夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

Diretta(その1)

2022-08-14 17:13:17 | オーディオ

○DirettaとJPLAY

再生ソフトの関係を調べていたら、RoonやらDirettaにも興味が出てきた。
Roonについては、使えそうなハイレゾストリーミングサービスが日本で正式にサービスインしてからでいいことにしたが、片やDirettaである。
音がよくなるLANを使った伝送方式というくらいの知識しかなかったが、調べてみるとなかなか興味深いことに気がついた。

自分の理解したところだと、信号の伝送を安定させ、再生時のPCの負荷を下げるというところがポイントのようだ。
「再生時のPC負荷軽減による音質向上」というコンセプトについては、JPLAYも同じような狙いがあるらしく、今さらカーネルストリーミング推奨というのもそういった理由があるのだろう。
しかし、同じようなコンセプトのため、JPLAY+Direttaで使うとリソースの競合が起こってうまく再生できないこともあるそうな(Direttaの本来の性能ではなくなるが、設定で回避できる模様)。
と思ったら、JPLAY+Direttaでハイレゾ(DSDを除く。)が再生できるという検証結果もある。

現時点でDirettaを使おうとすると、Diretta Targetと呼ばれる信号の送り出し装置とそのDiretta Target用のASIOドライバーが必要らしい。
Diretta Targetとなるのは、非常に高価なLAN DACを除けばUSB DACと併せて使うミニPCしかない。
そのミニPCは、マイPCの購入先でもあるオリオスペックのオリジナルである。

PC>>>(LAN)>>>Diretta Target PC>>>(USB)>>>USB DAC
という具合に接続するらしい。
この場合、Diretta TargetはLAN接続をUSB接続に変換するUSBブリッジとしての役割を果たす。

ん?USB DACの前に置くASIOドライバーのある機器…

愛用のUSB DAC、RMEのADI-2 DACをJPLAY FEMTOとともに使ってきたが、悩みの種はこの組み合わせだとハイレゾ(PCM系、DSDとも)が再生できないこと。
RMEの提供しているドライバーの問題のようで、どうにもならないので別途Audirvanaを購入しようと思っていた。
そういえば、ADI-2 DAC+JPLAY FEMTOでハイレゾが再生できないことの回避策として、PCとADI-2 DAC間にDDCを挿むというものがあったのを思い出した。
PCにインストールするドライバーをRME以外のものにしてしまおうというかなりの力業だが、DDCではないもののDiretta Target PCでも同じことだよね。
Direttaを使う場合、PLAY FEMTOをインストールしてあるPC用のドライバーはDiretta Target用のASIOドライバーになるわけだ。

ただ、問題は2点。
① DSDは再生できない(らしい)
② Diretta Target PCとADI-2 DACとの動作確認がとれていない

①については使っているDSDが再生できないとレビューした方と再生環境が違うので、DSDが再生できる可能性もゼロではない(と思いたい)。
仮にDSDが再生できなくともPCM系が再生できれば、当面ハイレゾはPCM系の音源にしておいて、Audirvanaの購入は見合わせるという方法も考えられる。

②については、Diretta Target PCはWindowsPCだが、Diretta Targetとして動作はPCに挿されたUSBメモリー内のLinuxベースのプログラムらしい。
なので、モニターもキーボードも不要、電源を入れるだけでDiretta Targetとして機能するようだ。
RMEってWindows専用なんだよね。
RME製品をLinixで使っているマニアがいることはいるらしいが(自分でドライバーも作成)、ちょっとリスクが大きすぎるかな。

ただ、これでだめな場合でも我が家のシステムでこのDiretta Target PCの使い途はある。我が家のリビングには、SoundgenicとUSB DACとしても機能するBDP-105JPLがあるではないか。
現在は、SoundgenicをUSBで直接BDP-105JPLにつないでいるが、このSoundgenicがDirettaに対応している。
てことはだよ、
Soundgenic>>>(LAN)>>>Diretta Target PC>>>(USB)>>>BDP-105JPL
という構成で、SoundgenicからDiretta伝送ができる可能性があるということになる。
Direttaの動作確認機器に同じOPPOのSonica DACがあったので、ADI-2 DACよりはうまくいく可能性が高いと思われる。

それにつけてもBDP-105JPLの頼もしさよ。
特にSoundgenicを組み合わせてからの使い途の広さといったら、本当に買ってよかったなあ(中古だけど)。

 

○Dirtta導入のハードル高し

さて、どうしよう。
Audirvanaのおかげで久々にオーディオ熱が復活してきた。
仮にDiretta Targetとして使えなかった場合、サブのWindowsPCとしては使えるわけだが…あ、以前検討したJPLAY Dual ModeのプレーヤーPC(JPLAYのみインストール)にも使えるか。
スペック的には何とかなりそうだが、メモリーが4GBというのはちょっと気になる。
あと、JPLAYをDual Modeで運用しても、ADI-2 DACのドライバー問題が解決しない限りハイレゾを再生できないということには変わりない。

JPLAYは諦めてAudirvanaをDirettaで使うという方法もあるが、Diretta Target PCでADI-2 DACが使えなければ元も子もない。
人柱、もとい同士はいないものかとネットで調べてみたら、いました!
ヨドバシのADI-2 DACのコメント欄に書き込みが!
既にDiretta導入済みの方でDACをADI-2 DACに替えてDirettaが使えたみたい。

これで心置きなくDiretta Target PCを購入することができる。
ただ、PCにつないでいるWi-FIルーターWG1200CR(子機として使用)はLANポートが1つしかないが、Diretta Target PCを使うにはもう1つLANポートが必要だ。
とりあえずということで、以前スマホを固定電話の子機にするために中古で手に入れたWi-FIルーターWG1200HSがあるので、これをWG1200CRと入れ替えるか。

PC>>(LAN)>>WG1200HS (HUB)>>Diretta Target PC>>(USB)>>USB DAC
という構成でとりあえず大丈夫らしい。
Diretta Target PCにつなぐPCにはLANポートが2つあることが推奨されている。
Diretta用の通信と他の通信を分けるためだ。
とはいっても、うちのPCカナリアちゃんにはLANポートが1つしかない(普通だな)。
もうひとつLANポートを増設しようと思ったら、現在1つしかないPCI Expressスロットを占有しているUSB Card FEMTOを外さなくてはならなくなる。
ん?そうすると、Direttaを導入するとADI-2 DACのために買ったUSB Card FEMTOというオーディオ用のUSBカードは2年もたたずに御役御免ってことになるのかい?
USB Card FEMTOの代わりにNET Card FEMTOでも入れろってことなのかい?

速攻でオリオスペックのサイトへ。
JCAT NET Card FEMTO ⇒ 売り切れ
SotM  sNI-1G         ⇒ 売り切れ
JACT NET Card XE   ⇒ 在庫あり
さすがに二桁万円のネットカードはムリ!
外部電源が使えるネットワークカードでないとオーディオ的にはあまり意味がないので、実質的にこの3つに絞られる。
JCATのサイトではNET Card FEMTOもまだ買えるが495ユーロ…

現在あるUSB Card FEMTOを活かそうとすると、USB-LAN変換アダプターを使うという手はあるが、ドライバーがちゃんと動くが心配。
そもそも気難しいJPLAYをDirettaで動かそうとしているのだから、トラブる可能性の方が大きい。

まずは普通にWi-FiルーターのHUBにつなげて様子を見よう。
うまくいったとしてもさすがに現時点でさらに二桁万円のネットカードを購入するのはちょっと気が引けるので、Roon導入時に検討することとしよう。
あまりコストをかけずにUSB-LAN変換アダプターを試してみるというのはありかもしれない。
①オンボードLANポート>>Wi-FiルーターのHUB>>Diretta Target PC>>ADI-2 DAC
②USB Card FEMTO>>USB-LAN変換アダプター>>Diretta Target PC>>ADI-2 DAC
①と②どちらがいいか試してみる価値はあるだろう。

Wi-Fiルーターの入れ替えが少々だるいが、①を試した後に②ということにしてみるか。
あと手を入れるとすればDiretta Target PCの電源か。
12VのACアダプターが付属しているようだが、これの消費電力をワットチェッカーで測ってiPower2の12V1.8Aで足りるのであればそれでいいし、iPower2と価格差がそれほどなくて汎用性が高いiPurifier DC2を入れてしまうか。
Diretta Target PCの電源強化はかなり効果があるそうな気がするが、手持ちのiPurifier DCで効果のほどを試してからかな。

Diretta Target PCが届くまでの間にWi-Fiルーターの入れ替えをしてしまおうとして、調べてみたら何かおかしい。
中古で手に入れたWG1200HSには子機モード(コンバーターモード)がなかった!
親機とし使うには問題なかったが、いかんせん古すぎた。
(WG1200HS2からは子機モードあるのにな)

これはUSB Card FEMTOを使う運命なのか。
子機モードとして使っているWG1200CRがもう5年目になろうとしているので、この際これを買い替えるてもいいのだが、まずはUSB-LAN変換アダプターを使うパターンで試してみるか。

ということで、急遽USB-LAN変換アダプターを発注。
USB-LAN変換アダプターも種類が多くて迷ったが、とりあえずUSB3.0に対応しているバッファローのものにした。


あとは、Diretta Target PCの入手だ。


ブルガリアン・ポリフォニーをハイレゾで聴きたい(その3)

2022-08-13 17:50:35 | オーディオ

○ハイレゾ音源、どの形式で買おうか悩む

 

自分の再生環境でAuidirvanaがちゃんと動作するのが確認できたので、いよいよ『ブルガリアン・ポリフォニー [Ⅰ] ハイパーハイレゾ・ニューエディション』の購入だ。

さて、どの形式で購入するのがいいのか。

価格はそれぞれ違い、

WAV192kHz/24bit<DIFF5.6MHz/1bit<<DIFF11.2MHz/1bit

という感じだが、ここは思い切ってマスタークオリティのDIFF11.2MHz/1bitにしてみるか。ファイルサイズはかなり巨大になりそうだが、声が消え入るあの感じ、歌い出す前の空気感、そういったものを一番表現できるのはやはりDSDだろう。

ということで、CD版と比べるとかなり高額だが思い切ってDIFF11.2MHz/1bitを購入。

 

ファイルをダウンロードすると15曲しかないはずなのに、ファイルが16ある。

0番のファイルは、JPEGのジャケット写真と山城祥二自身の手によるライナーノーツ、さらにジャケット写真に使われている女性たちの写真の高解像度版もついていた。

 

○その音「鮮烈」

 

そして、Audirvanaから出てきた音は、「鮮烈」のひとこと。

ライナーノーツにはこうある。

ブルガリアン・ポリフォニーの音響構造には、ビブラートのないまっすぐな声、それらの声の重なり合いから生まれる濃密な倍音、激しく変化するパルス成分、人間の可聴域上限をこえる超高周波成分、ミクロな時間領域のゆらぎ、といった顕著な特徴があります。

 

特にこの中の倍音の濃厚さとパルス成分がすごい。

ただ鮮烈だけでなく、清澄さも兼ね備えている非常に不思議な感覚。

ライナーノーツにもあったが、この超高音域を収録した「ハイパーハイレゾ」音源を聴くと脳幹、中脳あたりが活性化するらしい。

これをCDで最初に聴いたときに大脳新皮質ではなく、脳の奥の方に響いてくる感覚にとらわれたが、あながちその感覚は間違っていなかったということか。

声を出す前の息を吸い込む音、口を動かしたときのわずかな聞こえる口の中の唾液の音まで明瞭に聞き取れる。

ベースのノイズ部分と本当の無音部分もはっきりと区別できる。ベースノイズは多めだが、あえてカットしていないようだ。

ヘッドフォンにATH-A2000Zを使っているのに、うるささみたいなものはほとんど感じず、どんどんボリュームが上がってしまうので、耳にはあまりよくない。

オーディオ機器の限界(ATH-A2000Zの再生周波数帯域は5~45000Hz)より先に、自分の耳の限界が来てしまったような感覚になる。

 

残念なのは、自分の耳では14kHz以上の音を感じることが出来ないということだ。

このCDを初めて聴いた頃なら18kHzぐらいまで聞こえていた(はず)。その頃にこの音源、この環境で聴いてみたかった。

ああ、これを脳内定位のヘッドフォンではなくて、スピーカーで聴きたいな。

これを完全に鳴らしきるシステムって何だろう。

「輪廻交響楽」が発売された当時、極低音域が多く含まれているためオーディオファイルからウーハークラッシャーといわれたようだが、この11.2MHzDSD「ブルガリアン・ポリフォニー [Ⅰ] ハイパーハイレゾ・ニューエディション」はスーパーツイーターの再生領域をはるかに超えた超高音域まで含んでいるので、もはや耳で聴くどころか、そもそもスピーカーユニットを振動させることすらできない音まで含んでいることになる。

まあ、低音と違って超高音域の入力が多少あっても、ツイーターが焼ききれたという話は聞いたことがない。

 

自分のスピーカーにつないでいる機器でDSDが再生できるのはBDP-105DJLで、いちおう11.2MHzまで対応しているようだが、再生にはちょっと制約がある。

ファイルをミュージックサーバーにコピーして、USB接続のSoundgenicからの入力で何とかなるかと試してみたら、対応している規格のファイルではないらしく、再生されず次々とスキップされてしまう。

やはりマニュアル記載のとおり、BDP-105DJLで11.2MHzDSDを再生するにはBDP-105DJLのUSB端子にPCを接続する必要があるみたいだ。

それ以下ならUSBメモリー、DSDディスクでも再生できるようなので、他のタイトルは11.2MHzではなく5.6MHzの方を買ってみるか。

 

○「Auidirvana本」お買い上げ?

 

Auidirvana本はPCオーディオ用としてはかなりいいソフトだと思う。

JPLAYと同等の音質だし、なんといっても動作が安定している(JPLAYが神経質というか、気難し過ぎるのだが)。

Auidirvana本を購入して、JPLAYと併用することになりそうだ。

Auidirvana本の方はハイレゾを中心に、音場重視のソースを聴くことになるだろう。

JPLAYはカーネルストリーミング接続でDACLinkを低くしたときのあの生々しさというのは捨てがたいところがある。

 

最終的にはTIDALかQobuzが日本で正式サービスインしたときにRoon導入をして、Roonと連携できるHQ-Playerの導入を検討することになるのだろうか。

そういえばRoonとの連携が可能なハイレゾストリーミングであるQobuzの運営会社がe-onkyoの運営権を取得したのが昨年のこと。

名前こそ変わっていないが、すでにこのフランスの会社が運営しているらしい。

Qobuzの日本でのサービス開始の足がかりという話もある。

MQA対応ということでTIDALの日本でのサービスインに期待する向きが多いが、Qobuzはflacでのストリーミングをやっているらしい。

これはひょっとして意外と早い時期にRoon+Qobuz+HQ-Playerの導入を検討する日が来るかもしれない。

 

Auidirvana本を導入しておけば、ようやくハイレゾ対応になり、音楽を十分楽しめる環境になる。

Roon導入はそのときになったら考えることとしよう。


ブルガリアン・ポリフォニーをハイレゾで聴きたい(その2)

2022-08-11 07:02:40 | オーディオ

○ Audirvana本(「ホン」じゃないのよ「モト」なのよ)

Audirvanaのサイトへ行き、「無料トライアル」のアイコンをクリックすると、「Audirvana本(「ほん」ではなく「もと」と読む。Originの訳らしい。Originの訳なら「元」か「基」だろうというツッコミはなしで)」とサブスクの「スタジオ」のどちらかを選択させられる。

自分の場合はストリーミングサービスを利用するつもりはないので、買い切りの「Audirvana本」を選択。

すると、アカウントの登録を求められる。

名前とメールアドレスがあれば大丈夫のようだ。

これらを入力すると、登録したメールアドレスにプログラムファイルのダウンロードURLがメールで届くという仕組みだ。

しかし、まただよ。海外からの英語のメールはなかなか届かない。

プロバイダーの迷惑メールフィルターに引っかかっているわけではないようだが、とにかく届かない。

 

仕方がないので再度慎重に入力内容を確認して再登録すると、15分以上たってようやくメールが届いた。

このメールに記載のあるURLから実行形式のプログラムファイルをダウンロードして、これを実行させればインストールは終了。

設定作業になるが、まずはライブラリーフォルダーを指定するだけでいいようだ。

iTunesとの同期メニューもあるが、iTunesとは切り離したいので、PC上のwavファイルをまとめたフォルダーを指定した。

 

インターフェースになれていないせいかどうも操作がしっくりこないが、音の設定はメイン画面右下にあるスピーカーのアイコンから行う。

そうすると音質関係の設定画面が開く。

左側にコンピューター、右側に出力先と分かれているので、直感的に分かりやすい。

コンピューター側はWindows10PCなので、

 WASAPI

 ASIO

 カーネルストリーミング

と3つに分かれており、このうちから選択する。

出力先は、DAC名かドライバー名が表示されるようだ。

 

WASAPIの出力先を開くと「ADI-2(Analog1+2)」のみが表示される。

これはJPLAYでカーネルストリーミングを選択したときと同じ表示だな。

 

ASIOの方はというと、対応する出力先は3つ。

「MADIface ASIO」

「JPLAY DRIVER」

「Realtek ASIO」

一番上はADI-2のASIOドライバーだが、2番目の意味がちょっと分からない。

もしかすると、JPLAYがFemtoになったときにOpenHome対応からDLNA対応になったので、AudirvanaからJPLAYへプッシュ再生ができるのか?

と思ったが、試してみたところそんなことはなく、再生できなかった。

3番目はPCのオンボードに出力されるようだ。オンボード用のASIOドライバーがあったのか。

確かに、JPLAYでもこのASIOドライバーは表示されていたが、気づかなかった。

 

問題は「カーネルストリーミング」。これに対応する出力先がない。

JPLAYでカーネルストリーミングを使いハイレゾを再生しようとしても再生できないのは、どうもカーネルストリーミング対応のADI-2用ドライバーがないと判断されていることが原因のようだ。

ただ、44.1kHz/16bitまでなら再生できるのは謎。

カーネルストリーミング自体が古い規格なので、古いWindowsでも対応していたCD規格の音源ならADI-2 DACのドライバーが不完全でも再生できるということなのか。

 

JPLAY以外のプレーヤーソフト(foobar2000など)では、ADI-2 DACを使ってもDSDが再生できているので、ドライバーを提供しているRME側の問題なのだろう。

RMEは、ADI-2DACについてWDM(とASIO)完全準拠を謳っているから、Windows専用のプロ用機器のメーカーであるRMEが提供しているドライバーに問題があるとは言い切れない部分がある。

JPLAYの仕組みがちょっと特殊なので、そのあたりが原因かもしれないがはっきりは分からない

とにかく現時点でJPLAY+ADI-2 DACの組み合わせでハイレゾが再生できないというのは、設定の問題ではなく「仕様」の問題であり、ユーザーレベルで対処する方法がない。

掲示板ではADI-2 DACのドライバーに問題があるのでADI-2のドライバーを使わない方法として、ADI-2 DACの前にDDCを組み込み、DDCのドライバーを使うという力業が示されていたが(実際にこの方法だとJPLAYでハイレゾが再生できるらしい)、正直そこまでしてというのが感想である。

 

さて、Audirvanaの設定に戻り、接続方法をどうするか。

WASAPIでもASIOでもどちらでもいいのだが、とりあえずASIOを選択。

接続方法の他に、いくつか音質の設定項目がある。

音楽信号の経路順に設定項目が並んでいて分かりやすい。

自分はアップサンプリングとかレベル補正とか、こうしたソフト側の介入を好まないので全てOFFに設定。

 

ハイレゾ音源は以前購読していたNet Audio(現在休刊中)の付録の音源があるので、これでテスト。

まずはwavから。これは384kHz/36bitまで問題なく再生。

続いてDSD系。配信で提供されているdiff形式のものはなくdsf形式のもののみ。

こちらもDSD256、11.2MHzはもちろん、その上の22.4MHzまで再生することができた。

 

肝腎の音の方は、一言でいうとハイレゾらしく伸びやかでリッチ。

WavとDSDの違いも分かりやすく、やはり空気感みたいな表現はDSDの方が得意のようだ。

ただ、JPLAYに比べると若干美音系というか綺麗すぎるきらいはある。

アコースティック系で音数が少なく、音の余韻を聞かせるソースはバッチリはまるだろう。

グルーブ、押し出しを必要とする音楽はJPLAY(DAC Link低めで)で聴いた方が楽しいだろう。

 

画面上に音楽ソースの規格と実際のアウトプットが両方表示されるのはよい。

これがないと実際音は出ているが、どの周波数で再生されているか分からないからだ。

BubbleUPnP用にとCDをリッピングしたwavファイルのフォルダーにジャケット写真のjpegファイルを入れているので、しっかりとジャケット写真が表示され、いわゆるフォルダビューになる。

自動で「CD」「Hi-Res」「DSD」という具合に仕分けをしてくれるのもいい。

ただ、インターネット上のデータベースとリンクしている訳ではないので、ジャンル分けとかそういう便利機能はほとんどない。

(だからiTunesとの同期機能でこのあたりを補っているのか)

自分のライブラリーにあるファイルを再生することに特化しているソフトのようだ。

 

問題があるとすれば、メモリーに先読みでデータをロードするタイプのソフトのようで、あまりにも巨大で重いハイレゾソースの場合、Corei5+16GBの我がPCでもデータのロードが間に合わず、曲が途切れることがあるので、十分データがメモリーにロードされたのを確認してから再生したほうがいい場合もあるようだ。

 

そうだ、芸能山城組つながりで例のあれを聞いてみよう。

CDリッピングの「輪廻交響楽」、第2楽章「散華」。

おお、これはJPLAYで再生するより明らかに空間表現がいい。

頭の周りに声が張り付かず、頭からかなり遠い位置で声が聞こえる。

これは期待できる。


ブルガリアン・ポリフォニーをハイレゾで聴きたい(その1)

2022-08-10 21:13:29 | オーディオ

○ハイレゾでどうしても聴きたいタイトルがついに出てきた

 

PCオーディオを初めてからというもの主にCDのリッピング音源を中心に聞いてきた。

リッピングソフトはずっとExact Audio Copyである。

Exact Audio Copyで参照していたメタデータベースがなくなって、曲名の自動設定ができなくなり、どうしたものかと思っていたが、別のデータベースを参照することができることが分かり、現在に至るまで使い続けている。

 

プレーヤーソフトはJPLAY FEMTOにしてからはこれだけ。

ただ、使っているDAC RMEのADI-2 DACとの相性なのかハイレゾが再生できない。

ごくまれにハイレゾを再生する必要がある場合は、HYSOLIDを使っている。

 

ハイレゾ音源は特に必要性を感じていなかったので、ハイレゾ対応のプレーヤーソフトを真剣に考える必要もなかった。

しかしである。

虫の知らせか、何げなく「そういえば山城祥二って今何をやってるんだろう?」と思い立ち、インターネット検索をしたら発見してしまった。

山城祥二が録音指揮をしたあのブルガリアンボイス「THE PHILIP KOUTEV NATIONAL FOLK ENSEMBLE」がハイレゾで配信されているではないか(しかも2015年から)。

配信サイトは、e-onkyo。ファイル形式は3種類。

①192kHz/24bitのWAV

②5.6MHz/1bitのDIFF

③11.2MHz/1bitのDIFF

1/2インチのアナログマスターテープの音源を11.2MHzでDSDリマスタリングしてある。

 

これだよ、これ。

このアルバム、CD音源でも圧倒的なのだが、この音源をSACDで聴けたならとずっと思っていたが、それが配信で実現した。

1988年の録音でアナログでも録音していたのが幸いしている。

正確に言うと、録音の現場もアナログからデジタルへの切り換わりの時期で、デジタル録音とアナログ録音を同時に行っている。

CDのほうはおそらくデジタル録音のマスターを使っていると思うが、なぜアナログ録音を同時に行ったかというと、アンチCD派(20kHz以上をカットしてあることが理由)である山城祥二のこだわりで当時LPレコードでも発売していた。

 

しかし、当人も認めているとおり、20kHz以上の音がLPレコードに収録されていたとしても、それを再生することは極めて困難。

アナログレコードをちょっとでも扱ったことのある人なら分かるはず。

可能だとしても、機器にとてつもない金額がかかってしまう。

 

しかし、この音源録音から30年あまり、デジタル技術も進歩して、アナログマスターからデジタルマスター(DSDマスター)に変換するということが可能となった。

アナログマスターといっても磁気テープなので劣化するし、そもそもアナログマスターを再生するプロ用の機器がなくなってきて再生自体が困難になる前に、劣化しないデジタルマスター化(DSDマスター化)をしてしまおうという動きはでてきている。

 

今回もレコード会社に保存してあったアナログマスターを11.2MHzDSDマスターにしたという。

そして、そのほぼマスターそのものの音源が配信という形で個人が購入できる時代になった。

あー、生きててよかったな。

 

○まともに再生できるプレーヤーソフトがない(個人的に)

 

これまでハイレゾ再生は特に必要性はなかったが、これはどうしても手に入れて聴きたい。

さて、現実問題としてこれを聴こうとするとどうすればよいのか。

JPLAYがあるのだからJPLAYで再生できることに越したことはない。

ADI-2 DACとJPLAYのマニュアルを読み返してみたが、やはりどちらのDSD再生に対応しているはず。

ADI-2 DAC+JPLAYで検索をしたところ、JPLAYのコミュニティが引っかかり、やはりというかADI-2 DAC+JPLAYの組み合わせだと、44.1kHz/16bit以上のソースの再生が出来ないという書き込みを発見。

ADI-2のドライバーに問題があるみたい。

回避方法としてはADI-2のドライバーを使わず、PCとADI-2の間にDDCをはさんで同軸デジタルでADI-2へ入力すればいいらしいが、今さらそんなことはやってられない。

もはや単体のDDCは絶滅危惧種である。

 

そうするとHYSOLIDか。

そういえば、電話のシステムを見直した際にHYSOLID をメインスマホのOPPO Reno5Aにインストールして以来聴いていない。

念のためにHYSOLID でハイレゾ音源を再生すると、再生ボタンを押してしばらくするとアプリが落ちる。

ああ、インストールしてからColorOSのアップデートがあったからなのか、ついにだめになったようだ。

無料アプリの悲しいところ、OSのアップデートに対応し切れていない。

 

ハイレゾで聴きたいソースがないからとりあえず無料のソフトで間に合わしてきたが、本気で聴きたいソースが出てきた以上、有料のものも含めて再生ソフトを再検討すべきなのだろう。

 

○2022年のプレーヤーソフト選び

 

ハイレゾも再生できるプレーヤーソフトを以前も検討したことがあるが、めぼしいものは現在も変わっていないようだ。

①foobar2000

 以前からある定番の無料ソフトだが、出てくる音が固く全く好みじゃない。

②HQ-Player

 これも以前からある定番ソフト。高音質再生に特化しているため動作が重いとの評判。

③Audirvana

 Macではおなじみのソフトであるが、割と最近Windows版が出て選択肢に入るようになった。いったんサブスク専用のソフトになったが、日本では対応しているストリーミングサービスがないことから、買い切り版(永久ライセンス版)のソフトが日本専用でリリースされた模様。

 

ある程度動作が安定していてサポートも受けられることを考えると、②か③しかないのだが、②はかなり高額。

既に型落ちになっているHQ-Player3 Desktopでもかなりのお値段であるが、最新版のHQ-Player4となるともうちょっとコンシューマー用とは思えない価格設定になっている。

③は買うなら買い切り版となるが、これも②ほどではないがそこそこの価格になっている。

 

さてどうしようか。

Audirvanaには30日の無料トライアルがあり、我がPC環境でうまく動くか試せるので、まずはこれで行ってみるか。


防犯カメラ「ちび太」

2022-08-06 15:39:59 | ガジェット
  • 迷惑行為対策としての防犯カメラ

現在の住居に住むようになって8年目になるが、初めて住宅周りの迷惑行為に遭遇した。

他の対策も行ったが、防犯カメラを付けてみることにした。

映像に残して証拠にするというより、その現場を押さえたかったので、通知機能のある機種を探すことにした。

とはいえ、いつまで続くか分からない迷惑行為のためにお金をかけるのもどうか、なるべくリーズナブルなものにしたい。

自分の欲しい防犯カメラの条件を整理すると、

○価格は抑えめ

○屋外に設置することになるので、防水機能があるのもの

○カメラの設置場所では外部電源をとるのが難しいので、充電式のもの

○通信機能ありで、有線の配線は難しい場所なのでWi-Fi対応のもの

○ネジで固定するタイプでもなんとかなりそうだが、できればマグネットで固定できるタイプがなおよい。

○本体から記憶媒体を取り外さなくとも、録画した映像が確認できるよう対応するアプリが使えるもの

○人を検知したことをスマホにプッシュ通知してくれるとなおよい。

 

  • 国内メーカー製の「ちび太」

はじめAmazonをのぞいてみたが、中華製の防犯カメラがおびただしい数見つかった。

しかし、まともに動くかどうか不安になるようなものばかり。

一か八かで買ってみるには少々値が張る。

なんとか国内メーカー製のものがないかと探してみると、ありました。

防犯カメラ専業を謳う「塚本無線」。

かなり豊富なラインナップで、法人向けの高機能なものから、リーズナブルな家庭用ものまである。

自分の必要な条件からすると「ちび太」という機種がいいようだ。

かなりコンパクトであるため、本体だけでマグネットで設置することも可能だが、その分内蔵電池の容量は少なめ。

USB-Cで充電するようになるが、専用のソーラーパネルのセットもある。

ただよく使用を確認すると、ソーラーパネルも含め常時電源を接続しようとすると、端子の防水キャップを外した状態で充電をしなくてはならない。

これよりちょっと古いモデルでソーラーパネル一体型の「亀ソーラー」というモデルもあったが、解像度があまりよくなく、マグネット設置もできないようなので、これも選択肢から外れた。

 

ということで、ソーラーパネルのセットではなく単体モデルの「ちび太」を購入することにした。

充電容量がノーマルより20%ほど強化されたモデルもあったのでそちらを選択。

マグネット設置はできないものの充電容量が倍以上ある「ちび太Pro」というモデルもあり、こちらも魅力的だったが、本体をネジ止め設置するとなると別にポール等も必要になってしまうので、今回は見送り。

「ちび太」の電池の持ちがあまりにも悪い場合は、「ちび太Pro」の導入も検討する必要があるだろう。

対応アプリは「WTW EAGLE」という何とも勇ましい名前で、GooglePlayかAppStoreから無料でダウンロードできるが、評価を見るとなかなかの低評価。

どの程度使えるのか使えないのかは、自分で使ってみるしかないかな。

 

  • 「ちび太」の調教(セットアップ)

Yahooショッピングで購入し、注文した翌々日には手元に届いた。

箱から取り出してみると、本体は思った以上にコンパクト。

180mlのペットボトルよりさらに小さく感じる。

付属品はACアダプターとUSB-Cケーブル、ネジ止め用のスリーブとネジのセット、あとは取扱説明書である。

 

取扱説明書の内容に従って設定をしていくが、どうも取扱説明書に書いてある内容と本体の動作が違っていて戸惑う。

おそらく取扱説明書の内容が古く、バージョンアップした本体の動作とあっていないのかなと推測された。

 

困惑しながらもなんとか本体の設定は終了し、その先はアプリを使っての設定。

アプリをインストールする端末を迷ったが、画面が大きいiPadにした。

しかし、これまたインストールしたアプリの項目などの内容と取扱説明書の内容が一致しないので、これも推測しながら設定作業を進めた。

この防犯カメラWiーFiで接続するのだが、5GHz帯では接続ができず、2.4GHz帯のみの接続となる。

つまり、実質的にIEEE802.11gしか使えない。

まあ、電波の減衰を考えれば2.4GHz帯にしなければならないのはやむなしとしても、なぜかアプリをインストールしたiPadまでIEEE802.11aからIEEE802.11gへの変更を求められる。

防犯カメラとiPadが直接通信しているわけではなく、無線LANルーターを介しているのでiPadの周波数帯まで変える必要は内容に思うのだが、必ず変更させられる仕様になっている。

 

なんとか設定作業終了。

まずは、室内でテストを行うとしっかりカメラの映像がiPad上のアプリで確認できる。

その後で屋外の所定の場所に設置。

玄関のドアが金属製なので、手の届きにくいその上部にマグネットで設置した。

すでに夜だったが、赤外線モードにしてあったのでよく見える。

夜間は赤外線撮影と可視光撮影が選択できる。

暗いところはもちろん赤外線撮影だが街灯などがあって明るいところなら可視光撮影でカラーになる。

 

撮影時間は、動体感知してから10秒、20秒、30秒と設定可能。

一応一番長い30秒に設定してみた。

その他に動体感知してから動体がフレームアウトするまで録画を続けるモードもあるが、まずは一番省電力な一定時間撮影モード30秒の設定で試してみる。

 

  • 「ちび太」ようやく番犬(?)になる

 

翌朝昼間の映像を確認してみたが、かなり鮮明に映る。

ホームページに掲載されているイメージ画像と遜色はない。

防犯カメラとしては十分だろう。

ナンバープレートの文字も距離によっては確認できるのではないか。

ただ、通常はスリープ状態で、動体を感知するとスリープから復帰して録画を始める仕様だが、スリープからの復帰が遅く、動体を感知してから5秒ぐらい冒頭が撮影されていない。

フレームインしてからフレームアウトまでの時間が短いとそもそも全く録画されていない。

自分の場合は冒頭5秒間録画されなくとも問題はないが、ピンポンダッシュのような場合はこのカメラでは録画できないだろう。

もちろん常時録画もできて、SDカードがいっぱいになると古いものから上書きする仕様となっているので、常時電源が取れれば常時録画も可能だが、屋外使用での常時録画はそもそも想定されていない。

常時録画はあくまで屋内用である。

 

SDカードは16GBから128GBまでのものが使えるが上限の128GBのSanDiskのUltraにしてある。

常時録画ではなく、自分の環境だと1日に多くても10回程度の録画なので、大容量のSDカードはいらなかったかもしれない。

心配していたバッテリーだが、省電力モードの30秒録画にしているためかバッテリーの持ちはかなりよい。

ただ、アプリの電池残量表示がかなり適当で、1週間たっても100%表示のまま。

結果的には、電池の残量が50%を切るまで1か月持った。

録画回数が1日に10回程度ということを考えても、なかなかの電池の持ちである。

充電自体にそれほど時間はかからないが、充電100%と表示されてもフル充電になっていないことがあるので、充電時間はそれなりに取った方がいいようだ。

 

問題があるのがプッシュ通知。

これが不調でiPadに通知されない。

この機能が欲しくてこの機種にしたようなものだが、枕元にiPadを置いておいて、通知音が鳴ったらすぐさま現場に急行し、現場を押さえようと思っていたのに。

防犯カメラ側、iPad側の設定を繰り返し確認したが、設定自体に問題はない。

と思ったら、iOS用のアプリの不具合らしく、メーカーのホームページにお知らせが載っていた。

順次対応中みたいな曖昧なお知らせ内容だったが、iOSではなくiPadOSなのがいけないのかアプリの修正はされていて、最新バージョンのアプリをインストールしているが一向に通知される気配はなかった。

1か月ほどたって、忘れたころにiPadから通知音が鳴るようになり、確認してみるとWTW EAGLEからの通知だった。

ようやくアプリの修正がされたらしく、当初の目的であったプッシュ通知が機能するようになった。

ただ、カメラが感知してからプッシュ通知があるまで、かなりのタイムラグがある。

30秒ぐらいはかかるだろうか。その点は注意が必要だ。

 

 

 

  • 「ちび太」なかなかできる子

この「ちび太」を設置してからというもの迷惑行為に遭遇していないので、設置に効果があったかもしれない。

家庭用の防犯カメラとしては、価格からして満足できる。

これ以上を求めるなら、屋外でも常時電源接続・常時録画のモデルを選ぶべきだと思うが、一般家庭だと、屋外での常時電源接続というのが意外とハードルが高い。

屋外にコンセントがある家屋も一般的になっているが、結局防犯カメラの設置場所まで電源コードをはい回さなければならない。

通信の方はWi-Fiのおかげでコードレスになるが、電源はなかなかそうもいかない。

大容量バッテリーモデルをつけるという手もあるが、バッテリーが大きくなると重くなり、壁にねじ止めが必要になり、充電するために防犯カメラ本体をいちいち外さなければならないのも手間だ。

 

そこへ行くとこの「ちび太」は、ある程度機能を割り切ることができれば、価格も含めなかなかバランスのとれたいいモデルだと思う。

「ちび太」は抑止力としてだけ役に立ち、録画された内容が証拠として役に立つようなことがないように願っている。