urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

有栖川有栖『スイス時計の謎』講談社ノベルス

2006年03月29日 | reading
ネタバレ注意。 ダイイング・メッセージ、首なし死体、密室、ロジカルなフーダニットの王道四本立て。どの作品もそれなりにまとまっていて、好印象ではありました。 とは言え…「女彫刻家の首」は卑小に過ぎますし、表題作の論理遊戯とも言うべきロジックの弄び方は、中途半端にリアリスティックな作品世界とうまく馴染んでいないように思われました。あとスノッブに描いてるおっさんたちが全然スノッブじゃないのが笑える。 . . . 本文を読む

綾辻行人+有栖川有栖監修『新本格謎夜会』講談社ノベルス

2006年03月29日 | reading
ネタバレ一応注意。 新本格15周年を記念してのイベントのレポート。 メインとなる「犯人あて」に関しては…クオリティ低い。密室とか糸でやられても…まあ実地で推理するとしたら楽しいのかもしれませんが。本編より「香りのある風景」の梗概のが魅力的だった。あと「潮忍術大学」には「アレクサンダー流忍術学園」思い出して吹いた。見所はそれぐらいw。 まあ収録されたトークショーは面白いよ。竹本健治と山口雅也がタメ . . . 本文を読む

綾辻行人『びっくり館の殺人』講談社ミステリーランド

2006年03月29日 | reading
ネタバレ注意。 綾辻のミステリーランドは、館シリーズの正当なるNo.8。シリーズのタイトルを順番に読み上げていってここに辿り着くと、なんとも口元が綻ぶものですが。 ミステリとしての仕掛けは割とあっさりしたもので、サイコ・ミステリとして力点が置かれているようにも思えます(その意味でも『人形館』に似た質感を感じたのですが)。鹿谷の絡ませ方も含めて、本格としての出来には不満の残る部分もあります。伏線こ . . . 本文を読む