ワニなつノート

子どものことば

子どものことば



航くんのお母さんのブログにあった、子どものことば。

《でもおばさんもう航になるべく言わない事にしたんだ~って言ったら、
Rちゃんが、
「その方が良いと思うよ。
だってお母さんいない方が、
航くんみんなとたくさん話せるし、
もう慣れてるし、いなくても大丈夫だよ(^∇^)」
と言われました。》


Rちゃんは小学校2年生。
やっぱり、子どものことは、子どもに聞くのが一番だよね。


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昔、2年生の普通学級で介助員をしていたとき、こっそり傷跡を見せてくれたマキちゃんの顔を思い出しました。

Tシャツの袖を肩まであげると、( )こんな感じでくっきりはっきり歯型がついているのでした。
赤とか青じゃなく、本当に真っ黒でした。

あまりの痛々しさに、
「痛かったでしょー……、お母さん、びっくりしたんじゃない?」というと、
にこっと笑いながら、マキちゃんは首を振ります。
「だって、言ってないもん」
「……」

マキちゃんは、噛まれたあと、絶対に泣いたと思います。
いつも、その子を気にかけてくれて、朝も帰りも、そばにいてくれて、その分、八つ当たりされることも多くて、何度か泣いている姿を見かけたことがあります。

でも、マキちゃんはそのことを、担任の先生にも、自分のお母さんにも、誰に言いませんでした。
言えば、その子が怒られることが分かっているからです。

子どもは、その言葉を言っても大丈夫な大人にしか、本当のことを言いません。

航君のお母さんが、もっとがんばらせる親だったら、Rちゃんもその言葉を飲み込んだかもしれませんね。


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Rちゃんの言葉を読んで、いろんな子を思い出しました。
教室につきそっているお母さんに、一生懸命、手をふる子。
「バイバイ」という、言葉は話せません。
でも、その子が何を伝えようとしているか、周りの子どもたちには分かります。

登校のときも、子どもに見つかると怒られるから、下手な探偵のように尾行するお母さんたちの話も無数にあります。

そうした子どものことばを集めた方が、ワニなつノートよりずっとためになるだろうな。

「おとなになると一人だから、いまから一人の方がいいよ」
これは、小学校1年生、入学したばかりの子どものことば。

【…この一か月、子どもたちの反応は「車いす」の他に、
「どうしてお母さんがいるの?」でした。
私が「慣れるまで…」と話をすると、
「おとなになると一人だから、いまから一人の方がいいよ」
と言う子がいて、そのまま先生に伝え、
子どもたちの中で育てたいので、親がいるのはよくないと思うと話をしました。
先生方も、お母さんがいると甘えが出るのでいない方が良いですねと話していただきました。】

http://sun.ap.teacup.com/applet/waninatu/20090514/archive


ついでに、先日、聞いたばかりの子どものことば。
ちーちゃんは、小学校2年生。
ちーちゃんの同級生のあやのちゃんのことば。

「あのさぁ、おとなたちが心配するほどじゃぁないよ。べつに…」

前後の状況なんか説明しなくても、すてきなことばです。

ちーちゃんの一個上の3年生のさくらちゃんのことば。

「ひまわり学級の子が困っていたら助けにくいけど、
ちーちゃんだったらすぐ助けに行く!」


小学校3年生の子どもの一言で、「特別支援教育」のうそが見えます。
「助けない」とか「助けたくない」と言っているのではないのです。
「助け・にくい」のです。
私たち大人のほとんどの人が感じたことがあるはずです。
たとえば、駅で目の見えない人が困っているように見えるとき、「助け・にくい」のです。

それが、学年が違っても、普通学級のちーちゃんは、いつでも助けたい存在になるのです。
その助けるは、「特別」でも「支援」でも、ありません。
目の前の友だちが困っているから、手をかす、ただそれだけのことです。


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こうした子どものことば、募集中(>_<)

この記事を読んで、思い出す子どものことばを、送ってください。
説明なしで、子どものことばだけでもOKです。

コメント一覧

みちゃこう
また航くんの事泣かせちゃったの?

さっき算数の時間に最後まで終わらなくて泣いてしまった航でせが、お友達にこう言われました。そう、みんなからみたら私が航を泣かせてるのかな。私がいなければないてないからなぁ。きっと。
つまり、もういない方がいいし、泣かせるような事すんなよってコトですよね。反省です。
ai
書くと長くなっちゃうので、
子どもの言葉は、まさしく「言霊?(ことだ)」
魂が宿るというか。
あぁ、こんな怪しげな言葉を使うのも憚られる。
yoさんが、あーちゃんを「師匠」という気持ちと同じなんですよ。

なんていうか、わたしなんかが書いちゃうと、おかしな状況説明と、いやらしい解釈になってしまいそうで。
控えてしまいましたが、先日のこと。
やっぱり、コメントしたい。と思いました。

言葉じゃないんだなぁ。
そこが、いい線いっているけど、それ以上、うまく筆が進まないと言って嘆く、yoさんの思いと通じるような気がしています。


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