■Direttaとの併用で比較してみる
使い始めたばかりのTuneBrowserだが、改めてDirettaと併用環境でJPLAY Femtoと比較してみる。
まずは現時点での機器構成は以下のとおり。
PC:canarino Fils5(Windows11)(電源EL SOUND 12V5A)
LANボード:NET Card Femto(電源iPower5V)
↓(LAN)
Diretta TargetPC2(電源iPowerⅡ12V)
↓(USB)
DAC:ADI-2 DAC(電源EL SOUND 12V1.5A)
↓(4.4mm→XLR3PINバランス接続)
Headphone AMP:ZEN CAN Signature 6XX(電源iPowerⅡ5V)
↓(XLR3PIN→4.4mmバランスケーブル接続)
Headphone:SENNHEISER HD6XX
基本的にPCとDACのみのシンプルな構成だが、その間にDiretta TargetPC2がはさまっている。
PCとDiretta TargetPC2間をLANで接続しているが直結なので、
ネットワークオーディオというよりは、いわゆるPCオーディオの範疇にとどまっている。
この構成だと、PCがDiretta HostとJPLAY Femtoサーバーとを兼ねていることになる。
JPLAY FemtoがPC上でソフトウエアレンダラーとして機能し、コントロールアプリとしてfidata Music APPをスマホで使っている。
DACはこれで3代目。2代目もRMEのBABYFACEを使っていた。
RMEのDACとJPLAYは相性が悪く、PCM系、DSDともハイレゾ音源が再生できない。
この原因がJPLAYとの相性(RMEのドライバーの問題らしい)であることに分かるまで時間がかかり、
その間ずっとCDリッピング音源44.1kHz/16bitのwavばかり聴いていた。
このハイレゾ再生できない問題の解決という目的もあって、Diretta TargetPC2を導入したが、これが大成功。
Diretta TargetPC2のASIOドライバーとJPLAY Femtoの間で相性問題は発生せず、ハイレゾも含めて問題なく再生できている。
なので、ADI-2 DACとJPLAY Femtoを組み合わせて使う以上、Direttaは必須なのだ。
逆に言うと、JPLAY Femtoを使わなくて済むならば、Direttaはハイレゾ再生のために必須ではない。
しかし、Diretta側の設定を「Fix High」にした状態でJPLAY Femtoを使うと、
PCが半分フリーズするというDirettaとJPLAY Femtoとの相性問題が発生し、
JPLAY FemtoではDiretta本来の性能を発揮した状態では使えていない。
この問題はDirettaとJPLAY Femtoとでリソースの競合が発生していることが原因で、根本的な解決策はないらしい。
妥協策としてDiretta側の設定を「Fix Low」にして使わざるを得ないのだが、これでもDirettaの効果は十分感じられる。
しかし、やはりDirettaが本来の性能を発揮していないのはもったいないということで、
改めて探して見つけたのがTuneBrowserである。
■Diretta+TuneBrowser
TuneBrowserは音楽管理ソフトとしての性格が強いが、いわゆるプレーヤーソフトなのでもちろん再生の機能も持ち合わせている。
ASIOに対応しているので、ASIOドライバーを持っている機器と接続が可能だ。
こうしてみるとAudirvana Originと性格が近いのかもしれない。
ユーザーインターフェイスについては、個人的にはとても使いやすい。
特に音源ファイルの仕分け方法としてフォルダツリー形式があるのがいい。
動作も非常にキビキビしている。
その名のとおりカスタマイズの範囲は広いようだが、デフォルトの状態でも問題なく使えている。
ただ、デフォルトの表示だと、再生中にイコライザーが表示されたり、アーティスト名や曲名やらがオーバーレイ表示されたりして鬱陶しいので、
それらを全部オフにする「ストイックな表示」にしている。
最初のリリースは10年以上前なので、もともとはPCオーディオを想定して作られたソフトウエアであるが、
ネットワークオーディオが主流となりつつある時流に合わせて、バージョン4.0.0からOpenHomeに対応している。
コントロールアプリとしてfidata Music APPが使えるらしいので試してみたが、
ネットワークオーディオ用のレンダラーとしても問題なく使うことができる。
ただ、自分の環境だけなのかもしれないが、TuneBrowserをインストールしたPCの電源を入れておけばOKというわけではなく、
Windows上でTuneBrowserを起動しておかないと、コントロールアプリにサイーバーもレンダラーも認識されない。
ネットワークオーディオであれば、リスニングポジションに座ったままスマホやタブレッでト再生操作ができるところが便利なところだが、
このソフトウエアの場合は、成り立ちから考えて、ネットワークオーディオでも使えるようにしたというだけで、
基本的にはデスクトップでPCオーディオとして使うのが本来の使い方だろう。
さて、現在使っているシステムは、電源に余裕がないので、消費電力を確かめておこう。
消費電力は、アイドル状態で2W、再生時で7Wとかなり低く抑えられている。
これはflacでもDSDでも変わらない。
ハイレゾだと消費電力が多くなるかと思いきや、DSD11.2MHz/1bitを再生させても、flac44.1kHz/16bitとほぼ同じ。
Audirvana Originよりはるかに低消費である。
PCへの負荷は、タスクマネージャーでCPU使用率を確認した。
というのも、DirettaがONになった状態で再生すると、CPUのクロックが定格に固定されるため、CPUの使用率のみが変動するからだ。
こちらもflacだろうがDSDだろうが22%程度。
ハイレゾを再生させても変わらない。
ただ、イーサネットのスループットの方は当然再生しているファイルのビットレートに比例して大きくなる。
再生中のPCの動作であるが、再生していないときとほとんど変わらない。
Direttaの設定は、Fix Highにしてある。
音の傾向は、直接音よりも間接音が聞こえやすい。
今まで気がつかなかったボーカルにかけられているエコーの状態がはっきり分かるので、ちょっと驚いた。
ただ、若干ボーカルがバックの音に埋もれがちになる。
ドラムとか低音楽器の音が大きい曲だと、ボーカルが楽器の音でマスキングされがちになる。
とはいえ、全体としてはとても満足がいく音が出てきてる。
■Diretta+JPLAY Femto
さて、比較のために改めてJPLAY Femtoでも確認しておこう。
消費電力は、Fix Lowの設定で、アイドリング時が2W、再生時が3Wと、TuneBroowserよりもさらに低消費。
設定をFix Highにして同じ条件で比較してみると、再生時が6W程度とTuneBroowserと変わらなかった。
ファイルの種類、ビットレートが異なっても消費電力が変わらないのは、TuneBroowserと同じ。
CPU使用率の方は、Direttaの設定で大きく差が出た。
Fix Lowの設定だと、なんとCPU使用率2%と超低負荷だが、設定をFix Highにすると20%程度とTuneBroowserと同水準になる。
あれ、そういえば設定をFix Highにしてもタスクマネージャーがちゃんと動いている。
以前は設定をFix Highにすると、タスクマネージャーが表示されない状態になっていたのだが、OSをWindows11にしたからか?
原因は不明だが、これならJPLAY Femtoでも、Direttaの本来の性能が発揮できる状態になっている。
その状態で、音のチェックだ。
あくまでもDiretta経由でTuneBroowserとの比較となるが、間接音というか音の響きは若干少なく感じる。
言い方を変えると、よりダイレクトな印象で力強い。
ボーカル帯域の音は前に出る傾向で、ボーカルがバックに埋もれるような印象は少ない。
こうして比較すると、どちらがいいというよりは音の傾向の違いがあるということで、どちらか一つに絞るというのはなかなか難しい。
聴く曲によって使い分けるのが上手な使い方になるだろう。
■TuneBrowserとJPLAY Femto
TuneBrowserという比較対象を得て、改めてJPLAY Femtoのよさを感じることができた。
操作性は、デスクトップ専用で使うので、PC用のアプリがあるTuneBrowserの方が使いやすい。
スマホやタブレットの小さい画面でちまちま操作するより、慣れたマウスで操作できるのはいい。
ともかく、TuneBrowserというよいプレーヤーソフトに巡り会えた。
あとは、サービスインが近くなったQobuzの準備だ。
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