Sebastiao Tapajos - Guitar
Gilson Peranzzetta – Keyboards
1.Tocata Para Billy Blanco
2.Ao Longe
3.Luá Joá
4.Cheio de Graça
5.Prelúdio Do Entardecer
6.Lado A Lado
7.Pedacinhos Do Céu
8.Vila Da Penha
9.Ceu De Itauna
1988
南米のギターリストと言えば自分の中ではバーデン・パウエルとヤマンドゥ・コスタそしてこのセバスチャン・タバジョフ、一般的に言えば夭折した「ハファエル・ハベーロ」が一番有名かと思いますが、エンタープライズのライカー副長に似ているので・・・聴く機会は少なかったかと。基本キーボードが主体で音楽を味わう人間ですが、ギターもヴァーチュオーゾは別格で気に入れば聴きまくります。この作品はコンポーザー、コンダクターとして有名な鍵盤奏者ジルソン・ペランゼッタとのデュオ作品、普通のデュオとはちょいと違う。(いや、かなり違う)
1曲目 複雑に絡み合うイントロ、テーマは哀愁と切なさをバロックの様な音階のアルペジオで演出、テクニカルでメカニカルでクールなテーマ。アドリブパートは一転タンゴの雰囲気でしっとりと、そして激しく。ピアノパートはメカニカルな雰囲気が少しジスモンチを思い浮かべます。後半の絡み合う高速アルペジオ・・・・背中ゾワゾワでした。曲名もトッカータですので「高度で超テクニカルなクラッシックの練習曲+タンゴ風味」正直凄い演奏・・・だからタバジョフはやめられない。
2曲目 端正でテクニカルな1曲目に続き、一転ローズが雰囲気を作り上げるアーバンで暖かみの溢れる曲です。響きの良いローズが夜の巷の雰囲気を作り出し、暖かみのあるギターがしっとりとテーマを奏でる。哀愁を纏ったギターの音色にエコーの効いたローズが優しく寄り添う様な演奏は・・・まさに珠玉の時間です。素晴らしい。
3曲目 明るいピアノが抑揚をつけながら漂うイントロ、優しく印象的なフレーズから始まるテーマ、後半のコミカルなピチカートの様な展開からアドリブパートに突入。ギターパートは優しいタッチで説得力のあるフレーズ(?)、続くピアノは実に艶っぽく、まるでギターの演奏の様なフレーズを淀みなく弾いています。ピチカートの後エンディングを迎えるのですが、良い曲ですねぇ、アルゼンチンタンゴの雰囲気がタップリと味わえる名曲です。
4曲目 ピアノとギターが優しく絡み合うテーマ、暖かみもあり哀愁も漂う演奏は、意外と複雑にフレーズが流れていますが、テクニカルさを余り感じさせません。前3曲に比べると小粒な印象ですが、1曲目のテクニカルさに近い、複雑怪奇なスコアーを余裕で完璧にこなしている印象。凄すぎますね、この2人は。
5曲目 ギターのアルペジオが切なく流れる曲、キーボードは入っていません。このパターンだとスペインかヨーロッパ的な雰囲気が漂ってきますが、外連美の感じられないアルペジオで弾き通した人柄が感じ取れる演奏です。
6曲目 タイトルナンバーです。ハチドリの用に飛び交うピアノのイントロから印象的なテーマが導き出されます。明るい音色でユニゾン、まるで小躍りする様な前半と、混沌さをフレーバーにした着地点を見つける様な後半、ギターパートは少し軽めの音色で少しエスニックに。ピアノパートもエスニックでアラピックな雰囲気から入りますが、後は淡々と。センテンスの始めと終わりに印象的なフレーズを配した、少し混沌さを味わえる曲です。テーマは印象に残りますし、癖になります。
7曲目 再びしっとりとしたローズが登場、イントロは切なく優しいギターを包み込む様な響き・・・・最高です。だからローズって好き。テーマは少しはねる様なギターが優しく哀愁を振りまきます。最初のギターパートは艶のあるタメの効いた演奏、ローズのパートは響きと抑揚を少し押さえた雰囲気で。2回目のギターパートは明るく躍動感を伴った演奏で、ローズも最初とは違いアグレッシブに飛び回ります。アドリブパートの妙がタップリと味わえる名演。
8曲目 悲しげなユニゾンのイントロ、テーマは一転暖かみと希望に満ちた様な雰囲気で。印象的なフレーズがいかにもブラジルっぽいですね。淀みなく流れるテーマに変化をつけながら繰り返し、最後の展開は躍動的なアコピのパートからギターのテクニカルな演奏で、バラエティに富んだ展開とフレーズを淀みなく演奏されている名曲、この曲はヘビーローテーション間違いなし。
9曲目 最後はピアノだけの演奏です。サティの様な雰囲気のイントロから明るく盛り上げるフレーズ、哀愁と混沌と不安と喜びが交差する様な、はっきり言ってクラシカルで外連美タップリにドラマチックな場面を作り上げる演奏。この人の音楽家としての凄みが味わえる曲。ううん・・・こんな素晴らしい雰囲気ならばギターが絡んで欲しかった。
褒めるだけ褒め倒してしまいました。ヤマンドゥ・コスタの世界観に近い(彼が近づいているのか)。
曲調がバラエティに富んでおり、曲自体にも単調さが感じられない、聞き流すことの出来ない名曲だらけの名盤です。こんな凄い作品が・・・・埋もれているなんてもったいない。南米(特にアルゼンチン当たりは)恐るべし・・・改めて感じてしまいました。
Gilson Peranzzetta – Keyboards
1.Tocata Para Billy Blanco
2.Ao Longe
3.Luá Joá
4.Cheio de Graça
5.Prelúdio Do Entardecer
6.Lado A Lado
7.Pedacinhos Do Céu
8.Vila Da Penha
9.Ceu De Itauna
1988
南米のギターリストと言えば自分の中ではバーデン・パウエルとヤマンドゥ・コスタそしてこのセバスチャン・タバジョフ、一般的に言えば夭折した「ハファエル・ハベーロ」が一番有名かと思いますが、エンタープライズのライカー副長に似ているので・・・聴く機会は少なかったかと。基本キーボードが主体で音楽を味わう人間ですが、ギターもヴァーチュオーゾは別格で気に入れば聴きまくります。この作品はコンポーザー、コンダクターとして有名な鍵盤奏者ジルソン・ペランゼッタとのデュオ作品、普通のデュオとはちょいと違う。(いや、かなり違う)
1曲目 複雑に絡み合うイントロ、テーマは哀愁と切なさをバロックの様な音階のアルペジオで演出、テクニカルでメカニカルでクールなテーマ。アドリブパートは一転タンゴの雰囲気でしっとりと、そして激しく。ピアノパートはメカニカルな雰囲気が少しジスモンチを思い浮かべます。後半の絡み合う高速アルペジオ・・・・背中ゾワゾワでした。曲名もトッカータですので「高度で超テクニカルなクラッシックの練習曲+タンゴ風味」正直凄い演奏・・・だからタバジョフはやめられない。
2曲目 端正でテクニカルな1曲目に続き、一転ローズが雰囲気を作り上げるアーバンで暖かみの溢れる曲です。響きの良いローズが夜の巷の雰囲気を作り出し、暖かみのあるギターがしっとりとテーマを奏でる。哀愁を纏ったギターの音色にエコーの効いたローズが優しく寄り添う様な演奏は・・・まさに珠玉の時間です。素晴らしい。
3曲目 明るいピアノが抑揚をつけながら漂うイントロ、優しく印象的なフレーズから始まるテーマ、後半のコミカルなピチカートの様な展開からアドリブパートに突入。ギターパートは優しいタッチで説得力のあるフレーズ(?)、続くピアノは実に艶っぽく、まるでギターの演奏の様なフレーズを淀みなく弾いています。ピチカートの後エンディングを迎えるのですが、良い曲ですねぇ、アルゼンチンタンゴの雰囲気がタップリと味わえる名曲です。
4曲目 ピアノとギターが優しく絡み合うテーマ、暖かみもあり哀愁も漂う演奏は、意外と複雑にフレーズが流れていますが、テクニカルさを余り感じさせません。前3曲に比べると小粒な印象ですが、1曲目のテクニカルさに近い、複雑怪奇なスコアーを余裕で完璧にこなしている印象。凄すぎますね、この2人は。
5曲目 ギターのアルペジオが切なく流れる曲、キーボードは入っていません。このパターンだとスペインかヨーロッパ的な雰囲気が漂ってきますが、外連美の感じられないアルペジオで弾き通した人柄が感じ取れる演奏です。
6曲目 タイトルナンバーです。ハチドリの用に飛び交うピアノのイントロから印象的なテーマが導き出されます。明るい音色でユニゾン、まるで小躍りする様な前半と、混沌さをフレーバーにした着地点を見つける様な後半、ギターパートは少し軽めの音色で少しエスニックに。ピアノパートもエスニックでアラピックな雰囲気から入りますが、後は淡々と。センテンスの始めと終わりに印象的なフレーズを配した、少し混沌さを味わえる曲です。テーマは印象に残りますし、癖になります。
7曲目 再びしっとりとしたローズが登場、イントロは切なく優しいギターを包み込む様な響き・・・・最高です。だからローズって好き。テーマは少しはねる様なギターが優しく哀愁を振りまきます。最初のギターパートは艶のあるタメの効いた演奏、ローズのパートは響きと抑揚を少し押さえた雰囲気で。2回目のギターパートは明るく躍動感を伴った演奏で、ローズも最初とは違いアグレッシブに飛び回ります。アドリブパートの妙がタップリと味わえる名演。
8曲目 悲しげなユニゾンのイントロ、テーマは一転暖かみと希望に満ちた様な雰囲気で。印象的なフレーズがいかにもブラジルっぽいですね。淀みなく流れるテーマに変化をつけながら繰り返し、最後の展開は躍動的なアコピのパートからギターのテクニカルな演奏で、バラエティに富んだ展開とフレーズを淀みなく演奏されている名曲、この曲はヘビーローテーション間違いなし。
9曲目 最後はピアノだけの演奏です。サティの様な雰囲気のイントロから明るく盛り上げるフレーズ、哀愁と混沌と不安と喜びが交差する様な、はっきり言ってクラシカルで外連美タップリにドラマチックな場面を作り上げる演奏。この人の音楽家としての凄みが味わえる曲。ううん・・・こんな素晴らしい雰囲気ならばギターが絡んで欲しかった。
褒めるだけ褒め倒してしまいました。ヤマンドゥ・コスタの世界観に近い(彼が近づいているのか)。
曲調がバラエティに富んでおり、曲自体にも単調さが感じられない、聞き流すことの出来ない名曲だらけの名盤です。こんな凄い作品が・・・・埋もれているなんてもったいない。南米(特にアルゼンチン当たりは)恐るべし・・・改めて感じてしまいました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます