さて、ATH-A2000Zの鳴らし込みもいい感じになってきたので、感想をまとめてみたいと思います。
まず、初めに挙げなければならないのは、やはりその解像度、分解能力の高さです。
正直今まで音の解像度ってピンとこない部分があったのですが、ようやく腑に落ちた感じです。
まさに「解像度が高い」と表現するにふさわしい鳴り方です。映像に例えると、DVDからブルーレイに変えた時に似ています。
今まで埋もれていた細かい音、特に楽器が鳴りやむまでの響き、残響、エコーのかかり方がとてもよく聴こえます。
空気感といったものがよく伝わって、平面的な鳴り方からより立体的になったという印象です。
今までずっと開放型ばかり使ってきたので、特にそう感じるのかもしれませんが、定位感も抜群です。
左右の鳴り分けが非常に優秀であるため、定位がぴったり決まります。
音数の多い曲でもそれぞれの楽器の音が混濁せず、綺麗に分離して聴こえてきます。
購入前に読んだATH-A2000Zのレビューの中にBABYMETALのファーストアルバムについて触れているものがあり、
そこではATH-A2000Zで聴くBABYMETALは音が混濁せず、楽器が綺麗に分離して聴こえるとありました。
またまた御冗談を、あのアルバムの音がそんなになるわけがないと思って、改めて聴いてみました。
なるほど、以前感じた強い混濁感はなくなり、綺麗にとまではいかないもののそれなりに分離して聴こえる。
音が混濁すると音が暗い感じを受けるのですが、混濁感が弱まったことで多少明るく聴こえることが分かったのが新たな発見。
ウェンブリーのライブCDでは、BOHさんのベースがはっきり聴こえる。ベースってホントに他の楽器の音に埋もれがちで、
特にメタルみたいな音数の多い音楽では特に聴き分けにくいものですが、それがこんなに明瞭に聴こえてくるとは。やっぱBOHさんベースうまいっす。
あと特筆すべきなのは、音場というか空間の広がり。密閉式とは思えないほどの広がり方です。
この点では今まで使っていたHD595を軽く凌駕します。特に左右の広がり方が広大で、
芸能山城組の「輪廻交響楽」の2曲目「第二章 散華」の冒頭がバイノーラル録音になっているのですが、
人の声が遙か彼方からゆっくり近づいてくるのがよくわかります。
その反面前後方法の広がり方はそれほどでもないので、ダミーヘッドのまわりを人が回りながら歌う回り方が円ではなく楕円になります。
まあ、この点はHD595ではほとんど横方向の線の動きにしかならなかったので、これでもかなりの驚きです。
上下方向の鳴り分けも優秀で、この楽器は上の方から鳴っている、この音は耳の高さで鳴っているといったことがはっきり表現されるようになりました。
音色の傾向ですが、高音の硬さがとれだいぶ癖がなくなってきました。
高域側の伸びは素晴らしく、金属系の打楽器のリアルさにはハッととさせらせます。高域側が伸びていると音色は明るく感じるということ再認識。
そして自分にとって一番大事な中域、ボーカルの帯域ですが、ボーカルがしっかり前に出てきて、奥に引っ込んだ感じがありません。
これはとても大事。意外とボーカルが引っ込んで聞こえるものがあるんですよね。
そして、低音ですが、鳴らし始めに比べてとてもよく出るようになりました。個人的には量感はこれで十分。
よく引き締まった良質な低音です。分解能が高いため少々硬めに感じるときがあります。
高音にやや特徴があるものの、音のバランスがよく、聴く音楽のジャンルを選びません。
自分のような雑食で何でも聴くタイプにはこういったヘッドフォンでないと、
複数のヘッドフォンを使い分ける必要が出てきますが、これならこの1台で十分。
音の方向としては基本的には高解像度のクッキリ系。やわらかさや色気という要素は薄く、クッキリしていてクリーンな音です。
高解像度のクッキリ系だと高音質で録音の良い音源だと力を発揮するものの、
古い音源、録音のよくない音源だと、その粗を殊更強調してしまい、
とても聴いていられないというはよくあるパターンのですが、このATH-A2000Zは違うんです。
これにすると高音質の音源だと本当にすばらしいものがありますが、録音の悪い音源でもソコソコ聴けてしまいます。
マスターテープ由来のヒスノイズはがっちり聴こえますし、HD595ほど粗を隠して耳に優しくはありませんが、
音がきつくて長時間のリスニングには耐えられないということはありません。
このアルバムってこんなに音悪かったんだという発見もありましたが、それなりに楽しく聴けてしまうんです。
このヘッドフォンはアートモニターシリーズのひとつですが、まさにその名のとおりモニターとリスニングというのをかなり高い次元で両立しており、
この点がATH-A2000Zの最大の特徴であり、美点だと思います。
これが「次はバランス接続の開放型」と思っていた自分にこのヘッドフォンの購入を決断させた最大のポイントです。
推測ですが、それを可能としているのは、スイープシグナルを鳴らした時に分かった高域のピーク、高音域での絶妙な味付けかなと思っています。
ただ若干副作用があり、楽器によってはその音色がわずかに人工的に聴こえ、少し違和感を感じる場合があります。
最近輝&輝という津軽三味線デュオのアルバムを買ってみたのですが、肝腎の三味線の音に若干違和感を感じました。
高橋竹山の方は違和感はないので、T-TOCレコードの音の傾向のせいかもしれません。
音質以外の点について、個人的には音質と同じぐらい重要視している装着感については、
側圧はそれなりにあって、ヘッドフォンを付けるときはちょっときついなと思うのですが、しばらくするとほとんど気にならなくなります。
側圧がほとんどなく、ちょっと頭を動かすとすぐずれてしまうHD595ほど装着感はよくないものの、2時間くらいは問題なく使用できます。
重量は294グラムでギリギリ300gを切っています。このクラスとしてはかなり軽い方です。
これ以上重いといくら音がよくても、メインと機種として常用するにはちょっと辛いかな。
密閉式ですが、外の音は結構聞こえる方です。もうちょっと外の音を遮断してくれるとよかったのですが。
エージングの済んだATH-A2000Zには、ほぼ満足しているのですが、なんかちょっと違う。
そう、ヨドバシの店頭で試聴した音にはちょっと届いていないような気がする。
CDプレーヤーかDACかということはさて置き、やはり違いはヘッドフォンアンプの有無でしょうか。
インピーダンスが40オームとかなり鳴らしやすい方だと思いますが、ドライバー径は大きいので、低音の制動力に差が出ているような気がします。
あとは空間が今ひとつ広がらない感じ。ヘッドフォンアンプなしの環境で試聴した印象に近いです。
この辺は、ヘッドフォンの駆動力の差が現れる部分です。
Babyfaceのヘッドフォン端子の出来が分からないので何とも言えませんが、
ATH-A2000Zとは長い付き合いにありそうなので、これを鳴らし切る環境を整えておいた方がよさそうです。
ということで、ATH-A2000Z用のヘッドフォンアンプの導入を検討してみたいと思います。
まず、初めに挙げなければならないのは、やはりその解像度、分解能力の高さです。
正直今まで音の解像度ってピンとこない部分があったのですが、ようやく腑に落ちた感じです。
まさに「解像度が高い」と表現するにふさわしい鳴り方です。映像に例えると、DVDからブルーレイに変えた時に似ています。
今まで埋もれていた細かい音、特に楽器が鳴りやむまでの響き、残響、エコーのかかり方がとてもよく聴こえます。
空気感といったものがよく伝わって、平面的な鳴り方からより立体的になったという印象です。
今までずっと開放型ばかり使ってきたので、特にそう感じるのかもしれませんが、定位感も抜群です。
左右の鳴り分けが非常に優秀であるため、定位がぴったり決まります。
音数の多い曲でもそれぞれの楽器の音が混濁せず、綺麗に分離して聴こえてきます。
購入前に読んだATH-A2000Zのレビューの中にBABYMETALのファーストアルバムについて触れているものがあり、
そこではATH-A2000Zで聴くBABYMETALは音が混濁せず、楽器が綺麗に分離して聴こえるとありました。
またまた御冗談を、あのアルバムの音がそんなになるわけがないと思って、改めて聴いてみました。
なるほど、以前感じた強い混濁感はなくなり、綺麗にとまではいかないもののそれなりに分離して聴こえる。
音が混濁すると音が暗い感じを受けるのですが、混濁感が弱まったことで多少明るく聴こえることが分かったのが新たな発見。
ウェンブリーのライブCDでは、BOHさんのベースがはっきり聴こえる。ベースってホントに他の楽器の音に埋もれがちで、
特にメタルみたいな音数の多い音楽では特に聴き分けにくいものですが、それがこんなに明瞭に聴こえてくるとは。やっぱBOHさんベースうまいっす。
あと特筆すべきなのは、音場というか空間の広がり。密閉式とは思えないほどの広がり方です。
この点では今まで使っていたHD595を軽く凌駕します。特に左右の広がり方が広大で、
芸能山城組の「輪廻交響楽」の2曲目「第二章 散華」の冒頭がバイノーラル録音になっているのですが、
人の声が遙か彼方からゆっくり近づいてくるのがよくわかります。
その反面前後方法の広がり方はそれほどでもないので、ダミーヘッドのまわりを人が回りながら歌う回り方が円ではなく楕円になります。
まあ、この点はHD595ではほとんど横方向の線の動きにしかならなかったので、これでもかなりの驚きです。
上下方向の鳴り分けも優秀で、この楽器は上の方から鳴っている、この音は耳の高さで鳴っているといったことがはっきり表現されるようになりました。
音色の傾向ですが、高音の硬さがとれだいぶ癖がなくなってきました。
高域側の伸びは素晴らしく、金属系の打楽器のリアルさにはハッととさせらせます。高域側が伸びていると音色は明るく感じるということ再認識。
そして自分にとって一番大事な中域、ボーカルの帯域ですが、ボーカルがしっかり前に出てきて、奥に引っ込んだ感じがありません。
これはとても大事。意外とボーカルが引っ込んで聞こえるものがあるんですよね。
そして、低音ですが、鳴らし始めに比べてとてもよく出るようになりました。個人的には量感はこれで十分。
よく引き締まった良質な低音です。分解能が高いため少々硬めに感じるときがあります。
高音にやや特徴があるものの、音のバランスがよく、聴く音楽のジャンルを選びません。
自分のような雑食で何でも聴くタイプにはこういったヘッドフォンでないと、
複数のヘッドフォンを使い分ける必要が出てきますが、これならこの1台で十分。
音の方向としては基本的には高解像度のクッキリ系。やわらかさや色気という要素は薄く、クッキリしていてクリーンな音です。
高解像度のクッキリ系だと高音質で録音の良い音源だと力を発揮するものの、
古い音源、録音のよくない音源だと、その粗を殊更強調してしまい、
とても聴いていられないというはよくあるパターンのですが、このATH-A2000Zは違うんです。
これにすると高音質の音源だと本当にすばらしいものがありますが、録音の悪い音源でもソコソコ聴けてしまいます。
マスターテープ由来のヒスノイズはがっちり聴こえますし、HD595ほど粗を隠して耳に優しくはありませんが、
音がきつくて長時間のリスニングには耐えられないということはありません。
このアルバムってこんなに音悪かったんだという発見もありましたが、それなりに楽しく聴けてしまうんです。
このヘッドフォンはアートモニターシリーズのひとつですが、まさにその名のとおりモニターとリスニングというのをかなり高い次元で両立しており、
この点がATH-A2000Zの最大の特徴であり、美点だと思います。
これが「次はバランス接続の開放型」と思っていた自分にこのヘッドフォンの購入を決断させた最大のポイントです。
推測ですが、それを可能としているのは、スイープシグナルを鳴らした時に分かった高域のピーク、高音域での絶妙な味付けかなと思っています。
ただ若干副作用があり、楽器によってはその音色がわずかに人工的に聴こえ、少し違和感を感じる場合があります。
最近輝&輝という津軽三味線デュオのアルバムを買ってみたのですが、肝腎の三味線の音に若干違和感を感じました。
高橋竹山の方は違和感はないので、T-TOCレコードの音の傾向のせいかもしれません。
音質以外の点について、個人的には音質と同じぐらい重要視している装着感については、
側圧はそれなりにあって、ヘッドフォンを付けるときはちょっときついなと思うのですが、しばらくするとほとんど気にならなくなります。
側圧がほとんどなく、ちょっと頭を動かすとすぐずれてしまうHD595ほど装着感はよくないものの、2時間くらいは問題なく使用できます。
重量は294グラムでギリギリ300gを切っています。このクラスとしてはかなり軽い方です。
これ以上重いといくら音がよくても、メインと機種として常用するにはちょっと辛いかな。
密閉式ですが、外の音は結構聞こえる方です。もうちょっと外の音を遮断してくれるとよかったのですが。
エージングの済んだATH-A2000Zには、ほぼ満足しているのですが、なんかちょっと違う。
そう、ヨドバシの店頭で試聴した音にはちょっと届いていないような気がする。
CDプレーヤーかDACかということはさて置き、やはり違いはヘッドフォンアンプの有無でしょうか。
インピーダンスが40オームとかなり鳴らしやすい方だと思いますが、ドライバー径は大きいので、低音の制動力に差が出ているような気がします。
あとは空間が今ひとつ広がらない感じ。ヘッドフォンアンプなしの環境で試聴した印象に近いです。
この辺は、ヘッドフォンの駆動力の差が現れる部分です。
Babyfaceのヘッドフォン端子の出来が分からないので何とも言えませんが、
ATH-A2000Zとは長い付き合いにありそうなので、これを鳴らし切る環境を整えておいた方がよさそうです。
ということで、ATH-A2000Z用のヘッドフォンアンプの導入を検討してみたいと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます