日常

「坂東玉三郎講演会―演じるということ―2014」

2014-06-29 10:08:44 | 
明治大学で「坂東玉三郎講演会―演じるということ―2014」を聞いてきました。


遠く離れた壇上だったけれど、坂東玉三郎さんのたたずまいや、存在、歩き方、目の動かしかた、手つき、足の揃え方・・・・全体からも細部からも、かなり強い影響と衝撃を受けた。


おっしゃったことで強く記憶に残ったこと。

・4本柱:物語性、音楽性、構成、個人芸
・「「唄い」は教えられますが「唄い心」は教えられません。」
・「何事にも影響を受けるハートを持っているかどうかが大事でしょうね。」
・「好き嫌いをしないことですね。」
・「世の中に拮抗できない恥ずかしさが生まれた時からありますね。 世間が寝静まるま夜中、この世への違和感を子ども心に毎日感じていました。 その時に感じたこの世とのギシギシに比べれば、その後の人生の、人間関係含めた様々なギシギシは何ともありません。ですから、そういう細かいことはすべて忘れました。ほんとうなんですよ。」
・「根本的な世界とのズレは、芸能を通した人生で自分の中に隠せるようになりました。」
・「この人は自分がいづれ死ぬってことを知っているのかな?と思うことがあります。」
・「花の美しさを感じるときに、この花もいづれ枯れるだろう、ということも同時に感じますね。」
・「自分は、傷ついたわけではなくて、最初から傷がついていたんです。傷が大きくならないように努力しているのです。」
・「自分は常に憧れが遠く彼方にあり続けている。憧れは大事なんじゃないでしょうか。憧れはお持ちですか?」
・「とにかく、自分が至らないんじゃないか、ということを常に理解しておくことが大事だと思います。」


人間は、まず存在の在り方そのものでメッセージを発しているな、と改めて思う。
そこにコトバを添える。コトバがあり方を歪めないように、ありのままを素直に表現するように。

2 コメント

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坂東玉三郎さん (スイッチ)
2014-07-08 11:18:00
・「この人は自分がいづれ死ぬってことを知っているのかな?と思うことがあります。」

この言葉がすごいなあ……。
常に、いづれ死ぬる身であることを
意識されてる方なのですね。きっと。

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振動により (いなば)
2014-07-10 22:32:53
>スイッチさん
そうなんです。
玉三郎さんは、常に生と死がひとつになっているのを、コトバの振動と、存在の振動から、ひしひしと感じましたよ。
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