軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Easy Tempo Vol.3

2014-01-20 02:00:00 | 音楽
Easy Tempo Vol.3
'further cinematic easy listening experiences'

1.SAUDADE (PIERO UMILLIANI)
2.NAGO (L.E.BACALOV)
3.I CAVALL I (PIERO PICCIONI)
4.BOB E HELLEN (PIERO UMILLIANI)
5.NORTH POLE PENGUIN (PIERO PICCIONI)
6.FRENESIA (ARMANDO TROVAJOLI)
7.LA BIKINA (AUGUSTO MARTELLI)
8.IL LIBANESE (G & M DE ANGELIS)
9.LADY MAGNOLIA (PIERO UMILLIANI)
10.DIAMOND BOSSA NOVA (FRANCESCO DE MAS)
11.AMANDA'S TRAIN (PIERO PICCIONI)
12.BERYL'S TUNE (AUGUSTO MARTELLI)
13.LA SEDUZIONE (L.E.BACALOV)
14.EASY LOVERS (PIERO PICCIONI)
15.FLUTE SEQUENCE (FRANCO MICALIZZI)
16.BERYL'S TUNE NO.2 (AUGUSTO MARTELLI)
17.SOUL SAMBA (ATTILIO 'ANTHONY'DONADIO)
18.CASA DI MODA (G & M DE ANGELIS)
19.HONEY RHYTHM AND BUTTER (THE GREEN FUTURE)
20.DANZA CITAR FREE (PIERO UMILLIANI)
21.ESQUETANDO OS TAMBOURINOS E CUICA (SERGIO NILO)

さて第3弾、色々な音源が雑多に詰まっている作品群ですので宝物を探す感じで結構楽しめますね。地雷もタップリと敷設されていますが。まとまりの良かった1作目、迷曲が入っていた2作目、さてさてさて・・

1曲目 ポコポコと響きの良いタム?女性ボーカルが湿り気タップリに漂う「南の島」の香りが漂う曲。連想するのはムシっとした湿度と高温が纏わり付いてくる様な夜の海岸・・・季節外れだ・・

2曲目 ユッタリと落ち着いたリズム、軽くギターのカッティング、ホンワカとしたキーボードがテーマを演奏。間奏は艶やかなギターのソロパート、ボコボコ・ベースをバックに中々品の良い演奏です。アコピがソロを引き継ぎ、淡々と音を紡ぎます。大人しめの曲で盛り上がりとかはありませんが、結構良い雰囲気ですね、テクニック的にも、音的には古さを感じません。

3曲目 奥行きのある音空間、リムショットをカシカシと決めるドラム、単調なベース(フットベースか?)、テーマはビブラフォン(ガムランか??)がシットリと。その上に色々なキーボード系の音が被さり絡み合いもつれ合い、まるで目眩を感じる様な混沌とした音世界がヒッソリと繰り広げられています。これは・・・凄いのではないでしょうか、サイケでアシッド、二日酔いの頭が痺れてくる様な・・・比類無き目眩く幻想の音空間に引きずり込まれます。凄い凄い!!

4曲目 アコピとストリングスが素敵に響くイントロで一気に曲の雰囲気に入り込めます。ボンゴが響きリムショットが軽快にリズムを刻む。男性と女性のボイスが滑らかに交差するボサノバっぽい演出、ストリングスのたなびきとサビの艶っぽさが印象的。正統派の完璧なラウンジ・ボサノバ、前曲とは違う意味で感動しました。これだよね、ラウンジ・ミュージックって。

5曲目 心地よいジャズ・ボサ風のナンバーが続きます。何故ボサかと言えばリズムを刻むリムショットですね。ビブラフォン、エレピ(エフェクト処理したアコピか)とフルートがシットリとテーマを演奏、流れる様なサウンドが大変心地よい。間奏の御機嫌なピアノパートは中々聞かせてくれますねぇ、かなり上手いしフレーズのセンスが抜群。続くテナーも素敵ですが、バッサリ終わってしまいました。

6曲目 ジャズナンバーが続きます。ボンゴのリズムにダブルベース、ギターの蠢き、メインは当然力強いジャズ・ピアノ。ブロックコードを多用するスタイルは少し古臭いですが、かなり達者なジャズ・ピアニストですね。映画音楽と言うよりは立派なジャズのナンバーです。故にラウンジではない。

7曲目 ボッコボコのエレキベース、マリンバが聞き覚えのある様な明るいテーマを演奏、ブラスとストリングスも軽く加わり雰囲気を盛り上げます。間奏は色っぽいテナー・サックス、ブラス陣をバックに少しフリーキーさ(ジョージ・アダムス似)を振りまきながら。テーマのマリンバとベースの木質感と、間奏のオーケストラとサックスの豪華な雰囲気の対比が面白い名曲。典型的な映画音楽・劇場音楽ですが気に入りました。

8曲目 テンションが高いけれど延々と単調にコードを刻むベース、リムでリズムを取り裏で悪さをするドラム。ギターもベースに習いコードを刻み、バックで素敵な音色のハモンドがプログレ風のアドリブをかましています。ドラムも暴れ出し後半は完全にプログレ。こいつら只者じゃないぞ。

9曲目 テンションの高いベース(毎度のことですが)、ワウワウ・ギターのカッティング、シンセの音色がゴブリンだぞ。テーマは擦れたフルートが担当。後半は素敵なハモンドが参加、ユッタリとしたテンポで曲が進みますが、こいつらはプログレ者だろう・・・間奏のメインは擦れたフルートか?否ドライブ感タップリのリードベースだろう。プログレの影響受けまくりの名曲。

10曲目 リムのリズムに甲高いオルガンとギターのコード、艶っぽい女性ボーカルがフワフワと漂う典型的なボサ・ラウンジです。間奏のフルートも艶やかに漂う名曲。短いけれどお手本の様なラウンジ・ミュージックです。この雰囲気が大好きでこのジャンルの音楽を愛しています。疲れた体をタップリと癒してくれました。

11曲目 素敵なラウンジ・ナンバーが続きます、リムショットの音色が素晴らしいボサ・ジャズ・ナンバー。シンプルながら心地よく跳ねるピアノが明るいテーマを演奏、ギターとオルガンがシットリとバックを努め、サビの盛り上げ方も大変素晴らしい。かなり上質でレベルの高い演奏ですね、ブラジルでは聞かれない外連味が味付けでしょうか。ある意味イタリアらしい演奏です。

12曲目 アコギのカッティングにシタール、シャカシャカとしたイントロから、テーマはフルートがフワフワと漂う。間奏はアコピに導かれるツバ吐きフルート、引き続きソプラノ・サックス、そしてテンションの高いアコピ。妙な弦の音が効果音的に響いたり、作りはテーマ曲と言うよりは場面音楽でしょうか。アコピの叩き付ける様なテンションの高い演奏が印象的で聞き所。

13曲目 エコーの効いた奥行きのある音空間、シットリとしたタムの音、ボンゴも響き、アコピがシットリと漂う幻想的なイントロ。悲しげなフルートと女性ボイスがシットリとテーマを演奏、アコピとエレピが切なく切なく漂う・・・これは凄いぞ、後半のストリングスも参加した絶妙な盛り上げ方は涙を誘います。イタリア的な劇的な名曲、プログレ一歩手前。

14曲目 典型的なラウンジ・ミュージックの音空間、後ろで密かに響くリムショットがユッタリとしたリズムを刻み、少し手前にいるベースが大人しくラインをキープ。ムードタップリのフルートがテーマを艶やかに演奏、音の厚みは生のストリングス+オルガンかな?引き継ぐ噎び泣くテナー・サックスとトランペットがシットリと曲を盛り上げる。再び登場したフルートの素晴らしい音色が聞き手の心に染みいってきます。心がドロドロに溶けてしまいそうな、ムード・ラウンジの傑作、素晴らしいの一言しか浮かばない。(少し甘すぎますが・・・・風邪気味の私にはピッタリ!!)

15曲目 テクニカルなアコギのイントロ、擦れたツバ吐きフルートがテーマを演奏するアーバンな一曲。タイトなリズムにボンゴの音色、今風のベースが結構ラインを交差させてきます。メインのフルートは終始「ベッベッベッ」とアグレッシブ、楽器編成がシンプルながらその辺の音の組み合わせを生かした曲ですね。テーマ曲と言うよりはフルート奏者のソロアルバム収録曲。ラウンジとは異なりますが楽しめますね。

16曲目 エレクトーンの使い方に近いハモンドの音色(エレクトーンかも)、ボンゴの音と共に明るいテーマを演奏。ベタな歌謡曲風でもあり、入りは教会音楽風でもあり・・・・・ボンゴとリズムボックスとの無茶苦茶シンプルな演奏は・・・エレクトーンのソロ演奏か?付属のリズムマシーンとペダルベース????

17曲目 甲高いハモンドとギターのカッティング、テーマはアルト・サックスが艶やかに漂う様に。少し趣の違うボサ・ジャズ・ナンバー、リムショットが控えめで、テナーではなくアルト、ドラムが結構ばたつきます。間奏のアルトのパートは及第点。全体に明るさが前面に浮き出てくる様な演奏で、アルトの主旋律に絡みつくハモンドの音色とフレーズが美味。

18曲目 続きますなぁ、ボサ・ジャズ・ナンバーが。カンカンとリズムを刻むリムショット、カッティングのアコギと主旋律のアコギ、後からアコピも絡みつき、シンプルなアコースティックの音色が大変心地よい。間奏のギターパートもシンプルながら、テクニカル。続くピアノパートもシンプルで心地よし。全体にヨーロッパ的なフレーズであり、ブラジル音楽では聴かれない感じではありますが、素敵な演奏ですね。

19曲目 ハードでヘビーなナンバー。叩き付ける様にピアノが導くイントロ。ヘビーなベースに疾走するドラム。軽快なテーマはフルートがリードを取り、サビでブラス陣が大爆発。ドライブ感あふれるベースラインと軽快なブラスが曲の雰囲気を燃え上がらせる。間奏はヘビーな演奏をバックに淡々としたフルートがマイペースで疾走、全体に60年代後半のサイケな雰囲気もタップリと漂う素敵なダンス・ナンバー。良いですよ!!

20曲目 ピョンビョンとチューニングの定まらない三味線ギター?がフラフラと漂い、小刻みなリムショッとシンバルを忙しなく多用するドラム、ヘンテコな雰囲気のテーマが段々と盛り上がりを見せて登場するフルートのフレーズと音色は一瞬エグベルト・ヂスモンチ。その後はベタッとしたオルガンが参加したガヤガヤとした演奏・・・場面音楽ですね。

21曲目 チキチキとシンバルを鳴らし、硬質なバスドラでリズムを取るドラム。ワカワカとクイーカの鳴き声にサンバで使用されるパーカッション群が総動員。・・・圧倒的なサンバのリズムに押しつぶされる・・・心地よいエンディング。

内容が濃密で外れ曲がなかった・・・ラウンジ・ミュージックの集大成です。

場面音楽が多かった前2作に比べると、完全に映画のテーマクラスの完成度の高い曲で埋め尽くされています。そして名曲が多い、典型的なラウンジ物やジャズ・ボサ・ラウンジの名品、そしてプログレ者のスタジオミュージシャンの演奏だろうと思われる迷品の数々、内容が濃い、そして時代的にも新しい物も含まれていますので、ラウンジ初心者でも楽しめる作品でしょうか。

この辺からこの企画も本領発揮と言ったところかな、今後が楽しみです。



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