(写真は平成19年度大阪市民歌舞伎教室の全員に配られるパンフレット。写真は、『恋飛脚大和往来』の上演台本です。台詞などが細やかに記されており、私にとっては宝物とさえ感じます。)
平成19年度大阪市民歌舞伎教室
『恋飛脚大和往来』
6月17日。
大阪市民歌舞伎歌舞伎(森ノ宮ピロティホール)にいきました。
上村吉弥 さんの歌舞伎解説の後、『恋飛脚大和往来』を観ました。
まずは35分ダイジェスト版の『封印切』(新町井筒屋の場)
その後、いよいよ
孫右衛門 片岡我當
梅川 上村吉弥
忠兵衛 片岡進之介
などの役者さんたちが熱演の『新口村の場』
ダイジェスト版の『封印切』はうまく話をまとめられていましたが、おえんさんの
「ジャラジャラ、ジャラジャラ・・・」
の場面は全てカットされており、少し寂しい気はいたしましたが、いたしかたありません。
封印を切ったときの中兵衛の
「しもた~~~」
や、八右衛門の封印を確かめた後の
『ぶっつ!』
といった大げさな表現は、初めての方にもわかりやすく変えておられ、ある意味とても面白かった。
片岡千次郎さんの中兵衛や片岡りき弥さんの梅川などのように見慣れない役者さんたちの演技を楽しめることも、歌舞伎教室の醍醐味といってよいかもしれません。
雪の場から始まる、新口村の場。
上村吉弥さんの梅川は美しく品良く、また、片岡進之介さんの忠兵衛も含めて、足元の寒さが、こちらにも伝わるような熱心な演技でした。
『新口村の場』の片岡我當さん演じる孫右衛門は今回、素晴らしいものでした。
顔は赤く塗られ、感情が上昇している感じがとてもよく出ていました。
仁左衛門さんとはまた違った味が出ており、片岡我當さんの孫右衛門もなかなかのもので、好きでした。
片岡我當さんの迫真の演技に、会場のあちらこちらから、大向こうさんの
「大当たり~。」
などの声が飛び交い、熱気に包まれた会場は、とても楽しいものでした。
私が見た17日の片岡我當さんは迫力があり、私は何度も身震いし、涙がじんわりと流れるいいお芝居をなさっていました。
『恋飛脚大和往来』はご存知とは思いますが、近松門左衛門が書いた浄瑠璃『冥途の飛脚』をもとに作られました。
寛政八年(一七九六)に大坂で初演された世話物の代表的作品の一つです。
ここではあらすじは省かせていただきますが、何度見ても切なさを感じるお芝居の一つです。
乱鳥の2007年1月 新春大歌舞伎 『恋飛脚大和往来』 感想 ↓http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/98a51fc0172d3ddef17adaee03e6ad3b