ネタバレ一応注意。
なんか昨日ドラマやってたみたいですね。ナイスタイミング。
で、俺んなかでは石田衣良と並んで、「昔から上手くて好きだったけど、売れっ子になるとやっぱり筆が荒れてきて、最近あんまりテンションの上がらない作家」として位置づけられている荻原浩。今作は平成のフリータと昭和の青年海軍兵士の、入れ替わり・タイムスリップ小説。
俺は戦争小説ってあまり読まないんだけど(哀しくなるじゃん)、これは割とスイスイ読めました。入れ替わったそれぞれの視点で、どこかしらのほほんと描かれる「戦争」と、厳しく描かれる「現代」。その対比関係が、文体を変え、基本的には明るいトーンで描かれる。ジェネレーションならぬセンチュリー・ギャップが面白いね。まずは荻原らしいユーモア小説として、この作品はあります。
しかしそんななかにも、ミナミが9.11の映像を見ながらも、ひたすら健太に食わせるメシを考えるシーン、あるいは戦争パートでは特に古屋というキャラクタの造型など、「戦争」を考えさせる上手い演出が光る。まあ俺は単に「上手いなあ」と思っただけだったけどね。
小説としての技巧に目が行ってしまう、つまり物語そのものにのめりこめなくなっているのは、俺がこの作家に対して現在固めつつあるスタンスの表れであるようにも思いました。ラストも正直、盛り上がりに欠けるよな。
吾一は、ウチの祖父ちゃんとタメだったね。良かった良かった。
作品の評価はBマイナス。
なんか昨日ドラマやってたみたいですね。ナイスタイミング。
で、俺んなかでは石田衣良と並んで、「昔から上手くて好きだったけど、売れっ子になるとやっぱり筆が荒れてきて、最近あんまりテンションの上がらない作家」として位置づけられている荻原浩。今作は平成のフリータと昭和の青年海軍兵士の、入れ替わり・タイムスリップ小説。
俺は戦争小説ってあまり読まないんだけど(哀しくなるじゃん)、これは割とスイスイ読めました。入れ替わったそれぞれの視点で、どこかしらのほほんと描かれる「戦争」と、厳しく描かれる「現代」。その対比関係が、文体を変え、基本的には明るいトーンで描かれる。ジェネレーションならぬセンチュリー・ギャップが面白いね。まずは荻原らしいユーモア小説として、この作品はあります。
しかしそんななかにも、ミナミが9.11の映像を見ながらも、ひたすら健太に食わせるメシを考えるシーン、あるいは戦争パートでは特に古屋というキャラクタの造型など、「戦争」を考えさせる上手い演出が光る。まあ俺は単に「上手いなあ」と思っただけだったけどね。
小説としての技巧に目が行ってしまう、つまり物語そのものにのめりこめなくなっているのは、俺がこの作家に対して現在固めつつあるスタンスの表れであるようにも思いました。ラストも正直、盛り上がりに欠けるよな。
吾一は、ウチの祖父ちゃんとタメだったね。良かった良かった。
作品の評価はBマイナス。
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