友愛労働歴史館の解説員便り

当館は2009年8月で一時休館いたしました。しかし資料の収集・研究、PR活動等は継続します。再開は2012年8月1日!

二つの「福沢諭吉」展を見て思うこと!

2009-01-16 14:57:46 | Weblog
■「未来をひらく福沢諭吉」展・東京国立博物館
 去る1月10日、東京国立博物館(東京・上野)で開かれた「未来をひらく福沢諭吉」展を見学してきました。これは慶應義塾の創立一五〇年を記念した展覧会で、各種資料で思想家、教育者・福沢諭吉(1835~1901)の紹介・展示を行っています。
 展覧会は一部から七部の構成で、主なものは第二部「かたりあう人間(じんかん)ー独立した個人と個人の交際によって、はじめて社会は生まれるー」、第三部「ふかめゆく知徳ー独立自尊ー」、第四部「きりひらく実業ー一身の独立を支える経済的自立、一国の独立のための実業の発展ー」等等。
 展覧会は幕末明治の激動の時代を生きた「異端と先導」の思想家・福沢諭吉の思想・活動について幅広く紹介していますが、伝えていないものもあります。それは一時期、福沢諭吉が積極的に支援したユニテリアン・ミッションとの関係です。
●「福沢諭吉と友愛会の精神」展・友愛労働歴史館
 この福沢諭吉とユニテリアン・ミッションとの関係について解説しているのが、当館の常設展「友愛会・総同盟を中心とする日本の労働運動(戦前)-福沢諭吉と友愛会の精神」展です。
 常設展は「友愛会を源流とする戦前期の日本の労働運動」を基本テーマとしていますが、常設展の度に特別テーマを設定し、その解説を行っています。今回の特別テーマは「福沢諭吉と友愛会の精神」で、これは昨年八月一日に行われた土屋博政慶大教授の講演「ユニテリアン主義と友愛会の精神」を読み解き、再発信しているものです。
 この常設展で、なぜ福沢はユニテリアン・ミッションを支援したのか、福沢の「独立自尊」に友愛会創設者・鈴木文治がいかに共感していたかを解説しています。一度、ご覧になってください。
                                    以上