○2度目のヘッドフォンアンプ導入
密閉式のヘッドフォンATH-A2000Zを相棒にして早6年目。
しばらくはそれまで使っていたゼンハイザーのHD595と併用していたものの、PCの電源をアナログ電源にしてからはATH-A2000Zの音の癖がほとんど気にならなくなり、HD595の出番はほぼなくなった。
ATH-A2000Zは密閉型としては比較的音場が広がるが、やはり開放型の音抜けの良さには未練は残る。
ATH-A2000Zと併用できる開放型ヘッドフォンを探していたが、これがなかなか見つからない。
結局のところゼンハイザーのHD660Sぐらいしか自分としての候補はないのが現状だ。
このHD660Sは通常のフォン端子用のケーブルのほかに、4.4mmペンタコンバランス端子用のケーブルも併せて付属する。
ゼンハイザー曰く、バランス接続でHD660Sの真価が発揮されるらしい。
こう言われると、バランス接続でHD660Sを使いたくなるもの。
しかし、愛用のDAC RME ADI-2 DACにはシングルエンドのフォン端子しか装備していないので、4.4mmペンタコンバランス出力端子を持つヘッドフォンアンプを物色していたのだが、これまた非常に高価な機種ならあるものの、ADI-2 DACと組み合わせてちょうどよい具合のものがなかった。つい最近までは。
Diretta導入の関係で、改めてiFi audioのサイトを見ていると見つけてしまった。
iFi ZEN CANというヘッドフォンアンプのシグネチャーモデルとしてiFi ZEN CAN Signature 6XXというゼンハイザーHD600番台用のActive EQを搭載したモデルがあるのを。
ベースのiFi ZEN CANよりグレードの高いパーツ使っているシグネチャーモデルだが、6XXのほかにHiFiMAN用とMZ99用のEQ搭載モデルも出ている。
iFi ZEN CAN Signature 6XXが発売されたのが昨年の夏頃。全く気づいていなかった。
iFiは比較的製品モデルサイクルが短いので、まめにチェックしておく必要がある。
現在販売されているゼンハイザーの600番台ヘッドフォンは、HD600、HD650の超ロングセラーモデルとHD650の次期モデルとしてHD660Sが出ている。
HD6XXというモデルは、Drop.comという共同購入サイトのモデルで、HD650をベースに作られているというが、ほとんどHD650と変わらないようだ。
HD660Sこそインピーダンスが150オームに下げられているが、古いHD600、HD650はインピーダンスが300オームあるので、駆動力のあるヘッドフォンアンプをあててやらないとなかなか本来の性能を発揮してくれない。
特に鳴らしにくいと言われているH6XXをターゲットとした「Signature 6XX」という名前にこのヘッドフォンアンプの駆動力に対するiFi Audioの自身がうかがえる。
筐体もコンパクト、ゼンハイザーHD600番台と組み合わせたときの価格のバランスもいい。iFi ZEN DACと組み合わせての使用が想定されいるようだが、RCAだけでなくXLRのアナログ出力端子を持つADI-2 DACにもピッタリだ。
iFi ZEN CAN Signature 6XXにはRCAのアナログ入力端子の他に4.4mmペンタコンバランスの入力端子もある。
変換ケーブルを使えば、DACからヘッドフォンアンプとの接続もバランス接続、ヘッドフォンアンプとヘッドフォンHD660Sとの接続もバランス接続ということができる。
現在ADI-2 DACのRCAアナログ入力端子はスピーカー用のアンプにつないでいるので、大変都合がよい。
ヘッドフォンアンプにスルーアウト端子が必要というところもヘッドフォンアンプの選択肢を狭めていた要因でもあるのだが、ADI-2 DACとiFi ZEN CAN Signature 6XXの組み合わせは自分が必要としている要素をほぼ全部満たしている。
Roon導入よりこちらの方が先か。
iFi ZEN CAN Signatureシリーズも後発のモデルが出ているので、Signature 6XXを扱っている店が少なくなりつつある。
既に生産は終了していて、流通在庫だけなのかもしれない。
他のSignatureシリーズでも悪くはないのだが、使いたいヘッドフォン(の先代モデル)専用のEQを搭載しているヘッドフォンアンプなどなかなかないから、やはり専用モデルを手に入れたくなる。
Diretta関連でかなり機器類を購入しているので家人の監視の目が厳しくなっているが、在庫がなくなる前にアンプだけでも手に入れておいた方が後々の後悔がないかもしれない。
ただ、iFi ZEN CAN Signature 6XXを置くとすれば、ADI-2 DACの上ということになりそうだが、現状ではモニターラックが邪魔をして置けそうにないので、ちょっとデスクトップの配置換えをしないといけないようだ。