2年前は預金1千万円、小泉容疑者「孤立していた」
元厚生次官宅襲撃事件で、銃刀法違反容疑で逮捕された無職小泉毅容疑者(46)が東京都内のコンピューター関連会社を2年ほど前に辞めた際、約1000万円に上る預貯金があったことがわかった。
現在の残高はほぼゼロで、退職前後に借りた銀行の無担保ローンなどは約300万円に膨らんでいる。捜査幹部によると、小泉容疑者は「孤立していた」「(襲撃事件は)決起だから悔いはない」と供述しており、警視庁は、経済的に追い詰められたことが、「犬の仇()討ち」という不可解な動機の背景にあるとみて調べている。
捜査幹部によると、小泉容疑者は佐賀大理工学部を中退した後、1986年~92年にかけ都内や神奈川県内で、コンピューター関連など少なくとも三 つの会社に勤務。アルバイトなどを経て、94~95年に山口県と広島県でアイスクリーム卸売会社に勤めた後、98年8月に、さいたま市内に移り、ある時期 から都内のコンピューター関連会社に勤務していた。
この会社を退社したのは約2年前で、退社の理由について小泉容疑者は「クビになった」と供述している。その後は、株のネット取引をしていたものの利益は上がらず、約1000万円に上る預貯金を取り崩して生活していたという。
さいたま市南区の山口剛彦さん(66)夫妻が殺害されているのが見つかる6日前の12日には、同市内のリサイクル店で、洋服タンスやデスクトップ 型のパソコンなど家財道具を処分していたことも判明。小泉容疑者は「人生に未練がなくなった」とも供述しており、同庁と埼玉県警は、襲撃を前に身辺整理を 図ったとみている。
(2008年11月28日03時24分 読売新聞)
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