乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

89; 『縄文・夷文化を探る 日本の深層』  梅原猛著 赤坂憲雄先生解説 集英社文庫

2009-06-26 | 読書全般(古典など以外の一般書)
 記録だけ  2009年度 89冊目          



    『縄文・蛦夷文化を探る 日本の深層』
    
      


 梅原猛 著   
 赤坂憲雄先生 解説


 1994年6月25日 初版

 集英社文庫

 295ページ 580円E   



 ただいま 梅原猛著の『縄文・蛦夷文化を探る 日本の深層』を読了。

 エッセー風な記述。簡単なのに三度に分けて読む(笑み)
     思う
     かも知れない
     考えられる
が連記。若干の悶々とした気分も脱ぐ生けれない。知人に話すと。
「『思う』が多いのでしょう。」
と一笑される始末。

 梅原猛氏といえばマスコミでも京都でも巨匠の中の巨匠。大先生である。内容はためになったとここでは書いておこう・・・。


 こんな気持ちを見抜いているかのような赤坂憲雄先生。赤坂憲雄先生は 私のとても好きな尊敬している学者さんの一人。この本は赤坂憲雄先生が解説されていた。ラッキー。解説を読んで、こういった本の挑み方、読む姿勢を学ぶ。

 赤坂先生は、次のように書かれていた。



 【『日本の深層』は・・・。大胆不適な、と称していい仮説書。いやあえていうならば予言の書である。・・・(省略)】

 【梅原さんは哲学の人であり、詩人である。・・・柳田や折口信夫がそうであったごとく、それまでに誰にも気づかれず秘め隠された真実(もの)を、原石のままに掘り起こすことを任務とす人、それが予言の人の意味・・・(省略)
        ↓
  原石つまり仮説をあげへつらうのは,じつにたやすい。・・・(省略)
        ↓
  ・・・(省略)私の読みの作法はここでも,この著書が秘める可能性への振幅において読むことだ。・・・(省略)】


 そうか。『私の読みの作法はここでも,この著書が秘める可能性への振幅において読むことだ。』・・・か。こういった表現の方法があることに感動する。赤坂憲雄先生は真の実力者なのではないかと,この解説を通じて新たに感じた。


『縄文・蛦夷文化を探る 日本の深層』は
     【穴に住む→住むのではなく墓】
などの私には納得のいかない記述も多かったが、本書に二度もでてきた
     【『壷』は『女』である】
     【日本人の顔の変化】
などの知らない内容もあり,ためになった。最後の赤坂憲雄先生の解説を噛み砕いて読むとかなり面白く感じる。仮説に対する読み方の姿勢を知る上で,この本をお薦めする。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする