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『フィガロの結婚 』4 あらすじ 第三幕
第3幕
スザンナはマルチェリーナの引き起こした混乱から逃れるため、奥方と相談して2人だけで伯爵を罠にかけようと考えた。
まずは、伯爵に今夜の結婚式のあと2人で会う約束を承諾する。
伯爵とスザンナの駆け引きを歌う二重唱が終わると伯爵は去る。
そこへ裁判に出るフィガロ が登場。
フィガロ に「裁判に勝たなくても結婚できるわよ」と耳打ちするのを聞いた伯爵は一人でそれを怪しみ、さらに「わしがため息をついて嘆いている間に家来が幸せになるのか」と憤慨しつつ、自分の意地を通そうと決意し、法廷に入っていく。
ついに裁判が終わって、一同退廷してくる。
伯爵の言いなりの裁判官は当然マルチェリーナの訴えを認める判決を下したのだ。
さあ、借金を払うか私と結婚するかだとせまるマルチェリーナに対し、フィガロ は「俺は貴族の出だから親の許しがないと結婚はできない」と食い下がる。
いいかげんなほら話だと思った伯爵たちが、「では証拠を見せろ」と言うとフィガロ は「幼いときにさらわれたので親はわからないが、かくかくしかじかの服を着ていて腕には紋章がある」、などという。
これを聞いたマルチェリーナはなぜか真っ青になり、フィガロ に右腕を見せろという。
何故右腕だと知っているんだと思いながらフィガロ が腕を見せると、マルチェリーナは慌てる。
それもそのはず、フィガロ は盗賊に盗まれたマルチェリーナの赤ん坊だったのだ。
しかも父親はバルトロだという。
つまり、昔、フィガロ はバルトロ家の女中をしていたマルチェリーナにバルトロが生ませた子だったのである。
「親子か?それでは結婚は成立しない」と判事が判決を取り消す。
親子とわかった3人は抱き合って喜ぶ。
ここで有名な六重唱「この抱擁は母のしるし」(スザンナ・フィガロ ・マルチェリーナ・バルトロ・伯爵・ドン・クルツィオ)が始まる。
そこにスザンナが走りこんでくる。
「奥様からお金を借りたので、フィガロ の借金を返します」といってそこを見ると、なんとフィガロ がマルチェリーナと抱き合っている。
早くも心変わりしたのかとカッとなったスザンナ、「違うんだ実は訳があるんだ」と近寄るフィガロ の横っ面をいきなり張り倒す。
マルチェリーナがスザンナに向かって、「さあさあ、お義母さんを抱いておくれ」というのを聞いて何のことかわからないスザンナが皆に「彼の母親ですって?」と聞くと皆口々に「彼の母親なんだ」と答える。
おまけにフィガロ がバルトロを、お義父さんだというので、ますます混乱したスザンナが同様に聞き返し、皆が肯定する。
最後はどうにか納得したスザンナとフィガロ たち親子が幸福に歌い交わし、作戦に失敗した伯爵と判事(どもりつつ)が失望して歌うが、これをひとつの曲に見事に納めているわけである。
この曲はモーツァルト 自身もお気に入りだったという。バルトロとマルチェリーナは、この際だからということでフィガロ たちと同時に結婚式をあげることになった。
場面変わって奥方の部屋である。
ロジー ナは伯爵と結婚した当時の幸せな日々を回想し、今の身の上を嘆いている(レチタティーヴォ とアリア「あの楽しい思い出はどこに」)。
注:このアリアは本来は裁判の場面の前に置かれていた。
しかし、初演時にアントニオとバルトロが一人で演じられていたため、着替えの時間を確保するために現行版の曲順になったという説が最も有力である。
現在は本来あるべき曲順で演奏されることが多い。
そこにスザンナが登場し、さきほどの急展開を報告する。
あとは伯爵を懲らしめるだけであり、これはフィガロ にも内緒の作戦となった。
スザンナが伯爵に今夜会う場所を知らせる手紙を書く(手紙の二重唱「Sull'aria ...che soave zeffiretto そよ風によせて…」)。
再び場面が変わって、屋敷の広間に皆が揃い、結婚式が始まろうとしている。村娘が大勢登場し伯爵夫人に感謝を捧げて花束を贈る。
ひとりひとりから花束を受け取って頬にキスしていると、一人だけ顔を紅潮させてもじもじしている少女がいる。
夫人がスザンナに「どこかで見た人と似ているわね」「ええ、そっくりですわ」などと話していると、そこに庭師アントニオが登場。
その少女のヴェールを剥ぎ取るとそれはケルビーノだった。
「おまえは連隊に行ったはずだが」と怒る伯爵に、庭師の娘バルバリーナが「殿様、いつも私に親切にして、キスをしながら、愛してくれたら何でも欲しいものをやるぞと約束してくださいますね。
それならば、是非ケルビーノを私のお婿さんにください」と伯爵夫人の目前でいうので、自分に矛先が回ってきた伯爵は仕方なく望みをかなえることにする。
フィガロ とスザンナ、バルトロとマルチェリーナの結婚式がいよいよ始まった。
結婚式で結婚のしるしに花嫁の頭に花冠をのせるのは伯爵だが、スザンナの時に彼女は先ほど伯爵夫人の部屋で書いた手紙をそっと渡す。式が進んで皆が踊っているときに、伯爵は手紙を開こうとするが、手紙に封をしていたピンが指に刺さって驚く。
その様子を見ていたフィガロ が「誰か伯爵に恋文を出したらしいぜ」とスザンナにいう。宴も盛り上がり、一同で伯爵夫妻を称える合唱で幕となる。