乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

きつねび (ほんちょう 二四こう) 名古屋ミソノ座

2006年04月30日 | 歌舞伎



  
    しゅんよう おおかぶき



      kitunebi (ほんちょう 二四しこう より) 

               





          やえがき姫 中村シバジャク
          きつねび場面より少し短め、ダイジェスト版
               

          ミソノ座 2006/04/11




 ほんちょう 二四こうは私にとって馴染み深い演目の一つである。

「翼が欲しい、羽が欲しい・・・」の部分は好きで、何度聞いてもワクワクする。

 今回のきつねびの池に映る姿が狐となる場面。

 この演目名を知った時は、愕然としてしまった・・・・

 何しろカンジンチョウが今回の目的とはいえ、三本ともが好きな芝居。

 だが・・・

 ほんちょう 二四こうにおいてはできるならば二、三階で観たい。





 一方カンジンチョウに関してはできることならば、花道を最後まで見届けたい。





 カジワラヘイザン ホマレノイシキリは真正面の一階が良い・・・・

 




 色々な考えが頭をよぎる。

 ぅん?

 今回私は、カンジンチョウのために、名古屋遠征をするんだった・・・

 私はコウシロウのカンジンチョウを優先した席を予約した。




 カンジンチョウとカジワラヘイザン ホマレノイシキリに関しては、申し分のない席であった。

 が、こと一階席では、二番目のきつねびがいけない。

 一階席を購入してはいたが、この演目が始まる前に二,三階席に空席があれば、行こうかと真剣に悩んだくらいだ。




 人から見れば、陳腐な話だろうが、そのときは真剣であった。

 やはり、芝居は演目によって、席や一階或いは二階席以上を選ぶのが、癖になっている。

 他の方々も、演目によって、席選びをしておられるのでしょうが、今回の演目の組み合わせは少し戸惑ったのが本音というものです。





 きつねびが始まった。





 見慣れたとおりに順序良くこなされていく。

 多少中村シバジャクさんに対して、
『がんばって』
という親心が生じてしまった。

 彼もうまく、頑張って演じておられたが・・・。

 最後まで楽しみながらもはらはらさせられる今回のきつねび。

 トウジュウロウさんが演じられた後だけに、やりづらい部分もあるのであろう。

 それを割り引いて考えると、好感の持てるまじめな演じ方だった。




 神棚の前までやえがき姫が行く。

 いつもなら太鼓の音にあわせて、狐の尻尾のようなものが現れるのだが、今回は省かれていた。

 結構私にとってはポイント、漫画感覚で面白いシーンなので、少し寂しく思った。





 さて問題の池の場面。

 太鼓の音にあわせて、
『さぁ、今だ。狐が現れるぞ・・・・だが、一階では観えないな・・・・』

 案の定今回も狐は現れなかった、というよりも、一階からは狐の影さえ映らず、愕然とさせられる。。

『演目によっては、きつねびは立体的に見える二階席以上が好きなんだ・・・』
と、一人頭に血がのぼっている。

 横で家族も、
『なぁ~~んだ。』
と、微妙な表情。

 家族は、
「以前のシーンを意識下において観ていた。」
と嘆いていた。




 大切なシーンを、各個人が思い出して、心の中で合成しなければならない生舞台って、一体何なのだろう・・・

 水面くらいまで持ち上げてくるとか、池を斜めにする。或いは、上に鏡をつける方法や、モニターテレビを設置するなど、何らかの表現方法がありそうなものである。

 時代のニーズに合わせて、大道具や屋舞台造りは工夫されて入るが、カブキのことこのシーンに関しては発展性がみられない。

『だから、言わないことじゃない・・・』
と、やり場のない悲しみ。





 この芝居も好きで、一月にはブンラクの初体験までさせてくれた演目である。

 でも肝心要の場面が見えなければ意味がない・・・・

 カンジンチョウときつねびを同一公演で持ってきたセンスってどうなのだろう。

 今回に関しては少し首を傾げてしまった。

 席に関して、動きがとれない!




 今回は限られた役者さんや人数での公演のようで、それにあわせての演目決定だったのであろう。

 観客は、とんだ災難である。




 それにつけても今回はカンザブロウ襲名披露の『シラナミ五人オトコ』の時のように着物姿の方やカブキファンの方がかげを潜めていた。

 舞台好きの、近場のご年配の方が多く観られた。

 イヤホンガイドを借りられている方も多く、カブキが初めてという方も結構多かったような気がする。

 初めてきつねびを一階席で観た方は何がなんだかわからなかったのではないか・・・

 イヤホンガイドを借りられた方はイメージで場面を補われただろう。

 だが、何度かこの演目を観たことのある私も、観ている私も面白みは半減以下であった。

 しかし・・・

 イヤホンガイドも借りておられない方は、わかるのであろうか・・・・

 

 誠にお気の毒としかいいようがない。




 表現法を考えるのは、大道具山野演出家の今後の課題だということを念頭においてこの芝居に挑んでいただきたい。





 それにしても今回のミソノ座の観客の方の中には、始終イヤホンガイドの説明のままにを、奥さんに伝えておられる方がいらっしゃった。

 非常に耳障り。

 真後ろのご年配のご夫婦だったので、とんだ災難だった。

 まあ良いようにに考えるならば、借りたことのない私にとって、ガイドの方法や内容が少しわかったかな?

 意識して舞台に集中することに専念するのは大変だった・・・
 




 カブキ・イヤホンガイドは 各自借りられたし。


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