urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

山田正紀『女囮捜査官④嗅覚』幻冬舎文庫

2006年03月19日 | reading
ネタバレ注意。

②③としっちゃかめっちゃかに混迷した状況が提示されましたが、今回は割とオーソドックスで(とは言え、死体の傍に人形が置かれる連続殺人と連続放火事件の絡みなど、凝ってはいるのですが)、警察小説としての面白みに回帰した感じ。ミステリとしては、死体の装飾と麻薬を絡めたアイデア、被害者のやたらとバラエティに富んだ体内残留物の正体を見抜くくだりが評価の対象でしょうか。謎解きの手つきがややぶっきらぼうですが、カタルシスはありました。
ずっとサイコ要素が入ってきてますが、この巻に関しては蛇足ではないかと思いましたね。シンプルなミステリとしても良いものになったのではと思います。

あと…二階堂黎人が解説書いてるのですが…ホンイキの馬鹿だね、こいつは。
なんとも愚かな文章です。笑えるので一読をお勧めします。

作品の評価はB。

女囮捜査官〈4〉嗅覚女囮捜査官〈4〉嗅覚
山田 正紀

幻冬舎 1999-02
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