乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

85; 『薔薇園(グリスターン)―イラン中世の教養物語 』サーディー 蒲生礼一訳 東洋文庫 12

2009年06月19日 | 読書全般(古典など以外の一般書)
 記録だけ  2009年度 85冊目          



    『薔薇園(グリスターン)―イラン中世の教養物語 』 サアディー
    
      



 サアディー 著

 蒲生礼一 訳

 昭和39年2月10日 初版

 平凡社

 東洋文庫 12

 412ページ ?1800円~+税   



 サアディーの『薔薇園 イラン中世の教養物語 』。これは家族の書棚にあったもの。十五日から読み始め、昨晩は一睡もせず読み続ける。軌道に乗り集中すると、途中で読むことを止めることはできない。今朝十一時に読了。気がつくと、十九日予定の大切な講座をとうにすぎていた。(汗)

 面白い話だが理解しがたいものも多く、五、六回読むものも多い。イランのようすを思い浮かべながら読むと、実に時間がかかった。薔薇や糸杉やナツメを引用したものも多く、イランのこれらに対する思い入れも感じ取れる、フクロウはイランでは凶あるいは災いの鳥。日本とが感覚って着に逆。駱駝(ラクダ)や驢馬(ロバ)も度々出る。托鉢僧という訳語が多用されていたが、このことばが好き。モスク内で本を持ち歩く知性的で重々しい托鉢僧が心地よく思い浮かぶ。

 かなり説教臭い話からしゃれた話、面白い話、納得のいく話と様々な感想を持つ。

「第五章 愛と青春期」ではイランには◯◯好きが多く、また若嫁好みの傾向をも感じ取れる。少々過激な話があるかと思えば、次章で対句となっているらしい。にもかかわらず、対句の部分に対して、「此処では省いておく」と言った訳者の恥じらいにほくそ笑んだ。

『マジュヌーン』ライラーに興味あり。一度書物を手に取ってみたいな。

 イラン的感覚教訓をサアディーの立場からとらえた、質の良い秀作古典寓話。
 

 
   
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ねぶた祭のねぶた(ねぷた)の由来 /「ねむは流れろ、豆の葉 止まれ~。」

2009年06月19日 | 民俗考・伝承・講演

             (写真は合歓の木です。花が小さくてごめんなさい。)







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   「ねむは流れろ、豆の葉 止まれ~。」
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 写真は合歓の木です。

 この合歓の木、ねぶた祭のねぶた(ねぷた)には学者によっていろんないろいろな言い伝えがありますが、その一つとして、『合歓の木』(眠気)があります。

 ねぶた祭は青森。旧暦の七夕頃です。

 この頃は夏の暑さで体も疲れ眠りたくなる。人々は、
「ねむは流れろ、豆の葉 止まれ~。」
と言い、眠気を川に流したと言うのです。これが『ねぶた流し』、つまり『眠流し』として同音の『合歓の木』を使ったようです。

 この時期、こういった風習は日本各地で認められます。秋田竿燈や仙台七夕はめぶた祭とあわせて東北三大祭です。川に笹谷人形を流し邪気を払う。また、今では環境問題もあり少なくなったでしょうが、七夕の飾り終えた跡の笹を川に流していたのも同様の意味合いがあります。これら川に流す行事や俗習を考えると、七夕の天の川のイメージをもかねあわせているのではないかと思われます。生活に密着した呪術的な要素と織り姫・彦星のロマン。考考えると、先人も合理的且つ夢見御故知の小粋さが読み取れますね。

 あと三週間もすれば現代の暦では七夕ですね。七月と旧暦の七夕には是非晴れて欲しいものです。織り姫と彦星の逢瀬の日ですもの、ね!


コメント (2)
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