軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Easy Tempo Vol.2  ”The Psycho Beat”

2014-01-13 02:00:00 | 音楽
1.Fotomodelle (Piero Umiliani)
2.Rapimento In Sicilia (Nino De Luca)
3.Moto Centripeto (Lesiman)
4.Essere Donna (Piero Umiliani)
5.Ipotesi / Un Giorno In Più (Gianni Ferrio)
6.Violets Lips (Barigozzi Group)
7.Colloquio (Lesiman)
8.Red Face (Barigozzi Group)
9.Valentina (Tra La Folla) (Gianni Ferrio)
10.La Ragazza Con La Pistola (Nino De Luca)
11.La Fine Di Cobb (Stelvio Cipriani)
12.Schegge (Lesiman)
13.L'appartamento Vuoto (Gianni Ferrio)
14.Jerk Beat (Mario Molino)
15.Gli Angeli Del 2000 (Mario Molino)
16.Blue Media (Lee Selmoco Orchestra)
17.Silver Legs (Barigozzi Group)
18.Geronimo (Gianni Oddi)
19.Il Dopolotta (Piero Piccioni)
20.Hurricane (Cesco Anselmo)
21.Shake Psyco (Mario Molino)

イタリアの60年代70年代の映画音楽のコンピレーション・シリーズ「Easy Tempo(10作品)」第2弾です。テーマは「サイコ・ビート」と言う事でチープな匂いがプンプンいたします。60年代から70年代前半のこの手の意味合いの音楽は紙一重で「アウト」が大変多いので・・・・

1曲目 重々しい雰囲気の演奏、エコーが効いた空間でパーカッションと弦楽器が混沌とした雰囲気で響き渡る。いきなり何かの場面展開?後半リズムがアグレッシブに変わり、引っ掻く様な三味線ギターが不気味に鳴り響く。で、お終い。最初は曲らしい曲が聴きたいなぁ・・・・

2曲目 エコーにまみれたアコピが2ライン、テンションの高いベースと絡み合う。シミシミと耳障りな効果音が時折鳴り響く。何となく淡々と曲はとりとめもなく、ヘロヘロ状態じゃなければ楽しめない?かなりサイケです。

3曲目 指パッチン、ミステリアスな雰囲気、「アンアン」と色っぽい女性ボイスと男性コーラス、シットリとしたリズム隊の上をユッタリと流れていきます。日本でも良く聞かれるパターンの挿入曲、ハモンドも適度にチープで・・・でも普通かな?特に変わったところはありません。

4曲目 西部劇風刻みのギター、これまた色っぽい女性ボイスと男性コーラス、エロチックサスペンス?ソフトポルノ?とにかくエロっぽい作品の挿入歌が続きます。でもこの曲も至極普通。ハモンドのもう少しの活躍が・・・良い音なのに。

5曲目 物憂げな管楽器群が雰囲気を作り上げる良くある場面展開、ジャズ風のリズム隊とピアノが控えめに展開、後半はシットリと雰囲気を変えてギターの静かなつま弾きが感傷的に盛り上がる。この雰囲気は大好物、コンチャルトグロッソのラウンジ風作品のよう。

6曲目 場面展開パターンが続きます。ジャズロック風のタイトなリズム隊にピラピラとしたアコピ、フルートがユッタリと流れ、刑事物のテレビ・ドラマでも流れていそうなチープな曲展開。間奏はアルトのソロパート、リズム隊が盛り上がりエレピもソロを取り、軽く軽快なジャズ・ロック風の演奏に成ります。曲はチープだけど間奏はプログレでした。今の所一番。

7曲目 唯々単調なパターンの音を淡々と拾い続けるピアノ、曲を牽引するテンションの高いベースに軽く追走するパーカッションとドラム ・・・ 雰囲気も演奏も殆ど変化無く・・・目的無く彷徨い歩く場面なのか?

8曲目 タイトなリズムにフルートとハーモニカの音色が優しくテーマを演奏、間奏はシャミなギターのソロパート、ワウを中途半端に使った・・・中途半端な演奏、まあ・・まあまあ。特に印象のないナンバー。

9曲目 一転場面展開風サウンド、サスペンス風に、物々しい入りから、ユッタリとした曲本体はスットコリズム(ドラムのバスドラの入れ方が・・・変だ)に、ストリングスとシットリとしたピアノに控えのハモンド、一聴素敵なラウンジ・ミュージック。ラストはハモンドのソロパート、ううん短いけれど出来の良いラウンジだが・・・・・バスドラのタイミングの違和感は何だ??もの凄く下手なのか???

10曲目 1音を弾き倒すギターの耳障りな音、テーマも三味線ギターがシャミシャミと、西部劇風スットコ・サウンドに奇声を上げるオッサン。ゴチャゴチャで・・サッ・・・・サイケすぎて、耳が腐る。

11曲目 テンションの高いベースが引っ張るリズム隊、ワカワカ・ワウギターのカッティングにハプシコード風キーボードがアルペジオとコード・ブロックでテーマを牽引。間奏はうめき声の様なサックス、下手だなぁ・・・・キーボードの使い方が面白い、そこそこレベルのラウンジですが、なんか変。

12曲目 これもベースが引っ張るリズム隊に、歪んだキーボード・・・酷い音・・がテーマを淡々と。単調な展開ながら段々とドラムが盛り上がりを見せ、曲全体が微妙に盛り上がっていきます。癖になるベースラインにテンションが高くなってきたドラムが、そこそこ聞き所の曲・・・それにしても変な曲だ。

13曲目 ドワドワと入りはサスペンス風、ストリングスが雰囲気を作り出し、女性コーラスが艶っぽさを演出。ストリングスがシットリと濡れる静かな場面を挟み、再びサスペンス風に。曲展開が場面展開、如何にも映像の挿入曲と言った感じ。ですので、コレはまともです。

14曲目 軽快なリズムにキュイーンとシャミに呻くギター、挿入曲というのは場面の雰囲気を壊してはいけないので・・・・フロント陣は爆発しないのですね。あくまでもベース一人が大騒ぎの曲が多い様な。で、この曲はリズム隊が突っ走る上を何やっているのか分からないフロント陣が、効果音的に彷徨っている感じ。これはサイケで・・・変。泡がブクブクする様なキーボード・・・・
 
15曲目 ・・・イントロはそれが続いていますので同じ作品の曲が連続ですね。演奏はチープな何処かで聞いたことがある様なロックナンバーですが、バックで終始泡の様なモノ・シンセ??音が飛び回っています。無茶苦茶サイケ、ここまで徹底すると潔い。

16曲目 日本の70年代のTV番組(橋田壽賀子あたり?)の主題歌風の、オモチャのピアノ風の甲高いエレピとハモンドがベタなリフのテーマを淡々と。フレーズがメイド・イン・ジャパンです。間奏のオルガンパートはかなりテクニカルな聞き所。ノリと言いリフと言い・・・ホントにイタリア産か?

17曲目 チキチキと小気味よいシンバルワーク、オルガンの低音が静かに流れ、テーマは大人しい低音の管楽器(フルートかな?)。ジャージーなギターも加わり雰囲気は軽めのムード・ジャズ、力入っていないなぁ・・・理想的なグルービー感だ。

18曲目 土着的なリズムにワカワカ・ギター、チューニングをググッと変化させる妙なパーカッション音、テーマはテナーサックスが一節吹き鳴らすだけ。メロトロン風の音色が時折漂い、サビは厚みのある管楽器の軽快な演奏に。間奏はワウを通した管楽器。ノリの良い単調な曲調ながら、変化に富んだ演奏が続くかなりの名曲ですね。メロトロン風のおかげでプログレ臭がベットリと纏わり付いています。黒っぽいリズムと情熱的なサックスを聞いていてジェームス・セネス率いるナポリチェントラーレを思い出してしまいました。後半の熱い盛り上がりも素晴らしい、良いですよ!良いですよ!!

19曲目 エフェクトでまみれた歪んだ激太ベースが一定のコード進行をキープ、その雰囲気の上をウニャウニャ・オルガンとお洒落でジャージーなピアノが漂う展開。単調ですが良く聞くとジャズ・ロックのエッセンスを感じます。

20曲目 エコーの効いた音空間、チープで甲高いオルガンがテーマのコード進行を演奏、ベースが異様にでかい60年代のビートサウンド風。ベースのリズムにグイグイと引き込まれてしまう、古臭いサイケ・サウンドです。間奏のオルガンパートは典型的なピラピラ・オルガン、チープでカビ臭いアシッド・サイケ・サウンド・・・・体が自然と揺れてしまう。

21曲目 軽快で勢いのあるブラス・ロック風、グループ・サウンド風のピック弾きベースが時代がかっています。後ろでシャミシャミと響くキーボード群が少し異様。間奏のオルガンパートもドラム回しも・・・古い古い。サイケ一色の展開と思いきや、ブラスが意外と雰囲気作りに影響しています。

この作品は・・・結構辛いかも知れません。素人はムリですね、ラウンジ変態の私でも・・・などと弱音を吐きそうになりましたが、9曲目当たりからボチボチと波状攻撃が続き14・15曲目当たりで「こいつは腰を据えて聞かなければやられてしまうぞ」と襟を正して聞き入ってしまいました。特に18曲目の出色の出来栄えは素晴らしいですよ。




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