になっていたフリーソフトのWebページを見ていた.そのソフトとは,DesktopSideBarだ.DesktopSideBarは,次世代Windowsである「Windows Vista(コードネーム:Longhorn)」のベータ版に採用されていた画面右端一列に表示されるバーを,現在のWindowsXPで実現したものだ.残念ながら「Windows Vista」のバーと完全に機能的同じではないが,大半の機能を実現できているという.「Windows Vista」では,常時表示系とも言える「時計・カレンダー」「メッセンジャー」「メディアプレイヤー」「システムトレイ」「検索バー」等は,この画面右端のバーに納められるため,画面表示がすっきりするとのことだが,実際にはどうなのだろうかと,日頃疑問に持っていた私は,このDesktopSideBarで感触を確かめて見たかったわけだ.

 インストールする前に,スクリーンショットのいくつかに目を通していた私は,その中の一つにギョッとした.なんと,DesktopSideBarの中に,ファンの回転数やら,電圧やらが表示されているではないか!しかも,それぞれの表示が微妙にカスタマイズされている.まさか,DesktopSideBarには,ハードウエアモニタ機能が含まれているのか?!期待に胸をふくらませながら私は,さっそくDesktopSideBarをインストールしてみた.

 結論から先に言うと,DesktopSideBar自体は,ハードウエアモニタ機能をほとんど持っていなかった.DesktopSideBarは,一種のプラットフォームと言ってよいぐらいの柔軟な構造を持っており,プラグインによって様々な機能を拡張することができる.そしてこのプラグインの中には,単純に機能を提供するのではなく,他のソフトと通信をするためのインターフェースを提供するプラグインもあった.例えば,MSNメッセンジャー用のプラグインの場合,起動しているMSNメッセンジャーと通信を行い,DesktopSideBar内にメンバーリストとそのオンライン状態を表示する.同様に,DesktopSideBarの「システムパフォーマンス」プラグインは,いくつかの代表的なハードウエアモニタソフト(MBM5HMonitor)と通信を行い,モニタソフトから得られたハードウエア指標をDesktopSideBar内に表示することができる.逆に言うと,DesktopSideBar単体では,これらのハードウエア指標は得ることができず,必ず他のハードウエアモニタソフトを併用する必要があると言うことだ.

 さて,実際にMBM5DesktopSideBarを併用し,DesktopSideBarをハードウエアモニタとして使用してみた.すると今まで,じゃまだったDashboardを表示する必要が無くなり,たいへんすっきりとハードウエア指標を表示できるようになった(画像参照).しかも,ネットワークトラフィックも表示できるため,TrayMeterを使用する必要もなくなった.それだけではない.今まで時報を鳴らすために使用していた時計ソフト「MFCLOCK」さえも,Alarmプラグインの導入により不要となってしまった.

 さらにいろいろなプラグインをインストールし,カスタマイズした結果,意外なことに,もはやDesktopSideBarは,「必須の定番ソフト」といってよいぐらい,私の必需品となってしまった.

 ハードウエアモニタ以外で,現在,私が使用している主なプラグイン・パネルは

  • Process Viewer :プロセス一覧表示とその終了
  • Service:サービス状態一覧とその起動・終了
  • DSSHutDown:「再起動」「電源を切るボタン」を表示
  • DSCalculator:電卓
  • Recycle Bin:ゴミ箱状態表示と「空にする」
  • Alarm Panel:アラーム用.設定により1時間毎の時報を鳴らすこともできる.
  • Clipboard Viewer:クリップボードの内容を表示
  • Skype:Skypeのメンバー状態表示及びアクション
  • IP Address:IPアドレス表示
  • Image Viewer:画像表示(現在はまだ未完成か?)
  • Capture:スクリーンショットを撮る
  • WinAmp:WinAmpの制御
  • メディアプレイヤー:WMPの制御
  • ニュースルーム:RSSニュースティッカー
  • スライドショー:画像の連続表示
  • 天気:天気予報の表示
  • TVCam:接続したPCカメラやTVチューナー映像を表示(チャネル切替もあるが,まだ未完成部分が多い)

 この中でも,特に「ニュースルーム」は秀逸で,新着の記事を発見すると,音と共に記事をポップアップしてくれる.これはいつも使用しているRSSバーよりも,便利な機能だ.

 DesktopSideBarは,「Windows Vista」のテイストを味わうための「偽物」や「紛い物」ではない.すでに,十分な実用性を持つ「常時表示ソフトのための統一プラットフォーム」だ.今後も様々なプラグインが登場し,他の常駐系ソフトと連携していくことだろう.ただ現在のバージョンでは,Skypeプラグインが原因で,DesktopSideBarが固まるなど不安定な部分があるようなので,十分注意して欲しい.


参考リンク:


フリーのメディア・プレイヤー BSplayer1.35(build823) 登場

2005-08-20 22:49:55 | ソフト

 業務連絡です.

  高度なカスタマイズが可能な上に,軽快な動作に定評のあるフリーのメディアプレイヤー「BSplayer」の最新バージョン1.35 (build823)が,8月17日にリリースされた.

 主な変更点は…

  • 定義済みの高さにビデオ画面を拡大するオプションの追加(サブタイトルの表示に便利)
  • haali media splitterのサポートを改良.これにより,オーディオ・ストリームの切替が作動するようになった.
  • 崩れている,あるいは,不完全なAVIファイルの扱いを改良 
  • VobSubサブタイトル(VSFilterは不要)をネイティブでサポート.外部ファイル,あるいは埋め込み形式の両方をサポート.
  • 壊れていたシャットダウン・オプションの不具合を修復
  • トレイアイコンが正しく更新されなかった不具合を修復
  • オーディオ・ストリームの個別ボリュームを設定するオプションの不具合を修復 
  • ムービー再生中にスキンがインストールされなかった不具合を修復
  • mdvdサブタイトル中の,{Y:x} タグが正しくサポートされるようになった
  • real alternativeとのコンパチビリティを向上させた.
  • 最後にミュートボタンを定義した時だけ,ミュートボタンの更新がなされていた不具合を修復
  • フルスクリーンモードから抜ける動作の不具合を修復
  • フルスクリーンのスキンで,ステータス表示の文字が9ピクセルに制限されていた問題を修復
  • その他変更とバグ取り

とのこと.

 後は,2chソフトウエア板「BSPlayer総合スレ vol.2」でどうぞ.以上,連絡終わりッ!


2chブラウザ Live2ch v1.11 登場

2005-08-17 22:13:52 | ソフト

 業務連絡です.

 数あるフリーの2chブラウザ(注:掲示板「2ちゃんねる」を効率よく,閲覧・書き込みするための専用ブラウザ)の中でも,2003年窓の社大賞に輝いたこともあるメジャーな2chブラウザ「Live2ch」が,8月14日,久々にバージョンアップし,v1.11となった.インストーラ付き本体はこちら.また,旧バージョンからのアップデータはこちら

 主な変更点は…

  • マウスジェスチャコマンドいろいろ追加。
  • メニューの表記を一部変更。
  • 全板からスレッドタイトルで検索で、利用サイトにdomo2追加。
  • 既得ログから検索で1件しか登録されていないスレ倉庫を検索すると落ちる不具合を修正。
  • 表示中のスレッド一覧から検索で似非インクリメンタルサーチできるようにした。
  • スレッド一覧の受信制限を設定できるようにした。
  • 書き込みカウント機能の追加(設定しないと表示されません)。
  • BE@2ch(注:認証ありの2ch,テスト運用中)対応。
  • マイボードを設定から編集できるようにした。
  • 1000以上のスレッドのあるスレッド一覧で番号ソートが正しくできるようにした。
  • 空欄時コテハン機能で、設定と違う板でもコテハンが入力されてしまうことがある不具合の修正。
  • samba規制(注:規定時間内(30秒)における同IPからの連続投稿を拒否する)などの書き込み制限中でも警告後に書き込めるようにした。
  • ボード一覧で同時に開くカテゴリを1つにできる設定を追加した。
  • 板ボタンで開いた板とボード一覧を同期させる設定を追加した。
  • 書き込み前の確認ダイアログで2chビューア、BE@2chのログイン状態を確認できるようにした。
  • 出されたクッキーは残さず食べるようにした。
  • AA入力支援で「-」(半角ハイフン)を登録すると区切り線を入れられるようにした。

とのことで,流行(?)のマウスジェスチャーの採用や,新システムのBE@2chへの対応が目立っている.

 ということで,後は2chソフトウエア板「2ちゃん用ブラウザ『Live2ch」part61』」でどうぞ.以上,連絡終わりッ!


タブブラウザ Lunascape 3.0.0Beta 登場

2005-08-14 11:28:13 | ソフト

 本日も,業務連絡的に書いてみる.

 以前,このBlogでも取り上げたように,現在,2つのフリーのタブブラウザが,開発会社を立ち上げ,しのぎを削っている.

 一つは,ソースコード盗難事件により,再開発を余儀なくされた「Sleipnir」.現在,Sleipnirは,バージョン2.00Beta2.1がリリースされている.もちろん,ソースコードは無くなったので,文字通りスクラッチからの開発となっている.そのためかバージョン2.00Beta2.1には,実装されていない機能が数多く存在し,またプラグインの規格が自体が定まっていないなど,まだまだ未成熟・未完成の状態だ.旧バージョン1.66を使用しているユーザーの場合,Sleipnir1.66の更新通知機能により,バージョン2.00への移行が促されるが,個人的な意見としては時期尚早だと思われる.移行する場合は,Betaバージョン故の,ある程度の不自由は覚悟して欲しい.

 もう一方のフリーのタブブラウザは「Lunascape」だ.私自身は,以前からずっとLunascapeのバージョン1を使用してきたのだが,その後,Lunascapeの開発は進み,バージョン2にアップした.バージョン2からは,著名なフリーブラウザFireFoxの影響を受けてか,ライブブックマーク(注:RSSをブックマーク化したもの)を取り入れたりしたのだが,旧バージョンとの差異が大きく,旧バージョン・ユーザーからの評判が芳しくなかった.

 Lunascapeバージョン1系の素晴らしい機能の一つとして,IE用のツールバーはもちろんのこと,サイドバーもそのまま使用可能な点があった.特に「RSSバー」などの,強力なIE用サイドバーがそのままLunascapeでも使用出来るメリットは,大変に大きかった(注:SleipnirRSSバーを使用する場合は,IE用とは別に,Sleipnir専用RSSバーをインストールする必要がある).ところが,Lunascapeバージョン2では,その仕様がなぜか放棄されてしまった.これはLunascape内でRSSバーを使用していたユーザーにとっては,致命的な欠点として映ったに違いない.

 このような評価を受けたLunascape2の開発者は,その後,苦肉の策としてバージョン1系を復活させ,「Lunascape2 Lite」として,後日リリースした.しかし,バージョン1系の復活は,バージョン2系の存在意義を危うくさせることとなった.私自身もバージョン1から,同じくバージョン1系の「Lunascape2 Lite」に移行して,Lunascape2に移行することはなかった.

 ところが,去る8月11日,突如として「Lunascape3 Beta」のリリースが発表された.つまりLunascapeの開発者は,まだ開発途上と思われていたバージョン2系の開発を大胆にも放棄し,新たなステージへと飛翔することを決意したのだ.

 さて気になるバージョン3の中身だが,さすがにメジャー・バージョンアップとしただけのものはあった.まず目立つ新機能として,「RSSニュースティッカー(注:定期的にRSSをチェックし,電光掲示板的にRSSの見出しを表示)」があげられる.RSSニュースティッカーは,フリーのソフトがいくらでもあり,画期的とは言えないが,操作性やレスポンスを考えれば,ブラウザ内蔵は順当と言える.但し,現在の表示位置(タブ群の右横スペース)では,ほとんど文字が表示されない場合もあり,改善が必要だろう.

 この新機能RSSニュースティッカー.実は,バージョン3のオマケ新機能に過ぎない.初心者にとっては,興味深い,おもしろい機能かもしれないが,上級者にとってはオモチャ以外の何者でもないからだ.本当の新機能,「これぞバージョン3」というべき新機能は,実は全く別の部分にある.それを,Lunascape3 Betaのページから引用する.

Internet Explorerサイドバープラグイン、対応。

Lunascapeでは、世界で初めて、Internet Explorer用のサイドバープラグインを、独立して複数同時に利用できるシステムにてサポートしました。世界中にあるInternet Explorer用サイドバープラグインを、いくつでも同時にご利用いただけます。

 「Lunascape2 Lite」を含むLunascapeバージョン1系のユーザーにとっては,ついに待望の機能がサポートされたのだ!…ということで,私もさっそくLunascape3 Betaをインストールしてみた.ちなみにインストール時には,旧バージョンのLunascapeやIEから設定やお気に入りを引き継ぐことができ,また旧バージョンのLunascapeとの共存も可能だ.

 少し使用してみた感じでは,Betaバージョンの割には完成度が高く,不具合も見あたらない.また,メモリーリークや動作が鈍いと言ったパフォーマンス上の問題も,これといって無いようだ.

 Lunascape3 Betaの試用中,特に秀逸だと思ったのは,サイドバーの操作性だ.Lunascape3 Betaでは,たくさんのサイドバーを使いこなすための工夫として,「縦タブ」「自動バー開閉」「複数サイドバーの同時表示」などがサポートされている.これにより,すばやくサイドバーを切り替えたり,複数同時表示したりすることができる(画像参照).これらの機能を組み合わせれば,煩雑になりがちな複数サイドバーの操作も,かなり容易になるはずだ.もちろんのことだが,IE用のサイドバーも問題なく,Lunascape3 Beta内で作動した.

 このようにして数時間の間,Lunascape3 Betaを試用してみたのだが,ほぼメインブラウザとしての使用に耐えうると判断し,最終的に私は,現在使用しているメインブラウザ「Lunascape2 Lite」からLunascape3 Betaへの全面移行に踏み切った.

 ということで,今回のバージョン3こそが,Lunascapeバージョン1の,真の後継者ということができるだろう.

 さあ,Lunascapeバージョン1系に踏みとどまっていたLunascapeユーザーたちよ!ついにその時はキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!!!!


ついにキター!ネットワークTVチューナー カノープス「DNT-888L」登場

2005-08-11 09:24:41 | PCメンテ

 前回は,やはり長くなってしまったので,今回は業務連絡的に書いてみる.

 一部ユーザーに待望されていた,いわゆる「ネットワークTVチューナー」がカノープスより登場する.「ネットワークTVチューナー」とは,通常,PC用周辺機器として内蔵もしくは外付けされるPC用TVチューナー(&キャプチャー)を,LAN上にサーバとして配置したものだ.ネットワーク経由で,ネットワークTVチューナーからLAN内の各PCのクライアントに,TV映像が配信されるため,PC毎にチューナーを購入したり,アンテナ線を引き込む必要がないことが大きなメリットだ.

 カノープスから登場する『DNT-888L』の特徴は,下記の通り.

  • サーバはHTTPサーバとして作動するために,クライアントOSは不問
  • 状態表示用液晶パネル搭載(MIDI機器風?)
  • MPEG-2エンコーダー内蔵(フィリップスSAA6752)
  • TVチューナー:SONY製スプリットキャリアチューナー
  • 内蔵OS:iTRON
  • コントロール用マイコン:SH-2
  • ゴーストリデューサ,3Dノイズリダクション,3DY/C分離あり(NEC).但し,3DY/C分離と3Dノイズリダクションは排他使用.
  • 標準再生録画クライアントソフトは「FEATHER 2005 V2」.但し,その他のMPEG-2ビデオ再生ソフトでも,再生は可能.
  • ビデオ圧縮:MPEG-2(最大720×480)
  • 配信ビットレート:2~8Mbps
  • オーディオ圧縮:MPEG-1 Audio Layer
  • 同時配信可能PC台数:1台のみ(同時に2台は不可と言うこと)
  • LAN外への配信は不可
  • 入力:TVアンテナ,Sビデオ,コンポジット
  • 予想実売価格:3万9800円前後
  • 発売日:9月8日

 以上だが,ちょっと値段は高いように感じられる上に,チューナーはアナログ地上波のみの対応と思われる.しかしながら,コンシュマー向けの単体ネットワークTVチューナーは世界初らしいので,今後,この手の製品が各社から発表されることは予想に難くない.ただそれでも,「複数のPCへの同時配信」「デジタル地上波対応」への道は,はるかに遠いのだろうが…


参考リンク:


ここまでやるのか!最強最悪のスパイウエア「CoolWebSearch」の罪状

2005-08-10 07:36:49 | セキュリティ

 8月に入り,再び忙しく,また暑さで体力消耗が激しいため,手短に,すなわち,一般的なブログ風に(?)書いてみようと思う.

  フリーウエア等のオンラインソフトを大量にインストールして使いこなしている,手練ユーザーであれば,なじみのスパイウエアの名前をいくつか挙げることができるだろう.その世界ではスーパースターだった,可愛いアイコン(注:初期のバージョンでは,トレイにアイコンが表示されていたが,後のバージョンでは表示されなくなった)の「GATOR(現Claria)」などは,スパイウエアの代表格と言える.ちなみにMSは,PCユーザーの挙動をオンラインでモニタする技術を得るため,この「GATOR(現Claria)」を買収しようとしたのだが,結局断念したようだ.この動きに連動している事件として,当初,MSの提供するフリーのアンチスパイウエアソフトの「Windows Anti-Spyware BETA」では,「GATOR(現Claria)」はスパイウエアとして認識されていたが,その後,スパイウエアとして認識されなくなり,悪評をかった事も記憶に新しい.

 さて,その他にも有名な悪玉ソフトは存在する.「CoolWebSearch」もその一つだ.「GATOR(現Claria)」とは違い,比較的ポピュラーではなく,私自身も,クライアントのPCのメンテ中に,一度発見したことがあるだけだ.おそらく「CoolWebSearch」の罹患率は低く,そのため知名度においては「GATOR(現Claria)」に比ぶべくもない.しかし,このスパイウエアに一度でも出会った者ならば,その名前を二度と忘れることはできないだろう.その悪質度や粘着ぶり,さらには進化速度は,「GATOR(現Claria)」の比ではないのだから.人によっては「世界最悪最強のスパイウェア」と呼んでいる人もいる.今までわかっている,具体的な「CoolWebSearch」の挙動については,リンク先を参照のこと.

 以前は,有名なフリーのアンチスパイウエアソフトの「AD-AWARE」や「SpyBot」でも,発見・駆除できず,そのステルス性も高く,また「Winsock2 Layered Service Provider 」のような低レベルのコンポーネントに寄生するバージョンも存在したのだが,ありがたいことに,現在では「SpyBot」でも「coolwwwsearch」として検出されるようであり(注:未確認),また究極の対抗兵器である「Trend Micro™ CWShredder™」も存在することから,アンインストール自体は比較的容易になったとは言える.しかし,「CoolWebSearch」は日々進化しており,これらのソフトによって,検出・完全削除できないバージョンが存在する可能性もある.その場合は,「HijackThis」等のスパイウエア解析ソフトを使用して,面倒な手動削除するしかない.ある報告によると,「CoolWebSearch」の亜種は100種類以上にものぼるという.

 「CoolWebSearch」の概要は以上だが,その挙動はどちらかと言えば「アドウエア(広告表示ソフト)」的であり,個人情報を盗む動きについては,あまり報告されていなかった.

 ところが,9日のCNETの報道から,今まで知られていなかった「CoolWebSearch」のとんでもない罪状が明らかになった.「CoolWebSearch」の最近の亜種の中に,キーロガー機能を持ち,重要な個人情報を盗み取るバージョンが発見された.盗まれた情報の中には,「クレジットカード番号」「オンラインバンキング用のパスワード」も含まれている模様で,既に犯人は,これらの情報を使用して銀行口座にアクセスしている可能性がある.つまり預金が盗まれているかもしれないのだ!

 今回の件では,さすがにFBIも動き始めたようだが,読者の方々もスパイウエアには十分に注意して欲しい.


参考リンク: