ワニなつノート

ようこそ就学相談会へ 2010 (その5)

ようこそ就学相談会へ 2010 (その5)

hiroさんの言葉を思い出したのは、「はるこい」ブログで、hrくんのお母さんの言葉を読んでいたときでした。aiさんのコメントも同じことが書かれています。ありんこさんの昨日のブログも。

4人は、この一年の間に出会った人たちです。
1年前、hrくんは養護学校にいました。
1年前、ありんこさんは、入学からずっと学校に付き添い続けていました。
3年前、aiさんは、子どもを特殊学級から普通学級に転籍させました。

さて、最新情報をいっきに勝手にまとめて転載してしまいます(^。^)y-.。o○

    □     □     □     (o|o)

《aiさん》

講演会の冒頭、yoさんが話した言葉。hideさんのお母さんに、「普通学級に入れてよかったことはなんですか。」と聞いたところ、「人を信じられるようになったことです」という言葉が返ってきたと。
「誰が信じられるようになったのですか?(人を信じられるようになったのは、誰ですか?)hideさんですか?」
「いえ、私(お母さん)です。」
まさしく、そのことに尽きるのではないでしょうか。
人を信頼できなければ、助けてと呼ぶことはできません。
人を信頼できなければ、自分ひとりで何でも抱え込んでしまいます。
全ての始まりは、そこなんですね。
きっと。


    □     □     □     (o|o)

《ありんこさん》

【手紙】

本当なら直接お話する時間が持てればいいのだけど。なんとなく私、避けられている感じ・・・。(・_・; 娘に手紙を持たせてやりました。連絡袋が空になって帰ってくることを祈ります。

事の発端は先週の金曜日。朝の遅刻の連絡の電話先での担任との話から、一度意思の疎通を図っておいたほうがいいだろうなと考えたからです。

金曜日は見学学習で近くの大型スーパーヘ行く予定になっていました。お店の方からお話を伺って、お家の人から頼まれたものを500円以内で買い物をする、というものでした。

いつものように遅刻の連絡を学校にすると「担任に代わります。」と電話を通してくれました。内容はもちろん見学学習のこと。体調が整えば見学学習に行くことを伝えると…。

担任:「今日はあいにく一緒に行ってくれる人がいないんですよね。お母さんは?」
私 :「私も用事があります。」
担任:「じゃあ、買い物はしなくていいね。」
私 :「みんなが買い物をしていたら娘も買い物したくなります。」

と言ったような内容のお話で歯切れ悪く「わかりました」と担任が電話を切りました。

問題は見学学習などの時サポートに入ってくれるスタッフがいないということです。前回の市場への見学学習時の体験が担任にとっては手痛かったのでしょう。けれど見学学習の日程は前々からわかっていることなのに、「スタッフがいない」と言い切ってしまい、手のかかるこの子は学習を端折ってもいいと考えられては困ります。

二学期が始まってのプールに入ることも出来ず、早退させられるという出来事もありました。それを「それでいい・仕方のないことだ」と受け入れることは私には出来ませんでした。何も言わず黙っているということは甘んじて受け入れるということです。

間違っていると感じたことはその場でおかしい!!と言わなければ、改善されないばかりか、それでいいものと思われてしまいます。

なので担任の先生に今の私の気持ちを伝えたくて手紙を書きました。娘の絵が載った冊子と資料も添えてみました。担任の目が「今日はお休みー!」(気づかない振り)でないことを願います。

この日、娘は体調が整わず、結局は欠席してしまったけれど、やはりそれで済ますことはしたくはありませんでした。「この子は面倒だから…。これはしなくていい」そんな気持ちの積み重ねが、障害のある子は普通学級は無理、支援学校へに繋がる気がするからです。担任の考えがクラスの子供たちの態度を大きく左右することだからです。

    □     □     □     (o|o)

《はるこい広場~》

『今日は11月28日』

Nさんと出会ってそろそろ1年…と思っていたら、Nさんから原稿が届きました。インクルネットの集会のNさんは、昨日のことのように覚えています。

集会が終わりに近づき、最後の挨拶をしているとき、質問をしたNさんが、帰ってしまう前に声をかけなくてはとイスから中腰で立って、閉会したとたん直ぐに横に行って話しかけました。
どう声をかけたのかは覚えていませんが、Nさんはぽろぽろ涙を落としていました。
あれから1年。hrくんは、普通学級でみんなと生活しています。


  *  *  *  *

【kawaさんとの出会いから1年です】

昨年の今ごろは、地域の学校を希望しながらも、何も進展しない状況でした。奇しくも、今の教育長との初面会の日、友人からメールが届きました。
『「みんないっしょの学校へ」障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワークの集会が名古屋であります』

会場にはたくさんの人がいました。障がいがあっても普通学級に通うこと、そこでの子どもたちの様子、障害者権利条約が世界的に結ばれていっていること、目から鱗の、しかし、心震わす話が聞けました。一木先生のお話に感動しつつも、hrには無理なのではないかと思った私は、手をあげて質問をしました。

「次男は今養護学校に通っていますが、地域の学校の特別支援学級を希望しています。教育委員会とお話していますが、なかなか叶いません。ところで、先生のお話は普通学級へということでしたが、うちの子はずっと座っていられないし、奇声をあげてしまいます。そういう場合、どのようにみんなにいい空間をつくっているのですか」
…だったと思います。

会場には分離教育に反対する人たちがほとんどです。「この人、分かってねーなー」って思われていたと思います(笑)。

大勢の人たちの中で質問すること事態、私には革命的なことでした。なぜあの時質問したのか。
今でも深い謎です。先生は優しく丁寧に答えてくれました。その中の一つ。
「奇声ではなく、何かを表現しているんですよね」
先生の意見に、私こそがhrを偏った目で見ていることに気付いて、思わず泣いてしまいました。

集会が終わって席を立とうとした時、声をかけられました。kawaさんでした。
あれから、いろいろありました。

普通学級希望を決心するまでの迷いの中、kawaさんは私の質問に丁寧に付き合ってくれました。
質問の内容は忘れましたが、きっと、hrの気持ちや人権的なことではなく、私の気持ちが中心だったと思います。

kawaさんの答えはいちいち納得いくもので、そのうち質問することがなくなってしまいました。
hrが普通学級で過ごせない理由がなくなりました。

そして私たちは家族で普通学級希望を決心しました。

その後、要望書や集会や交渉やいろいろありましたが、kawaさんは決して自分の答えを押しつけるのではなく、私たちが答えを出せるまで、必要なことだけをして、待っていてくれました。

教育委員会の中では、私たちがkawaさんに操られているように思われているみたいですが(何度もそれは違うと言ったんですけどね)、全くそうじゃありません。いつだって、最終的には家族で答えを出しています。kawaさんはそれを尊重してくれます。

kawaさんの考える軸は「子どもを分けずに、みんないっしょ」。「健常児、障害児」で分けないし、「障害の種類や程度」でも分けません。子どもはもともといっしょだからです。ここを基点に今どうするかを考え、主張したり、交渉したり、要望したりしています。そこからブレることはありません。

「子どもを分けずに、みんないっしょ」が感覚的に分からない人たちにとっては、その考えや主張が受け入れにくいものになるのだろうと思います。「子どもを分けずに、みんないっしょ」から出る、掛け値なしの行動や言葉を前にした時、ある人は、自分の過去を否定されたくなくて、虚勢を張るかもしれません。あるいは、自分にその感覚がないことにも気付かず、ただ嫌悪感を示すかもしれません。あるいは反対に、耳を傾けて知ろうとするのかもしれません。

名古屋「障害児・者」の教育と生活を考える会の人たちは、みんな基本的にはkawaさんと同じように考えています。分けない人たちに出会ったのは、ここが初めてでした。分けられないことは、安心でした。とかく、人が集まれば群れがちになりますが、ここは個人個人が責任を持ちながら仲間になっています。そんな会です。仕事や家のことで忙しくても、自分たちの時間を使って、自分たちのお金を出して(カンパ金も有り難く使わせていただいています)、自分たちのエネルギーを注ぎます。そんな労力を使うのは、お金を稼ぐためではないし、名誉や名声を得るためでもありません。自己満足に浸るためでもありません。「子どもを分けず、みんないっしょ」の立場に立って、分けられたくない家族を応援するためです。純粋にそれだけだからブレないし、強い。そして、そうだから、そうでない人には目障りになるのかもしれません。

後からkawaさんから聞いたこと。
「あの時、質問したから声をかけたんだよ」
「普通学級を希望しても、世間の偏見が強くて、命を絶ってしまう例もあったから、中途半端に応援してはいけないと思っていたんだよ」
あの時、質問したのは出会うためだったのかもしれません。一つ一つが命懸けだったのかと思うと、言葉もなく、また、信頼関係はこうしたところからうまれるのだと思いました。

本日11月28日でkawaさんと出会って1年になります。
たくさん泣いて、笑って、迷って、落ち込んで、立ち上がって、気付いて、恥をかいて、そして信じて…、大人になって初めて、自分に正直に生きた1年でした。

         ◇

《yo/コメント》

ありがとうございます。
またひとつ、大事なことが分かりました。

「…そのうち質問することがなくなってしまいました」
「hrが普通学級で過ごせない理由がなくなりました。」
「大人になって初めて、自分に正直に生きた1年でした。」

…素敵な言葉ですね(^_-)-☆
先日、言葉を話さない27歳のヒデの講演会(-_-;)の準備のために、ヒデのお母さんに話を聞いた時のこと。話の流れで、「もし、ヒデが養護学校だったら、いまのような24時間介助者をつけてのアパートの一人暮らしができたと思う?」と聞きました。
「できない」と一言。
「どうして?」
「信じられない」
「それは誰が?」
「私が!」

その会話を思い出しました。 ヒデとヒデのお母さんが、13年間の学校生活(定時制4年)を通して、手にしてきたものは、「ヒデとお母さんが、自分に正直に生きた13年間」だったのですね。 時にぶつかることがあっても、学校はその親子の「正直な生き方」を受けとめつづけたことは確かなのです。3冊の卒業アルバムと卒業証書がその証として残っています。 その「信頼」があるから、言葉も話さず、ごはんも一人では食べられない息子を、自立生活させ、人に委ねることができるのですよね。 hrくんの学校生活、これからもいっぱい楽しみですね。


《コメント/返信》

ありがとうございます。 ワニなつで、ヒデさんのお母さんとのやりとり、読みました。 「わかるなあ」と思い、コメントしようとしましたが、「わかるなあ」の他に言葉がみつからなかったので、やめてしまいました。すみません。

子どもの時から、ふつうの社会でみんなと過ごすことは、本人にとっても親にとっても大切ですね。 親もふつうの社会で過ごすトレーニングをしているのだと思います。 分離教育で育ってて、今も分離教育が当たり前の社会なので、なかなか大変です。 子どもが養護学校を出てからでは、親も感覚をシフトすることが難しいと思います。 ヒデさんのお母さんがおっしゃった「信じること」。 その作業を、今私は、もがきながらやっているように思います。

心ない言葉に傷ついていたとき、ヒデさんのお母さんと電話で話しました。
「hrくんは目の前の人を信じないと生きていけないよね。だから、お母さんも目の前の人を信じていこうね」
ヒデさんのお母さんのこの言葉には、今でもいろんな場面で支えられています。

話は変わりますが、最近、こんな文章に出会いました。
「物事の本質を見ようとする場合は、現実のみを見ていてはならない。 現実の向こう側にある普遍的なもの、抽象的なものが何であるのか、 つかまえることのできる視線を持っていなければならないのだ」(ニーチェ)
yoさんを思い出しました。

ワニなつ、いつも楽しく、考えさせられながら読んでいます。 心が弱っているときは、特に、じっくり読んでいます。 なんで?!ヒントがどこかにある気がするからかなあ?



    □     □     □     (o|o)


《6月22日ワニなつノート》

…………どこに住んでいるのか知らないけれど、「探していたんでしょ。きっとどこかに、同じ思いをもった人がいるって、探していたんでしょ。私たちもそうだったから、よくわかる。会う人、会う人に声をかけて、何度も何度も人違いをしてきたんでしょ。私もそうだった。でも、ここに、いるよ。やっと会えたね。私たちも、あなたを探してたんだよ」
そんなことを、私も、会の人たちも、感じているようです(^_-)-☆

次の「就学相談会」は、千葉で7月4日にあります。もしかしたら、私たちが「就学相談会」と言っているのは間違いかもしれません。きっとチラシにはこう書いた方がいいのかもしれません。

【尋ね人】
《仲間を探しています。この国で一般的な「障害児のため」のやり方のほとんどに、しっくりこない人。「障害児のためとかじゃなくて、この子の思いを大事にしてあげたいだけなんだけど…」と感じている人。
「障害児のためのいい所」を見にいっても、何か違うなと感じてしまうけれど、その感じを分かってくれる人がそばにいなくて、自分がヘンなのかと感じている人。ヘンな仲間。ここにいます。いっぱいいます(^。^)y-.。o○》


http://sun.ap.teacup.com/applet/waninatu/201006/archive?b=8

コメント一覧

yo
いま気づいた(o|o)
この記事が、ワニなつノートの1000本目のブログ記事だぁ(>_<)

1000もあれこれ書いてみて、たどりつくのは、ここなんだな~。

出会いこそが、私たちにも、子どもたちにも、希望につながるってことだね(>_<)

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