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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

透次第11句集「半夜」50句

2010-07-11 00:00:08 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

〇年を経るにつれて昼よりも夜に目覚めている。真夜中という半夜に。透次第11句集「半夜」。句集名は最終句「半夜には空へと揚がる木下闇」より。その他「一時雨それが時雨となりにけり」「語彙すべて放して死ぬや青嵐」など。

 

〇透次第11句集「半夜」(絵空事出帆社20210620感光)

 

透次第11句集「半夜」50句

 

501肝油缶鳴らして帰る青田道(青田道・晩夏)2020/7/18

502まだ蟬の鳴かざる空の明けにけり(蟬・晩夏)2020/7/25

503あいみょんにしてやられたり紅黄草(紅黄草・晩夏)2020/8/1

504硝子越の竿燈に音なかりけり(竿燈・初秋)2020/8/5

505山の日の山に日沈む日のをはり(山の日・初秋)2020/8/10

506網ほほづき赤橙の身を透かす(網ほほづき・初秋)2020/8/22

507元号の三つを生きて花桔梗(花桔梗・初秋)2020/8/29(2015/8/29の改作)

508黒鍵の音階で鳴く夕かなかな(夕かなかな・初秋)2020/9/5

509二十世紀梨ナイフより齧りとる(梨・三秋)2020/9/12

510三日月へ靴の空箱高く積む(三日月・仲秋)2020/9/19

511秋彼岸茶碗の水位やや古ぶ(秋彼岸・仲秋)2020/9/22

512小望月阿蘭陀積の赤煉瓦(小望月・仲秋)2020/9/30

513寒露飴に亀裂の走る舌の先(寒露・晩秋)2020/10/8

514鰯雲半ドンといふ自由な午後(鰯雲・三秋)2020/10/17

515テナガザル手を鉤にしてブラサガル(無季)2020/10/24

516書の中に他人の栞そぞろ寒(そぞろ寒・晩秋)2020/10/31

517鬼門なる微分積分文化の日(文化の日・晩秋)2020/11/3

518歌声喫茶木枯の新宿に(木枯・初冬)2020/11/14

519検温銃で眉間を撃たれ神の留守(神の留守・初冬)2020/11/21

520一時雨それが時雨となりにけり(時雨・初冬)2020/11/24

521足踏オルガン凩を漕ぎ出して(凩・初冬)2020/12/5

522電柱は金具を纏ひ寒北斗(寒北斗・三冬)2020/12/12

523小さき駅小さき聖樹に充ちたれり(聖樹・仲冬)2020/12/19

524呼びかけず呼びかけられず数ふる日(数へ日・暮)2020/12/26

525横浜の鯨の背中にて待てり(鯨・三冬)2020/12/30

526スキー脱ぎ山裾に差す日暮かな(スキー・晩冬)2021/1/9

527木理にも本流ありて細雪(細雪・晩冬)2021/1/16

528大寒の団地の管を巡る水(大寒・晩冬)2021/1/20

529春隣もう汀まで歩く距離(春隣・晩冬)2021/1/30

530梅林の真中に破れドラム缶(梅林・初春)2021/2/6

531薹のかたちにあちこちの蕗の薹(蕗の薹・初春)2021/2/13

532軍国の模型を萌の色に塗る(萌・初春)2021/2/20

533春漣海のやうなる湖に(春漣・三春)2021/2/27

534下駄箱に下駄一足も無く長閑(長閑・三春)2021/3/6

535卒業の筒の空洞隠し持つ(卒業・仲春)2021/3/13

536草餅に雨城楊枝の添へてある(草餅・仲春)2021/3/20

537迷箸宙に遊んで春の風(春の風・三春)2021/3/27

538残存湖といふ湖も温みたる(水温む・三春)2021/4/3

539打鍵音響かせてゐる花の夜(花の夜・晩春)2021/4/10

540躑躅燃ゆる真下に髑髏埋るらむ(躑躅・晩春)2021/4/17

541夕昏れて菜の花灯り極まれり(菜の花・晩春)2021/4/24

542白詰草の花冠を野に還す(白詰草・晩春)2021/4/29

543葉桜の下加速度の強まりぬ(葉桜・初夏)2021/5/8

544語彙すべて放して死ぬや青嵐(青嵐・三夏)2021/5/15

545小満や針直角に午後三時(小満・初夏)2021/5/21

546金魚群れゐて東南の隅に寄る(金魚・三夏)2021/5/29

547手の甲に雨脚の立つ芒種かな(芒種・仲夏)2021/6/5

548夏雲や水兵believe僕らの船(夏雲・三夏)2021/6/12

549白墨の一本立つや夏燈台(夏燈台・三夏)2021/6/14

550半夜には空へと揚がる木下闇(木下闇・三夏)2021/6/20

(透次第11句集「半夜」50句)

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透次第12句集「虚空」50句

2010-07-11 00:00:07 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

 

〇第12句集

 

〇透次第12句集「虚空」50句

 

透次第12句集「虚空」50句

 

551かぶと虫ほどの色合まで磨く(かぶと虫・三夏)2021/7/3

552ビルの片蔭に重機の休みをり(片蔭・晩夏)2021/7/10

553付録で膨れ冒険王七月号(七月号・初夏)2021/7/17

554サンダーバード2号が好きでソーダ水(ソーダ水・三夏)2021/7/21

555箒草回転草になりたさう(箒草・晩夏)2021/7/31

556ビアホール椅子悉く上げてある(ビアホール・三夏)2021/8/4

557樹幹より半身で見る流燈会(流燈会・初秋)2021/8/14

558ポンポン船盥を廻る秋暑なり(秋暑・初秋)2021/8/21

559車前草や旅に擦減る革鞄(車前草・仲秋)2021/8/28

560明るさ残る夜学舎の始業ベル(夜学・三秋)2021/9/4

561三角牛乳秋天へ尖りけり(秋天・三秋)2021/9/11

562カーテンに昼の纏はる貝割菜(貝割菜・仲秋)2021/9/18

563倒れゐし秋桜浮力失はず(秋桜・仲秋)2021/9/25

564分銅の冷ゆる白銀抓みけり(冷ゆ・仲秋)2021/10/2

565礼服で寄る錦秋の旧校舎(錦秋・三秋)2021/10/9

566踏切に切られ刈田の一本径(刈田・晩秋)2021/10/16

567煙草火の先より潰へ後の月(後の月・晩秋)2021/10/18

568洋行といふもの未だラ・フランス(ラ・フランス・三秋)2021/10/30

569芒剪れば鬣のごと猛りたる(芒・三秋)2021/11/3

570下座にて送別の鍋つかさどる(鍋・三冬)2021/11/7

571嘴紅く横浜の百合鷗(百合鷗・三冬)2021/11/20

572推敲の初案へ還る枯葉の句(枯葉・三冬)2021/11/27

573石階を冬雲の影走りけり(冬雲・三冬)2021/12/4

574漱石を百円で買ふ師走かな(師走・暮)2021/12/11

575樏の己が足跡踏み帰る(樏・三冬)2021/12/18

576年深き振鈴伏せて置きにけり(年深し・暮)2021/12/25

577揮発性の手を擦り合はす冬陽中(冬陽・三冬)2021/12/26

578雪空となり暫くは降り出さず(雪空・晩冬)2022/1/8

579小正月暁鼠に夜明けたり(小正月・新年)2022/1/15

580大切なもの載せてくる箱の橇(箱の橇・晩冬)2022/1/22

581掌に溶かす氷柱の乱反射(氷柱・晩冬)2022/1/29

582消し屑を小指で払ふ寒の明け(寒の明け・初春)2022/2/5

583梟の首据はりゐて廻りけり(梟・三冬)2022/2/9

584銀鼠の雪平鍋や春の雷(春の雷・三春)2022/2/14

585梅蕾咲かせぬ因子秘めてをり(梅蕾・初春)2022/2/21

586中野~立川 啓蟄の直線路(啓蟄・仲春)2022/3/5

587八の字に光りの降りる春の沖(春の沖・三春)2022/3/8

588入彼岸大きく重く羅紗鋏(入彼岸・仲春)2022/3/19

589駐在は中肉中背チューリップ(チューリップ・晩春)2022/3/26

590花冷の紙の四隅に打つ画鋲(花冷・晩春)2022/4/2

591海市遥か眠りの中に民がゐる(海市・晩春)2022/4/9

592花屑ごと汲み揚げてゐる水車(花屑・晩春)2022/4/16

593子糠雨虚空に烟る穀雨かな(穀雨・晩春)2022/4/20

594国道を逸れ県道の花海棠(花海棠・晩春)2022/4/30

595アスパラガス鍋の直径より長し(アスパラガス・晩春)2022/5/7

596新緑の冷たさほどの痺れあり(新緑・初夏)2022/5/14

597町田~橋本 小満の直線路(小満・初夏)2022/5/21

598本食に焦色つけて夏始(夏始・初夏)2022/5/28

599水田より高きを走る単線路(水田・初夏)2022/5/29

600走り梅雨封書を〆て忘れ初む(走り梅雨・初夏)2022/6/5

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透次第13句集「暁闇」50句

2010-07-11 00:00:06 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

第13句集「暁闇」50句

 

鎌田透次第13句集「暁闇」50句

 

透次第13句集「暁闇」50句

 

601飯饐てかはたれ時の風動く(飯饐る・三夏)2022/6/18

602蚊遣火やひばりの齢疾うに越ゆ(蚊遣火・三夏)2022/6/24

603オルレアに青水無月の浮力あり(青水無月・晩夏)2022/7/2

604夏の月流す覚悟の質屋出て(夏の月・三夏)2022/7/8

605雨の蟬蝙蝠傘の裏面に(蟬・晩夏)2022/7/14

606浮袋萎みの兆す午後三時(浮袋・晩夏)2022/7/19

607緑青の樹皮揺るぎなき七月よ(七月・晩夏)2022/7/30

608旗は風に縛られてをり朝曇(朝曇・晩夏)2022/8/5

609雲間の俄かに閉じぬ浦上忌(浦上忌・初秋)2022/8/9

610磐座の窪みに渇く秋の水(秋の水・三秋)2022/8/20

611一枚の濃き鳶色の秋景色(秋景色・三秋)2022/8/27

612魂去りてより茄子紺の濃くなりぬ(茄子の馬・初秋)2022/8/29

613燦燦と壁紙だけのXmas(Xmas・仲冬)2022/12/24

614白マスク外せずに季語から外す(白マスク・三冬)2022/12/29

615水豚の初湯吃水線揺れず(初湯・新年)2023/1/7

616窓に雪人流見つつ黙食す(雪・晩冬)2023/1/14

617悴むや肱の直角ふたつ張り(悴む・晩冬)2023/1/21

618雪女上り框を超へて來る(雪女・晩冬)2023/1/28

619陽へ高く掲げ日光写真焼く(日光写真・三冬)2023/1/30

620焼売は蒸されて売られ紀元節(紀元節・初春)2023/2/11

621梅林の相模灘へと傾きぬ(梅林・三春)2023/2/18

622夕刊が来る暮れかぬる明るさに(暮れかぬる・三春)2023/2/25

623灯るらん隠者は春の夕暮れに(春の暮・三春)2023/3/4

624春昼や『移民の歌』の欠伸して(春昼・三春)2023/3/10

625小刻みに眠りを足して春の暁(春の暁・三春)2023/3/18

626駅弁の紙紐解く花の下(花・晩春)2023/3/25

627琺瑯に白を煮詰めるさくら時(さくら時・晩春)2023/4/1

628片側に花屑の寄る水溜り(花屑・晩春)2023/4/7

629暁闇へ指折り鳴らす啄木忌(啄木忌・晩春)2023/4/13

630塗箸の剥げて春光滲み込むや(春光・三春)2023/4/22

631春愁といふ夕闇に蹴躓く(春愁・三春)2023/4/28

632シューズ鳴く体育館の青葉冷(青葉冷・三夏)2023/4/28

633姫女苑荒地といふも静けさよ(姫女苑・三夏)2023/5/13

634蠅帳を被せて山の風を呼ぶ(蠅帳・三夏)2023/4/28

635黒板に一揆の文字や走り梅雨(走り梅雨・初夏)2023/5/27

636持ち寄るなかに鍬形も混じりけり(鍬形・三夏)2023/6/3

637ろくぐわつを木枠の中に培ひて(ろくぐわつ・仲夏)2023/6/10

638過ぎゆくや菖蒲の谷の日暮方(菖蒲・仲夏)2023/6/17

639東京へは何度も行つて行つたきり(無季)「マイ・ペース」森田貢忌(2022.6.18)2023/6/18

640梅雨曇る空膨らませ土鳩鳴く(梅雨曇・仲夏)2023/7/1

641僕達の巣窟(アジト)最も夕焼て(夕焼・晩夏)2023/7/8

642右の海馬に冷されし馬がゐる(冷やし馬・晩夏)2023/7/15

643金魚藻の色にビリジアンを選る(金魚藻・三夏)2023/7/22

644今闌や雨間の蟬時雨(蟬時雨・晩夏)2023/7/29

645青葉騒こけしの視線乱れざる(青葉騒・三夏)2023/8/4

646街道に小旋風の立つ秋旱(秋旱・三秋)2023/8/12

647寒蟬鳴く観戦中の感染か(寒蟬鳴く・初秋)2023/8/19

648半円の花火半身帰宅せり(花火・初秋)2023/8/26

649掌中の狗尾草に這ふ力(狗尾草・初秋)2023/9/2

650土瀝青湿りて光る白露かな(白露・仲秋)2023/9/8

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透次第14句集「月命」

2010-07-11 00:00:05 | 透次句集
 
第14句集(『月命』2024)
 
鎌田透次第14句集(『月命』2024)
 
 
651真先に秋粧ひて茶錆猫(秋粧ふ・三秋)2023/9/16
 
652蓮の実に目玉おやじがぎつしりと(蓮の実・仲秋)2023/9/23
 
653掘つた芋弄るな黄昏の迅し(芋・三秋)2023/9/30
 
654暖かし遺品の匣に囲まれて(暖かし・三春)2024/3/23
 
655半年の月命日や紫木蓮(紫木蓮・仲春)2024/3/30
 
656神代の櫻の下に君とゐる(櫻・晩春)2024/4/6
 
657真二つに四月の辞書の香を開く(四月・晩春)2024/4/13
 
658春深む線香立の灰殖やし(春深む・晩春)2024/4/20
 
659花筏疎らとなりて加速せり(花筏・晩春)2024/4/27
 
660仏壇の天井燻すみどりの日(みどりの日・晩春)2024/5/4
 
661鉄材の赤錆色へ余花の雨(余花・初夏)2024/5/11
 
662鉄線花土管の中も夕焼けて(鉄線花・初夏)2024/5/18
 
663街薄暑無音のシャドーボクシング(薄暑・初夏)2024/5/19
 
664雨脚が立ちて崩るる六月よ(六月・仲夏)2024/6/1
 
665青嵐お猪口の底の多重円(青嵐・三夏)2024/6/8
 
666梅雨曇りして白銀の搾乳缶(梅雨・仲夏)2024/6/15
 
667短夜や雨の近くに越して来て(短夜・三夏)2024/6/22
 
668a遠雷や雷魚の魚信手に残る(遠雷・三夏)2024/6/26
 
668b虹色になるまで地球儀を廻す(虹・三夏)2024/6/29
 
669a半分は汝の白さや半夏生(半夏生・仲夏)2024/7/1
 
669b綫香の先端赫き小暑かな(小暑・晩夏)2024/7/6
 
670a横長の映画サイズの雲の峰(雲の峰・三夏)2024/7/8
 
670b炎昼の鉄路の昏さ跨ぎけり(炎昼・晩夏)2024/7/13
 
671a虹色の蜥蜴に瑠璃の色一閃(蜥蜴・三夏)2024/7/16
 
671b黒板の端から入る背泳で(背泳・晩夏)2024/7/20
 
672a独言のやうに家事する大暑の日(大暑の日・晩夏)2024/7/22
 
672b遠蟬に眩みてゐたるリネン室(遠蟬・晩夏)2024/7/27
 
673a思ひ出すことしか知らず日日草(日日草・三夏)2024/7/29
 
673b産土の地より湧き出す蛇花火(蛇花火・晩夏)2024/8/3
 
674a竿燈の風得て撓り極れり(竿燈・初秋)2024/8/5
 
674b算盤も遺品の一つ秋の雷(秋の雷・初秋)2024/8/8
 
675aひとりからふたりへ還る初盆会(初盆会・初秋)2024/8/13
 
675bふたりからひとりに戻る魂送り(魂送り・初秋)2024/8/16
 
676a花木槿カーテン襞を揺らす風(花木槿・初秋)2024/8/18
 
676b留守電に聲遺りたる処暑の夜(処暑・初秋)2024/8/22
 
677a母の忌のわれもわれもと吾亦紅(吾亦紅・仲秋)2024/8/29
 
677b鳳仙花三百余日香を焚く(鳳仙花・初秋)2024/8/30
 
678a稲妻へ歩まぬ靴を祀りけり(稲妻・三秋)2024/9/2
 
678b夫婦茶碗片方欠けし白露かな(白露・仲秋)2024/9/7
 
679a比良坂へ迎へに行くや秋の蝶(秋の蝶・三秋)2024/9/11
 
679b秋光の届かず地階純喫茶(秋光・三秋)2024/9/14
 
680a月今宵君よりひとつ齢増す(月今宵・仲秋)2024/9/17
 
680b秋扇彼岸の人へ誕生日(秋扇・三秋)2024/9/21
 
681a秋分の水分りとなる乗換口(秋分・仲秋)2024/9/22
 
681b巻舌の少女の怨歌燕去る(燕去る・仲秋)2024/9/25
 
682a吸飲を如雨露代りに供花の菊(菊・三秋)2024/9/30(一周忌・稲穂忌)
 
682b新しき周回へ乗る秋稲星(秋稲星・三秋)2024/10/1
 
683a秋のへび蛇行の記憶置き去りに(秋のへび・仲秋)2024/10/6
 
683b木犀の花唇零れて雨多し(木犀・晩秋)2024/10/12
 
684a青墨の印氣の滲む十三夜(十三夜・晩秋)2024/10/15
 
第14句集(『月命』2024)
 
 
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透次第15句集「遠景」

2010-07-11 00:00:04 | 透次句集
 
第15句集(『遠景』2024)
 
鎌田透次第15句集(『遠景』2024)
 
 
684b君の世の黒電話へと繋がりぬ(無季)2024/10/19
 
685a冬隣いつも身近にゐる不在(冬隣・晩秋)2024/10/22
 
685b輪一つ二つ三つと澄みわたる(音澄む・三秋)2024/10/26
 
686a遠景となる稲滓火の立つところ(稲滓火・晩秋)2024/10/30
 
686b助手席に凹みを載せて紅葉街道(紅葉・晩秋)2024/11/01
 
687a我が胸の汝もろともに冬に入る(冬に入る・初冬)2024/11/07
 
687b数切れは遺影へ捧ぐ冬林檎(冬林檎・三冬)2024/11/09
 
688a十日夜擲つための跨線橋(十日夜・初冬)2024/11/10
 
688b電網に眼魂遺る神無月(神無月・初冬)2024/11/15
 
689a山茶花の丁字路右に折れて来て(山茶花・初冬)2024/11/20
 
689b奥の間の冷たさを着る暖炉かな(暖炉・三冬)2024/11/23
 
690a二人分の涙の重さ冬の梨(冬の梨・三冬)2024/11/25
 
690b木枯や絵本扉のごと開けて(木枯・初冬)2024/11/30
 
691a心音の替りの時計冬籠(冬籠・三冬)2024/12/1
 
691b湯舟にて寒魚の記憶少し在り(寒魚・三冬)2024/12/7
 
692a青空は彼の日のものや冬薔薇(冬薔薇・三冬)2024/12/12
 
692b助手席に凹みを載せて枯木街道(02)(枯木・三冬)2024/12/14
 
693a紙捲る気配と居るや神楽月(神楽月・仲冬)2024/12/16
 
693b極月の卓鈴振りて喚ばるかな(極月・暮)2024/12/20
 
694a歳晩の和室の隅に燭灯し(歳晩・暮)2024/12/26
 
694b演歌復権餅をそろりと嚥下して(餅・新年)2024/12/28
 
695a数へ日に月命日の一日あり(数へ日・暮)2024/12/30
 
695b百均の棚にて迷ふ三が日(三が日・新年)2025/1/3
 
696aかまくらに無響の言葉交しけり(かまくら・新年)2025/1/9
 
696b粉雪やもはや諍ひなき人と(粉雪・晩冬)2025/1/11
 
697aスキー板舳先揃へて雪に挿す(スキー・晩冬)2025/1/12
 
697b古びた朝に積雪が薄くある(積雪・晩冬)2025/1/18
 
698a我が胸に二つの記憶雪兆す(雪・晩冬)2025/1/20
 
698b悴む掌軽く握りゐて同郷(悴む・晩冬)2025/1/25
 
699a堅雪を渉つて硝子工場まで(堅雪・晩冬)2025/1/30
 
699b冬の雲歩廊の最果まで歩く(冬の雲・三冬)2025/2/1
 
700a天井に根雪の匂ふ日始まる(根雪・晩冬)2025/2/2
 
700b地の風に抗ふかたち片栗咲く(片栗の花・初春)2025/2/8
 
701a建国日一人のためのカート押す(建国日・初春)2025/2/11
 
701b春一番別れて同じ番台へ(春一番・仲春)2025/2/15
 
702a体内へ復た流し込む雨水かな(雨水・初春)2025/2/18
 
702b雨粒を弾くかに初蝶の翅(初蝶・初春)2025/2/22
 
703a疾く過ぐる月命日の無き二月(二月・初春)2025/2/27
 
703b燈届かぬところより梅の闇(梅・初春)2025/3/1
 
704a助手席に凹みを載せて辛夷街道(辛夷・仲春)2025/3/5
 
704b潦の温みを指で測りけり(水温む・仲春)2025/3/8
 
705a春場所の力士のタオル萌黄色(春場所・仲春)2025/3/12
 
705b彼岸西風襖ガタガタさせに来よ(彼岸西風・仲春)2025/3/15
 
706a物干に白布を垂らす彼岸かな(彼岸・仲春)2025/3/17
 
706b花三椏ところどころに二又も(花三椏・仲春)2025/3/22
 
707a一叢の雪柳より旅始まる(雪柳・仲春)2025/3/24
 
707bぎざぎざの郵便切手きさらぎの(きさらぎ・仲春)2025/3/29
 
708a傘の柄を肩に持たせて弥生尽(弥生尽・晩春)2025/3/30
 
708b涅槃西風レコード針の浮き沈み(涅槃西風・仲春)2025/4/3
 
709a助手席に凹みを乗せて花街道(04)(花・晩春)2025/4/6
 
第15句集(『遠景』2024)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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