映画『雨月物語』1953年 大映 96分 溝口健二監督 川口松太郎脚本 京マチ子 森雅之 水戸光子 田中絹代 上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編にモーパッサンの『勲章』脚色
2019-03-27 | 映画
写真は『化物草子』 ボストン美術館 角川
映画『雨月物語』1953年 大映 96分 溝口健二監督 川口松太郎脚本 上田秋成原作 京マチ子 森雅之 水戸光子 田中絹代
上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色
映画『雨月物語』
何度か見たことのある映画『雨月物語』を楽しむ。
見事な出来栄えで、御伽草子や芝居を見て楽しんでいるような錯覚に陥る。
滋賀県の雰囲気は京都の隣であり、なるかしい感じがする。
戦国時代に思いを馳せ、このような物語もあったのではないかと夢見心地に楽しむこんな自分がいてもいいのではないか。
大映京都撮影所政策の本映画も、近しい親戚が重要なスタッフとして携わっている。
大映映画については子供の頃から幾度となく聞かされていたので、親しみを覚える。
そして、溝口健二監督の印象深い場面の展開の連続と美しい映像、田中絹代さんの言い回し(語り口調)と京マチ子の妖艶な美しさに拍手を送りたい。
今回は記録のみにて失礼申し上げます。
以下のデーターは全てウォキペディアより ▼
監督 溝口健二
脚本 川口松太郎
依田義賢
製作 永田雅一
出演者 京マチ子
森雅之
水戸光子
田中絹代
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
製作会社 大映京都撮影所
配給 日本の旗 大映
公開 日本の旗 1953年3月26日
イタリアの旗 1953年8月20日
アメリカ合衆国の旗 1954年9月7日
上映時間 96分
『雨月物語』(うげつものがたり)は、1953年(昭和28年)3月26日公開の日本映画である。
大映製作・配給。監督は溝口健二、主演は森雅之、京マチ子。モノクロ、スタンダード、96分。
上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色した。
戦乱と欲望に翻弄される人々を、幽玄な映像美の中に描いている。
第13回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。
村にて
近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。義弟の藤兵衛は、侍になりたいと源十郎に同行する。源十郎は大銭をもって村へ帰ってきた。藤兵衛は市で見かけた侍に家来にするよう頼み込むが、具足と槍を持って来いとあしらわれる。
源十郎は戦が続くうちに、さらに焼物を作り大儲けをしようと、人が変わったように取り組むが、宮木は親子3人が幸せに暮らせればそれで充分なのに、とつぶやく。源十郎と藤兵衛は焼物を窯へ入れ、火を付けるが、折り悪く柴田勝家の軍勢が村へ近づいて来た。男は人足として徴用され、女は乱暴される、と村の人々は山へと逃げだす。窯の火は消えていたが、焼物は綺麗に焼けていた。
離散
皆は裏道を使い湖畔に出て、そこから捨て船で対岸の丹羽氏の城下・大溝へ向かうが、海賊に襲われたという瀕死の男が乗る船と出会い、宮木と子はやはり村へと返すことにする。大溝で源十郎の焼物は飛ぶように売れる。分け前を手にした藤兵衛は、今度こそ侍になるのだと、阿浜を振り切って逃げ出し、具足と槍を買って兵の列に紛れる。探し疲れた阿浜は兵の集団に捕まり、強姦された。兵から代金だと銭を投げ捨てられた阿浜は、藤兵衛を呪う。
市で焼物を届けるように頼まれた源十郎は、若狭という上臈風の女の屋敷へ向かうが、座敷へ上げられ、饗しを受けた。織田信長に滅ぼされた朽木氏の生き残りであるという若狭に惹かれ、源十郎はこの家に居つく。
そのころ、湖岸で別れた宮木と子は落武者勢に見つかり、宮木は槍で一突きされ殺されていた。いっぽう、藤兵衛は戦に敗れ切腹した敵大将の首を拾い、手柄を立てた。馬に乗り家来を連れて村へと凱旋しようとする途中で寄った宿で、遊女に成り下がった阿浜に出会い、許しを乞う。
町の着物屋で源十郎は買い物をするが、朽木屋敷へ届けるよう言うと、店の主は恐れ代金も受け取ろうとしない。帰り道では神官から死相が浮かんでいる、家族の元へと帰りなさいと諭され、死霊が触れられぬように呪文を体に書いてもらう。家族の元へと帰りたいと切り出した源十郎を若狭は引きとめようとするが、呪文のために触れることができない。源十郎は倒れ、気を失う。
帰還
翌朝、源十郎は気が付くと朽木家の屋敷跡だという野原の中で目を覚ます。金も侍に奪われた源十郎は村へ戻るが、家々は荒らされ、家族の姿もなかった。源十郎は囲炉裏で飯の用意をする妻の宮木の幻を見て、自らの過ちを悟る。阿浜と村へ帰った藤兵衛が畑を、源十郎は焼物作りに取り組んでいるシーンで映画は幕を閉じる。
スタッフ
監督:溝口健二
製作:永田雅一
企画:辻久一
原作:上田秋成
脚本:川口松太郎(「オール讀物」所載)、依田義賢
作詞:吉井勇
撮影:宮川一夫
録音:大谷巌
照明:岡本健一
美術監督:伊藤熹朔
音楽監督:早坂文雄
音楽補佐:斎藤一郎
風俗考証:甲斐庄楠音
能楽按舞:小寺金七
陶技指導:永楽善五郎
和楽:望月太明吉社中
琵琶:梅原旭濤
編集:宮田味津三
助監督:田中徳三
キャスト
若狭:京マチ子
阿浜(映画の出演者紹介では「阿濱」):水戸光子
宮木:田中絹代
源十郎:森雅之
藤兵衛:小沢栄(俳優座)
老僧:青山杉作(俳優座)
丹羽方の部将:羅門光三郎
村名主:香川良介
衣服店主人:上田吉二郎
右近:毛利菊枝
神官:南部彰三
自害する武将:光岡龍三郎
梅津の船頭:天野一郎
武将:尾上栄五郎
家臣:伊達三郎
目代:横山文彦
村の男:玉置一恵
源市:澤村市三郎
具足商人:村田宏三
鎧武者:堀北幸夫、清水明、玉村俊太郎、大崎史郎、千葉登四男
遊女屋の鎧武者:大國八郎
遊女屋の客:三浦志郎、越川一、三上哲
敗残兵:藤川準、福井隆次、石倉英治、武田徳倫、神田耕二
徴発の兵:菊野昌代士、由利道夫、船上爽
徴発される男:長谷川茂
遊女:大美輝子、小柳圭子、戸村昌子
待女:三田登喜子、上田徳子
余吾川の老婆:相馬幸子
遊女宿の老女:金剛麗子
映画『雨月物語』1953年 大映 96分 溝口健二監督 川口松太郎脚本 上田秋成原作 京マチ子 森雅之 水戸光子 田中絹代
上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色
映画『雨月物語』
何度か見たことのある映画『雨月物語』を楽しむ。
見事な出来栄えで、御伽草子や芝居を見て楽しんでいるような錯覚に陥る。
滋賀県の雰囲気は京都の隣であり、なるかしい感じがする。
戦国時代に思いを馳せ、このような物語もあったのではないかと夢見心地に楽しむこんな自分がいてもいいのではないか。
大映京都撮影所政策の本映画も、近しい親戚が重要なスタッフとして携わっている。
大映映画については子供の頃から幾度となく聞かされていたので、親しみを覚える。
そして、溝口健二監督の印象深い場面の展開の連続と美しい映像、田中絹代さんの言い回し(語り口調)と京マチ子の妖艶な美しさに拍手を送りたい。
今回は記録のみにて失礼申し上げます。
以下のデーターは全てウォキペディアより ▼
監督 溝口健二
脚本 川口松太郎
依田義賢
製作 永田雅一
出演者 京マチ子
森雅之
水戸光子
田中絹代
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
製作会社 大映京都撮影所
配給 日本の旗 大映
公開 日本の旗 1953年3月26日
イタリアの旗 1953年8月20日
アメリカ合衆国の旗 1954年9月7日
上映時間 96分
『雨月物語』(うげつものがたり)は、1953年(昭和28年)3月26日公開の日本映画である。
大映製作・配給。監督は溝口健二、主演は森雅之、京マチ子。モノクロ、スタンダード、96分。
上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色した。
戦乱と欲望に翻弄される人々を、幽玄な映像美の中に描いている。
第13回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。
村にて
近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。義弟の藤兵衛は、侍になりたいと源十郎に同行する。源十郎は大銭をもって村へ帰ってきた。藤兵衛は市で見かけた侍に家来にするよう頼み込むが、具足と槍を持って来いとあしらわれる。
源十郎は戦が続くうちに、さらに焼物を作り大儲けをしようと、人が変わったように取り組むが、宮木は親子3人が幸せに暮らせればそれで充分なのに、とつぶやく。源十郎と藤兵衛は焼物を窯へ入れ、火を付けるが、折り悪く柴田勝家の軍勢が村へ近づいて来た。男は人足として徴用され、女は乱暴される、と村の人々は山へと逃げだす。窯の火は消えていたが、焼物は綺麗に焼けていた。
離散
皆は裏道を使い湖畔に出て、そこから捨て船で対岸の丹羽氏の城下・大溝へ向かうが、海賊に襲われたという瀕死の男が乗る船と出会い、宮木と子はやはり村へと返すことにする。大溝で源十郎の焼物は飛ぶように売れる。分け前を手にした藤兵衛は、今度こそ侍になるのだと、阿浜を振り切って逃げ出し、具足と槍を買って兵の列に紛れる。探し疲れた阿浜は兵の集団に捕まり、強姦された。兵から代金だと銭を投げ捨てられた阿浜は、藤兵衛を呪う。
市で焼物を届けるように頼まれた源十郎は、若狭という上臈風の女の屋敷へ向かうが、座敷へ上げられ、饗しを受けた。織田信長に滅ぼされた朽木氏の生き残りであるという若狭に惹かれ、源十郎はこの家に居つく。
そのころ、湖岸で別れた宮木と子は落武者勢に見つかり、宮木は槍で一突きされ殺されていた。いっぽう、藤兵衛は戦に敗れ切腹した敵大将の首を拾い、手柄を立てた。馬に乗り家来を連れて村へと凱旋しようとする途中で寄った宿で、遊女に成り下がった阿浜に出会い、許しを乞う。
町の着物屋で源十郎は買い物をするが、朽木屋敷へ届けるよう言うと、店の主は恐れ代金も受け取ろうとしない。帰り道では神官から死相が浮かんでいる、家族の元へと帰りなさいと諭され、死霊が触れられぬように呪文を体に書いてもらう。家族の元へと帰りたいと切り出した源十郎を若狭は引きとめようとするが、呪文のために触れることができない。源十郎は倒れ、気を失う。
帰還
翌朝、源十郎は気が付くと朽木家の屋敷跡だという野原の中で目を覚ます。金も侍に奪われた源十郎は村へ戻るが、家々は荒らされ、家族の姿もなかった。源十郎は囲炉裏で飯の用意をする妻の宮木の幻を見て、自らの過ちを悟る。阿浜と村へ帰った藤兵衛が畑を、源十郎は焼物作りに取り組んでいるシーンで映画は幕を閉じる。
スタッフ
監督:溝口健二
製作:永田雅一
企画:辻久一
原作:上田秋成
脚本:川口松太郎(「オール讀物」所載)、依田義賢
作詞:吉井勇
撮影:宮川一夫
録音:大谷巌
照明:岡本健一
美術監督:伊藤熹朔
音楽監督:早坂文雄
音楽補佐:斎藤一郎
風俗考証:甲斐庄楠音
能楽按舞:小寺金七
陶技指導:永楽善五郎
和楽:望月太明吉社中
琵琶:梅原旭濤
編集:宮田味津三
助監督:田中徳三
キャスト
若狭:京マチ子
阿浜(映画の出演者紹介では「阿濱」):水戸光子
宮木:田中絹代
源十郎:森雅之
藤兵衛:小沢栄(俳優座)
老僧:青山杉作(俳優座)
丹羽方の部将:羅門光三郎
村名主:香川良介
衣服店主人:上田吉二郎
右近:毛利菊枝
神官:南部彰三
自害する武将:光岡龍三郎
梅津の船頭:天野一郎
武将:尾上栄五郎
家臣:伊達三郎
目代:横山文彦
村の男:玉置一恵
源市:澤村市三郎
具足商人:村田宏三
鎧武者:堀北幸夫、清水明、玉村俊太郎、大崎史郎、千葉登四男
遊女屋の鎧武者:大國八郎
遊女屋の客:三浦志郎、越川一、三上哲
敗残兵:藤川準、福井隆次、石倉英治、武田徳倫、神田耕二
徴発の兵:菊野昌代士、由利道夫、船上爽
徴発される男:長谷川茂
遊女:大美輝子、小柳圭子、戸村昌子
待女:三田登喜子、上田徳子
余吾川の老婆:相馬幸子
遊女宿の老女:金剛麗子
日本は、保安隊、警察予備隊、自衛隊と再軍備を行おうとしていた.
そして、朝鮮戦争で大儲けした日本は、経済的に戦後復興を果した.
百姓の男
百姓の男は、武士=軍人になって出世を夢見た.
彼は仲間の金を持ち逃げして武具を揃えて、望み通り武士になった.そして、自決した大将の首を持ち帰る家来を刺し殺して、大将首を手に入れて出世したのだった.が、その頃、彼の妻は娼婦に身を墜していた.
この男、なぜ出世を望んだかと言えば、妻に自慢したかったに過ぎなかった.愚かさに気がついた彼は、妻と手を取り合って故郷に帰っていった.
陶芸師
陶芸師は戦争に乗じて金儲けを企んだ.そして見事に大金を手に入れたのだが.....
彼は、戦争によって滅んだ武家の娘の亡霊に取り付かれてしまった.人から言われても自分の愚かさに気付くことが出来ず、取り殺される寸前になってやっと逃げ出したのだった.けれども家に戻ってみると、妻は落ち武者に殺されてしまっていた.
この映画も何度見ても味わえる作品の一つだと感じます。
それにしても皮肉な運命ですね。
作人が上質に描かれており、酢壊れます。
bakeneko様のコメントを拝見させていただき、こう言った映画をもっと見て見たいと感じました^^
労働者の実態に光を当て、彼らに対する教育の必要性を説くことを業とする
『居酒屋』は、この言葉で始まります.
簡単に言ってしまえば、フランスの義務教育は、ゾラの『居酒屋』が引金となって実現しと言ってよいようです.
そして義務教育が、フランスにおける革命の重大な変換点に、革命が成熟して行く道を辿る事になりました.
永井荷風
エミール・ゾラはドレフュス事件と言う警察がでっち上げた冤罪事件を、新聞に意見広告を出して糾弾しました.
それに対して永井荷風は、大逆事件に対して何も出来なかった自身を恥じて、小説を書くのを止めました。
永井荷風はエミール・ゾラから多くを学んだはずであり、溝口健二は永井荷風からエミール・ゾラを学んだのであろうと私は考えています.
『居酒屋』にしろ、ドレフュス事件にしろ、作家として、あるいは一人の人間として社会に貢献する事の重要さを、エミール・ゾラは実践して見せました。
映画を通していかに社会に貢献すべきか、溝口健二はエミール・ゾラから学んだのだと思われます。
私のブログです.よろしかったらお越しください.
https://blog.goo.ne.jp/sunaoni
また、リンクも感謝いたします。
時々伺わせていただきたいと思います。
溝口健二監督は私は好きな作品が多いです^^
とはいえ、ほんのわずかしかめてないのかもしれません。
はじめは、衛星劇場などで、日本の古い映画を見て、ワクワクしていた。
そんなまだ2,30年にも満たない歴史の朝さなんですよ。
邦画は好きで学生時代から時々めていました。
「鬼畜」の時代です^^
あまり古い映画は知らないのですが、親戚に映画関係者が二人(母型のいとこと、父の弟)いました。
いずれも美術監督などの美術関係者です。
一人は大映映画で、羅生門や源氏物語 浮舟など50作以上は手がけていたようです。
そんな関係で古き良き時代の映画も見て見たいなという気持ちは強いのですが、良き時代の映画のことをほとんど知りません。
恥ずかしいことに、出演されている役者さんたちも知らない方が多い、そんな頼りなさです。
bakeneko様には色々と知らないことをご教授いただき、感謝しています。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
近日中に何か良き時代の映画を見て見たいと思います。