《「2学期からふつう学級に行くよ。親の付き添いはしないから、よろしくね」の要望書》
(その4)
気にかけてくださった皆様へ
夏休み明け。
2学期初日(8月27日)。
お母さんから。
《最初は少し嫌がりましたが、しばらくすると、自分で支度をしてあっさり出かけることができました。
最初は今までの教室に行こうとしましたが、今日からこっちだよと1年2組の教室に行くと、お友達が、《Y君、今日から復活だ》と歓迎してくれて、先生に荷物の場所などを教えてくれ、そのままスムーズに教室にいることができました。》
2学期二日目。月曜日
お母さんから。
《今日も元気に出掛けました。 初日は席を立つ事はあったけど、歩き回ったり教室から脱走する事もなく、落ち着いて過ごしていたそうです。
あれだけ「これだけ動き回る子は」「1時間ももたないのに」と言われてたのはなんだったんでしょう? 周りの子の影響? 教員の質?
安心したけど気が抜けてしまいました。
まだ始まったばかりですけど、普通級にして良かったと感じています。》
Y君は土曜日、日曜日も学校に行きたがったそうです。
4月から7月まで、毎日1時間しか行けなかった学校生活。
ふつう学級で、みんなと一緒に取り戻してるね(^^♪
何度も読み返しているうち、相談会でのY君の様子がよみがえってきました。
はじめは落ち着かず部屋を出たり入ったり、つまらなそうにしていたY君。
しばらくして、サキちゃんの学校生活の映像が流れ始めたとたん、大きな声で「おはようございます、おはようございます、おはようございます」とくり返して、うれしそうだった。なつかしそうだった。
「復活だ」という同級生の言葉。
小学校一年生の子どもが、「支援学級」から「転籍」してきた子を、「ふっかつ」という言葉で迎え入れる。
子どもたちは、みんながいる「ここ」が「復活の場所」と感じているんですよね。
たとえ「差別」の意図がなかったとしても、「そこ」は「みんながいる場所」ではなく、「特別な事情」のある子がいく場所とみえていること。
だから、「みんながいる」場所は、子どもたちにとって、「ここにふっかつできてよかったね」と喜びあえる場所、つながりが復活できる場所だと、感じているんですよね。
「ふっかつ」という、そのことばの意味と重みを、私たちは聞き漏らしてはいけないね。
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