つーことでね、観てしまいましたよ。
別に取り立ててなんだかんだと言うほどの出来とは思えなかったので、ここは一緒に鑑賞した23才女子、理系大学院生、ちょっとミステリ好き、なCさんの鑑賞中の発言を引用させていただきます。
まあ俺も似たようなこと思ったし。
では以下時系列でどうぞ。
「太一はなんであんなキャラになっちゃったの?」
「栗本は実写化したらあんな感じだよ」
「ファンキーなババアじゃなくなっ . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
なんか昨日ドラマやってたみたいですね。ナイスタイミング。
で、俺んなかでは石田衣良と並んで、「昔から上手くて好きだったけど、売れっ子になるとやっぱり筆が荒れてきて、最近あんまりテンションの上がらない作家」として位置づけられている荻原浩。今作は平成のフリータと昭和の青年海軍兵士の、入れ替わり・タイムスリップ小説。
俺は戦争小説ってあまり読まないんだけど(哀しくなるじゃん)、これ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
勝手に連作でラストに繋がると思ってたので梯子を外された感がありましたが、一話ごとに見ても、それぞれ見所のある短編集です。この作家の、恐ろしく破壊的な過去の作品から見ればおとなしくはありますが、やってることはなかなかに先鋭的。
それぞれの作品に「偶然」が強く作用している。その形を取り出すのがこの作品ににおける名探偵・真紅郎の「シンクロ推理」。どこか人工的なものを感じさせる世界観のな . . . 本文を読む
企画アルバム。
『スカーレット』『LOST IN THE AIR』の二枚のepに、新曲二曲。
そもそもep持ってるわけだし、『PARADISE LOST』に入ってる曲もあるわけで、今更に「クロエ最高!」とか言い直しても意味ないので、新曲とDVDについて。
『PARADISE LOST』からの路線は引き継がれているように思いました。輪郭がクリアで、より肉体的にメロディを走らせる。木下の声も太くなった . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
ドラマと併せて書こうかと思ったんだけど、理系男子っぽいいたなさがまったくないオトコマエ二人に観る気を削がれ(俺あの平岡くんって子が生理的にダメだわ。鳥羽潤以来)、録画だけして寝てしまったので、その話はまたいずれ。
で、小説の方は純粋に「楽しい」作品でした。カリカチュアされた舞台設定、魅力的な「謎」、愛らしいキャラクタ。謎解きはそう高いクオリティのものではありませんが(暗号一 . . . 本文を読む
2006.9.14@名古屋クラブクアトロ
名古屋での単独は初らしいです。音速ラインを観るのは初めてだったので、期待していたのですが…。
客ウザすぎ。
ここまで痛い客層は久しぶりだな。まあ彼らのヌルいMCが呼び込んでる部分も多いし、客とのコミュニケーションからライヴの空気を作っていくバンド、そういう方針、そういう味、と言ってしまえばそれまでなのですが。
楽しく演るのはいいけど、客にナメられた . . . 本文を読む
5thはセルフタイトル。
全10曲。四十分未満で疾走するロックンロール。
前作のような「濃さ」には乏しいが、非常に「踊れる」アルバム。これで11月のワンマンは跳ねまくってきます。
全曲感想。
①ばかやろう
サビは「ばかやろう」のリフレイン。コール&レスポンス経験済み。
詞にもそれが顕著だが、ロックの刹那的な初期衝動を体現する楽曲。ここにきてパンクに先祖返りか。
ライヴでもピークになるだろね。
. . . 本文を読む
ネタバレ注意。
ハードボイルド、あるいは恋愛小説を主戦場とする直木賞作家の、唯一の本格作品。この作家の作品は初めて読んだのですが、残念ながらやはり、余技は余技でしかないな、という印象でした。
死体にパパイヤ被せられてたりする謎は魅力的ながら、解決があまりにも粗雑。込み入った物理トリックってやつは個人的に好きじゃなくて、どうしても点は辛くなってしまうのですが。タイトルから連想される「意外な動機」に . . . 本文を読む
ネタバレ特になし。
いつも以上。いつも異常。
この作家らしい、パルプ・フィクションと呼ぶことさえ躊躇われる「激安」ストーリー。今回は昭和史をなぞって激安人物大量登場。さらにはプラスしてエログロ五割増しで大量投入。特に一章は読んでて気分悪かった。
『なぎら☆ツイスター』みたいに物語としての面白さがあるわけでもなく、ただただ「安い」。こんなもん読むのは完全に時間の無駄だし、もちろん得るものなどなにも . . . 本文を読む
CDです。
ラーメンズの代表ネタ、「日本語学校」からアフリカ編、中国編、フランス編、イタリア~バリ編と、『ALICE』の「不思議の国のニポン」を収録。
…まあ、コレクターズ・アイテムだと思いますが。DVD観れるならそっちのが全然良いと思います。しかし「うんこ!」の連発とか、「ムーブメント・滋賀。届いてないねー」ってあたり引っ張りまくりなど、やや危険に走ってる部分は面白かったです。「登記五輪」引っ張 . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
夢水清志郎のシリーズが文庫に。これは嬉しい。
伏線があからさま過ぎ。トリックが素直過ぎ。…などと、オトナのミステリ読みとしてぐだぐだと言うのが恥ずかしくなるほど、物語として良くできています。読んでいて純粋に「面白い」と感じられるということ、それはジュブナイルとして何より大切なことでしょう。まあ犯人もその意図も、早い段階で見抜けてしまうんだけど…って、また言ってしまった。
しか . . . 本文を読む
本来の意味でのヒューマン・ドラマ。
ついに「神」っつってぶっちゃけ始めたね。最初っから寓意は明らかだったけどさ。
しかしこの巻ではストーリーにあまり凄みを感じず。今までの傑作オンパレードがある意味異常だったけれども。
佳作と評価するのは二編。「ルキ・イスカリオテ」のラストの感動。そして「夫・恭平、妻・瑠璃子」のラストのダイナミズム。某テニスマンガの作者はこれを100回読んで、漫画表現における大ゴマ . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
という訳でこんな時でもないと読まねえと思って、鯨作品と続けて読んでみました。しかし鯨は、なんで「閉じた空」に「白い月」を使わなかったんだろ。ちょっとハマり過ぎってぐらいにハマってるけどなあ。
「天上縊死」なんかはどっかで読んでて、その不穏さから勝手に印象の良い詩人でしたが、ちゃんと読んでみたらやっぱり肌に合う感じでした。死・病・狂気・夢幻といったモチーフ、色濃い「都市」の空気。今 . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
萩原朔太郎を探偵役に据えた連作短編集。いつものようなギャグの連打は気持ち控えめで、大正時代のしっとりした感じを出そうという努力の跡は窺えるも、結局『太陽に吠えろ!』のパロディやっちゃったり(解説で言われるまで気付かんかったが)、通常の鯨バカミスに漸近しているのはご愛嬌。
各話の事件から着想を得た、という設定で、実際の詩作が巻末に置かれる構成。このあたりのカラミが作品のポイント . . . 本文を読む
ネタバレ注意。
なんか星が丘三越でやってた。安いし邦画観るにはいいね、あの映画館。
ポップでサイケデリックな色彩と、音楽の洪水。ものすごく悲惨な転落物語であり、胸が悪くなるような凄惨なシーンもありアホほど濃密な映画だが、最後には胸に残る「清清しさ」が印象的な一大エンタテインメント巨編。
『下妻物語』は好きな映画だったので、期待していました。CM上がりの映画監督ってのは割と好きなんですよね。色彩 . . . 本文を読む