乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

81; 『地球怪色紀行』  小泉武夫 著  光文社知恵の森文庫

2009-06-10 | 読書全般(古典など以外の一般書)
 記録だけ  2009年度 81冊目          



    『地球怪色紀行』



 小泉 武夫 著

 2006年4月15日 第2版

 光文社知恵の森文庫

 277ページ 629円+税   

                                            


 本日の二册目は小泉武夫著の『地球怪色紀行』。沖浦 和光先生を楽しんだ後だったので,雑誌感覚で気楽に読む。何のことはない。巻末に「1999年/文藝春秋刊」とある。(爆)

 小泉武夫さんは東京農大の醗酵学、食文化論の教授をされているという。私の愛する開口健を文筆の師とあおがれているそうだが、食や生き方など感覚的資質は全く異質のものであったように感じる。滋賀のシジミ汁路線で突っ走ってくれれば,好きだったかな。

 珍しい食文化や内容については興味深く面白かった。ただ,親父ギャグとハショッタ感覚とグロを表にだした部分と女のにおいがしないところがいただけない。翌日の虫歯にはまった数の子の話などは聞くに堪えない。この話を娘に話すと、
「きたない!!聞きたくない話だわ!」
の一言。
 小泉武夫さんの教養とお金儲けの狭間でのジレンマも感じとれる文脈に出会い,ほっとする文脈もある。出版社に頼まれイージーな方向性をとられているように感じるが,「醗酵食」に関する論文は多少覗き見たいもする。

 小泉武夫さんは仲間の多い方であろう。開口健もまたしかり。違いは、同性にも異性にモテル男性である。

 今回は少々辛口で記録したように感じるが、一冊を読み終えて楽しい時間を過ごせたことに気づく。「開口健を文筆の師と仰ぐ」とカバーの表開きそうそうに書き加えてあったことが,私には納得できなかっただけかも知れない。小泉武夫さんそのものは人間味あふれた目の美しい方である。

 
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80; 『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』  沖浦和光 著  文春新書 497

2009-06-10 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登

 記録だけ  2009年度 80冊目          



    『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』



 沖浦 和光

 2007年6月25日 第2版

 文春新書 497

 290ページ 850円+税   

                                            


 沖浦 和光先生著の『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』 を本日読了。沖浦先生の本は 『竹の民族誌』『「芸能と差別」の深層』に続いて三冊目。私は民俗学関係で方と先生という呼び方を使用している。最近では だいたい先生づけしている方は,好きな学者である。

 本書も『「芸能と差別」の深層』と同様、芸能特に歌舞伎に関する話が多い。沖浦先生は相当の見巧者であり,私の用な初心者でさえ歌舞伎の世界へと誘い込まれる。それも,歌舞伎の発祥の部分から詳しく述べられ、今まで読んだどの本よりも詳しく掃除の芸能役者の立場やおかれた状況は理解できる。

 興味深いのは歌舞伎を始めた者。一般的に出雲の阿国と知られており,私も疑いを持ってなかった。が、沖浦 和光先生によると 大和の元天理にいたという漂流巫女が元だという説もあると言うのである。私似は詳しくはわからないので,これに関してご存知の方がいらっしゃいましたらお教え下さいますればありがたいです。

 今回も夏目漱石や永井荷風に付いてもふれられていた。沖浦 和光先生長期にわたる大きなの時代の流れにおける一筋のものの見方が好きだと感じる。

『「悪所」の民俗誌  色町・芝居町のトポロジー』 には遊女の話も多く出てきた。アムステルダムまで話が広がり,学生時代に観た夜の異国の女たちの窓明かりに懐かしさを覚えた。

 歌舞伎の演目はてんこもり。好きな芝居も次々に出てきて,うれしさはこみ上げる。挿絵の浮世絵『四代目 松本幸四郎』(東洲斉写楽・画 234)には魅せられた。
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