ワニなつノート

自分の「呪い」を解くための100のメモ㊾ 《手をかすように知恵をかすこと 2025》(その3)

《手をかすように知恵をかすこと 2025》(その3)

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昔、「手をかすように知恵をかすこと」を書いた。見えない、聞こえない、歩けない人に手を貸すように、理解できない子には知恵を貸せばいい。

点数で学びを切る、入試の理不尽に抗ったつもりだった。でも理不尽なのは、私の言葉も同じだった。

見るが「できない」、聞くが「できない」、歩くが「できない」、理解が「できない」と。「できない」だけを取り出し、「貸してあげる」と偉そうに。

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今は「車いすユーザー」といい、「手話ユーザー」といい、「呼吸器ユーザー」と呼ぶ。「できない」をメインに語る癖をやめて、〇〇を利用してつながりの安全を広げる言葉遣いをする。

「できない」だけ取り上げて、その子を語るのではなく、

点字やスマホを利用すれば、つながれる。

手話やスマホを利用すれば、つながれる。

車イスやスマホを利用すれば、つながれる。

呼吸器やオリヒメを利用すれば、つながれる。

介助者や意思疎通支援を利用すれば、つながれる。

「学びたい子はどうぞ」という学校を利用すれば、「自分の学び」とつながれる。

「定員内不合格」がなければ、つながれる。

何があればつながれるかを考えるのが、教師の仕事。

自分の知っていることだけ教えるのが教師じゃない。

自分で見つからない知恵は、その子に聞きながら探す。

それでも見つからないときは、みんなで一緒に考える。

そういう教師の仕事もある。

子どもの「できない」だけを探し、自分と学ぶに足る「能力・適性」がないと「不合格」にするのは、「教師の仕事」を否定する行為だったと気づかなくちゃね。

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私たちは、誰もが「より多くのケアユーザー」で、「より多くのサポートユーザー」だ。

「より多く」は、個人の身体にだけついてくるのではない。

地震や災害にあえば、その地域全体の人々が「より多くのつながりユーザー」となる。

まして、子どもなら。

誰でもいつでも「より多くのつながりユーザー」である生き物を、子どもとよぶ。

本当はこんなふうに言いたかったのだと、自分の声が聞こえてくる。

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