子宮頸がんに先手 ワクチン1回で「有効」 ウイルス検査、早く正確
2013年11月5日05時00分
■3回接種よりも負担減 ワクチン
計3回の接種が必要とされる子宮頸(けい)がんワクチンが、1回の接種でも有効となる可能性があることが、米国立がん研究所の研究で分かった。少ない回数で予防効果があれば、より簡単に安い費用で接種できるようになる。
子宮頸がんワクチンについて、製薬会社は6カ月以内に3回接種することで承認を受けており、厚生労働省も同様の接種スケジュールを組んでいる。ただし、接種後に痛みやしびれを訴える人が相次ぎ、同省は接種の推奨を控えている。
2004年から4年間、コスタリカの女性計500人を対象に子宮頸がんワクチン「サーバリックス」を1回、2回、3回接種した人と、子宮頸がんを起こすウイルスに自然感染した人で、予防効果を示す抗体価を調べた。この結果、1回接種した人の値は4年間一定していて、自然感染した人より5~9倍高く、十分予防効果があると考えられる値だった。2回の人は14~24倍高く、3回の人の値とほぼ同じだった。4日付の専門誌に論文が掲載された。
ワクチンを販売するグラクソ・スミスクライン広報部は「3回という使い方で承認を受けており、従来通りの使い方でお願いしたい」と話す。
(岡崎明子)
■発生減、6~7割高い効果 ウイルス検査
子宮頸がん検診で、原因となるウイルスへの感染の有無を調べるDNA検査は、従来の細胞をみる検査より、粘膜に広がる子宮頸がん(浸潤がん)になる可能性のある人をより正確に見つけられるとの結果がまとまった。がん発生を減らす効果が6~7割高かった。国際チームが調べた。
これまでの検診は、細胞の形の異常をみる「細胞診」が中心だが、細胞を採る部位により見落としがある。細胞にウイルスのDNAがあるかを調べる「HPV検査」は高価だが見落としがより少ないとされ、広まりつつある。国内では厚生労働省が4月から約200市町村に補助金を出し、試験的に始めた。
国際がん研究機関などの研究チームは、イタリアなど4カ国で細胞診かHPV検査を受けた女性約18万人の調査を分析。最初の検査で異常がなかったのに5年半以内に子宮頸部の浸潤がんが見つかる頻度は、細胞診では10万人当たり36人が、HPV検査は同8・7人。HPV検査の方ががんになる人を正確に見つけ、進行を防いでいた。チームはHPV検査の実施間隔は5年でいいと結論づけた。細胞診は日本では2年間隔で実施されている。論文は英医学誌ランセットに発表された。
(大岩ゆり)
◆キーワード
<子宮頸がん> 主にヒトパピローマウイルス(HPV)への感染で起こる。年間約1万人が新たに診断され、約3千人が亡くなる。20~30代の女性で増えている。がんを起こすHPVは約15種類。ワクチンはその一部の感染を防ぐが、3~4割のがんは防げず、接種後も検診が必要。