urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

萩原朔太郎『萩原朔太郎詩集』ハルキ文庫

2006年09月05日 | reading
ネタバレ注意。

という訳でこんな時でもないと読まねえと思って、鯨作品と続けて読んでみました。しかし鯨は、なんで「閉じた空」に「白い月」を使わなかったんだろ。ちょっとハマり過ぎってぐらいにハマってるけどなあ。
「天上縊死」なんかはどっかで読んでて、その不穏さから勝手に印象の良い詩人でしたが、ちゃんと読んでみたらやっぱり肌に合う感じでした。死・病・狂気・夢幻といったモチーフ、色濃い「都市」の空気。今現在読んでその「新しさ」を感じることは(少なくとも僕は)できませんでしたが、当時は画期的であったのだろうと思います。
後期の文語より『月に吠える』『青猫』の口語のが遥かに良い。散文では「死なない蛸」、長い詩では鯨作品のところでも触れた「古風な博覧会」、切れ味では「贈物にそへて」が最もお気に入りでした。

《兵隊どもの列の中には、/性分の悪いものが居たので、/多分標的の図星をはづした。/銃殺された男が、/夢の中で息を吹きかへしたときに、/空にはさみしいなみだがながれてゐた。/『これはさういふ種類の煙草です』》(「贈物にそへて」)

あと朔太郎といえば思い出すことがあって。むかし「おしん」の二番煎じみたいな朝ドラがあって(「すずらん」だったかしら)。その中で奉公してる主人公の少女が、病床の友人に「竹」を暗誦して聞かせるお涙頂戴シーンがあったんだけど、ホン書いた奴はこの詩最後まで読んだんか? お友達死んじゃうよ? こんなの聞かされたら。

作品の評価はB。

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萩原 朔太郎 北川 透

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2 コメント

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課題で (chem)
2006-09-06 12:48:08
読んだことがあります。高校のとき。



記念館がめちゃくちゃ近いのに一回もいったことないや。
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Unknown (urt)
2006-09-06 19:58:00
サクタロ記念館とカッパピアで観光鉄板やないか!

あとドイツ村。
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