軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Montrose / Montrose

2015-01-04 02:00:00 | 音楽
Ronnie Montrose : Guitar
Sam Hagar : Vocals
Bill Church : Bass
Denny Carmassi : Drums

1.Rock The Nation
2.Bad Motor Scooter
3.Space Station #5
4.I Don't Want It
5.Good Rockin' Tonight
6.Rock Candy
7.One Thing On My Mind
8.Make It Last
1973

「ガンマ」には行かずに「モントローズ」なのですが、モントローズというバンドは1枚目以外未聴でして、ストレートなハードロックの印象が強いバンド。サミー・ヘイガーにも特に興味はなく、逆に彼の個性によって「ロニー・モントローズの個性が削がれているのでは」と、聞く機会がありませんでした。実はアルバム2枚だけでサミー・ヘイガーが抜けていたのは最近知りましたが。この作品はロニー・モントローズとしては、ある意味一番有名なアルバムですので、心して聞くことにいたしましょう、久しぶりだ。

1曲目 カウベルとロニーのギターが心地よく空間に響き渡り、タイトなリズム隊、心地よくシャウトするボーカルが登場。オープニングを飾るに相応しいストレートで気持ちの良いナンバー。テーマはパターンの繰り返し、サビで少し変化を付けて、間奏的な部分もボーカル入りで、テーマは3段落ちか?ギターパートは粘りのある音色で大変短い。73年の作品にしては音空間の使い方が後のアメリカンロックを彷彿とさせる、先駆的な曲ですね。

2曲目 イントロはスポーツカーのシフトアップのエンジン音をギターで再現、このギミックさがロニー・モントローズの神髄です。曲はタイトなロックン・ロール、心地よい疾走型ナンバー。ロバート・プラントを意識したサミー・ヘイガーのボーカルが心地よく、演奏自体もツェッペリンを意識したが如く。ギミックなギターがボーカルのバックで唸りまくっています。ブレイク後のギターパートは仕掛けのないストレートな弾きまくり、終始バックで唸りまくっているギミックなギターの存在感が強すぎます(笑)。最後は再びシフトアップでお終い。ロニー・モントローズが本領を発揮した名曲、プログレッシャー的にはですが。

3曲目 イントロは異様にプログレッシブ、スペイシーな効果音の上を首を絞められた鳥の呻き声のようなギターの軋みと、アコギの爪弾きと、エコーをタップリと纏った泣きのギターの棚引き、鳴き呻き声のようなギターの音が不気味に収束。曲本体が登場しますが・・・・98%レッド・ツェッペリン、それもツェッペリンのセカンドアルバムに入っていそうなタイトで重厚なナンバー。間奏の混沌とした雰囲気に漂うギターとボーカルは別世界か。最後のギターパートはテープ逆回し風味のギターでテンポアップ。そしてキュルキュルキュルとフェードアウト。これもプログレッシャー御用達のナンバー、やりたい放題ですね。

4曲目 ちゃんとした曲です、タイトで心地良いロックナンバー、涎が出るような仕掛けは施されてはいません。この編成でタイトなナンバーだと、どうしてもツェッペリン風になるのは仕方ないことですが。2コーラス目のボーカルと併走するギターの音色が素晴らしい、この人のギターのフレーズは揺らぎがないですねぇ。揺らがす時は意図的に限界無く・・・

5曲目 イントロのギターは少しシャミシャミしていますね、アップテンポのロックン・ロール・ナンバー。軽快に心地よく疾走するテーマ、硬質なベース音がグイグイと曲を引っ張ります。ギターパートは心地よく弾き倒す演奏。素直に気持ちの良いハード・ロック・ナンバー、商業的にはこの路線ですよね。

6曲目 再びツェッペリン・クローン、ユッタリと重々しいリズム隊、歌い方がほとんどロバート・プラントだぞ。ギターも共に粘りのあるタイプのギターリストなので似てはいるけれど、ロニーの個性が顔を出しまくります。ギターパートはユッタリペースで少し物足りない。最後は少しだけジョン・ボーナム。

7曲目 縦ノリのタイトなリズム、如何にもアメリカンといったロック・ナンバーです。気持ち良く伸びる高音が心地よいボーカル、コードパターンを繰り返すギター。ギターパートもシンプルで教科書のような演奏。もの凄く纏まった曲、ただしこぢんまりとは成っていないのがこのバンドの実力でしょうね。アメリカン・ロックのお手本のようなナンバーです。

8曲目 ソリッドなギター、艶っぽいボーカルが加わりギターと併走、重たいリズム隊が参加、粘りのあるギターも登場して味のあるナンバーになります。ギターパートは納豆のように粘りを利かせた演奏、すでに「いぶし銀」のレベルに達していますね。

良いアルバムですねぇ、捨て曲がない。73年の作品にしては若々しい、80年代以降の雰囲気が漂っています。

「アメリカナイズされたレッド・ツェッペリン」と言っては失礼でしょうか・・・ツェッペリンに。2曲目3曲目が無ければ、素敵なだけのロック・アルバムだったのでしょうが、ロニー・モントローズの本質はその2曲にありました。それにしてもギターの上手な人ですねぇ、今まではギミックな部分ばかりに気を取られていて気が付きませんでしたが、シンプルなロックナンバーになればなるほどギターリストとしての器の大きさが分かります。





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2 コメント

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Unknown (Cottonwoodhill)
2015-01-04 22:29:12
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。
モントローズ、懐かしいですね。
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Unknown (狛犬)
2015-01-07 20:16:13
Cottonwoodhill様。

明けましてお目出とうございます。
毎年のご来場感謝感謝です。

今年は音楽ネタ1000件を目指して、ノンビリと行きたいと思っています。


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