《「より少ないケア・サポート・調整」の時代》
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ここ数年、千葉では「エレベーター設置」の要望がすべて実現しつつある。木更津市、市原市、八千代市、松戸市、千葉県立高校と順調に進んでいる。もちろん千葉市は、前の前の市長の時代から継続中だ。ここまで来て、ふと昔を思う。
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「エレベーターがない」ことが、地域の小学校を断る理由だった時代。「介助が必要なこと」がふつう学級を断る理由だった時代。
障害の「重度」とか「軽度」とは何だったか。
自力で階段を上がることができれば「軽度」とみなされた。
車椅子ユーザーであることが「重度」だとみなされた。
そして、「より多く」が必要な「重度」だから、無理なのだと切り捨ててきた。
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しかし、今ならよく分かる。
「より少ないケア・サポート・調整」しかなかった時代だったのだと。
一人の子に「より多くのケア・サポート・調整」が必要なのでなく、私たちが「すべての子ども」を大切にしたいと願うときに、「より多くのケア・サポート・調整」が必要になるのだ。
私たちは、生まれ来るすべての子どもの「安全と出会いとつながり」を守りたいと願う。
だから、私たちは「より多くのケア・サポート・調整」のレパートリーが必要なのだ。