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ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

はやみねかおる『そして五人がいなくなる』講談社文庫

2006年09月07日 | reading
ネタバレ一応注意。

夢水清志郎のシリーズが文庫に。これは嬉しい。
伏線があからさま過ぎ。トリックが素直過ぎ。…などと、オトナのミステリ読みとしてぐだぐだと言うのが恥ずかしくなるほど、物語として良くできています。読んでいて純粋に「面白い」と感じられるということ、それはジュブナイルとして何より大切なことでしょう。まあ犯人もその意図も、早い段階で見抜けてしまうんだけど…って、また言ってしまった。
しかしそれも、表紙ならびに口絵でのネタバレ全開っぷりを見れば、この作家において「真相をその解決まで隠し通す」ことが創作上まったくウェイトを置かれていないのは明らか。登場人物表が35Pにあることに対して、スレたミステリ読みならピンとくるだろうし、「俺、目次だけ見て分かったよ」的なこと言いそうだから、それに機先を制したのではないかとさえ思われる。
…読んでる人の九割が何言ってるか分からんだろな。この文章。

作品の評価はB。

そして五人がいなくなる<名探偵夢水清志郎事件ノート>そして五人がいなくなる<名探偵夢水清志郎事件ノート>
はやみね かおる

講談社 2006-07-12
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