(写真は先日一人で『道切り』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/87667758700262105bfa9a97b69a9a1bを探しに行った時に目指した 奈良の矢田にある山寺『東明寺』です)
『直弧文』
私は学生時代から文様には興味があったのだが、古墳などに関係した考古学関係の文様は全く知らない。
以前、巣山古墳に連れていただいた。
その折、頂戴したパンフレットの喪舟の文様が気になり、奈良の広陵町のガイドの方に訪ねたことがある。
親切に『直弧文』と教えていただき、書物に載せられた文様も見せていただいた。
『直弧文』、それは初めて聞く文様名だった。
『直弧文』は、美しい幾何学模様とともに名前も心に残っていた。
幸運は訪れるものだ。
本日(4/18)。
広陵町文化保存センターの井上義満氏に『直弧文』のお話を聞く機会があった。
一時間程度の短い時間ではあったが、直弧文A型、直弧文B型、直弧文複合型などを丁寧に教えていただいた。
「舟に描かれた直弧文」「舟の構造」「文様」を主軸に話しは展開され、興味深い。
特徴的な舟や呪術的、民俗学的に興味深い舟は、先生の話を聞き、スライドを見ながらながら、手元は(ほとんど)見ずにいくつかクロッキーしておいた。
帰宅後、頂いた資料を丹念に読む。
熊本井寺古墳から出土した直弧文は、ピカソさながらの面白みのある文様だった。
資料はモノトーンだったので、余計にイメージは膨らむ。
早速、拡大コピーした。
これから、色を塗る。
思わぬ方向にまで楽しめる直弧文であった。
最後になりましたが、井上義満先生や関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
▼ 以前記録した『直弧文』との出会いの記録
http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/06a94b0d3d583bd61b90d729a6fc5874
巣山古墳の喪舟
http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/87ccb095a6513f051e7dc5a82f01282f
巣山古墳の喪舟の舷側板が周濠の北東隅から出土したと、パンフレットに載っていた。
舷側板にはよく見かけるような文様が認められる。
しかしながら この文様の名は知らない。
私は広陵町にガイドの方に問うた。
「直弧文ですよ^^」
といって、持たれていた書物を見せて下さった。
なるほど、共通性のある文様だ。
この美しい文様は円文様と帯文様が組み合わされて彫りで描かれている。
加えて、出土した位置方向も教えて下さった。
写真のみどりの部分は古墳の一部。
その古墳の端をくるりと右にカーブしたところから出土したとのこと。
写真の舟の全体像は復元したものらしい。
この舟は『喪船』といい、棺をのせて運んだとのこと・・・。
そう考えると円文様と帯文様の組み合わせも、何かいみがあるのかもしれない。
板には赤が塗られた後が見られるという。
赤の意味合いは大きい。
死者を運んだならば、なおさらである。